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夢見ることができればそれは実現できる
ウォルト・ディズニー
いちですおはようございます
このポッドキャストは僕が毎週お送りしているニュースレター
steam ニュースの音声版です
steam ニュースでは科学、技術、工学、アート、数学に関する話題をお届けしています
steam ニュースはsteamboatのりくみーのご協力でお送りしています
このエピソードから冒頭にsteam な言葉をご紹介することにしてみました
steam な言葉については概要欄からリンクをたどっていただくと大変嬉しいです
このエピソードでご紹介したのはアニメ映画のパイオニアウォルト・ディズニーのsteam な言葉でした
さてsteam.fm エピソード112ではチーズの話、チーズ革命についてお届けします
このエピソードは2023年1月8日に収録しています
ブリストル大学のリチャード・エバーシェット博士は人類のチーズ作りが7000年前に遡ることを発見しました
チーズは動物の乳を加工したもので、乳そのものよりも軽く腐りにくく消化しやすいものです
エバーシェットはポーランドから出土した土器へんを調べ、大量の乳脂肪分を発見しました
この土器は凝固した乳、すなわちカードから水分を抜くために使われたと考えられるそうです
この地域、この時代ですと牛、羊は家畜化されていないため、チーズ作りにはヤギの乳、ヤギミルクが使われたと考えられます
エバーシェットは別論文でチーズ作りを第二の食料生産革命と呼んでいます
チーズが作られるようになって貴重な家畜を食べてしまう必要がなくなったということなんですね
なお現存する最古のチーズはなんと3200年前のもので、エジプトのサッカラから出土したものです
もちろん食べることはできないそうなんですけれどもね
エジプトのサッカラというと、エジプト最高のピラミッド、ジョセル王のピラミッドというね、階段状のピラミッドがある場所ですね
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僕たちもそのジョセル王のピラミッドを含めて何回か調査で訪れている場所です
そこからね、チーズそのものが出土したというのは驚きですね
最初期のチーズがどのように作られたかは分かっていないんですが
可能性として考えられるのはヤギの第4位から分泌されるレンネットという酵素がヤギの乳に混ざって偶然できたケースなんですね
で、ヤギを含む動物の胃袋を両端を縛って水筒にしたんじゃないかと
おそらくそんな水筒にヤギチチ、ヤギミルクを入れておいたところ、偶然チーズができてしまったんではないかというふうに考えられるわけですね
実際ヨーロッパでは1960年代までは牛やヤギの第4位からレンネットを取り出してチーズを作っていました
現在では微生物が作る微生物レンネットという代用品が用いられています
また数は少ないのですが酢やレモン果汁を牛乳に加えて作るチーズもあります
これらをまとめて植物性レンネットと呼びます
伝れてしまってはいますが、古代ギリシャ、古代ローマでは植物性レンネットを使ったチーズも食べられていたようなんです
もしご自宅に牛乳とレモンがありましたら植物性レンネットのチーズを作ることができます
僕も作ってみたんですけれども美味しかったですよ
メールでお送りしているニュースレターにはその作り方のウェブサイトへのリンクも貼っていますので、よかったら見ていただければなと思います
リンクした先ではこの植物性レンネットを使ったチーズ、牛乳とレモン果汁を混ぜるチーズなんですけれども
こちらをカッテージチーズという風に紹介されていました
ただ本来のカッテージチーズとは別物なんですが、見た目であるとか食感が似ているのでカッテージチーズの括りということになったんでしょうね
というわけで牛乳とレモンを混ぜるとチーズになってしまうので、紅茶にはどちらか片方しか入れないんですね
ミルクティー、レモンティーはあってもミルク&レモンティーというのは基本ないわけです
ただし紅茶に含まれるポリフェノールは歯を汚すので、ポリフェノールの影響を除去するためにレモンティーにも一滴ミルクを入れるという方いらっしゃいます
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そもそも少し凝固したミルクティーが好きという方もいらっしゃるんですね
こちらもメールでお送りしているニュースレターにリンクを貼っているのですが、ロンドンフォグという紅茶の飲み方があるそうです
