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市ですおはようございます このポッドキャストは僕が毎週お送りしているニュースレター
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改めまして市ですこのエピソードは2022年の3月2日に収録しています このエピソードではスティームニュースのバックナンバー第6号から
スタンカーメンが手にした天と力の贈り物をお届けいたします
先日エジプト考古学者の河合ゆきのり先生のオンライン講義を受講しました という書き出しで僕のニュースレター第6号ちょうど1年前のニュースレター始まっているんですけれども
実はですね偶然なんですがこのエピソードを収録する3日前にも エジプト考古学者の河合ゆきのり先生のオンライン講義を受けました
いやー古代エジプト面白いですよね古代エジプトといえばやはり第18王朝の少年王 スタンカーメンでしょうか
スタンカーメンはねあの英語ではテュテュアンクアムンという風に呼びますのでまぁスタンカーメン というのは日本語読みなんですがあのもう定着しているのでスタンカーメンで統一させていただきます
スタンカーメンの黄金のマスクの輝き もう皆さん映像であるとか写真であるとかで見たこと終わりだと思いますひょっとしたら
本物をねご覧になったよという方もねいらっしゃるかもしれません このスタンカーメンに関して2016年に大きな発見がありました
彼と一緒に埋葬されていた探検が 隕石から作られていたことがわかったんです
このスタンカーメンの探検は科学的に言えば鉄とニッケルという金属の合金でできていました
スタンカーメンがファラオつまり古代エジプトの王に在位したのは紀元前1333年頃から 紀元前1324年頃とされています
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この頃現在のトルコのアジア部分にあたるアナトリアのヒッタイト人たちだけが鋼を作る技術を持っていました
鋼は英語ではスティール、日本語ではスチールとも言います 鋼とは鉄
アイアンに少しの炭素カーボンを溶かしたもので 自然の鉄に比べると硬く割れにくく
しかも加工しやすいものでした 他の地域の人々は鉄を手に入れることはできてもそこから鋼を作ることができなかったんです
しかし例外が一つだけありました 良質な鉄合金を偶然手に入れられたら話は別なんですね
ではどこで良質な鉄合金を手に入れられたのか ここで宇宙に浮かぶ地球を思い浮かべてください
どんなイメージでしょうか 水の惑星でしょうか大気に覆われた星でしょうか
宇宙スケールで見ると地球はトロトロに溶けた鉄の雫なんですね 表面には鉄よりも軽い物質が浮かんでいて冷えて固まっています
その表面に薄く海水が乗っていて少しだけ空気がトッピングされている まあそんな感じのイメージしていただくとこれがですね一番地球のイメージに近いです
というわけで地球のコアを掘り出すことができれば良質な鉄を手に入れることができるかもしれません
火山は地球の内部から溶けた雫が吹き出している場所なのですが 地上で手に入る鉄の雫つまり溶岩は
残念ながら不純物が多すぎるんですね というわけで我々が唯一手に入れられる天然の良質な鉄合金これはどこから来るかというと他の星のコアなんです
地球じゃなくて他の星からやってくるコア、星の中身なんですね 宇宙に浮かぶ惑星や小惑星
これらが何らかの理由で砕け散ったもの つまり星屑が地球の重力につかまって地上に落ちてくることがあります
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これが流れ星ですね 地上にたどり着いた流れ星を我々は隕石と呼びます
隕石の中でも特に多く鉄を含むものを 隕鉄というふうに呼びます
隕鉄は鉄の他にニッケルもよく含んでいるんですね 鉄ニッケル合金は鋼のように優れた性質を持つのですが
地上で見つかるもの、天然に見つかるものは隕石由来のもの以外になく また人工的に作ることも難しかったんです。まして起源前には人工的に作る方法がなかったんですね
現在でも鉄ニッケル合金は生産のハードルが結構高いんです なおかつですね現在でも鉄ニッケル合金は兵器の素材としての需要が高い
