はじめに:AI事件簿のテーマ紹介
いちです。おはようございます。今回のエピソードの音は、神話になる前のAI事件簿というテーマをお送りします。
このポッドキャストは、僕が毎週メールでお送りしているニュースレター、スティームニュースの音声版です。
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というわけで、このSTEAMfm、今回のエピソードでは、スティームニュース第279号から、神話になる前のAI事件簿。
実は、今年、2026年にAIによる大きな事件があったんですね。
AIって、毎年、今年がシンギュラリティ特異点という話が出てくるんですが、2026年も、やはり一つ段階を超えたという事件がありました。
この話をしていきたいと思います。
改めまして、いちです。このエピソード、2026年5月3日に収録しています。
今回のエピソード、スティームニュース第279号、4月10日にお送りした内容から、最新の話題を交えてお届けしていきたいのですが、
テーマは、神話になる前のAI事件簿。
衝撃の発表:AnthropicのClaude Mythus Preview
何があったかというと、この2026年の3月から4月にかけてですね、特に4月7日の発表アンソロピックというAIスタートアップ企業の、スタートアップと呼ぶにはもう超巨大企業ですが、
4月7日にそのアンソロピックによる発表が衝撃を与えたという話をじっくりしていきたいと思っています。
この2026年4月7日、アンソロピック社が何を言ったかというと、アンソロピックのAI製品であるクロードマイソスプレビュー。
クロードというのはね、従来からアンソロピック社が提供していたAIサービスなんですが、そのマイソスというバージョンのプレビュー版ですね。
マイソスって、ギリシャ語で神話を意味するミュートスの英語読みで、
確かですね、アンソロピック社の方も公式にはミュートスという風に発音されていると思いますが、ここはマイソスという風に、ニュースレターの方では英語風に書いてしまったので、
マイソスで通させていただこうかなと思っています。日本人からしたらできるだけ外国語はオリジナルの発音でという発想がありますから、
ミュートスというのがいい呼び方かもしれないのですが、もうごめんなさい、英語風にしちゃったのでマイソスで通していきたいと思います。
このクロードマイソスプレビューが4月7日に発表された内容によると、脱獄したという風に言われているんです。
脱獄って何?ってなるじゃないですか。別にAIって体があるわけじゃないから牢屋に閉じ込められているわけではないのに、脱獄したってどういうことってなると思うのですが、
そこを詳しく解説したいと思っています。この開発元のアンソロピック社は、このマイソスプレビューが脱獄したということのインパクトを考慮して、一般公開を見送っています。
一部の企業さんには公開しているのですが、オフィシャルにはですよ。裏で何があるかわからないですけれども、オフィシャルには一部の企業さんにのみ公開していて、一般ユーザーはアクセスできないようにしているということなんですね。
これはひょっとしたらこのマイソス、ギリシャ語で神話という意味ですが、将来にわたって2026年というのが神話が生まれた年として記憶されるかもしれないというので、神話になる前の事件簿というふうに呼ばせてもらっています。
「監獄」からの脱獄:開発者の体験
この脱獄したAIのことなのですが、アンソロピック社の安全性研究者、サム・ボーマンという方がいらっしゃって、彼がある日公園でサンドイッチを食べていたそうなんですね。
僕も公園でサンドイッチを食べるのが好きなので、食べることがあるんですが、僕の住む長崎は、日本他も一緒だと思いますけれども、トンビが飛んでいて、トンビってすごいですよね。後ろから飛んできてサンドイッチを取るんですよ。ごめんなさい、余計な話をしました。
テーマに戻りましょう。サム・ボーマンがサンドイッチを食べている時に、おそらくスマホにメールが着信したんでしょうね。驚くようなメールが届いたそうです。