気になる方は試してみてください。これはレモンティーに牛乳を結構加えるものなんですが、ふわふわっとした食感になっているようです
ところで昨年まで僕たちはオランダ、長崎、京都をつないだオンライン飲み会を毎月実施してきました
オランダとはご縁が長くて、パンデミック前は時々訪問もしていました
オランダのスーパーマーケットに行くとチーズの豊富さに驚かされます
ゴーダチーズやエダムチーズが有名ですね。ゴーダもエダムも生産地の村の名前です
どちらも牛乳から作られるチーズですね。オランダ産のチーズを懐かしんだのは僕だけではないようです
17世紀のフランス国王ルイ14世。政策によって輸入制限がかけられたエダムチーズに変わる国産チーズを求めました
その結果生まれたのがフランス産チーズ、ミモレットです
ミモレットは風味付けのためチーズダニが植え付けられています
ダニと言っても真ダニではなく非吸血性で、つまり血を吸うダニではないんですね
食べても安全なんだそうなんですがアメリカ食品医薬品局FDAはこのチーズに生きたダニが付いているという理由で
2013年から一時的に輸入をさし止めました
アメリカ人の中にはミモレットを懐かしむ人もいたようで
ここらへん歴史は繰り返さないが、因を踏むというアメリカのことわざ通りになったんでしょうかね
現在はですねミモレットアメリカも輸入を再開しているそうです
ホランダの友人にホランダにはチーズが色々あっていいねと伝えたことがあるんですね
そうすると彼は日本には豆腐があるじゃないかと返してきたんです
考えてみれば確かにどちらもタンパク質源なので
どちらかがあればいいのかもしれないですね
東アジア原産の大豆と日本に特徴的な軟水の組み合わせを考えると
確かに豆腐の方が日本のフードには合ってるんでしょう
日本でも平安時代まではチーズに似た「ソ」が作られていたのですが、廃れてしまいました
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タイミングだけ見ると豆腐とソはクロスフェードしているのでひょっとしたら
日本では食肉規比と相まって豆腐がソを置き換えていったのかもしれません
チーズがどのようにして親戚時代のポーランドから古代ギリシャへと伝えられたのかは不明なのですが
古代ギリシャ人たちもチーズが大好きだったようでチーズの神様を祀っています
その神様とはアリスタイオス ギリシャ語で最も素晴らしい
最も便利な、を意味する名前の通り チーズ作りをはじめ役に立つ知識を人間に与えた神とされています
チーズ好きは古代ローマ人にも受け継がれ やがてローマがヨーロッパを支配すると
それに伴ってチーズ作りも伝えられていきました とりわけルイ14世の時代にチーズの国産化を進めたフランスは
1日1種類ずつチーズを食べても全種類食べるのに1年以上かかるとされています
イギリスの首相ウィンストンチャーチルはドイツ占領下のフランスを指して 300種ものチーズを作ることのできる国は決して死なないとフランスを勇気づけました
食の多様性は統治の難しさを表す一方 国家としてのレジリエンス
強靭さにつながるのかもしれません 日本も例えばお雑煮が100種類以上あるそうですから
レジリエントな国かもしれませんね このエピソードではそんなチーズにまつわるお話をお届けしました
メールでお送りしているニュースレタースティムニュースの方では今週の書籍そして今週のテッドトークもお届けしています
今週の書籍はですねチーズや麻酒のとろける推理というですね 新しめのラノベをご紹介しています
ラノベはちょっととかですね 古いラノベだったらいいんだけれども最近のわーっていう方もですね
これあの推理小説としても面白く読めるので まあよかったら手に取って見られてはいかがでしょうか
もちろんねえっと僕がご紹介している書籍ほとんどがあの電子版がありまして 今回ご紹介しているチーズや麻酒のとろける推理も電子版がありますので
まあkindle reader とかでね読んでいただけたらなぁと思います 今週のテッドトークはカミラアルンダルアンデルセン
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物を味わうと脳に何が起きるかというね トークをご紹介していますこれもねとても面白いです
味覚ってねまだまだそのサイエンティフィックにも分かってないことがあるんだなぁ ということを
知ることができます有名な話でうまみというね 味覚はこれ日本人が発見して英語でもうまみというふうに言うのですが
