中条克己の役割
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経営者の志
こんにちは、こえラボの岡田です。
今回はメンタル産業医として健康経営の仕組み支援をされていらっしゃる中條克己さんにお話を伺いたいと思います。中條さんよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
まずは中條さんのやっていらっしゃるお仕事について教えていただけるでしょうか。
はい、私は精神科医、あと専用の産業医としての経験を生かして、中小企業向けに健康経営の仕組み作りを支援しています。
特に求職者を戦略に変える仕組みというものの構築に取り組んでおります。
そうなんですね。やっぱりいろんな企業さんいると、人数がある程度集まるとやっぱり体調を崩すような、そういった方も中にはやっぱりいらっしゃるということですかね。
そうですね。やはり30人とか100人の会社、中小企業さんが多いんですけども、大体ですね、大抵私のところに相談来る企業は1人や2人はもう求職者が、メンタル求職者がいまして、
あとはよく見たら健康診断ですごくリスクが高い人とか、体調不良でなんか筋体が乱れているような人が数人はいることが、ケースがすごく多いですね。
そうですね。やっぱり企業にとってそういう方がいると、やっぱりしっかりとお仕事してもらえるので、損失にはなってきますよね。
実はここがですね、求職になるとかなり計算しやすいんですけど、プレゼンティーズムって言いまして、体調不良による労働生産性が落ちてるっていうのはすごく見えにくい数字。
それ東大の先生たちが研究して、計算書がデータを出してるんですけど、だいたいですね、100万ぐらい提金して、人によって違いますけど、100万ぐらい生産性を落としてる、年間って言われてます。
私はそれだけじゃなくて人件費、人事の人件費とか、諸々入れたら150万を抑えていってる。
そうなんですね。そういった体調不良の方がいるだけでも、会社としては損失を出しているっていうことなんですね。
これを普通のこういってケアする、産業員のケアをいただくのと、中山さんの取り組みで大きな違いのとこって言ったらどういったところが違いとしてあるんでしょうかね。
はい。私は岡山にいるんですけど、岡山大学の高尾先生が提唱している高尾メソッドっていう手法にこぼれ込んで伝道師として広げてるんですけど、
何かっていうと、職場は働く場所であるという当たり前な原理原則に基づいた上で、
不職のタイミングも症状が安定してからじゃなくて、しっかり症状が安定した後に、
ちゃんと業務ができる、もともとしっかりやってたところまで戻れるっていうところを復帰の基準に最初に設定して、
それで復帰をさせるという、そういう考え方に基づいてやるやり方なんですね。
じゃあ、慣らしながら徐々に仕事にも慣れていきましょうっていうのではないっていう。
ではないですね。それでうまくいかないとは言えない例もあるんですけども、ほとんどが50%ぐらいがですね、最急職に至るのはそういうことなんですね。
中途半端に帰ってくるから、また最急職になるという。
そうか。じゃあ、やっぱり治ってないので、やり始めるとパフォーマンスが上がらないので、うまくいかなかったというケースもやっぱりあるわけなんですね。
復帰基準の設定
やっぱり6割で症状安定ですから、薬も結構飲んでることも影響して、ちょっと薬がブレーキになったりして、
なるほど。
表情も違いますね。もともとその方とね。あと一歩っていうところで帰ってきちゃうんですよ。
どれぐらい、あともうちょっとっていう方は、その後どういうふうにして中城さんは対応されらっしゃるんですかね。
まず、例えば半年ぐらいで6割ぐらい良くなって、症状落ち着きました。真面目な人が多いんですよ、うつの人。
なので役割意識強いんで、会社に申し上げないって焦って帰って。だから、良くなってますねと。どのくらいですか。6割ぐらいですね。
回復傾向あるのは良いですと。そこは認めて。ただ、今焦ってますから、そのまま復帰しても当面潰れちゃうんじゃないですかと。
そういうリスクが高いので、私としては復帰の時期焦燥というしかありませんねっていうふうに言うんですね。
じゃあ、しっかりと伝えるわけなんですね。
はい。現地の方にもしっかりそこを言ってもらって、その復帰基準図を作ってもらって、
症状安定、疾病性って言うんですけど、症状安定っていうとこはよく会社とは分からないでいいんですよ。
労務についてしっかり、業務ができるかどうかの判定を会社としてはしなきゃいけないって教えて。
ということは、6割ぐらいの症状安定レベルだったら、業務はできないっていう判断でいいんです。
まだ早いということで、もうちょっと療養してくださいと。
だいたいもうちょっと経ってね、しっかり治ってくると10割良くなりましたって言って、
通常勤務ができるレベルで戻ってくれるんですね。
やっぱりそういったところでしっかり治療していただくことが会社にとってもメリットの方が大きいわけなんですね。
非常にメリット。
メリットの前にその休んでる人がどのくらいコストかかってるかっていうと、さっきのプレゼンティーズム以上にですね、
500万から700万って言われます。
結構な会社。
大きいですよね。
大きいです。
それがまずゼロになって、そういう人は真面目ですから、しっかり治っていれば、
ちゃんと働いてくれますから、本当にちゃんとプラスに転ずることができる。
だからこれをしっかりと判断して会社が伝えるっていうことが大切なんですね。
そこがすごく大事なとこで。
私が全部やっちゃったらダメなんです。
耐性化してほしいんですね。
じゃあ、中嶋さんはそのメソッドをお伝えして、会社の内部で人事部とかが取り組められるように伝えてらっしゃるんですね。
中嶋さんはこういった仕組みを企業さんに提供しようと思った。何かきっかけとかってあるんですか?
