はい、アートテラー・とにスです。そろそろ美術の話を、この番組は私、アートテラー・とにスがアートに関わる方をゲストにお迎えして、トークを繰り広げるポッドキャスト番組です。
今回は前回に引き続き、ヨックモックミュージアム 富安玲子さん、小幡佳奈子さんをゲストにトークを送っていきたいと思います。
ということで、前半に引き続きよろしくお願いいたします。
よろしくお願いいたします。
ということで、ヨックモックミュージアムの教育普及という部分で、前半ではできなかった部分を今度はしていきたいなと思うんですが、
こちら小幡さん、担当ということで。
はい、教育普及の学芸員の小幡です。よろしくお願いします。
どのような取り組みをしているんでしょうか?
こちらのミュージアムは、展覧会ともう一つ、教育普及、この美術館ではラーニングと呼んでいるんですけど、
そちらを柱に、結構たくさん、いろんなオリジナルのプログラムを開催させていただいております。
それはピカソに関するものになるということですか?
はい、ピカソに関するものもございますし、
あとは毎月開催しているアートセッション、技術旅行、アートセラピーですね、そういったもとにしたものもありますし、
あとは先ほど言ったピカソを題材にした、ピカソでアートというですね、
展覧会を回って、ピカソのクリエイティブだったりとか、マインドを落とし込んで、
そういった中に入ったものをアウトプットする、出す、制作で表現するということをやっております。
これからぜひぜひどんな具体的にやっているのか聞きたいんですけども、
僕も5年目で、1年目から会話していただいているんですが、
今収録している場所がカフェのちょっと奥に入ったライブラリー的なものもあり、
広いテーブルがあるところでやっているんですけど、
久々にここに座って気づいたんですけど、床がアトリエのように、絵の具がいろいろあって、
アトリエ感が出て、
だんだん出てきてしまいました。
最初の絵の具はなかったですもんね。
なかったです、綺麗だったんですけど。
ここでいろいろと実際に絵の具を使っての作業もやっているということですか?
そうなんです。ここがアートセッションスペースということで、
こちらで行っております。
これはどういう人を対象にやるんですか?
もう子供、お子さんから大人まで、いろんな方を対象にやっております。
トンボの会の前半の最後に告知のところで、1回分のアートセッションの無料体験だったんですけど、
これはどういう感じでアートセッションをやっているんですか?
まず、YMアートセッションというのがあるんですけど、
それは臨床美術というもの、芸術旅行なんですけど、
そういったものを基にしたアートセッションなんですね。
それは子供クラスと大人クラスがございまして、
それは展覧会などもあらずに、
こちらの今いるテーブルで、
毎月毎月それぞれのバラエティに富んだ、
例えば春でしたら桜だったり、春風とか、
そういったものを季節に準じたプログラムをやってるんですけども。
それは何人ぐらい募集かけてて?
そうです。毎月おかげさまで。
何人ぐらい?
こちらは一応6名様ってなってるんですけども、
今はもう6名様では入らない。
コロナの時期は6名様でやってたんですけど、
こちらはもう12名座れるので、
これ楽しみです。
大体何時間はどれくらい?
時間はですね、YMアートセッションは1時間半やってます。
それはさっきの春の絵を描くということですか?
絵だったり粘土だったり、
本当に千切り絵だったりとか、
その後がちょっと変わってまして、
例えばリンゴを描くということになった場合は、
リンゴの匂いを嗅いで味見をして、
その匂いから色を想像して、
頭で変換して、
その色を描くとか、
味だったら味の色を想像して、
例えばリンゴが酸っぱかったら、
赤じゃなくても青でも、
もちろんその人が黒だと思ったら黒でもいいし、
ほど正解とか不正解がないアートなんですよね。
それは最初、認知症患者のために作られた療法で、
その認知症患者に臨床美術をやることによって、
周辺症状が緩和したというデータが、
医者と一緒に研究してやったという療法で、
それが今や子どもから大人まで、
一般の方だと若い人からはもう関係なく?
関係ないです。
ピカソでアートは親子クラスとか子供クラスとか大人クラスとかがございますし、
本当に年齢もまちまちですし。
月に何回ぐらい?
