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2024-05-21 14:37

#24-前編 臨床医から"予防医療"の起業家へ。『医療は、健康でいい人生を送るためのツール』株式会社ウェルネス 代表取締役 中田 航太郎さん

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ゲスト:株式会社ウェルネス 代表取締役 中田 航太郎さん

ウェルネスさんは、パーソナライズ予防ケアサービス「Wellness」を提供されているスタートアップ🩺

2024年4月にシリーズAラウンドにて2.8億円の資金調達を実施されました。医師としての臨床経験を活かし、予防医療の領域で起業された理由や将来の構想をアレコレ伺いました🎧


▼トピック

<前編-中田さんのキャリアと創業の経緯>

・幼少期に抱いた憧れにより4歳から医者を志し、医師として臨床の現場へ

・病気が進行してから病院に来る患者さんの現状に課題感

・予防医療こそが、より多くの人を本質的に救えると確信

・社会全体のモデルを変えるために起業を決意

・日本は病気になった後の平等な医療に注力するため予防には投資不足

・医療は「健康な期間を維持し、いい人生を送るためのツール」

・サービスの初期ユーザーは、終わりを意識している人、将来の健康に投資する経済合理性のある人


<後編-Wellnessの事業と今後の展望>

・人によって気をつけるべき疾患やリスクは異なる

・パーソナルドクターがユーザーを専属サポート

・検査データや生活習慣データを元に、最適な予防ケアをアドバイス

・一次予防から三次予防まで、すべてを一気通貫でカバー

・健康データの解析で発症リスクを予測し、予防のためのアドバイスを提供

・プロとしてお互いを尊重し、個性を重視する組織文化

・アプリ開発を強化し、ユーザーの行動変容に伴うマネタイズを目指す

・予防医療のパーソナライズ化・個別化が世界的な潮流に

・医療の立場から人生にインパクトを与えられる会社へ


▼ご出演者様/企業様の各種リンク

HP、採用情報(メディカルエンジニア・Biz職)、資金調達プレスリリース中田さんX


▼パーソナリティ

・中山悠里(独立系VCアニマルスピリッツDirector)

 https://x.com/yurinakay

・稲荷田和也 (JobTales株式会社 代表取締役)

 https://x.com/oinariiisan


▼企画制作

『StartPods』スタートアップ専門ポッドキャストスタジオ

(運営:JobTales株式会社)


▼番組よりご案内📣

Startup Nowでは、資金調達を実施されたばかりのスタートアップ起業家へのインタビューを通じて、スタートアップの魅力を発信しています!出演希望の起業家さんは、パーソナリティ⁠までDM又はフォーム経由へご連絡ください🙌(関係者からの他薦も受け付けております!) ご感想もお待ちしております😊


▼問い合わせフォーム(Startup Nowへのお便り)

