スタートアップが学生を雇用する際の”壁”(給与の各種上限額)について解説しました。給与所得控除や社会保険加入の基準となる壁など、インターン生の雇用形態(アルバイト or 業務委託)の選択も踏まえながら、実務的なポイントをお話します。
▼トピック
・扶養から外れ課税される103万円の壁
・所得税の源泉徴収がなされる106万円の壁
・社会保険への加入が必要な130万円の壁
・51人以上の企業における社会保険加入基準と学生特例
・アルバイトor雇用形態の切り替えを検討するポイント
▼番組概要
税理士・公認会計士であり、『NFTの会計税務』著者であるスタートアップ会計の畠山謙人が、起業家からの税務会計ファイナンスに関する素朴な疑問に答えることで、スタートアップ経営の土台づくりを支援する番組です。
▼番組へのお便り
ご感想やトークテーマのリクエストなどお待ちしております!https://forms.gle/tsJdnqJTcZcUYFUe8
▼パーソナリティ
・畠山謙人(税理士・公認会計士)
・稲荷田和也(StartPods)
サマリー
スタートアップ企業における学生インターン生の雇用について、103万円、106万円、130万円という収入の壁が重要なポイントとして取り上げられています。これらの壁が所得税や社会保険料にどのように影響を与えるかが解説され、インターン生を雇う際の注意点が示されています。学生インターン生を雇う際の社会保険や税金に関する混乱が取り上げられ、とくに103万円、106万円、130万円の壁を越える場合の手続きや雇用形態の選択が重要なテーマです。
学生雇用の基礎知識
スタートアップ税務AtoZ、スタートアップフレンドリーな税理士、公認会計士の畠山さんへ、
税務会計に関する素朴な疑問、企業家目線で今気になる話題を投げかけることで、企業前後のファイナンスの土台作りを支援する番組です。
こんにちは、スタートポッツの稲荷田です。畠山さん、よろしくお願いいたします。
こんにちは、会計士税理士の畠山です。よろしくお願いします。
前回のテーマは、企業家特例を扱わせていただきまして、
それはIPOして株式を一気に売却した方はもちろんセカンダリだとか、
会部式を一部譲渡した方だったりだとか、あるいは株式を投資して売却益が出て、
もう一周チャレンジしたいよという方だったり、
それが例えば今のタイミングじゃなくても、いずれそういうタイミングって別の方も来るかなというふうに思いますので、
皆さんに届けられると刺さる人には刺さる内容だったんじゃないかなと思っておりまして、
教えていただきましてありがとうございました。
もし知らなかったとか勉強になったみたいな反響があったら嬉しいなと思います。
畠山さんもそれはアイディアとしてありつつ、まだ実現されたことは例としては少ないということもございましたので、
一緒にチャレンジする方がいらっしゃいましたら、ぜひお声掛けいただきたいですね。
そうですね、まだまだ件数が少ないので。
ありがとうございます。
本日お聞きしたいのが、学生を雇用する際の注意点についてというところでございまして、
これやはり畠山さん全部会計のプロということですので、
そこのあたりですね、お金の話だったりだとか、雇用の形態の話も少し関わるかなというふうに思いますけれども、
このあたりポイントとなるのが、インターン生をアルバイトとして雇用するのか、
あるいはその業務委託として発注をするのかみたいな話だったり、
あとはこれは自分が学生の際とかも気にしたりもしましたけれども、
収入何百万円の壁みたいなやつが、いわゆるいくつかのグレードと言いますか、
ランクであると思っているんですけれども、あれってやっぱり聞くものの、
ちょっとよくまだわからないままだなというところと、
当時は自分が壊れないように気をつけるみたいな話でしたけれども、
今、雇用する側になったりだとか、実際にスタートアップの企業家さんでも、
学生さんに手伝っていただいている企業さん多いかなというふうに思いますので、
このあたりのポイントをまとめていきたいなというふうに思っております。
なので早速なんですけれども、基本的には所得税だったり社会保険料が関わる話なのかなというふうには思いつつ、
抑えるべきポイントというのを教えていただけますでしょうか。
そうですね。今日は皆さん聞いたことがある、
103万円、106万円、130万円という壁についてで、
対象はインターン生などでスタートアップを手伝ってくださっている学生さんがどうなるかということについて、
103万円と106万円の壁
よく質問があるので取り扱ってみようと思います。
壁が3つあるんですよね。
1つ目が103万円の壁ということになってまして、
ちなみに収入が103万円ですね。
もし学生のインターン生の方に対して雇用でアルバイトとして払っている場合は給料として払うんですけれども、
その給料の年収ですね、学生さんにとっては103万円だし、
もし業務委託として払って本人は事業所得とか雑所得でやる場合は、
売上が103万円というようなイメージですね。
個人事業の場合は変わるので後ほど触れたいと思うんですけれども、
まず売上ベースのイメージで話しているということですね。
給料だけをもらう場合は103万円を超えなければ所得がゼロになるので、
所得税と住民税はかからないということですね。
一番ライトなパターンということですね。