ピカソでアートは?
多分これ聞いた人でちょっと行ってみたいなっていう人がもちろん多くなったと思うんですけど。
臨床美術を基にしたYMアートセッションは回数で言うと8回。
月に?
はい。
結構やってますね。
8回っていうのは午前午後クラスがあるので大人クラスが3回。
子供クラスが2回。
1、2、3、4、5、6、7、8。
とにかく8、9回ぐらいやるんです。
これは1回限りなの?それとも何回か通う?
1回限りで完結で。
でもおかげさまリピーターさんが多くて、子供クラスだから予約が取れないぐらい。
例えば今聞いている方でお子さんいらっしゃる方もいると思うんですけど、
子供のうちにやっておくといいよっていう部分ってどういう?
私自身実際に自分の子供がいて、自分の子供にやってきたんですけど、
もう接し方から変わりましたね。自分自身の子供に対する。
親側として。
親側として。
やっぱり認めてあげるっていうこととか待ってあげるとか、
そういうのがなかなか忙しい毎日だとできなかったりもするじゃないですか。
でも臨床美術でやって、その子の出しているものを求めないとか認めてあげる。
一緒に共有するっていうことが子供にとってはとてつもない喜びだし、認められたという安心感。
そういう子供を見て、親自身もこうやってやればいいなというふうに成長していくんじゃないかなと。
自分自身はとても変わりました。子供に対しての接し方。
お子さんが楽しんでいて、結構積極的にやっていったりするんですか?
そうですね。最初は大人も子供もそうなんですけど、
最初は手が出なかった、自分の上に自信がない人が、階層を重ねるごとにどんどん評価を。
クリエイティブになっていく。
この空間では出していいんだ、自分を。
この空間があるっていうことが大事で。
確かに。
ここだったら出していいんだっていうことで、どんどん日常の生活に浸透していくっていうか。
それは学校でやってくれればよかったと思いますよね。
僕も美術嫌いになっちゃったのは、美術の先生が合わなかったのもあるんだと思うけど、
もっとこうしなさいとか。
本当にそうで、私も小さい時から絵は好きだったんですけど、
美大とか受験する時に、点数をつけられるから絵を描かなきゃいけない。
小学校の美術教育というのは点数をつけられるようになっていくんですよ。
小さいうちは自分から生まれた楽しいお絵かきをみなさんやってたと思うんですけど、
学校に上がっていくと点数をつけられる美術になっていくっていうところで、
点数をつけられると自信が上がってきちゃうんですよ、みんな。
でも小さい時はやってたんですよ、楽しく。
私も美大に行くためにデッサンをやって、それも大事なんですよ、職としては。
大事なんですけど、楽しくなくなっちゃったんです。
すごい楽しくなくなっちゃって、いろいろ寝相を使う。
で、臨床美術に出会ったっていう。
ここに表現する喜びと出会ったっていう。
今の学校の世界でも臨床美術をやっていこうっていう人とかもあったりはするんですか?
