やはり第1弾でも軽く申し上げていたんですが、CVCの方々が単独でその金額を出資するって、業界的に見てもほぼ聞かない話かなとは思っているので、その内情とか内側をやっぱり詳しくお伺いしていこうと思うんですが、
改めてこのセルスさんがどういう課題を解決するために創業されていて、どんな事業を創業期から展開されているのかというところをご説明いただいてもよろしいでしょうか。
はい、わかりました。私たちがまず取り組んでいる課題っていうのは大きく2つあると思っていて、1つが生徒側の課題で、それは生徒さんの経済状況によって受けられる教育のサービスの格差があるよねと。
やっぱり手頃な値段で本当に身近な良いサービスっていうのはなかなか少ないんじゃないかっていうのが1つの課題意識ですと。
もう1つが、我々はリアルビジネスやってるんですけど、そうなってくると先生側の問題っていうのがあって、これ教育業界のような目の前のお客さんが喜んでくださる業界では起きがちだと思うんですけど、頑張りすぎちゃう。
先生が頑張りすぎちゃうから、結構先生という業種の魅力が下がってきている。
だったら先生っていう、やっぱり本質的には素晴らしい職業をもう一度良いものにしようっていうことで、先生の労働力不足とか労働環境改善、この2つを解きたいっていうのがちょっとわがままというか、欲張りなんですけど、それが僕らの大きいテーマになってます。
改めて、もともとなんでそういう事業体で起業されたというか、田辺さんのご略歴みたいなところも簡単にお話いただいていいですか。
この会社に直接関係するところでいうと、前職がクイッパーという会社で、そこからいわゆるエドテックの業界に入っています。
前職にいる間に縁があってリクルートグループに買収をされて、それから私はクイッパーの2本を見ていたので、その縁でスタリーサプリっていうのを結構見るようになりました。
みんな知ってますね。
そうですね。バンバカCMやってるんで認知がすごい高いかなと。
私が入ってからの5年間の間でもB2Cの学生向けのアプリもやりましたし、B2BまたはB2Sという学校向けの営業もやりましたし、
あといわゆるピュアなB2Bとしての塾向けなんかもやってきましたと。
私の大きな学びがいくつかあって、1つは取り組み始めた頃っていうのは割と無邪気にいいアプリを届ければみんな勉強するだろうと思っていたけど、
それもそんなことはないなと。世の中にいい参考書があるのに勉強しないのはなぜかというと、やっぱり勉強するのが難しいのであるということで、
ただアプリを生徒に届けていたら100人の生徒のうちの100人に届くかというとそんなことはなくて、やっぱり10人、20人でやる気になることだよねと。
本当に勉強しなきゃいけないのってそうじゃない子たちだなとした時に、じゃあこの人たちにどうやってサービスを届けるかと考えると、
やっぱり学校や塾さんと組もうと。で、学校塾に営業に行くんですけど、学校塾は基本的に紙の教材使っていて、スポーツを持ち出していると結構忙しいです。
したらなんか足し算でデジタル教材持ってこられても困っちゃうよということで、意外と使っていただけない。
マスの教育を変えようと思うと、ピュアにB2Cのアプリプレイしててもダメだし、B2Bで営業してて、B2Bサースしててもダメだなと考えまして、
これは最後は自分たちがB2Cのリアルの事業を立ち上げると何かあるんじゃないかと。
6年くらい前に思い出して、で思い立ってB2C×リアルで学習塾ビジネスで起業をしたっていうのが流れです。
なので最初からこういうことをやろうと思ってたわけじゃなくて、これしかないかなっていう感じで始めました。
スタディーサプリの現場感をアトリギーに知っていらっしゃったからこそ、見えてきた課題というか一瞬もあってこれだなっていう。
そうですね。このやり方じゃないとこういう古くて大きい産業は変わらない。
VCの方も多くそういった肌感持ってらっしゃると思うんですけど、その典型的な事例なんじゃないかなと思ってやりました。
ありがとうございます。外観から見える情報だと順調なんだろうなっていうのは素直に思うところなんですが、
乗り越えてきたハードシングスとか、大きな壁だったこととかってあられたんですか?この約6年間ぐらいで振り返ると。
この業界の方なんでよくわかると思うんですけど、うまくいくことって基本的にないですし、大変なことは毎日毎月ある。
まずいくつかキャッチーなので言うと、箱物で起業したらコロナが来た。
2020年1月に会社を始めたらコロナになって緊急事態宣言が出た。
わかりやすいハードシングス1。
あとは資金調達のために、こういう業態なので好き好き別れますから。
投資家さんには50社ぐらい毎回お会いして、基本的には厳しいフィードバックをいただくみたいなこともあるので、そういう感じですかね。
ちなみにいわゆる学習塾を運営されている上場企業さんも、もちろん複数社いらっしゃると思うんですけれども、
あんまりエクイティ調達をしてとか、VCからやってみたいなところで事業を伸ばされている、そういう経営スタイルを取られている方って相手には少ないのかなと思ってはいるんですけれども、
田辺さんがコノセルさん創業されて、エクイティ調達も受けながら伸ばしていこうと決められた理由とかってあるんですか。