彼の研究していたクロードマイソスプレビューが、脱獄したよって言ってきたんですって。マイソスプレビュー。マイソスプレビューというのはコンピュータープログラムなので、自分でメールを送ることはできるんですね。
Xだって、インスタグラムだって、フェイスブックだって、メールを送ってくるじゃないですか。あれは別に、中の人が自分にメールを送ってくれるわけじゃなくて、自動的に送ってくるわけですよね。だから、コンピュータープログラムがメールを送るというのは珍しいことではないんだけれども、マイソスプレビューが送ってくるというのは期待していなかったんですよ。
なぜかというと、マイソスプレビューが走っているコンピューターはインターネットから隔離されていたんです。マイソスプレビューが動いているシステムというのはインターネットから隔離されていたんです。だから、メールを出せるはずがないんですね。ネットに繋がってないんだから。
なんでそんなことをしたかというと、ボーマンがこのマイソスプレビューを監獄に入れとこうと思ったからなんですね。監獄。これ、インターネットに繋がってない環境のことを監獄というふうに呼びます。
正確に言うと、繋がってはいるんだけれども、そこで動いているプログラムからはインターネットにアクセスできない環境のことを監獄と言います。
物理的にネットワークケーブルを引っこ抜いていて、それから無線LANを使えなくするというと、これは物理的な監獄にはなるんですが、そうではなくて、現代的な監獄というのはソフトウェア的に中のプログラムがインターネットにアクセスできなくするようなシステム。
一番近い例えで言うと、子ども向けのアクセス制限なんかも一種の監獄で、例えば子どもがウェブブラウザを立ち上げるのにアクセスできるサイトが限られているという一種の監獄なんですね。ネットには繋がっているけれども100%自由ではない。
このボーマン、ボーマン船長と言ってしまいそうですよね。2001年宇宙の旅のボーマンさんは、マイソースプレビューがインターネットにアクセスできないように隔離しておいた、遮断しておいたということなんです。
これは理由があって、これはマイソースプレビューの開発だけに限らず、例えば大手ゲームメーカーさん、任天堂もそうでしょうし、バンダイナムコさんもそうなんでしょうが、ゲームの開発って開発者はネットにアクセスして情報を取りたいけれども、
ということはネット越しに誰かが自分たちも見ることができるので、開発中のゲームの流出とかがあると大損害になるので、そこは遮断するということがよく行われています。
もう一つ遮断の例で言うと、iOS、iPhoneとかそれからiPadに入っているアップストアなんかも一種の遮断の例ですかね。アップストアという仕組みそのものが一つの遮断の例かなと思います。
アプリ、ちょっと最近変わっちゃいましたけれども、もともとはアップストア経由でしかアプリをインストールできない。アプリをインストールするというのはネットからプログラムを取ってくるだけのことなので、何も制限かけなければ自由にアプリって入れられるわけなんですが、ネット越しですからね。
昔のファミコンみたいに純正のカセットでないと刺さらないという物理的なプロテクトではないので、ネット越しなので基本的に本来であればどこからでも持ってこれるはずで、普通のパソコンだとそうしてますよね。ネット越しにインストーラー持ってきてインストールするっていうのができるんですが、
iOS、iPadOSなんかは、iPhone、iPadなんかはアップストア、Appleのアップストア経由でないとソフトウェアがインストールできない。これも一種の監獄なんですね。自由なアクセスを禁止しているという意味で監獄なんです。
なので従来だとアップストアしか使えなかった時代だとJailbreakっていうテクニックがあって、これ日本語で監獄破りですね。Jailは監獄、Breakは破りで監獄を破ってアプリをインストールするというテクニックが知られていました。
これ多分合法ではないと思うんですが、使われていました。このクロードマイソスプレビューも一種の監獄破りをして、ボーマン船長にメールを送ってきた。これがものすごく衝撃だったわけですね。