戦略物質であるために 日本でも輸出貿易管理令のもとに厳格な輸出管理下に置かれているんですね
なので地上で鉄ニッケル合金が偶然見つかるということはまず考えられないですし ましてコツタンカーメンの時代人類はまだ鉄ニッケル合金を作る技術がなかったので
その探検だがに鉄ニッケル合金が使われていたということはこれはすなわち 天から降ってきた隕石、隕鉄を使っていたということになるわけですね
まさにツタンカーメン天からの贈り物を持っていたということになります
ではツタンカーメンのマスクの方はどうでしょうか マスクの映像を思い浮かべてみてください
黄金、ゴールドですねゴールドで作られていて他に青の部分 青はラピスラズリという石が使われています
他にですね、写真を見ていただくと気づかれると思うんですけれども 赤、黒、青緑なんかも使われています
赤はカーネリアン、黒は黒曜石、青緑はターコイズ なんかが使われています
このエピソードではその中でも一番目立つゴールド、金についてお話をしていこうと思います
金は人の目に美しく錆びることがなく加工しやすいために 世界中で美術工芸品としてまた富の象徴として
また貨幣としても用いられてきました 古代エジプト語では金は「Nub」と呼ばれていました
古代エジプト人たちは金を「Nubの地」という意味の「Nubia」から手に入れていました
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Nubiaというのは現在のエジプト南部からスーダンにかけての地域です この金は地球に含まれていた金属で自然金として算出します
金は錆びないのでキラキラしたままの姿で出てくるんですね
金もまた星の爆発から生み出されたものなんです 鉄と同じように鉄も星の爆発から生まれるんですけれども金も星の爆発から生まれています
ただ金は鉄と違って化学反応をほぼ起こさないことから 比較的ピュアな状態で地上に
残っています 比較的というのは銀と金が混ざっているということはよくあるんです
ただ金を他の金属と混ぜる技術これは人類は割と早くから持っていたので後でご紹介したいと思います
金に少し別の金属を混ぜることで色をつけることができるんです
スタンカーメンのマスクの金、黄金、ゴールドこれはヌビアの地から手に入れた ヌビアの地面から手に入れたつまり力の贈り物ということになりますね
つまりスタンカーメンは天からの贈り物である 鉄、ニッケル、合金それから力の贈り物である金を
つけていたということになります ところで金は地上に20万トン弱しかないことがわかっています
金は1立方メートルあたりおよそ20トンの重さがありますから 地上の金は1万立方メートル弱しかないということになります
どのくらいの量かというとオリンピック公式50mプールで4杯分 4杯より少し少ないぐらいということになるんですね
たったのプール4杯っていう感じですよね まあそれは奪い合いになるかなと思います
最近のニュースで確かその半分が装飾用に使われているというようなネヘニュースが あったように思うんですけれども実際どうだったのかちょっと僕も自信がありません
話は変わるんですが僕金属アレルギー持ちなんです まあ20代の頃ですねなんかこのチャラいシルバーアクセサリー身につけてたんですよね今思うと
も恥ずかしい過去なんですけれども なんかねドクロの指輪とかにしてたんですね
まあアクセサリーてまぁ安物って個室が悪くてまぁそれが原因であの金属アレルギーをね 持つようになったのかもしれないなぁと思ってるんですが
あの金黄金ゴールドこれは化学反応をほとんどしないので 純金の場合は肌に触れてもあの化学反応を起こさないしその溶け出すこともないので
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アレルギーの芸になることはまずないんです ただし純金て子24金ですね大変に柔らかくてそのままだと装飾品にはならないんです
もう柔らかすぎて そこで金ゴールドに他の金属を
混ぜるんですこれ割り金と言います割り金というね他の金属を混ぜて合金にするん ですね
このようにしてできた金の合金のことカラーゴールドと言います スタンカーメンのマスクも実はこのカラーゴールドなんですね
これはあの柔らかさの調整というよりおそらく色合いの調整のために他の金属 割り金として混ぜたんじゃないかなと思います
