テトリスとドミノの共通点
いちです。おはようございます。
今回のエピソードの音は、テトリスとドミノの共通点についてお届けします。
このポッドキャストは、僕が毎週お送りしているニュースレター、
STEAMニュースの音声版です。
STEAMニュースでは、科学、技術、工学、アート、数学に関する話題をお届けしています。
STEAMニュースは、STEAMボート乗り組みのご協力でお送りしています。
改めまして、いちです。
このエピソードは、2024年2月24日に収録しています。
このエピソードでは、STEAMニュース第168号から、
テトリスとドミノの共通点についてお届けをします。
今年、2024年なのですが、コンピューターゲームテトリスが40周年を迎えます。
このテトリスと、それからドミノという、ドミノ倒しで有名なのですが、
もともとは、これは数字をつないでいくゲームでもあったのですが、
そのテトリスとドミノの共通点があります。
テトリスは、ソ連、現ロシア出身のコンピューターエンジニア、
アレクセイ・パジトノフが開発したゲームで、
日本を含む西側社会で大流行したのです。
みなさんももちろん目にしたことがあると思いますし、
ひょっとしたらプレイされたこともあるかもしれません。
テトリスが日本にやってきた1980年代後半というのは、
東西冷戦真っ只中で、このゲームテトリスは、
西側の生産性を下げるための東側による陰謀に違いない、
なんてことまで言われていました。
そんなテトリスは、テトロミノという機関学図形を使ったゲームなんです。
テトリスの画面を思い出していただきたいのですが、
いろんな形が落ちてきますよね。
縦長の通称キリンであるとか、Lの字の形をしたものであるとか、
Tの形をしたものであるとかですね。
こういった形をまとめてテトロミノと言います。
これは正方形を4つつないでできる形の総称なんですね。
機関学では、このなんとかミノという図形がいくつもあります。
テトロミノはその一つなんですね。
機関学では、このミノがつく図形は他にもたくさんあるわけなんですが、
その一つが、一番シンプルなのがドミノという図形なんです。
ド・ミノ。ミノがついていますよね。
そしてこれがなんとかミノの中では一番シンプルな図形なんです。
ドミノというのは正方形を2つくっつけた形。
縦が横の2倍の長さの長方形を思い浮かべていただくと、
それがちょうどドミノという図形になっています。
ドミノというゲームはご存知でしょうか。
ドミノに使われるハイですね。
これドミノ倒しにも使われますが、
もともとはトランプの七並べに似た数字をつないで並べていくゲームに使うハイなんですね。
ドミノハイというふうに呼びますが、
このドミノハイは長方形で2つの数字が書かれています。
プレイヤーはドミノハイの数字同士がくっつくように交互にハイを並べていきます。
最初にハイを機械切ったプレイヤーが勝ちということで、
実は僕がエジプト調査に参加するようになった2000年頃からエジプトで当時大流行していて、
僕たちもエジプト人たちに遊び方を教わって夢中になって遊んだ記憶があります。
今はあまり流行っていないみたいなんですけれどもね。
このドミノという形に注目すると、これは正方形を2つつないだ長方形でした。
ゲームテトリスに使われる図形テトロミノというのは、
今テトリスのコマ、コマって言うんですかね。
ブロックを想像してほしいんですが、これは正方形を4つつないだものでした。
これをテトロミノというわけでしたね。
正方形を2つくっつけるのがドミノ、正方形を4つつなぐのがテトロミノ。
ドミノのドはギリシャ語のニを表すデュオから来ています。
テトロミノのテトロはギリシャ語でヨンを表すタッタレスあるいはタッタラから来ています。
このように正方形をいくつもつなげた図形のことをポリオミノというふうに呼びます。
ポリはギリシャ語でたくさんを意味する言葉です。
ポリネシアという地名がありますが、ポリたくさん、ネシア、シマ、これたくさんのシマという意味ですね。
おさらいすると、正方形をいくつかつないで作った図形、これをポリオミノと呼ぶのでした。
ポリオミノのうち正方形2つで作る図形をドミノ、正方形4つで作る図形をテトロミノと呼ぶのでした。
テトリスは開発者によるとこのテトロミノをテニスのように遊ぶからテトリスだったそうなんですね。
ポリオミノとは
テニスはちょっと言い過ぎな気がしますが、まともかくゲームとしては楽しいことには違いがありません。
正方形をくっつけた図形、ポリオミノの種類は無数にあります。
有名なものはドミノ、テトロミノのほかに、正方形を3個つなげたトロミノ、正方形を5個つなげたペントミノがあります。
トロミノのトロはギリシャ語のサンを意味するトレースあるいはトリアで、ペントミノのペントはギリシャ語のゴを意味するペンテから来ています。
それぞれどんな図形かというのを言葉でお話しするのは若干難しいのですが、想像してみてください。
トロミノというのは正方形を3つつないだ形、2種類あります。
縦一直線に正方形を3つ並べた、テトリスでいうとキリンの短いのですね。