https://forms.gle/vJbT4RMSea5HK6Ec7

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Startup Now。資金調達を実施したばかりの起業家の人生や、利業を紐解くポッドキャスト、パーソナリティーのジョブ・テイルズ稲荷田です。
同じくパーソナリティーのアニマルスピリッツ中山です。本日は、第24回目の放送となりまして、株式会社Wellness代表取締役の中田 航太郎さんにお越しいただきました。
Wellnessさんは、パーソナライズ予防ケアサービスWellnessを提供されているスタートアップでして、2024年4月にシリーズAラウンドにて2.8億円の資金調達を実施されました。中田さん、よろしくお願いいたします。
はい、Wellness中田です。本日はよろしくお願いいたします。
中田さんとの接点、私稲荷田にございまして、スタートアップフレンドリーの弁護士さんで、カツレンさんというレガリア法律事務所の代表弁護士の方がいらっしゃるんですけれども、その方と以前弁護士だったり、スタートアップ法律をテーマにしたポッドキャストを運営しておりまして、そこに中田さんもご出演いただきました。
その番組ではですね、法規制などが厳しい領域、ヘルスケアでスタートアップすることの中での難しさを語っていただいたんですけれども、今回は当然そのあたりも触れつつ、
どちらかというと中田さんの人生だったり、今調達もされて非常に順調に伸ばされていらっしゃる事業についても紐解いていきたいなと思いまして、お会いさせていただきました。中田さんよろしくお願いします。
よろしくお願いいたします。
まずはご経歴なども含めまして、簡単な自己紹介からお願いできますでしょうか。
ありがとうございます。Wellness代表の中田です。
もともと千葉県出身で父親も医師だったんですけれども、その仕事の都合で子供の頃アメリカピッツバーグというところにいまして、帰ってきてから小中高と過ごして医師になったというところです。
学生時代というかそれより前ですね、4歳ぐらいの頃からお医者さんになろうというのを思いまして、ずっと一緒になろうと思って勉強して医学部に入りまして、
実際に臨床現場を見たときにいろんな課題を感じてですね、やっぱり進行してから皆さん病院に来て命の失われるかどうかみたいな状況になって適切な医療を何とか探すというのが多いんですけれども、
それより早い段階から病気を早く見つけるとか、そもそも病気のリスクを減らすみたいないわゆる予防医療というところの方がより多くの人を助けられるなという思いを持って、
医師としてのキャリアというところをちょっと変えてですね、今のWellnessという会社を創業しましたというところになっております。
4歳から志した夢を叶える方って本当に稀なんじゃないかなと思うんですけれども、何か強い志があられるのかなと思ってました。
どんなご体験があられたのかって伺ってもいいですか。
そうですね。僕、4歳の頃、小児全足で結構入院とかも繰り返してまして、やっぱり相当息苦しくなるんですけれども、
当然、症状を持ってくれるということ自体がすごいことだと思いましたし、掛かりつけの先生と会いに行くのが僕すごく楽しみで、
先生と話していると安心だし、すごく人の人生にプラスの影響を与えられる仕事だなというのを感じて、
先生みたいになるみたいなところからお医者さんを目指し始めたというのがきっかけでして、
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年を取ってというかね、小中高と上がっていくにつれて、どんどんそういう思いが強くなってというところですかね。
お医者さんというと本当に病気になった時にかかって治してもらうマイナスをゼロに持っていくみたいなイメージが非常に強いですけれども、
幼い頃からプラスに持っていくという印象があったというのは強烈な現体験だなというのは聞いていて思いました。
その後実際に医者の道に進まれて、これはもう臨床の現場にも立たれていらっしゃったということなんですよね。
そうですね。実際に患者さんを見ていく中で、学生時代に臨床実習をしていた頃から予防医学大事だなと思って勉強をし始めていたんですけれども、
一方でやっぱり実際の現場を見ないとわからないことってたくさんあるので、ドクターの道というか一般的な臨床も経験して、その上でやはり予防に自分の人生を捧げようというところで起業したという流れですね。
仮説として予防医学、予防医療が大事っていうのは元々思われていらっしゃって、実際に現場に立たれてみて、そこで感じたギャップとか、より解像度が高く見えた課題とかそういったものとかってあられますか。
そうですね、やっぱり研修医だったので、最初は研修医になると思うんですけれども、患者さんと話すことを結構大事にしていまして、本当にステージ4のがんになって、そこからずっと病院で最後を迎えるみたいな方とかたくさんいらっしゃったんですよね。
そういう人たちに話を聞いていたときに、なぜこんなことになるまで病院に一度も来れなかったのかっていうのをヒアリングしていくと、結局仕事が忙しいとか家庭でやることがたくさんあるとか、目の前のいわゆる緊急なタスクに時間が取られていて、自分の健康っていう本当は大事なんだけれども、健在化していない課題とかジョブに向き合えていなかったみたいなことが結果的に最後に後悔を残して死ぬ原因となっているというのに気づきまして、
やっぱりどうしても意思としてキャリアMと目の前に来た患者さんをいかに1%でも高い確率で助けられるように技術を磨くか知識をつけるかというところにフォーカスしてしまいがちなんですけれども、ここに来ている患者さんがあと1年2年早く自分と会えるためにはどうしたらいいかってことを考えたときに、