ちなみに103万円から103万円を引くから所得がゼロになるんですけれども、
この内訳は55万円と48万円なんですね。
55万円が給与所得控除という給与の収入から引ける金額が55万円と、
あと税金を確定申告して納めようとする人が基本的に引ける基礎控除というのが48万円あって、
これのトータルが103だから103ばっかり言ってるみたいな。
そういうことなんですね。
103がそのまま一括で引かれてるみたいな話かと思ったら組み合わせだったんですね。
そうですね。
インターン生の方が給与じゃなくて個人事業主だとか雑所得として払うような場合は、
その場合はそれぞれ経費を引いた上でその残った所得に対して基礎控除を引くことになるので、
経費次第という言い方ができます。
個人事業主であればその売上がそのまま収入とは言わなくて、
使った経費でさっぴいたものが収入になるかなということですね。
給与の場合55万円引けるというのは、給与の収入の大きさに応じて引ける額がまた変動していくんですけど、
経費として皆知ってくれてる感じです、55万円。
業務委託で働く学生の子が事業所得とか雑所得で働く時も、
103万円売上があって55万円ぐらいの経費があって、
基礎控除48万円ぐらいあれば所得がゼロになって、
結果所得では住民税がかからなくて、
納税する税金がないということは親御さんの扶養のままでいられるということなんですよね。
これが103万円の壁なので、
私のクライアントでいくとスタートアップをやってらっしゃる側から相談があって、
今インターン生が何人かいるんだけれども、
この子に今これだけすでに払っているだとか、
これからこれだけ払えそうなんだけれども、
親御さんの扶養に入っていて外れると困るとか、そんな感じの相談なんですよね。
その時に払い方をアルバイトの雇用として払うとどうなるのとか、
一方で業務委託として雇って払うとどうなるのとか、そんな相談をよく受けるんですよね。
ここで103万円の壁の話をします。
これは基本的には103万円に収まるような方だったら心配しなくていいけれども、
きっとそれを聞いてこられていらっしゃるということは結構働いてもらっていて、
そういう場合であれば業務委託という形に切り替えて、
経費とかもうまく使っていただきながら、
であればこの扶養の中に収まりようみたいなところを個別で相談させていただきつつ、
という感じで対応されているということですね。
そうですね。経費が多ければ、
業務委託の方が差し引いていける可能性があるわけですね。
例えばですけど、次の106万円の壁というところは、
ついに税額がかかってくるという壁になってまして、
まず月8.8万円以上給与を出す場合は、
所得税を厳選徴収しないといけなくなるんですね。
もうこれ決まりで。
8.8万円の×12が106なんですね。
なのでまず給与を稼ぐ方は、
1年が経って年末調整して実際に収める所得税があるかどうかという話にはなるものの、
給与は一旦厳選徴収で転引されるので、
その厳選徴収する金額が一律で国税庁から出しているような表で決まっていて、
それが8.8なんで、8.8万円を超える給与を出すかどうかみたいな検討をするというか。
8.8を超えてくると厳選徴収しなきゃいけないので、ちょっと手間もかかるし、
明らかからさまに超えているものだったらもう仕方ないかもしれないですけど、
ちょっと際いいところであればちょっとコントロールして、
その中に収めるとかいうことも細かい技ですけどできるということですね。
そうですね。8.7とかっていうことはあるかもしれないですね。そこをケアして。
8.8万円を月で払うとそのインターン生の子の所得税とか住民税の負担が出てくる可能性があって、
ついに年末調整して納めるということになると親御さんの扶養、税金上の扶養が外れるんですね、そこで。
130万円の壁の影響
なので外れていいかどうかをそのインターン生の子の家庭の事情なども踏まえてやっていかないといけないということがあります。
親御さんも関わってきてしまうということですね。
そうですね。同じように社保の壁の話、この後半社保になるんですけれども。
3つ目の壁の話ですね。
この106万円から社保出てくるんですよ、実は。
106でも出てくるんですね。
限定的ではあるんですけれども、106で壁が出てきて、ただし学生であったら関係ないです。
学生は大丈夫なんですね。
はい、学生さんであったら社保が106万円の壁一旦大丈夫なんですけれども、
106万円の壁のイメージは勤めているスタートアップで社保に入っている方が51人以上いる、結構大きいですよね。
そうですね、あまりじゃないかもしれないですね。
ありじゃないですよね。
のような場合は106万円を超えてくると社保に入らないといけなくなるんですね。
なので例えば、結婚されている奥さんとか旦那さんの社保に入っていたんだけれども、
106万円収入が超えて、勤め先のスタートアップが51人以上同じように社保に入っているようなメンバーがいる、
ミドルとかレイター側のスタートアップだと社保に入らないといけなくなってきて、
旦那さんの税金上の扶養からも社保上の扶養からも外れるということが起きます。
次の壁が130万円の壁、これが最後の壁になっていて、
インターン生に関する社会保険問題
これはもう51人社保が入っているようなミドル以降のスタートアップかどうかとかは関係なく、
