1. ストーリーとしての思想哲学【思想染色】
  2. #30 補足・ソシュールと現代思想
2023-08-13 04:43

#30 補足・ソシュールと現代思想

人間の幼児にはなぜイヤイヤ期があるのかという話題を入り口に、ソシュールという言語学者(哲学者)を紹介しました。

ソシュールの示す世界観を掴むと哲学/現代思想をイメージしやすくなるという話です。

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ストーリーとしての思想哲学
【思想染色】がお送りします。
前回は幼児のイヤイヤ期というものを例に挙げて、ソシュール的世界観を紹介しました。
本当はここで終わってもいいとは思うんですが、かなり難しい話をしてしまうことを承知の上で、発展編としての補足をしてみます。
すなわち、ソシュール的世界観と現代思想という哲学のお話です。
人間は、否定とか二重否定をするということを通して、存在と存在との間の差異によって世界を捉えているんだ、ということでした。
そしてその区切りというのは結構曖昧で、グラデーション上になっています。
前回も触れましたけど、
例えばフランス語では、チョウチョもガモ、まとめてパピヨンと呼んでいて区切っていないし、
あとは日本語ではウサギとノウサギって軽くしか区別されてないけど、
フランス語ではラパンとリエーブルって言って、
ウサギとノウサギは全然別物の概念として区別されています。
これはつまり、言語や文化圏によっても世界をどのように細分化するかは異なるということです。
これは繰り返しになりますが、人間の認知システムとか世界の区切り方というのは割と曖昧な区切られ方をしているということを意味します。
イメージは色のグラデーションです。
絵の具で色を混ぜていくと、青と黄色を等しく混ぜると緑になりますし、青と黄色を1対2の割合で混ぜれば黄緑になるし、
逆に青と黄色を2対1の割合で混ぜればターコイズになります。
で、そういう色ってさらに無限に細かくできますよね。
割合を3対1にしてみたり、もっと細かく4.5対1とか7.2対3.2みたいな割合で混ぜてもいいです。
そこにさらに別の色を加えてもかまいません。
こうした処理をしていくと、無限に複雑な色のグラデーションが出来上がるということがわかるかと思います。
この無限に複雑でドロドロでカオスのような色のグラデーションというイメージが近現代における哲学、そして現代思想を捉えるための補助線として持っておいていいと思うんですよ。
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こういう、世界はドロドロのカオスのような無限に複雑なグラデーションであるっていう世界観はソシュールの後の哲学者、
例えばロランバルトだとかジャック・ラカンだとかジル・デュルーズだとかの世界観にも通じていくことになります。
最後に言ったジル・デュルーズだったらリゾームっていう概念が有名なんですけど、
デュルーズは木と木の根っこっていうのを比喩として、世界の姿っていうのは地面の中に複雑に絡まり合いながら広がる木の根っこのような感じなんじゃないかとこれと似たような世界観を示しています。
このような世界観っていうのが哲学における現代思想的なテーマ。
例えば、現代思想っていうのはコミュニケーションの不可能性だとか、ポストモダニズムだとか精神分析だとか、そういったところを出発点としているんですけど、
これらの現代思想的なものと通定していきますから、ソシュールの話が出たということで、今回あえて補足という形で強調してみました。
というわけで補足はここまでです。 次回もよろしくお願いします。
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