病院で患者さんを待っているよりも、社会全体のモデルを変えてこの人たちにあと1年2年、何なら10年20年早く会えるようなモデルを作った方が助けられる人の数が多いなと思ったというところですね。
今モデルの変革って話ありましたけれども、具体的には現状はどういうモデルが日本にあって、そのあたりが予防医療がなかなか広まっていない理由にもなっているのかなと思うんですけれども、そこに感じていらっしゃる課題感とかってどんな感じで思われていらっしゃいますか。
そうですね、やっぱり日本の医療はどちらかというと、病気の人を平等に助けるっていう方向で進歩してきた国で、もちろん国民会保険制度っていう素晴らしい制度があって、どんな人でも安価な価格で適切な医療を受けられるっていうのがメリットではあるんですけれども、
一方で予防に公的な資産を投下するっていうところはなかなか進歩していなくて、ワクチン、一部のワクチンとかそういうところはありますけれども、どちらかというと病気になった後にいかに平等な医療を受けられるかにやっぱりフォーカスが向いていると思って、基本的にやっぱり日本は国が結構医療資金を使ってくれているので、逆にそこそこ充実しているからこそ任せておけば大丈夫だという安心感を持っている日本人は多くて、
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実はその国がやってくれている医療的な介入ってほとんどは病気になってしまった時にケアが受けられるっていうものなんですけれども、なんかそこに安心してしまっているところはあるかなと思っていますね。
どちらかというと医療って病気を治すためにあるんじゃなくて、僕は健康な期間を維持するというか、いい人生を送るためのツールだと思っているので、そういう観点でいくと、なかなか公的なものだけではそれはなにざみ出せないんじゃないかなと思っています。
国として予防のほうに予算を振り分けないというのはなんでなんですかね。
シンプルにやっぱり可視化が難しかったというのがあるのかなと思っていまして、実際に予防したことによってどういう経済的なインパクトがあったのかというのを、なかなか可視化できないというところがありますよね。
結果的にその人が例えば5年10年、例えば経営者ですごい何千億円の売り上げを作っている経営者が健康寿命が5年10年伸びたら、多分それって世界にものすごいインパクトを与えると思うんですけれども、それって今可視化できていないと思ってまして、
でも目の前に病気になっている人の数値が正常値に戻ったっていうのはこれ明らかに目に見える変化なので、やっぱりどうしてもこの目に見えるものにまず緊急度が高くなって着手しているっていうところかなと思っています。
後ほど授業のところで話すかもしれないですけれども、体の状態を今可視化できるようになったというか、人の健康データとか生活習慣のデータとかゲノムのデータとかそういうものが可視化できるようになったっていうところがあるので、
これから予防の領域もあれに見えるかがされていって、その経済的なベネフィットがそこに投じることで得られるっていうのが分かってくる時代だと思っているので、まさに世界的にもこれから予防医療が発展する変革期にあるのかなとは思っています。
実際に医療の現場じゃなくて、創業スタートアップとして挑まれているっていうのはやっぱり国の動きを待っているだけじゃ変わらないっていうのがあられたからやられてらっしゃるのかなと思うんですけれども、
日本もいずれは国が予防医療の方に注目をして意識も等化してっていう未来ってどうですかね、見えそうな感じとか、いつぐらいにはそういうふうなことができそうとかそういうのってあります?
そうですね、でもそれこそ例えば我々の取り組みというか、サービスを受けている方と受けていない方を比較した時に明らかに早期死亡率が改善するとか、
疾病の死亡率とか生存率が上がるとか、そういうファクトが積み上がっていけば、そっちの方が経済的合理性が高いよねということになっていくと思いますので、
そういうものが出てくるにつれて、だんだん国とかがそこを支援するような形にはなってくる可能性があるかなとは思ってますかね。
中田さんがさっきもおっしゃっていただいた、健康って本当に豊かに生きていくためのツールであるみたいなところも非常に下に飛んだフレーズだなと思ったんですけれども、
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この辺りってやっぱり日本人だとなかなか言われてみれば確かにと思うものの、とはいえ自分は大丈夫だろうってどうしても思ってしまう。
それは背後には結局保険でカバーしてもらえるからみたいなのがあるかもしれないですし、健康に対する意識が低いかもしれないというのがあるんですけれども、
今ウェルネスさんの事業をされていらっしゃって、どんな方だと健康に前向きに取り組まれていらっしゃって、ユーザーさんになっていただいているかとか、そのあたりとかってどんな感じでしょうか。
いくつかの観点があるかなと思ってまして、まず一つは終わりを意識している人っていうのは結構あるかなと思っていまして、
人の人生って有限で、今どんなに医療最強のものを受けたとしても、基本的に不死を実現した人っていないと思っているんですね。
いつか自分の人生が終わると考えれば考えるほど、いかにその質を良くするかっていうところに目が行くと思っていまして、
そういう人っていうのは将来の健康とかに投資をする傾向が高いとは思っています。