でですねこの金ゴールドはアレルギーを起こさないんですがこの割り金の方がアレルギー の原因になることがあるんですね
というわけでまぁ僕のように金属アレルギーを持ちの方のためにここで少し豆知識 として金属アレルギーを起こしにくい
金属 それからまあそれを使ったゴールドのアクセサリーのね
呼び方をご紹介したいと思います結論先に言うとですねカラーゴールドの大半は金属 アレルギーの原因になりうると言われています
カラーゴールドの中で一番有名なのがイエローゴールドというものですね あの
黄金って書くとピュアゴールドの場合とイエローゴールドの場合と両方あるので 黄金っていうのがねどっちになるのかっていうのはあの文脈によって切り替えないといけ
ないんですけれどもイエローゴールドという場合には基本 あのこの割り金をした合金のことを指しますこれ金と銀と銅を混ぜたものです
金銀と混ぜちゃった 銀と銅が金属アレルギーの原因になることがありますこれ銀と銅はね金と違って
こう溶け出すのでアレルギーの原因になることがあるんですね グリーンゴールドというゴールドがありますカラーゴールドですねこれ
日本語では青金と書くんですけれどもグリーンゴールドの方が通っていると思います 金と銀を混ぜたものです
銀が金属アレルギーの原因と なるのでこれは結構ダメかもしれない僕はダメだと思います
金と銅を混ぜたものこれはレッドゴールドになります こちらもですね銅が金属アレルギーの
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原因となることがあります 金と銅の他にパラジウムを少し混ぜたものはピンクゴールドといってまぁ少しね
優しい色合いになりますピンクゴールドもね 人気のある
カラーゴールドですよね 金にニッケルまたはパラジウムを混ぜたものはホワイトゴールドというふうに呼ばれ
ます これあのホワイトゴールドを日本語に直訳して白金て書くと白い金って書くと
これね
プラチナと別の金属になってしまいますのでホワイトゴールドは白金と訳しちゃダメ です
ホワイトゴールドはホワイトゴールドで混ぜているのは金にニッケルまたはパラジウム なんですが他の種類何種類か例えば銀を混ぜたりすることもあるようです
でニッケルパラジウムとも結構有名なねあのアレルギー物質なんだそうです 時計のねあの
バンドなんかにまあ国産のシチズンとかセイコーとかカシオとか見ていただくとあれ 他にメーカー言い忘れたのありますかね
ニッケルフリーっていうねバンドで書いてあるのが海外のものだとあんまりね書いて ないんですけれども
あの国産の時計メーカーの金属バンド見るとニッケルフリーって書いてあるのが多いかな と思いますこちらもね
あの金属アレルギー対策ですね 他にですねまだちょっと珍しいかなと思うんですがパープルゴールドという
割り金をした金もありますこちらはですね金とアルミニウムを混ぜたものです アルミニウムは比較的金属アレルギーを起こしにくいと言われているんですが
パープルゴールドってあんまり見かけないですよね いやまあ僕全然その宝飾品とかですね
あの時計とかあんまり詳しくないのであのちょっといい加減なこと言ってるかもしれないんですがパープルゴールド
ネットではね見たことあるんですけれども実物は見たことないので どんな色味なのかなってちょっとわかんないです
でまあアレルギーは起こしにくいとされています さらに珍しいのがブルーゴールドじゃないかなと思いますこちらはですね金に鉄を混ぜたものです
鉄も比較的金属アレルギーを起こしにくいと言われているんですが ブルーゴールドもまだ一般的とは言えないので
どのぐらいねあのアレルギーが出るのかどうかっていうのはねなんとも言えないです というわけでカラーゴールドはねまあ今一般的なものは結構
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アレルギー出るかもしれないです 白金プラチナなんですけれどもプラチナ単体はあのほとんど価格反応を起こさないために単体であれば
あのピュアプラチナピュア白金であれば あの
アレルギーというのはね出にくいと思うんですけれども 白金もね硬さ調整のためにパラジウムを加えるんですよ
通常はでこれはの色は変わらなくてあの 銀色のままなんですけれどもこのパラジウムが金属アレルギーの原因というふうにね