そして正方形をL字型に配置したもの、正方形が3つあるのでL字型に配置できますね。
これをトロミノというふうに呼びます。
このキリン型とL字型、キリンというかアルファベットのIですかね。
IとL、これがトロミノの種類です。
気化学では回転させたり裏返したりして一致するものはおおむね同じものと扱うことが多いので、トロミノはこの2種類というふうに数えることが多いです。
一方、ペントミノの方はもう少し複雑になってきます。
こちらは正方形を5つつないでいきますので、これはですね、全部で12種類あります。
ペントミノは1個1個が複雑な形をしています。
アルファベットに例えると、もちろんIとかLとかもあるのですが、他にTだったりUだったりWだったりXだったりSだったり、いろんな形があるんですね。
そしてこのペントミノを1種類ずつ使って正方形を作ることができるんです。
これを利用したペントミノパズルというものが昔からあります。
これね、Amazonとかでペントミノパズルで検索してもらうと出てきます。
これね、結構難しいんですよね。
もともとテトリスも最初はペントミノを使った落ち物ゲームを作ろうとしていたそうなんですが、これは少し人間には難しすぎるということで、テトロミノを使ったゲームに落ち着いたそうです。
もしね、ペントミノのままゲームが作られていたら、名前もテトリスではなくてどうなったんでしょうね。
テントリスとかになったんでしょうかね。
あんまり流行らなさそうな名前だったので、テトロミノを使って大正解でした。
メールで送りしているニュースレター、Steamニュースの方では、このポリオミノそれぞれですね。
ドミノ、そしてトロミノ、テトロミノ、ペントミノの図形をグラフィックでご紹介しているのですが、
そのニュースレターの最後で、ポリオミノというかですね、ドミノの名前の由来をご紹介しています。
ポリオミノの名前の由来は、すでにお話しした通り、ポリとオミノに分かれるわけですね。
オミノがどこから来たのかというと、ドミノという言葉が最初にあって、それをドとミノに分けたわけですね。
数学者はこのドをギリシャ語のニだと思って、ドとミノに分けたのですが、実はもともとイチ語でドミノ、
これはラテン語のドミヌスから来た古い英語なんですね。
ドミヌス、もともとは家であるとかご主人様という意味なんですが、
現代の英語でいうとドミナントというような意味に近いんじゃないかなと思うんですが、
そのドミヌスから来たドミノ、これ何の意味だったかというと、
テトロミノとペントミノ
仮面舞踏会を想像してください。目だけ隠すマスクがありますよね。
目の部分だけ鼻が開いていて、輪郭、おでことか鼻の上を隠すマスク。
これをドミノ、あるいはドミノマスクと呼んだそうなんですね。
ご主人様が仮面舞踏会に行ってつけるマスクなんでしょうかね。
長方形で目の部分にそれぞれ穴が開いている。
長方形で目が2つということで、これがドミノに使われる範囲に
よく形が似ているからかどうかというのはちょっとよくわからなかったんですが、
オクスフォードイングリッシュディクショナリーという権威ある英語辞書には
そのような説明がされていました。
というわけで、メールでお送りしているニュースレタースティームニュースでは
このドミノマスクの写真、結構イケメンのモデルさんの写真を借りして
掲載もしています。
ドミノに見えなくはないかなというのがお分かりいただけるんじゃないかなと思います。
というわけで、このエピソードでは、テトリスの元になったテトロミノ
そしてドミノという図形の共通点をお届けしました。
どちらも科学的にはポリオミノという正方形をつなぎ合わせた図形でした。
数学者というのは図形を頭の中で回転させたり平行移動したりして
重なるかどうか考えるわけですね。まさに頭の中でテトリスをしているわけですね。
数学をテニスに例える数学者もいらっしゃるんですが、
その意味ではテトロミノによるテニス、テトリスというのは
とても数学的な響きだったのかもしれませんし、
その思考様式というものがすごく数学者の考え方に近いものなのかもしれません。
そんなことを考えながらエピソードを収録させていただきました。
メールでお送りしているニュースレター、スティーブニュースでは
毎週今週の書籍、今週のペットトークというご紹介を
一つずつ入れさせていただいているのですが、
今週というかスティーブニュース第168号では
書籍の代わりに今週の映画をご紹介させていただいています。
今週の映画としてご紹介させていただいたのが
ジョン・S・ベアード監督のテトリスという映画です。
こちらはApple TV Plus限定配信となってしまうのですが、
ご覧になれる方はぜひ楽しんでいただければと思います。
主題歌も我々世代にはもぐっと来るものがあるのですが、
ベースになった本があります。その本は
テトリス・エフェクトといって日本語訳が出ています。
こちらも読んでみると面白いかなと思います。
というわけで、このエピソードも最後まで聞いてくださってありがとうございました。
ご視聴ありがとうございました。
ご視聴ありがとうございました。