ストックオプションの導入支援
スタートアップ税務AtoZ、今日もお願いします。
今日はストックオプションのテーマで、
税制指定企画SOは実はアリなんじゃないか説に気づいたので、緊急で録音しています。
私は今とあるスタートアップのストックオプションの導入の支援をしています。
どのようなストックオプションのスキムで発行したらいいかということを、
数字で権利行使価格がどうなるかとか、そのケースでは税額がどうなるかということをシミュレーションして示して、導入の支援を行っています。
イメージとしては、この会社さんは創業者が100%の普通株式を持っていて、他の方は株式を持っていない状況です。
そして3年後、5年後でM&Aのエグジットを考えており、M&Aを達成するときにはストックオプションを権利行使して、
従業員や外部協力者の方に今までの報いを株式売却益としてあげたいというふうに考えているようなケースになります。
ストックオプションは2割ぐらいトータルで発行するというようなドラフトになっています。
普通、ストックオプションでいくと税制的価格SOが前提となって検討が始まりますし、
私も税制的価格SOを使えるのであれば、極力それを使っていく方針が正しいというふうに思っていました。
だけど、今日は税制非的価格SOが熱いと思ったので収録しています。
税制的価格SOの売りとしては、1つは課税の繰り述べができる点と、
税率を抑えられる点にあります。
課税を繰り述べられる点では、権利行使時点で課税されるのではなく、
株式上等したタイミングで課税しようという点が繰り述べの話です。
そして、税率を抑えられるという点は、繰り述べと関連するんですけれども、
権利行使時での総合課税がされないので、総合課税での税率を回避することができ、
株式売却時に課税されるので、分離課税として、
税率は住民税を除くと所得税が15%という税率に固定でき、
総合課税は最大45%まであるので、その点で税率で有利というふうに考えているという点にあります。
通常は税制的確が有利になるんですけれども、
この課税の繰り述べと税率の有利さがなくなるとき、
実は税制非的確SOがそもそも末院じゃないかという話になります。
まず課税の繰り述べの点なんですけれども、
これは権利行使ができる期間から株式上等が実現するまでの期間が一定期間長い方が
繰り述べ効果が起きるわけなんですけれども、
M&Aグジットを想定しているスキームにおいては、
権利行使を行うタイミングと株式売却を行うタイミングが同じ年度であることが通常だと考えられます。
なので課税を繰り述べする必要はないという点が出てきます。
そうすると税制的確でもらえる課税の繰り述べというポイントが強みが消えていくわけですね。
そして税率の点なんですけれども、
税制的確SOは株式上等時に課税されるので税率が所得税で15%になるんですけれども、
もし税制的確SOで権利行使時に総合課税される税率がその15%よりも低い状態であるのであれば、
この税率のメリットも実はデメリットになってしまい、
税制的確SOの方が強いという風になります。
これは状況によるんですよね。
税制非的価格SOの可能性
税率は税制的確のSOの税率は総合課税で決まるので、
私たちメンバーの方々がどのくらいの売却益が出るか、
厳密には権利行使時の差分なんですけれども、
どれくらいのものが出そうかという金額によって税率が変わるので、
シミュレーションしてみてようやく見えてくるということになります。
総合課税の20%というものは、
20%という税率がかけられる所得の水準は、
330万円から690万円、694万円までという風に即算表というもので決まっています。
なので、330万円から694万円までの売却益、
それくらいの所得を渡したいなという風に考えている場合は20%になるので、
15%になる税制的確の方が有利だよねという風になるという感じですね。
だけど、330万円よりそれよりも小さい所得を渡したいと考える場合は、
税制的確が税率上で有利になります。
税制的確SOの最大の強みは、権利行使価格が自由で決められる。
一番安い金額では1円で決めてもいいという点が最大の利点にあるかなという風に思います。
税制的確SOでは要件があるんですけれども、
権利行使価格は発行する法人の発行時点の税務上の時価より大きくいけないという縛りがあるので、
権利行使価格は自由じゃないんですよね。
だけど、税制的確SOは自由に決めることができるので、
仮に渡したいと思う所得に対する総合課税での税率が15%より高かったとしても、
権利行使価格を1円までいじくることができるので、
渡すことができる所得をさらに多くすることで、
税率は上がるっちゃ上がる可能性もあるんだけれども、
手取りを見ながら権利行使価格を決定できるみたいな、
シミュレーションして決めていけるみたいな自由度があるんですよね。
今回、ストックオプションの導入支援をしていて、
シミュレーションを複数に、10人以上の方のシミュレーションを行うことを今回もやってみえてきたんですよね。
話をまとめますと、
税制的価格SOがもちろん最も有利な発行の方法であるという大前提があって、
皆さんその頭で考えているということがありますし、
政府ハーバールールが出て騒がれたように、
やっぱり税制的価格SOは使えるに越したことがないということの印象がさらに強まったんですけれども、
税制的価格SOは課税のタイミングを繰り述べるという効果と、
課税する税率を所得税では15%で固定しているという強みがあるわけなんですね。
ただ、M&Aのように権利行使価格と株式譲渡がすごく短い期間で行われる、同年度で行われる場合では、
繰り述べということを考えなくていいし、
あと税率がそもそも15%よりも低いケースもあるし、
仮に15%以上、総合課税での即算表では10%の次は20%なので、
15%より大きい税率ということは20%以上ということになるんですけれども、
その20%以上の税率であっても、権利行使価格を自由に決められると、
税制否定価格SOの場合は決められるので、そっちの方でコントロールして、
この税率が高くなることでの手取りが減ってしまうことを補うみたいな自由度があるので、
場合によっては最強ですよということに初めて気づいたので、
シェアしたいなと思って、今回お話しさせていただきました。
最近スタートアップ税務と言いながらも、ストックオプションの話とか株式を動かす話がずっと続いているんですけれども、
やっぱり私はこういうところですね、株式とか資本の相談が多いので、
これを話したいというふうに毎回思うわけですよね。
なので自分の強みかなと思ってまして、引き続きウルトラニッチではあると思うんですけれども、
自分が知っていることとかホットなことは共有していきたいと思うので、
どんどん話していければいいなというふうに思います。
本日は、税制否定企画SOは実はアリなんじゃないか説でした。ありがとうございました。