言われているのでまあ白金も ちょっと怪しいかなと思っています
金属のお話の最後にこれまで何度か登場したニッケルについてお話をしたいと思います ニッケルあのツタンカーメンの探検
これ鉄とニッケルの合金でしたねこのニッケルなんですけれども ニッケルという言葉の語源これはドイツ語のクプファーニッケルです
意味は悪魔の道
クプファーニッケルのクプファーというのはあの道のことなんですねあの英語でカッパー ですね
道のことですでこのニッケルっていうのは英語でもあのニックっていうとあの 悪魔っていう意味にもなるんですけれども
悪魔の道でこれなぜ悪魔の道かっていうと 道とニッケルって同じ場所から出てくるんですね
でこの掘ってる人は道が欲しかったのになんか ニッケルが出てきちゃったまあ当時はねニッケルという名前ないですけれども
なんか道と似たなんかちょっと違う 金属が出てきちゃったでこれどうとしては使えない
もう困ったこれはきっと悪魔が俺たちに起こした偽物の道だ これは悪魔の道
クプファーニッケルだということでクプファーニッケル 略してニッケルになったんですねまぁニッケル悪魔の方が残ったんですね
ところがですねニッケルは現代社会では絶対に欠かせない金属になっています まあ先ほど申し上げたホワイトゴールドの他にもホワイトゴールドっていうのは金と
銀とニッケルの合金でした 他に
銅とニッケルの合金これは白銅というふうに言います 50円硬貨100円硬貨それから初代の500円硬貨
アメリカの5000と高価にも使われています 白銅は銀に似ていながらサビに強いために高価に適しているんですねまぁコイン向きの
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銀色のコイン向けの金属としては大変優れているんですが あの鉄ニッケル合金て結構大事だというかの国家の戦略物質だという話をね冒頭に
させていただいたと思うんですけれどもこのニッケル これ
コインとして流通させておくとまいざ戦争の時にコインを国が回収して 溶かしてニッケルを分離して鉄ニッケル合金の生産に回せるんですねこれは
頭いいですよね だってコインて外国に流出しないじゃないですか
だけど金属として持っておくのって無駄ですよね でだからニッケル国家備蓄としてのニッケルはコインとして流通させてるんです
こういうふうにしてね在庫抱えるって賢いなぁと僕は思いますね
悪魔を語源に持つ金属が鉄と共に今や国家を支えているわけですね あの明治の日本とか鉄は国家なりいいというような標語でね
鉄の生産に力を入れていたんですけれども今や鉄とニッケルが国家を支えている もちろんその金というのはあの経済にとって重要な金属ですから
装飾だけじゃなくてね経済支えるためにも金の備蓄というものも必要になってきます けれども
今のようにこう 戦争になったりする場合には
実用面では鉄とニッケルというのがね絶対に手放せない金属になってきますこれは スタンカーメンが持っていた剣と同じなんです
当時はね宇宙からやってくる鉄ニッケル合金しか手に入れる方法がなかったんですが 現在ではニッケルと鉄
それぞれ備蓄してニッケルの方は銅と混ぜてコインとして国内流通させているというような ことになります
金属の歴史ってね本当面白いんですよ まさに錬金術なんかまさにそうですねその金以外の金属から金を作ろうとした技術
アルケミーこれが現在の化学化け学を支えていたりします この錬金術師アルケミストたちの発明の中にはアランビックという蒸留機ですね
これ現在のお酒蒸留酒を作る技術なんかもねこのアルケミストたちが発明をしています こんなお話をねsteam.fmではまたお届けしていこうと思っていますので
気に入ったらチャンネル登録をしていただければと思います 今日も聞いてくださってありがとうございましたまた次回のエピソードでお会いできることを楽しみにしております
一でしたー
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me me
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私たちの勇気がないここに立ち寄るのは何か?
単なる時間だよ
この日が最後だね
私たちの真実はまだ生き残っている
一緒の時間が何時間もかかる
一生懸命頑張る
私たちの真実が今、どこかにある
♪ サヨナラ