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いちです。おはようございます。
今回のエピソードでは、今年アメリカで素数ゼミが大発生という話題についてお届けします。
このポッドキャストは、僕が毎週お送りしているニュースレター、STEAMニュースの音声版です。
STEAMニュースでは、科学、技術、工学、アート、数学に関する話題をお届けしています。
STEAMニュースは、STEAMボートの取り組みのご協力でお送りしています。
改めまして、いちです。このエピソードは、2024年2月14日に収録しています。
今日はね、バレンタインデーなんですけれども、一人でポッドキャストを収録しています。
このエピソードでは、STEAMニュース第167号から221年に一度、
今年アメリカで素数ゼミが大発生という話題についてお届けをしていきます。
今週もどうぞ18分間お付き合いください。
日本のセミは毎年発生します。
セミはご存知の通り、地中で2年から7年を過ごし、地上に出てきて寿命を迎えます。
日本はセミの種類が多く、また毎年発生しますが、北米大陸では真逆なんです。
セミの種類は少なく、またセミが発生しない年も結構あるんですね。
というか、北米のほとんどの種は13年周期または17年周期を持つ周期ゼミなんです。
周期ゼミは発生年の違いによって、ブルード1という種類からブルード30という種類にまで分かれています。
ブルード1あるいはブルード1からブルード17あるいはブルード17までが17年周期で、ブルード18からブルード30までが13年周期を持ちます。
例えばブルード1という種類の周期ゼミは1995年と2012年に大発生し、次は2029年と考えられています。
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ブルード2のセミは1996年と2013年に大発生し、次は2030年と言われています。
周期ゼミがいつから周期性を持っていたのか、またいつから人々が周期に気付いていたのかは不明なのですが、
特にブルード2の記録は古く、18世紀にアメリカ建国の父トーマス・ジェファーソンが記録に残しているほどです。
なお13年周期のゼミと17年周期のゼミは生息地域が分かれているのですが、重なっている地域もあるようです。
この地域は何か大変そうな気がするのですが、実は13年周期と17年周期は同じ年にスタートしたとすると、次に出会うのは221年後になります。
人安心ですね。
これらのゼミたちの発生周期は13年と17年でした。
13と17、それぞれ素数なんです。素数の素は味の素の素。数は数という字ですね。素数というのは素敵の数であったり質素の素と同じ感じなのですが、
素数は決して素敵な訳でも質素な訳でもなく、これはまさに味の素の素と同じ数の素なんです。
素数とは1と自分自身以外で割り切れない自然数のことです。
例えば3は1と3以外では割り切れないので素数です。
しかし4は1でも2でも4でも割り切れるので素数ではありません。
別の見方をすると、3は1かける3でしかありえないのに対して、4は1かける4でも2かける2でもよい訳です。
だから3は素数だけれども、4は素数ではないということになります。
すべての自然数は素数か、あるいは素数かける素数かける素数というふうに素数のかけ算で作ることができるのです。
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だから素数は数のもとなんですね。
さて、セミたちが素数周期を持つとどのような利点があるのでしょうか。
素数は自分自身以外では割り切れないので、2つの素数周期が出会うには長い時間がかかるのです。
例えば2年周期のセミと4年周期のセミがいたとして、同じ年にスタートすると2年おきに発生が重なります。
4が2で割り切れるからです。
もっと大きな数字だとどうでしょう。
例えば12年周期のセミと18年周期のセミならばどうでしょうか。
両者は36年に一度発生が重なります。
36年目に12年周期のセミが3回目の、18年周期のセミが2回目の発生を迎えてしまうのです。
このように大量発生が重なってしまうと生存に不利になることが考えられます。
そこでできるだけ周期の重ならないセミたちが有利になります。
その結果、北米で生き残ったのが13年周期と17年周期だったということなんでしょうね。
2つの周期が重なるのは221年目になります。
13年周期ゼミの17回目。
17年周期ゼミの13回目に初めて重なるんです。
周期が13、17と素数なのでこれらのセミは素数ゼミと呼ばれるようになりました。
なんだかとても数学的なセミたちですね。
アメリカのセミたちの発生が13年あるいは17年という長い周期を持つことはわかりました。
しかしあるセミの集団、例えばブルード1が発生した翌年、次の年に別のセミの集団、
ここではブルード2が発生するのならば、毎年セミが発生することになってしまいますよね。
実はアメリカ、北米大陸では地域ごとにセミの集団が異なります。
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つまりある地域では本当に17年周期でしかセミが発生しないんです。