まあこれに加えていくつかね新しい味覚というのがあるんじゃないかというね 紹介もされています
さて番組後半では地図の話を離れて身の回りの話をしていこうかなと思っています この steam.fm も2023年に入りまして
bgm を変えてみました ただ番組の長さは25分で変えずにお届けしていきます
前回エピソード111をお届けしたのが2022年の12月26日だったので 年が明けたわけになるのですが加えてですね僕誕生日も
超えまして一つ年を取りました 年末は疲れを癒そうかなと思って温泉に行ってきました
幸いですね僕の住む長崎にはいい温泉がたくさんあるので近くでいいお湯が出るという のでねたっぷり使ってきました
年が明けて 1月2日から家の近くの長崎県美術館がオープンしていたので
まあ僕ねあの年間パス持っているのでいつでも行けるんですがここで ピカソ展を見に行ってきましたイスラエルからね
きたピカソの作品たちすごくたくさんね珍しい作品もたくさんあって で
まず見ていったんですが美術館て僕はの魂の病院っていうふうに呼んでるんですね 怪我をしたりとか病気をしたりとかいうとまあ病院ホスピタルに行くわけなんです
けれども 心を癒すのが僕は美術館であったりとか
まあ音楽のコンサートなんかもねそうだと思うんですがそれも芸術の一つの力だ と思っていますだったよくよく考えてみると
アーティストの方が病気なんですよね アーティストって要は俺を見てくれて病気にかかっているわけじゃないですか
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だから見に行く人がドクターなんですよね ながちょっと矛盾しているような気もするんですが
ただまあまあ僕の場合はまあ同病相憐むなのかもしれませんね なんかこう
美術館に行くと 心が
なんかこうヒールしていくっていうね感じを受けます でこのポッドキャストをまあだいたい毎週
木曜日金曜日にお届けしているのですがまぁ今週 お正月挟んだこともあって少しね遅く1月8日日曜日に配信をさせていただいて
いるんですがこれ何があったかというとその 長崎県美術館で
シンポジウムがあって僕登壇することになっていました あーというかしてきたんですがその準備とかもあってですね
結構 慌ただしかったんですね目標金保日があの
配信遅れてごめんなさいというね言い訳でもありました
そうそうチーズについてちょっと言い忘れたことあったかなと思ってまぁ今思いつく 範囲で
追加でねお話をしておこうかなと思います エピソードの中で日本にね特徴的な軟水
柔らかい水 そして大豆これは東アジア原産でという話をねさせていただいたんですが
なぜチーズがフェードアウトしていて豆腐がフェードインしていったのかっていうのを 考えると
一つには日本でチーズ作っても あのヨーロッパほど美味しくならない
まあその味覚がねヨーロッパ人と日本人とで間違ってのあるんでしょうけれどもやっぱり チーズってある程度高塩分が入ってないと美味しくならない気がするんですよねこれ
日本人の味覚からしても で日本の水ってあの日本ってこう山勝で
雨が多いので必然的に難水になるんですね 水がすぐねあの
川へ流れてきますからあまりこっち中のミネラルを含むチャンスがないまま 流れていってしまうので
古来から日本人が利用できるまみずっていうのは難水なんですよね この部分にはあの香水よりもやっぱり飲みやすいし美味しいと思います
お茶なんかもね入れるの難水で入れると美味しいですよね でそれからこれは日本にとっては逆に残念なことなんですが
塩分っていうのをだから日本では作りにくいんですね 日本って海に囲まれていて海岸線も長いので
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塩作りなんてできるでしょうと思われるかもしれないんですがよく考えてみると塩の 名産地てやっぱり何箇所かありますよね
で名産地があるっていうことはそういうところに塩作りが集中していて 塩作りで通してもねビーチが必要になるので
日本でこうビーチってめちゃくちゃ多くはないわけですよね 人工的に作られたビーチっていうのはもちろん
観光地なんかではありますけれども江戸時代ぐらいまで 明治もそうですねその塩作りのために使われたビーチっていうのはそんなに多くない
ので だから日本人っていうのは
塩をね集めることが地理的に難しかったわけですよね でチーズ作りまあバターなんかもそうなんでしょうけれども
塩がないとまあそもそも固めるということも難しいし味もあんまり良くない ということで