企業の志と利益
そうですね。もともと私、精神科医ですから、寄り添いとか経調は得意というかですね、馴染んでることなんですけど、
会社って病院と違うなんてすごく違和感があったんですよ。
会社で病院みたいなことをやってたらうまくいくわけないなと思って。
それは部分最適化の最たるもので、あなただけ特別扱いにしてたらこれダメだなと。
業務できてないことはちゃんと客観的に見て、人事の方も言わなきゃいけないなって。
もともと感じてたところに、そのお課題の先生の研修を受けたんですよ。
それで目から鱗が何枚も降りまして、落ちまして。
それで掘り込んで、これだと思ってやったらやっぱり今まで以上にうまくいくんですね。
そうなんですね。じゃあそれを実践してみても、やっぱりこれはうまくいくっていうふうに確信されたわけなんですね。
これからはどういった企業さんに今のこのメソッドを広めていきたいなというふうに考えてらっしゃいますかね。
基本的に私は、だいたいですね、そういうお困りの企業さんの割合って2割3割なんですよ、実際。
だけど潜在的には8割9割の企業が、いろんな副職プログラムとかストレスチェックをしっかりやってるにもかかわらず、
大企業も含めて入っていくとですね、さっきの中途半端に帰ってくる事例がすごく多いんですね。
大企業ほど痛みが少ないから気づいてないだけで、実は構造上はほとんどそうなってるんですよ。
なのでもう本当に一人の力だと限界はありますけども、慣れかけ広げていきたいですね、これは。
この番組は経営者の志という番組ですので、是非中城さんの志についても教えていただけるでしょうか。
私の志は、社員個人の健康と企業の利益率、言い換えると法人という人の健康を両立させることですね。
病気やメンタル不調の社員をただ休ませるだけじゃなくて、再び戦力として再生してもらう。
そういう仕組みを通じて社員が健康の究極は幸せに働いている状態だと思ってますので、
企業も個人も持続的に成長して幸せに働けている、そういう社会を作っていく一助になればなと思ってやっております。
まさに本当おっしゃる通りだなと思って、企業もそういった社員抱えていると損失だし成長も大変ですけど、
個人にとってもやっぱり健康っていうのはすごく大切ですし、働けるかどうか大切なことですもんね。
そうですね。
個人のことは医者ですから、今までもずっとサポートをするのは馴染んできたんですけど、
この数年ですね、法人という人、組織というものが人に見えてきまして、出血してるわけですよ、その何百万って。
その出血まず止めて、いくらいい理念を入れる前に、ちゃんと出血を止めて、傷を治して、
初めて余裕を持って中の体質改善するっていうことがすごく大事だなって最近思ってます。
そうすると企業自身も健康になっていって、健康な社員が働くことによって企業も元気になっていって、利益もしっかり生み出せるようになってくる。
そういうことなんですね。
ここをちゃんと利益を出せるようになると、やっぱり企業って強くなっていくから、働ける方ももっともっと増えていくんじゃないかなってすごく感じますね。
今はもう大前提として企業が生き残っていくのが中小企業ほど難しい状態なので、
なおさら人的資本じゃないですけど、人を大事にするってことが自分たちの組織も良くなっていく。
一番大事な要素だと私は思ってますし、私がお手伝いできる部分だなと思ってます。
ますます健康経営って大切な分野になっていきますので、ぜひ企業の経営者さんで自社のことをもう少し見ていただきたいのとか、
あとはどんなことをされていらっしゃるのかっていう方がいらっしゃれば、このポッドキャストの説明欄に中城さんのホームページを掲載させていただきますので、
ぜひそこもチェックいただけたらなというふうに思います。
ぜひよろしくお願いします。
本日はメンタル産業医として健康経営の仕組み支援をされていらっしゃる中城克美さんにお話を伺いました。
中城さんどうもありがとうございました。
ありがとうございました。