もちろんアメリカ全体で見れば、ほぼ毎年いずれかの集団が発生しているためにセミの発生しない年というのは滅多にないことになります。
ちょっとここでコメントなのですが、実際にはですね、絶滅したセミの集団が結構いるので、
北米大陸でセミが全く発生しない年というのも、統計上はあります。
話し元に戻しますと、この17年周期のセミと13年周期のセミ、これ基本地域は分かれているんですけれども、
実は重なる箇所があるんです。結構広い範囲で重なっています。
17年周期と13年周期、これは221年に一度重なるわけですね。大量発生することになります。
そしてこのポッドキャストを収録している2024年がその221年目の周期にあたります。
具体的に言うと、ブルード13のセミとブルード19のセミの発生年にあたります。
発生数は文献によると1兆匹とも予測されているのですが、
これがどのぐらいのことなのかというと想像がつかないです。
参考までに2023年に熊本市が行った調査によると、熊本市内で報告のあったセミの数がおよそ7000匹だったそうです。
報告が実数の0.1%程度として、また熊本市が日本の国土のおよそ0.1%程度の面積ですから、
1000倍×1000倍、つまり100万倍が日本にいるとして7000匹の100万倍で70億匹。
大きい方に丸めて100億匹ぐらいでしょうかね。
熊本市は結構失礼かもしれないですが、そこそことかいなので、
日本の国土というのは7割森林ですから、もう少しセミの数は多いだろうと。
10倍と見積もっても1000億匹ぐらいかなという気はするんですね。
これもう僕全くの素人でデタラメの数字を言っているかもしれないので、
ぜひリスナーの皆さんにコメントを寄せていただければと思うんですが、
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ともかくこの2024年、221年ぶりにアメリカで1兆匹のセミが生まれるんじゃないかということは、
想像を絶する数だということになるんじゃないでしょうかね。
さて、ブルードによって発生年が違うように、周期は同じでもスタートが違うということは、
自然科学でも工学でもよく見られる現象なんです。
このようなスタート違いを科学者やエンジニアたちは、位相が違う、またはフェーズがずれているというふうに呼びます。
ブルード1とブルード2は周波数は同じ17年だけれども、
位相が1年ずれている、フェーズが1年ずれているというふうに表現をします。
ところでギタリストがよく使うフェイザーという音響エフェクター、
これ弦音の位相、つまりフェーズをずらしてミックスする装置なんですね。
ちょっとこれから試してみましょう。
はい、というわけで今僕の声にフェイザーをかけています。
フェイザーというのは位相、つまりフェーズをずらしてミックスするエフェクターでした。
こんなふうにね、声にうなりが入るものこのフェーズをずらす効果です。
なんかラジオドラマで聞く宇宙人の声みたいになっていましたね。
ただね、フェイザーというのはこういった特殊効果を演出するだけではなくて、
音楽で例えばギター、エレキギターですね、であるとかピアノに使うと非常に効果的なエフェクトをかけることができます。
有名な例で言うとロックバンドクイーンのキラークイーンという曲、
これはかなり古い曲なんですが非常に効果的に使われています。
youtube とかにもあるのでキラークイーンで検索してみてもらうと、
いろんなパートにこのフェイザーがかかっていて、どんな効果があるのか感じていただけるんじゃないかと思います。
こんなところにね、生物学、工学、そしてアートの接点があるというのは面白いことなんじゃないかなというふうに思います。
というわけでね、このエピソードではアメリカで今年2024年大発生する予定の素数ゼミ、周期ゼミにこと寄せて、
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素数の話、そして周期と位相の話をさせていただきました。
素数というのはね、英語ではプライムナンバーと呼ぶわけなんですが、
プライムというのは第一のという意味ですね。
テレビのプライムタイムという言葉はもちろんプレミアであるとか、
イタリアンの第一の皿、プリモなんかにも名前を残しています。
それだけね、重要な数、プライムナンバーということなんですが、
この素数、プライムナンバーについてはまた改めてエピソードを収録したいと思っていますので、
ぜひね、お楽しみになさってください。
改めてですね、このエピソードは2024年2月14日に収録しているのですが、
2月といえば、僕の住む長崎では旧正月にあたります。
旧正月というのは旧暦、大印暦において正月にあたる月なんですね。
というわけで、SteamFMのリスナーの皆さん、明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いをいたします。
このポッドキャストのお会いのお相手はSteamFMのいちでした。
このポッドキャストのお相手はSteamFMのいちでした。
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それではお会いをお楽しみください。
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