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ストーリーとしての思想哲学
思想染色がお送りします。
今回はグラデーションという概念、スペクトラムという概念の話をします。
自閉症スペクトラムって聞いたことありますか?
カテゴリーとすると、障害の中の精神障害、で、その中の発達障害の一種です。
いわゆる自閉症、それからアスペルガー症候群、広範性発達障害などの
こういった障害をひとまとめにして、自閉症スペクトラムって呼ぶんですけど、
なんで別々の名前がついている障害をひとまとめにしたのかっていうと、
これらの障害が、別々のものっていうよりも連続性を持っているからなんですよ。
つまり、共通した特性があるから、別々の独立した障害として捉えるんじゃなくて、
例えるのであれば、虹のように連続しながら混ざり合って存在している一つの集合体として捉えようとしているわけです。
このスペクトラムっていうのは、物理学では光とかの波長を順番に並べていったもののことを指します。
RGBみたいなもんですね。
光の三原色を混ぜると、すごいたくさん色がバーってできる状態をイメージしてもらえばいいかなと思うんですけど、
あと別の言い方をすれば、グラデーションみたいなもんです。
虹も色のグラデーションが広がっていますよね。
だからスペクトラムにありイコールグラデーションと捉えてもらってもいいかなと思います。
障害っていうのは、グラデーション上に連続した一つの集合体なんですよ。
障害は種類とか程度によって、それがスペクトラム上に広がっています。
視覚障害とかでも、全毛から弱視、近視、遠視とか、グラデーション上になってますよね。
何らかの障害の要素があって、この要素を僕たちはみんな持ってます。
特にその要素をたくさん持っている人を、僕たちは便宜的に障害者と呼んでいるに次いないと。
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目が悪くて、眼鏡をかけている人って、現在では障害者とは呼ばれていませんけど、
障害の要素自体は持ってます。
それと同じように、眼鏡みたいに、目で見て、ぱっと見でわかるものじゃないから、
ちょっとわかりづらいですけど、発達障害の要素だったり、精神障害の要素も、僕たちは必ず持っているはずなんです。
だから、人間の特性っていうのはグラデーション上で、障害の要素を持っていない人は誰もいないと言えます。
これはインクルージョン、インクルーシブとか、社会的包摂とか呼ばれる概念にも関わってくることですけど、
そういった意味で、人間はみんな障害があるとも言えるし、逆に障害者っていう人はいないとも言うことができます。
このグラデーションっていう概念が、障害だけじゃなくて、結構あらゆるものに適用できる、かなり便利な概念なんで、
それをちょっと紹介したいなと思ってるんですけど、実は性別もグラデーション上になってます。
LGBTQがレインボーカラーを掲げていますよね。
これは性別がグラデーション上になっているっていうことをうまく象徴しているなって思うんですけど、
っていうのも、近年、性の定義も見直されるようになってます。
性を、オスとメス、男性と女性の2つ、0か1かみたいな感じで考えるのではなくて、
色彩のグラデーションのように、中間の性もすごいたくさん存在するっていう、これを性スペクトラムって言うんですけど、
こういった新しい考えも出てきてます。
っていう話をしていくと、これって、障害とか性とかだけじゃなくて、全部そうじゃね?って思います。
僕たちは、働く労働者っていう面も持ちながら、家庭生活における生活者っていう面も持ってますよね。
で、それが100っていう人はあんまりいないかもしれないですけど、
その割合が55の人もいれば、7対3の人もいるとか、
0、1じゃなくて、その中間がすごい混ざり合って無数にたくさんあるみたいな、
この社会における複雑性みたいなのを捉えるのにすごい良いと思うんですよね。
だからこのグラデーション概念が、マジで汎用性の高い思考ツールだというふうに僕は思ってます。
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あんまり押し付けがましいことは言いたくないのですが、
認識の解像度が上がると思いますので、このグラデーション概念おすすめです。
はい、というわけで今回はここまでです。
次回もよろしくお願いします。