1. ストーリーとしての思想哲学
  2. #50 ユートピア思想家フーリエ1
2023-12-31 06:04

#50 ユートピア思想家フーリエ1

空想的社会主義者とも呼ばれるシャルル・フーリエを紹介します。

☆Twitter⁠⁠⁠⁠⁠⁠Podcast「ストーリーとしての思想哲学」@思想染色(@SSenshoku)/ Twitter

00:08
ストーリーとしての思想哲学
思想染色がお送りします
今回は、シャルル・フーリエという
1772年生まれで1837年に亡くなった思想家について紹介します
ちょうどフランス革命くらいの時代ですね
フーリエはユートピアのような世界を夢見るユートピア主義者で
彼を崇拝するフーリエ主義者という人たちもいました
フーリエはよく空想的社会主義だと言われます
これはマルクス主義が科学的社会主義っていう風に科学を標榜することに対して
フーリエは非科学的で馬鹿げた空想だっていう、まあいわば別称です
確かに正直、2023年の今から見たら馬鹿げたようなことも言っているのは事実です
とはいえ、マルクスよりずっと前に
すごい初期の初期に社会主義理論を掲げていたのは普通にすごいと思います
フーリエはかなり独特な世界観や造語をたくさん作る人なので
当時の人たちもかなり戸惑ったようです
そのため一般に受け入れられていたとは言えないものの
その一方で一部の熱烈な支持者を引きつける魔力のようなものがあったようです
実際、あのドストエフスキーも社会主義に傾倒して
フーリエを研究するグループに入っていたという事実からも
その影響力の大きさが推察できるかと思います
主にマルクス主義を持ち上げるために
フーリエ主義はすごいバカにされてるんですけど
さすがにバカにされすぎだと思います
なのでフーリエのすごいところや面白さを積極的に紹介してみたいと思います
簡単に言うとですね
フランス革命や産業革命が起こったばかりで
ひどい混乱状態にあったフランスで
上っ面だけの労働者支援や生活改善に留まらず
本当の新世界建設を大真面目に目指した人たちがいました
こうした人たちにとって力強い思想的支柱になったのがフーリエでした
それからフーリエの思想は
全ての価値を転覆させる
全てを逆さまにするっていう面白さがあります
例えばこの頃のヨーロッパっていうのは
今よりももっと宗教的であったわけだけど
03:02
宗教的には人間は現在を贖うために生きているわけですけど
フーリエ的には新しい共同体を作り出せば
人間は生来の情熱に従って反映できるようになるんだと言います
はい、ミシェル・フーコーという哲学者がいますが
フーコーは過去にも取り上げましたけど
フーコーが19世紀のフーリエ主義者たちについて触れています
ミシェル・フーコー近代を裏から読むという本から引用しますね
さっきフーリエは全ての価値を転覆させるって言いましたが
彼は当時の序列として
男性・女性・子供の順に
厳然と存在していた社会的序列をひっくり返して
子供を頂点に、女性を中間に、そして男性を最下位に置きました
まあ、子供を最上位に置くっていうのが
なんかちょっとカンボジアのポルポトっぽくってあれなんですけど
とりあえず続けます
さらに常年
常法の常に年曆の年って書いて
常年というものを重視します
またキリスト教的には
労働の意味っていうのは苦役、苦しみであるのですけど
労働の意味を遊びに転換しようよって言ってます
これらはつまり産業革命の時なんかは
ブルジョア人によって価値基準が作られていたのを
全て転覆させるためという極めて強い思想なんです
ただブルジョア人によって作られた社会を
ひっくり返すという革命的な思想なわけですが
暴力革命までは肯定していませんでした
フーリエの理想社会とは
ブルジョア人に指導された既存の秩序に反発するものであって
ここでいう既存の秩序っていうのが
規律化とか従順さ、禁欲などで
これらを反転するっていうものでした
このような社会から逃避するわけではなく
むしろ積極的に新しい共同体、新しい価値観を作っていく
っていう考えに共鳴するフーリエ主義者によって
実際にファランジュ、もしくはファランステールという
巨獣共同体が作られました
今回はここで一旦切ります
次回に続きます
06:04

コメント

スクロール