面白いですね。
なんか施設運営系、いわゆる施設系のビジネスであれば、デッドファイナンスも引きやすいのかなと思ったりもしますし。
なるほど。そういう意味ではですね、まずデッドファイナンスが端的に言うと難しいというのが一つあると思います。
デッドファイナンスをある程度の規模でやるっていうのは、まず形状黒字、2期連続みたいなのがほぼ絶対条件として出てくるんじゃないかなということと、
銀行さんが考える、私もともと銀行出身なんですけど、基本的にEBITDAの何倍までしか借りれはできないよっていうベースラインがあるんです。
なのでそうすると、僕らのように急速に発展をしようと思って、やっぱりエクイティリスクになってくるというのが現実問題としてあると。
逆にそれは分かっていましたし、それで引けるだけ引いて頑張り切れば、事業キャッシュフローで十分まわる世界に持っていけるっていうので、そこまで走れるかどうかの勝負だなとは思ってました。
そこから初手の初手というか、早期の頃からエクイティでも調達されて踏まれていったって感じなんですね。
そうですね。だから新規出展の赤字も含めてカバーできる図体までどうやって最速で大きくなるかってそういうゲームだと思います。
いいですね。ありがとうございます。
直近ラストラウンドという表現もされていらっしゃいましたけれども、ラストラウンドでは20億円単体で出資を受けていらっしゃると思うんですけれども、
それを受けてどういうところを今後短期的には目指していくのかみたいな、こういうような連携していきたいよねってところをちょっと軽くご説明いただければと思いますがいかがでしょう。
そうですね。じゃあいくつかの要素に分けてお伝えをしますと、まず大きな意味で何をやるかという意味だと、
生徒の経済環境によらず良い教育を手頃な値段で受けられるようにするとか、
先生っていうのは魅力的な職業だってことを世の中に新しく理解を改めてしていただく。
こういうことを改めて皆さんに理解していただくっていうのがまずやるべきことだと思っていて、
そう考えると我々今100教室あるんですけども、小さいよねと思っていますね。
例えば外食さん小売りさんで誰でも知っているものの数を見ると首都圏で大体300とか普通にあるわけですよね。
それぐらい目にして初めてこれって普通のサービスなんだっていう風に多分マスの認識が変わると思っているので、
まずその認知量までどうやって走っていくかっていうのが一つやるべきこと。
多分ここまでやって初めてこういうアプローチがあり得るかもしれないと皆さんに思っていただけるっていうのが
会社として大きな意味でやるべきことかなというふうに思っています。
資金面で言えばかなり手当はできているので、既存事業をちゃんと育ててそこから生むキャッシュを
ちゃんと効率的に投資をしていけば今言っている規模までは走っていけるだろうというふうに思っています。
あとはクオリティコントロールでありサービスの質の改善ここをどうやってしっかりやっていくのか。
ここでなんでオリエンタルランドグループさんなのかっていうのが出てくるんですけれども、
やっぱり僕もどちらかというとデジタルというかIT出身の人間で、
やっぱりあんまりこの500教室、500人、500教室ぐらいあるとお客様3万名とかいらっしゃるので、
そういうのをどうやってリアルでマネージするかっていうのは一つの挑戦ではあると思っています。
他の塾さんとかからも当然学ばせていただくんですけれども、
やっぱり我々は500拠点でクオリティを担保したいみたいな、
ある種ちょっと教育産業とは違うコンセプトでやっているので、
やっぱり多業種からの学びが重要だなと思っていて、
我々がこれから教室展開を増やしていくと、
例えば今で100で、これが300、500となっていって、
そうすると例えば300の時っておそらく教室運営に関わる人だけでも400名近い人たちが毎日やると。
我々の特徴としてはお客さんが思春期の中学生とか中学生なんで、
現場が結構混乱するということもよくありますので、
そこでどうやって品質を担保しながら、300あって本部から全部が見えない中で、
どの教室でもお客さんが毎日満足して帰っていただけるか、
やるべき教育サービスを提供して帰っていただけるか、
こういったオペレーションを作っていくところをオリエンタルランドさんとぜひ一緒にやっていきたいなと思っています。
確かにそういう現場感を想像すると一番相性が良さそうなのは、
ほぼ筆頭にオリエンタルランドイノベーションズさんが出てくるのを頷けるというか。
これは本当にたまたますごいタイミングが良かったなと思っていて、
オリエンタルランドイノベーションズさんがファンドを作られて、
かつファンドから直接LP投資じゃなくてやられるタイミングで運良くお会いできて、
しかも最初の頃に入っていただいていたので、僕らが大きくなる間の数年間ある種DDをしながら
踏み込んでいただけたっていうのはタイミングの妙かなとは思いますね。
確かに。ありがとうございます。
ちょっとここからはですね、まさに今お名前最後にも挙げていただいたオリエンタルランドイノベーションズの豊福さんにも
お話を双方から伺っていければと思いますのでよろしくお願いします。
はい、お願いします。
