1. ストーリーとしての思想哲学
  2. #51 ユートピア思想家フーリエ2
2024-01-07 05:14

#51 ユートピア思想家フーリエ2

空想的社会主義者とも呼ばれるシャルル・フーリエを紹介します。

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ストーリーとしての思想哲学
思想染色がお送りします。
フーリエ主義者によってファランジュと呼ばれる巨獣共同体が作られたという話の続きです。
ファランジュに関する論文にあたると、
ブリンス・ベインとグリーリーという人らによってアメリカに導入されて、
1840年代には40以上のユートピア共同体が形成されたということです。
40ってすごいですよね。
そのうち、比較的に長く存続していたのは、
北アメリカ・ファランクスというのと、
ウィスコンシン・ファランクスという共同体でした。
ただ、この比較的長く続いていたいずれも、
1844年から1850年の6年間しか持たなかったわけだから、
これらの実験的なファランジュは残念ながら失敗に終わったということになります。
ただ、ブルックファームという共同体には、
ナサニエル・ホーソーンのようなアメリカの著名な文化人も多数参加していました。
このホーソーンはアメリカ文学では有名な文学作家です。
このことからも、フーリエ主義がムーブメントとして生きていたこと、
フーリエの思想は奇抜なところがありつつも魅力的であったことが見て取れるかと思います。
フーリエの思想の確信について改めて述べると、
産業革命の後のクソみたいな単純労働をやりたくもないのにやらされているのは最悪だよねっていうのがあって、
最悪な仕組みのせいで賃金の低下、長時間労働が発生してしまって、
結果として労働は退屈で辛く、人の品性を癒しめるものになってしまったと。
だけどそれは労働が悪なのではなく、
労働というのがあくまで富の源泉であるっていうことは事実なわけですから、
だから何とかして労働を楽しいもの、
いわば遊戯に近いものに仕立て上げようという試みでした。
フーリエの考えによれば、人類の最終段階、
調和の取れた社会っていうのが農業中心の自給自足システムと、
共同組合的なコミュニティの建設によって実現されるというものでした。
共同体の人口はおよそ1800人がいいとされ、
多様な才能を持つ老若男女で構成されるべきだとしました。
ファランジュにおける労働は、
人々の自我と個性の積極的表現であり、
欲求充足のための楽しい遊戯になると想定されました。
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まあ、現代に生きる我々からしたら、
ぶっちゃけ起承論だなぁと思うし、
ふわっとしてるから、こんなのは空想的な社会主義だっていう批判も一理あるとは思うんですよ。
でもこんなすごい昔に、社会の調和とか老若男女を包摂しようとする、
いわばインクルージブの考えを提示してるわけだから、
1800年代の人たちが、
これはすげえ先進的な思想だって考えるのもわかる気がします。
もっと言うと、
個人差から来る貧富の格差は肯定するが、
最低生計保障制度を実施することで、
みなが消費と余暇を楽しめるようにするとか、
女性の平等権や女性の職業活動も主張していました。
ここら辺もかなり先進的な感じです。
さらにもっと言うと、
フーリエは一夫一婦制を否定していました。
一夫一婦制というのは、いわゆる結婚制度のことです。
夫が一人に対して妻が一人っていう、
現在も採用されているシステムのことですね。
フーリエは人間の常念というものを強く肯定していましたから、
こんな縛りはいらないと言います。
みんなが恋人みたいになった方がいいっていう考えは、
現代からしてもちょっと先進的すぎると思うし、
フーリエの思想の強さが現れているのではないでしょうか。
でも、いつの時代も文化人というのは先進的な思想が大好きなものだから、
先ほど述べた放送音とか、
フーリエ主義が流行ったのも納得できます。
今回はここまでです。また次回に続きます。
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