Startup Now。資金調達を実施したばかりの起業家の人生や、利業を紐解くポッドキャスト、パーソナリティーのジョブ・テイルズ稲荷田です。
同じくパーソナリティーのアニマルスピリッツ中山です。本日は、第24回目の放送となりまして、株式会社Wellness代表取締役の中田 航太郎さんにお越しいただきました。
Wellnessさんは、パーソナライズ予防ケアサービスWellnessを提供されているスタートアップでして、2024年4月にシリーズAラウンドにて2.8億円の資金調達を実施されました。中田さん、よろしくお願いいたします。
はい、Wellness中田です。本日はよろしくお願いいたします。
中田さんとの接点、私稲荷田にございまして、スタートアップフレンドリーの弁護士さんで、カツレンさんというレガリア法律事務所の代表弁護士の方がいらっしゃるんですけれども、その方と以前弁護士だったり、スタートアップ法律をテーマにしたポッドキャストを運営しておりまして、そこに中田さんもご出演いただきました。
その番組ではですね、法規制などが厳しい領域、ヘルスケアでスタートアップすることの中での難しさを語っていただいたんですけれども、今回は当然そのあたりも触れつつ、
どちらかというと中田さんの人生だったり、今調達もされて非常に順調に伸ばされていらっしゃる事業についても紐解いていきたいなと思いまして、お会いさせていただきました。中田さんよろしくお願いします。
よろしくお願いいたします。
まずはご経歴なども含めまして、簡単な自己紹介からお願いできますでしょうか。
ありがとうございます。Wellness代表の中田です。
もともと千葉県出身で父親も医師だったんですけれども、その仕事の都合で子供の頃アメリカピッツバーグというところにいまして、帰ってきてから小中高と過ごして医師になったというところです。
学生時代というかそれより前ですね、4歳ぐらいの頃からお医者さんになろうというのを思いまして、ずっと一緒になろうと思って勉強して医学部に入りまして、
実際に臨床現場を見たときにいろんな課題を感じてですね、やっぱり進行してから皆さん病院に来て命の失われるかどうかみたいな状況になって適切な医療を何とか探すというのが多いんですけれども、
それより早い段階から病気を早く見つけるとか、そもそも病気のリスクを減らすみたいないわゆる予防医療というところの方がより多くの人を助けられるなという思いを持って、
医師としてのキャリアというところをちょっと変えてですね、今のWellnessという会社を創業しましたというところになっております。
4歳から志した夢を叶える方って本当に稀なんじゃないかなと思うんですけれども、何か強い志があられるのかなと思ってました。
どんなご体験があられたのかって伺ってもいいですか。
そうですね。僕、4歳の頃、小児全足で結構入院とかも繰り返してまして、やっぱり相当息苦しくなるんですけれども、
当然、症状を持ってくれるということ自体がすごいことだと思いましたし、掛かりつけの先生と会いに行くのが僕すごく楽しみで、
先生と話していると安心だし、すごく人の人生にプラスの影響を与えられる仕事だなというのを感じて、
先生みたいになるみたいなところからお医者さんを目指し始めたというのがきっかけでして、
この辺りってやっぱり日本人だとなかなか言われてみれば確かにと思うものの、とはいえ自分は大丈夫だろうってどうしても思ってしまう。
それは背後には結局保険でカバーしてもらえるからみたいなのがあるかもしれないですし、健康に対する意識が低いかもしれないというのがあるんですけれども、
今ウェルネスさんの事業をされていらっしゃって、どんな方だと健康に前向きに取り組まれていらっしゃって、ユーザーさんになっていただいているかとか、そのあたりとかってどんな感じでしょうか。
いくつかの観点があるかなと思ってまして、まず一つは終わりを意識している人っていうのは結構あるかなと思っていまして、
人の人生って有限で、今どんなに医療最強のものを受けたとしても、基本的に不死を実現した人っていないと思っているんですね。
いつか自分の人生が終わると考えれば考えるほど、いかにその質を良くするかっていうところに目が行くと思っていまして、
そういう人っていうのは将来の健康とかに投資をする傾向が高いとは思っています。
それこそ現体験として、例えば家族が亡くなるのを目の当たりにしたとか、親友を亡くしたとか、そういう現体験がある人とかもいますし、
あるいは長期目線で本当にビッグカンパニーを作ろうみたいな意識の高い経営者の方とかだと、100年後に生きているわけではないので、
じゃあ100年後そういう自分たちが作った価値とか会社が残っているためにはどうしたらいいかって思想で考えていくと思うんですよね。
そういう人たちっていうのはやっぱり自分の健康である期間を最大化するっていうところってものすごくインパクトがあるものだと認識しますので、
目先だけを見ている人というよりは先を見据えて動いている人っていうのは予防に投資する傾向があるかなとは思います。
あとは今のは思想的な話ですけれども、あとはもちろん経済的な合理性というか予防にお金をかけることによって自分の健康寿命が1年、2年伸びることで
どれだけのインパクトが出せるかっていうのがやっぱり人によっては考え方が違うと思いますので、
そこで経済合理性があると感じる人は全くそこへの投資を惜しまないっていうような感じかなと思いますね。
事業の作り方としても、目先は経済合理性があってリターンがあって、お金も得られるような方々に対して事業を中心的に提供しつつ、
そこで数字とかも立てながら、体験性とかもたしながら、いろんな方々に裾野を広げていくみたいなところを想定されてらっしゃるんですか?