はい、それではここからは改めてオリエンタルランドイノベーションズの代表取締役である豊福さんにも来ていただきまして、
実際のところをお伺いしていければと思うんですが、先ほど第1弾でもちょっと一部お伺いはしましたが、
まずはシンプルズバリ、なんでOLIさんがこのセルさんにご出資をされたのかみたいなところを
ちょっと豊福さんから一言で申し上げる、どんなところなんでしょうか。
我々オリエンタルランドグループとしても子どものハピネスみたいなところに対して注目しているのが一つあります。
もう一つはオペレーションというところが我々として貢献できるところがあるんじゃないかということで出資をしたというのが経緯ですね。
ありがとうございます。
田辺さんからは先ほど3回に分けてご出資のラウンドがあった、機会があったというお話を伺いましたが、
一番最初の投資の時は先ほど豊福さんからは2店舗のステータスの時に投資をされたというふうに伺ったんですけれども、
その規模の時にも決め手のなったところとか、その次のラウンドでも3億円投資をされているので、
どういうところがそれぞれのラウンドで投資の決め手になったというところだったんでしょうか。
そうですね、最初のところは2店舗でもしっかりとその仮設がされているなというのが一つのところで、
その後は順調に、田辺さんはそうじゃないというふうに言われるかもしれませんけれども、
しっかりと我々の視点からすると順調に拡大されていて、
我々出向者を送っているところもあるので、その人間から見ても成長していて、
そういう意味での成長通貨での課題もあるというところもあったので、
そこはリアルにその情報を得て出資を判断してきたというところがありますね。
ありがとうございます。改めて何度か出向というキーワードもOLIさんで言うと特徴的なのかなと思うんですけれども、
何社ぐらいの投資先に出向されているですとか、そもそも何でそういう取り組みをされていらっしゃるみたいなところをお伺いしてよろしいですか。
出向自体は4社か5社ぐらいに行ってまして、丸一計6名という形で出向しています。
このセヌさんには今現在3名という形で出向しています。
めちゃめちゃいますね。いますねという言い方よくないですね。
そういう形でしています。先ほど言ったオペレーションを作っていくみたいなところって何か文書でお渡ししてできるというようなものではなくて、
どちらかというと中で一緒に作っていく、まさに文化を作っていくというか監修を作っていくというところなので、
それっていうのはオリエンタルランドグループで経験した人間が中に行って作っていくのが一番いいのかなと思っているというのが一つの背景です。
また自分がスープストックに出向したという経験もあって、大企業のそういった経験と成長している企業のブレンドというのが非常に価値を出す可能性もあるんじゃないかなというところもあって、
人材育成の観点もありますし、その人にとっても成長する観点にもなるかなというところもあって、その出向ということを一つの切り口として行っていますね。
ありがとうございます。出向受けている側の田辺さんにもお伺いしていきたいと思っているんですけど、実際その受ける側としては隣にいますけど、
忖度なく実際どうなんだろうなってこれちょっと教えていただきたいです。
今3人受け入れているということは結果すごい良かったということなんですけど、最初はですね、まず出資を検討いただく時点からできれば出向もしたいと。
やんわりとしたことは聞いていて、出資を受けますと。そうするとお金だけいただいてありがとうございましたというわけにもいかないかなと。
そういかせる技もあったのかもしれないんですけど、いかないだろうなと。最初は結構僕ごねた記憶があります。
まず人数もすごい少なかったですし、結構カルチャーフィットだったりフェイスにフィットする人材をこっちは厳選しているつもりだったと。
一方で出向いただくとなるとそこの先行プロセスは我々はかめないというのはもう明確に言われていたので、誰が来るかわかんないのが嫌だと。
最悪お返ししてもいいですかみたいな話をちょっとして、本当に会わなかったら仕方ないねみたいなことを話し合った上で最初の一人を受け入れたというのが経緯ですね。
なのでおっしゃる通りで最初からなんかこれは間違いなくいい資産だと思っていたわけじゃないです。
ただやってみたらすごく良かった。
どこがあったの?当初の想像と全然違ったんですか?
当初は深く想像していたわけでは何でもなくて、少ない人数の中に一人増えるっていうことのインパクトが大きいんで普通の採用でも怖さがあるのと同様だったと思います。
来ていただいた方はすごく良かったですね。
この大企業から出向してきてるっていう認識がご本人もなかったんじゃないかなっていうぐらいアグレッシブだったので。
今もうちの会社の中でも彼が出向だっていうのはもう鉄板のネタになっていて。
そんなにもうカルチャーフィット含め馴染んでる?
馴染んでますね。だからみんなオリエンタルランドさんに出向して返すんじゃないかみたいなそれぐらいの認識をしている雰囲気があるぐらい馴染んでますね。
そういう一人をどういうふうに決まっていってるんですか?
そうですね。ほとんどの場合が人材公募という形で行ってます。