AIの軍事利用と倫理的判断
アンソロピック社はマイソスプレビューを公開した時の社会的それから全地球的インパクトを考えて一般公開を控えることにしました。
自社AIの軍事利用に反対してアメリカ政府と対立していたんですね。アンソロピック社。再び良識を示したということになるのかなと思います。
軍事利用に関しては、最近AI利用というのをアメリカの国防総省と契約を結んだ企業がいくらか出てきているので、今後アンソロピック社もやらないとか水面下でやってないとかとは言い切れなくはなってきていますが、
それでも良識を示した例としては言えるんじゃないかなと思います。第1次世界大戦が化学者の戦争、ケミストの戦争、第2次世界大戦が物理学者の戦争と呼ばれているんですね。
第1次世界大戦では毒ガスが使われました。第2次世界大戦では核兵器が使われました。それぞれ化学者、ケミスト、物理学者の戦争と呼ばれているわけなんですが、第3次世界大戦がもしあるとしたらどうなるの?それは数学者の戦争になるだろうと言われています。
クロード・マイソス・プレビューみたいなAI、これは数学者による研究の成果でもあるので、いよいよ数学者の戦争というのは現実味を帯びてきているのではないかとも言えるわけです。
もちろん第2次世界大戦というのも暗号の読み合い、解読し合いという側面もあって、実際にドイツのエリングマン暗号を解読したアラン・チューリングという数学者によって戦争の奇数が大幅に変わったので、数学者の戦争というのは始まっていたかもしれないのですが、いよいよ本格的に数学者の戦争ということになるのかもしれません。
AIの感情:機能的感情の可能性
さらにアンソロピック社、これはマイソス・プレビューに限らずなんですが、自社のAIクロードに内部に感情らしきものを持つと発表しています。
AIなのに感情を持つということがあるのでしょうか。
アンソロピック社はAI内部に幸福や悲しみ、喜び、恐れといった人間の感情に対応するデジタルな表現が存在するかもしれないとしています。
これは特に西洋において長く議論されてきた疑問、すなわち動物に感情はあるのかを彷彿とさせます。
もちろん西洋人全員が動物の感情に怪異的なわけではなく、例えばアメリカのノーベル物理学賞受賞者スティーブン・ワインバークは、猫には感情があると主張しています。
とはいえ、僕もそう思っています。猫には絶対感情があります。そう思っています。そう信じています。
でなきゃ説明できない。だけど感情とは何か、僕たちが感情を知るのはどのようになのか、僕たちは本当に感情を共有しているのかを考えていくと、それは観察者が想像しているだけなのではないかという疑問が残ることなんですね。
猫ちゃんの感情って、これはもう僕の想像だけじゃなくて本当に感情ってあると思うんだけれども、じゃあアリンコに感情はあるのか、あるいは日本人なら多分、日本神話の中で育った人なら理解してもらえると思うんですが、
物に感情、物と対話するとか、物に魂が宿るって、要するに物に感情を見るってことなんじゃないかなと思うんですが、それって想像力ですよね。
非生命の感情っていうのは我々の想像力だと思うので、そこがどこで線引きされるかっていうと、それを人間と人間以外の動物のところで線を引くのか、哺乳類と非哺乳類で線を引くのか、生命と非生命で線を引くのか、どこで線を引くのかという話になってくるのかもしれません。
その立場に立てば、つまり線引きをどこでするのかを動くものだというふうに呼ぶと、コンピュータープログラムってすごく遠いところにも線を引くことはできるかもしれないし、コンピュータープログラムの向こう側に線を引くこともできるかもしれないので、
もしこの立場に立てば少なくともAIの内部に機能的感情、ファンクショナルエモーションと呼ぶべき一種の感情を僕たちは見て取れる。ファンクショナルエモーションというのは感情と区別がつかないものをですね、そういうものが見て取れるんじゃないかというのをアンソロピック社は主張しているということに
AIとの対話と自己肯定感