そうですね、おっしゃる通りですね。
iPhoneとかもそうですけれども、いきなり全員に対してっていうようなサービス、プロダクトってないと思ってまして、
やっぱりまずイノベーター、アリアダプターみたいな人にいかに使ってもらうかと思っていまして、
そうするとやっぱり今現状の日本において、そういう健康とか将来の自分の健康に投資をするような人間っていうのは、
ある意味そこに投資することが経済的無合理である人たちが入りやすかったりするので、
そういうところからまずは入っているということです。
そこでファクトを積み上げて、だんだん一人当たりの単価を下げるような取り組み、それは政治的な取り組みもあるでしょうし、
ITをAIをうまく活用していくみたいなところもあるでしょうし、
政治的とか技術的なポイントっていうのをだんだん攻めていって、単価を下げてより多くの人が使えるようにしていくみたいな流れかなとは思ってますね。
業界を俯瞰させていただくと、このヘルスケアスタートアップって少しずつ増えてきて、
最近またグッと増えているような印象も少しあるんですけれども、
そのあたりで捉えていらっしゃる変化とか、最近はこういうスタートアップ増えている、それが良いことなのか悪いことなのか、
もし中田さんなりの視点とかがあったら教えていただけますか。
そうですね、この10年ぐらいで歴史がある意味証明したと思っている一つは、
海外で言うとバビロンヘルスとか、日本でもいくつかスタートアップがあったので、いわゆるデジタルヘルスと言われる領域で、
アプリを使って健康になろうみたいなプロダクトが世界的にいくつか出たんですが、
残念ながらほとんどうまくいかなかったんですね。
これなぜうまくいかなかったかというと、結局健康が大事だってことって100%誰もが合意するんですけれども、
そこそこ体に良いプロダクトをそこそこの値段で提供してもビジネスとしては成立しないっていうことが僕はもう証明されたと思っていました。
なので、結局ヘルスケアのプロダクトっていうのは二極化していくと僕は思っていまして、
自分の健康にしっかり価値を感じている人とか、それによって得られる人生の豊かさみたいなものに投資をする意思がある人っていうのは、
一定以上の単価を払ってでも良いプロダクトを受けたい層というのがまず言いますと。
そうでない層というのは逆に、そこそこの価格でそこそこ健康なサービスを受けたい人って僕はあんまりいないと思いまして、
そこに関してはむしろインフラ的に誰もがほぼ無料に近い金額、ないしは別のビジネスモデルでマネージャーされるようなモデルでインフラ的に使われるようなモデル。
この2パターンなんじゃないかなと思ってまして、月数百円をたくさんの人から取るみたいなモデルは結構難しいんじゃないかなっていうのが仮説としてあり、
実際に海外のスタートアップとかを見ていても高単価でセグメントを絞って強いペインに対してしっかりソリューションを提供している会社、
ないしはインフラ的なプロダクトを提供している会社のこの2つが生き残っているなっていう感じはありますね。
海外ではもうインフラっぽいサービスも出始めている部分もあるんですか?
やろうとしているところだとそれこそLLMを使っているようなところで、いわゆる健康相談AIみたいなものですよね。
これはもうシードで何百億とかを調達するレベルのプロダクトなので、国内から出てくるのはなかなか難しい規模だと思いますけれども、
そういうインフラを作ろうとしているような企業っていうのは出てきてますよね。
わかりました。ありがとうございます。そしたら一旦前編はここまででさせていただきまして、今中田さんの思いだったり、ヘルスケア業界でのスタートアップの動向だったり、いろいろお伺いしましたけれども、
その流れでですね、後編はその中田さんが展開される事業を深掘りさせていただきながら、今後の展望、非常に楽しみだなと思ってまして、この辺りを伺っていきたいと思っております。
それでは前編ありがとうございました。
ありがとうございました。