学生のインターン生でやっても130万円の化石が出てくると社保に入らないといけないというふうになってきますと。
ただ、ややこしいんですけど、勤務しているスタートアップが先ほどの勤務しているスタートアップで51人以上社保に入っているようなミドル以降のスタートアップでなければ、
会社に入れてもらう社会保険ではなくて、自分で入る国民健康保険とか国民年金に入らないといけないというふうなですね。
ちょっとそれは学生さんからしたら結構負担になりますね。
めんどくさいですね。ということになるので、相談を受けるところは不要の範囲内にどうにか収めたいという話を伺いますので、
130万円しか稼がせてあげることができない感じですね、ざっくり。
あとは130万円でも所得の名目を給与上にするか、業務委託として働くか、その違いが出てくるんですけれども、
給与として払う場合は、税金の計算も会社が面倒を見てあげると、年末調整が給与の方の確定申告なんですけれども、会社がやってくれるので面倒を見ますと、
社保に入らないといけなくなるようなケースであっても、会社が入れますと。
なので、ご自身でやらないといけない事務はかなり減るイメージになるんですけれども、業務委託の場合は自分で申告するし、
自分で会社の社会保険とかがないので、自分で国民年金とか国民健康保険に入ったりする必要があるので、
事務が煩雑ですし、本人が理解できるかどうかも難しいと。
そうですね、ちょっと難しいですよね。ややこしいですし。
あるので、どうしたもんかというふうなことを相談を受けて、相談に乗って差し上げるんですけれども、
所得をどんどん渡していってあげるのであれば、所得自体を減らすことはできないじゃないですか。
もう払うっていうことを決まってるようなイメージなんで。
なので、最終的には雇用していく方がいいかなって思いますね。
その手続きが大変なので、学生さん自身がですね。
という感じになりますね。
税金と雇用形態の選択
最終的にここは雇用した方がいいっていうのは、その130万円の中に収めた方がいいっていうことですか?
130万円ってインターネットでバリバリ働くと簡単に超えちゃうかなってイメージがあって、
そうすると、もう税金もかかるし、社保も関わってくる可能性があって、
本人の事務作業が大変になってくると思うんですよね。確定申告するかどうかとかあるので、
そうするともう人事側で面倒を見るっていうことで、
雇用してスタートアップのそういうバックオフィス機能でサポートしていってあげるっていうふうにした方が、
巻き取ってあげる感じですね、スタートアップ側が。
それがいいんじゃないかなっていうふうに思いますね。
これってちなみに、契約の段階からどっちにするかって決める必要があるんですか?
それとも、ちょっとこの人は結構途中から稼働も増えてきて、
だからこそ業務委託に切り替えるみたいなのも年度内だったら間に合うんですか?
そうですね、途中での切り替えはあっていいと思います。
始めも業務を始めてもらう前に契約はするんですよね。
雇用契約なのか業務委託契約なのか結んで、
その後やっぱり本人側の事情も変わったりとかあるじゃないですか、家庭内の。
その望みがなんとか叶えられるように、
雇用から業務委託とか、業務委託から雇用に変わるっていうのは全然やっていいと思うんで、
その後の対応でも可能ですね。
ちょっと超えるか超えないかってタイミングで、ゼリシさんとかに相談もしつつ、
その学生の方にも個人の作業も多少発揮することも考えた上で、
そこを説明した上で切り替えるってことも適宜やっていってってことですね。
でも確かにそれを知らずにというか、
学生さんに何がやらせなきゃいけないかっていうのが分からないまま勝手に切り替えちゃって、
その個人が苦労するって言葉は結構起こり得てしまうんです。
そういう意味で経営者、タルモの最低限の個人知識は抑えておくっていうのは必要そうだなっていうふうに思いました。
そうですね、その通りでして。
ちょうどまたこれもなんで11月頃収録してるかというと、
やっぱり1年の終わりで所得が大体見えてきてであったりだとか、
税務署から年末調整のお知らせの書類一式が届いたりとか、
そういう空気とか気分にさせるシーズンなんですよね。
ちょっと嫌なやつですね。
それでみんな思い出して、相談が増えてきてるというところがあったんで、
扱いたいなと思ったっていうのが背景にあります。
どうせこの時期が来ることが分かってて、
重要度は高いんだけどやっぱり緊急度が低くて先送りにしちゃってて、
そんな感じですね。
でも実はちょっとずつ毎年は食っててみたいなところが意識に生産するタイミングなので、
このシーズンに限らず抑えておくといい内容かなというふうに思いますし、
ぜひ聞いていただいて参考になったなという方は、
感想だったらシェアとかもいただけたらなというふうに思っております。
この番組はスタートアップ会計の畑山さんとスタートポットの稲荷田がお送りいたしました。
トークテーマのリクエストや畑山さんのご相談お便りフォームだったり、
畑山さんのXメッセンジャーまでお気軽にお寄せいただけたらなというふうに思います。
それではまた次の配信でお会いいたしましょう。ありがとうございました。
ありがとうございました。
15:05
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