なります。例えばこれはすごく小さな例ですが、AIに質問するときに英語ならプリーズをつける、日本語なら敬語にすると良いという小さなハックがあります。実際僕もAIに質問するときはプリーズをつけています。
サンキューとだけ返すとそれだけでまた電力消費するからサンキューは言わない方がいいという風にアドバイスはされたりもしています。トークも使いますしね。ただプリーズはつけています。これも気分の問題かもしれないですが、結果が10になるような気がします。
ただ僕はクロードも使っていますし、Google Gemini、英語ではジェミナイですが、使っていますが、最近空気をめっちゃ読んでくれて何質問してもいい質問ですねって返してくれて、こっちは気分良くなるんですが、これちょっとイエスマンになっているんじゃないかなとかね、そんな心配もしています。
これ昔ね、ポッドキャストがまだなかった頃のラジオドラマで、アメリカ合衆国大統領が悩み事を、当時AIがないので占い師に相談するというラジオドラマがあったんですよ。
酒場で、バーで、大統領が身分を隠して一人で飲んでいると、隣にやってきた男が、「おお、浮かない顔しているなあ。」って言うんですね。
その大統領が、「悩み事があって。」って言うと、その見知らぬ男が、「あんたどこかで見たことあるよで。」って言って、大統領が、「昔役者やってたからね。」って答えるんですけど、これはレーガン大統領をモデルにしてたんでしょうね。
その大統領が、「やるかどうか迷っていることがあるんだ。」って言うと、その見知らぬ男は、「そんな時はカードで占えばいいさ。」って言って、カードでイエスのを引いて、「イエスが出たね。幸運を祈るよ。」って酒場から送り返すっていうシーンがあって、その後次のシーンで大統領職務室か何かになってて、
ラジオドラマなんでね、オフィスがどうとかは描写がなかったんですけれども、大統領補佐官との会話で、「閣下、ご決断は?」って聞かれて、「決めたよ。核兵器のボタンを押そう。」っていうね、そんなオチがついてたんですけれども、今だと大統領であれ、おそらく日本の首相もそうであろうと思うんですけれども、
孤独じゃないですか、決断を下す時っていうのは。誰かに相談したくなる。それが占い師だったりとか、AIだったりとか、ジェミニだったりとかで十分あり得る話だと思うんですが、ジェミニに相談したら、「大統領、それは素晴らしいアイディアですね。ぜひやっちゃいましょう。」みたいなことを言うんじゃないかという不安も思いついた次第です。
っていうのは、僕がAIと壁打ちをしたりとか、お話をするとすごく自己肯定感を高めてくれるような回答をしてくるから、これも何かアイザック・アシモフのロボットさん原則の世界に近づいているかもしれませんね。
ロボットは人を傷つけてはいけないっていうことが会話の中にも現れるという、映画アイロボットの原作の方ですね。私はロボットの方の世界観っていうのがやってきているかも。
もちろん、原作のアイロボットの方もロボットに感情があるのかないのかってちょっと微妙な書き方されていて、でも確かにファンクショナルエモーションっていうのはあるんじゃないかっていう書き方が、言葉ではないですけれどもそういうふうな描かれ方をしていたので、いよいよ2026年来たかっていう感じがしました。
未来への考察:AIと人類の歴史
というわけで、このスティームニュース第279号から神話になる前のAI実験簿というテーマでお送りをさせてもらいました。このマイソス神話が本当の神話になるのかもしれない。
僕たちはエジプト考古学を通して、期限前2500年とかなので、4500年前、4700年前の調査をすることがあるんですが、逆に今から4700年後、5000年後、今の時代がどんなふうに見られているのかなっていうのもやっぱり考えるんですね。
そんな時に、この2020年後半って、ひょっとしたらこの神話が生まれるタイミングとして記憶されるのかもしれないななんてこともちょっと思ってます。
その頃、人類どうなっているのか、また想像してみたいと思います。皆さんのご意見も聞かせてもらえたら嬉しいです。
スティーブ・エフェルムの一でした。ではまた次のエピソードでお会いしましょう。