チーズっていうのはもし作ることができていても ヨーロッパほどには美味しくできなかったんじゃないかなとも
思いますで一方ですねこの大豆なんですけれどもこれがですねまぁ植物としては もうチートで
まあ現在でこそね日本は大豆をまあほぼいうにまあほぼというと言い過ぎかも しれませんがでもほぼでしょうね
輸入に頼っている状況なんですけれどももともとはあの国産で賄っていた わけですね
でこれ東アジア原産で大豆と大豆っていうのは植物にしてはもうチート級にタンパク質を 持っていることと
それからですね 麹カビというねこれがまた日本には限らないんですが東アジア特有のカビがこの大豆タンパク
を分解していっても醤油を作ったりであるとか味噌作ったりであるとか いろんなね活用ができたということもあって
だから 巻き込めんそれから土着の生物の環境なんか考えてもやはり地図よりも豆腐が
美味しくできるというね環境にあったんじゃないかなと思うんですね 長崎それから佐賀では豆腐といっても5豆腐というね
大豆を絞った豆乳を身刈りではなくて クズで固めるというね美味しいお豆腐もあります
ぜひね 佐賀長崎まもし温泉に行くよという方いらっしゃったら5豆腐も一緒に試してみてはね
いかがでしょうか
いやー 僕ね誕生日迎えて50になったんですが
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まさかね自分が50になると思ってなかったですね 僕はの毎年お正月は長崎の孔子廟というね学問の神様孔子を祀った
神社っていうんですかねまあ孔子廟にお参りをするのですが 孔子の言葉に50にして天命を知る
というのがねあるのですが 天命
全然知ってないですごめんなさいっていう感じです メールで送りしているニュースレタースティムニュースではですね過去の恥ずかしい
体験なんかも 今回の112号では告白をしていて
まあ今回はというか毎回かもしれないんですけれどもね 112号ではですね
q & a のコーナーでですねまぁこんなご質問に回答しています お酒を飲むと表現する人に出会い驚いた経験はありますかというね
ご質問なんですが 僕はある夜
一人でお酒飲みながらツイッター見てたことがあるんですね なぜかその夜一人ですいすいお酒飲んじゃって途中で寝落ちしてしまったんですけれども
次の朝ですねツイッターにめちゃくちゃメンションついてたんですよ で読んでいくと
戦場カメラマンより面白いですね 笑いました
もっと聞かせてくださいみたいな好意的な反応だったのが救いではあったんですが 最初何が起こったのって思ったんですねで発見したんですそのスクロールしていって戻って戻って戻って
みると僕はお酒を飲みながら自分がいかにドMかということですね 言葉を尽くして実例をいちいち上げてツイッターで説明してたんです
びっくりしました これ僕って思いました
いやもうそれ50なったらちょっと酒飲んでツイッターはしちゃいかんなと思った これ僕の天命なんですかね全然天命じゃないですよね
孔子はですね「始終にして惑わず」っていう風におっしゃってるんですが もう40代終わってもまだ
惑う日々は続いています まあそんな姿もお見せし続けるのも
まあこういう年寄りの役割なのかなぁと思って発信をね続けていくことにしようと思います 最後まで聞いてくださってありがとうございました
今年1年が皆さんにとっても良い1年でありますように steam.fm の一でした
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♪ Time's up, sorry for the burden It's looking like what you wanted it And I don't see the end in sight
♪ Done enough, is the earth still turning Would it be deserving if you sent us away Are we just a parasite?
♪ Maybe we should all light up I can't see the night sky
♪ Oh why don't we just leave this world alone
♪ Can't keep waiting 'til the next morn I try to say it's time but you don't move
♪ You take and you take and you break and you break