それこそ現体験として、例えば家族が亡くなるのを目の当たりにしたとか、親友を亡くしたとか、そういう現体験がある人とかもいますし、
あるいは長期目線で本当にビッグカンパニーを作ろうみたいな意識の高い経営者の方とかだと、100年後に生きているわけではないので、
じゃあ100年後そういう自分たちが作った価値とか会社が残っているためにはどうしたらいいかって思想で考えていくと思うんですよね。
そういう人たちっていうのはやっぱり自分の健康である期間を最大化するっていうところってものすごくインパクトがあるものだと認識しますので、
目先だけを見ている人というよりは先を見据えて動いている人っていうのは予防に投資する傾向があるかなとは思います。
あとは今のは思想的な話ですけれども、あとはもちろん経済的な合理性というか予防にお金をかけることによって自分の健康寿命が1年、2年伸びることで
どれだけのインパクトが出せるかっていうのがやっぱり人によっては考え方が違うと思いますので、
そこで経済合理性があると感じる人は全くそこへの投資を惜しまないっていうような感じかなと思いますね。
事業の作り方としても、目先は経済合理性があってリターンがあって、お金も得られるような方々に対して事業を中心的に提供しつつ、
そこで数字とかも立てながら、体験性とかもたしながら、いろんな方々に裾野を広げていくみたいなところを想定されてらっしゃるんですか?
そうですね、おっしゃる通りですね。
iPhoneとかもそうですけれども、いきなり全員に対してっていうようなサービス、プロダクトってないと思ってまして、
やっぱりまずイノベーター、アリアダプターみたいな人にいかに使ってもらうかと思っていまして、
そうするとやっぱり今現状の日本において、そういう健康とか将来の自分の健康に投資をするような人間っていうのは、
ある意味そこに投資することが経済的無合理である人たちが入りやすかったりするので、
そういうところからまずは入っているということです。
そこでファクトを積み上げて、だんだん一人当たりの単価を下げるような取り組み、それは政治的な取り組みもあるでしょうし、
ITをAIをうまく活用していくみたいなところもあるでしょうし、
政治的とか技術的なポイントっていうのをだんだん攻めていって、単価を下げてより多くの人が使えるようにしていくみたいな流れかなとは思ってますね。
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業界を俯瞰させていただくと、このヘルスケアスタートアップって少しずつ増えてきて、
最近またグッと増えているような印象も少しあるんですけれども、
そのあたりで捉えていらっしゃる変化とか、最近はこういうスタートアップ増えている、それが良いことなのか悪いことなのか、
もし中田さんなりの視点とかがあったら教えていただけますか。
そうですね、この10年ぐらいで歴史がある意味証明したと思っている一つは、
海外で言うとバビロンヘルスとか、日本でもいくつかスタートアップがあったので、いわゆるデジタルヘルスと言われる領域で、
アプリを使って健康になろうみたいなプロダクトが世界的にいくつか出たんですが、
残念ながらほとんどうまくいかなかったんですね。
これなぜうまくいかなかったかというと、結局健康が大事だってことって100%誰もが合意するんですけれども、
そこそこ体に良いプロダクトをそこそこの値段で提供してもビジネスとしては成立しないっていうことが僕はもう証明されたと思っていました。
なので、結局ヘルスケアのプロダクトっていうのは二極化していくと僕は思っていまして、
自分の健康にしっかり価値を感じている人とか、それによって得られる人生の豊かさみたいなものに投資をする意思がある人っていうのは、
一定以上の単価を払ってでも良いプロダクトを受けたい層というのがまず言いますと。
そうでない層というのは逆に、そこそこの価格でそこそこ健康なサービスを受けたい人って僕はあんまりいないと思いまして、
そこに関してはむしろインフラ的に誰もがほぼ無料に近い金額、ないしは別のビジネスモデルでマネージャーされるようなモデルでインフラ的に使われるようなモデル。
この2パターンなんじゃないかなと思ってまして、月数百円をたくさんの人から取るみたいなモデルは結構難しいんじゃないかなっていうのが仮説としてあり、
実際に海外のスタートアップとかを見ていても高単価でセグメントを絞って強いペインに対してしっかりソリューションを提供している会社、
ないしはインフラ的なプロダクトを提供している会社のこの2つが生き残っているなっていう感じはありますね。
海外ではもうインフラっぽいサービスも出始めている部分もあるんですか?
やろうとしているところだとそれこそLLMを使っているようなところで、いわゆる健康相談AIみたいなものですよね。
これはもうシードで何百億とかを調達するレベルのプロダクトなので、国内から出てくるのはなかなか難しい規模だと思いますけれども、
そういうインフラを作ろうとしているような企業っていうのは出てきてますよね。
わかりました。ありがとうございます。そしたら一旦前編はここまででさせていただきまして、今中田さんの思いだったり、ヘルスケア業界でのスタートアップの動向だったり、いろいろお伺いしましたけれども、
その流れでですね、後編はその中田さんが展開される事業を深掘りさせていただきながら、今後の展望、非常に楽しみだなと思ってまして、この辺りを伺っていきたいと思っております。
それでは前編ありがとうございました。
ありがとうございました。
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