学校でもやらせてもらったりもありました。
呼ばれてやったりとか。
最初に出会っているか出会っていないか全然違いますもんね。
人生が結構大きく変わると思います。
僕は中学校とかで美術の成績が異常に悪くて、
美術の道なんて選択肢なかった。
まず考えすらしなかったけど、
子供のうちからやっとくと、
一つ選択肢として美術の道っていうのが出てくるかもしれない。
音楽でもアートでも美術でも、
自分の表現したものを指定されるってめちゃくちゃ気が付くじゃないですか。
それがずっとトラウマで。
もしかしたらそういった選択肢もあったかもしれないし、
子供だけじゃなくて大人になってからも不足ないんですよ。
全く不足ないですよ。
っていうのは、私は高齢者施設でもやってまして、
100歳のおばあさまも少しずつ進化されていくことを体験しました。
100歳を超えてからでも遅くないんですか。
ここにいていいんだって空間、安心する空間にその方もいらっしゃって、
普段は体が思うようにいかないかもしれないんだけど、
この空間では美術美術が寄り添って一緒に線を一本描くかもしれない。
それだけでも全然良くて。
そういったことで、いくつになっても自己肯定感を満たすってのが大事なんだなと。
ここに来たら、映画の最初にも言ってたけど、
絵心がない人でも全然褒めてもらえるっていう方がいないかもしれないけど、
ここで否定されることはないんですか。
否定なんてことはないですね。
その方が描いてくれたものを感動するわけですよ。
心から出してくれるものって、見る人の心を揺さぶるっていうか、
本当に感動する。
それはピカソの作品と共通するところがあって、
ピカソの表現しているものも、
自分がやりたいことをやっている、楽しいっていうのが座るじゃないですか。
それを触れる、見ると、これでいいんだみたいな。
そういう気持ちにさせてくれる。
だからピカソとこのアートを私たちがやっているのって、すごく親和性があるなって。
関係ないわけじゃなくてってことなんですね。
すごく思います。
ピカソのアートなんかは展覧会もあって、
本当にピカソのそういったパッションを触れてから出すので、より…
アートセラピーのアートセッションと展覧会を踏まえた、
これはオバタ完全オリジナルのプログラムって、大きく二つに分かれていて、
オバタが計画しているプログラムの一番柱がピカソでアートってなるんですけども、
それだけじゃなくて、今どんどんね。
そうですね。今、いろいろメディカツアーとか、
あとはピカットスチューデントっていうのもありました。
新しいオリジナル、ピカットスチューデント。
学生応援プロジェクトピカットスチューデントって、
委員を組んで、トミアスと一緒に、キャッチーな名前を。
確かに、確かに。
学生っていうのは、中学生以上の学生と学生?
そうなんです。小学生までは美術館に触れる機会は授業などであったりもするんですけど、
中学生からは実践に試されるといいますか、
なかなか美大生でも美術館にそこまで行かないということがありまして、
そういった方々に、気軽に美術館、こうやって遊ぶんだよ、
美術館はこうやって楽しめるんだよっていうか、
こういう場所があるんだっていう、
そういうのを知ってもらう第一歩として、このピカットスチューデントを計画しました。
2025年、春よりスタートということですけど、
この番組も6月21日に配信になってますけど、
もう始まってますよね。
もう始まってます。
類似募集中っていうのは、どういう感じでペースでやってくるんですか?
もう予約があったら、尾形が対応するっていう。
これは展覧会を、ピカソでアートの簡易版といいますか、
展覧会を回ってギャラリートークして、ピカソのやっぱりそういったものを入れてもらい、
制作でアウトプットしてもらうっていう、そういうプログラムの、
ピカソでアートの簡易版っていう感じで、
色鉛筆とかオイルパステルを使うプログラムになります。
これは中学生以上の生徒学生ってことは、大学生でもOK?
大学生でももちろんOKですし、専門学校生でも。
その年代、ティーンエイジャーっていうんですかね。
その年代が一番美術館にあまり来ていないっていうこともあります。
そういった方々に向けての取り組みになってます。
これでもいいですね。こういうこともやる。
そういえば、あれはやってるんですか?
何回か僕はここで体験させてもらったんですけど、
カフェでコーヒー飲んで、さらに黄色鉛筆でキットが付いてくるみたいな。
そういうのもやってます。アート法カフェって言うんですけど。
それはお一人でも気軽にですね。
お茶を飲みながらアートしていただくっていう、手軽にできるものなんですけれども。
それもスタンダードなコースターに書くっていう通常バージョンから、
あとは今は春色のミモザリースっていうのをやってるんですけど。
そういった季節に沿ったプログラムだったりとか。
カフェで注文して、コーヒーと靴趾があるものを連れてきて、
それで自分でコースターに絵を描いているようなこともできるし。
気軽にアートに触れられるっていう。
僕は昔ここでやらせてもらった中で、ラテアートの時代もあります。
今もやってるんですか?
今もやっております。
ラテアートってやることないじゃないですか。
ここでやることになり、やるだけやってみて、
一応自分なりには意外とできちゃって。
そうですよね。
インスタに上げたら意外とバズってたり、ありがたいことに。
そういうことができる、体験も。
本当に気軽にいろんなアートができる。
僕はここで体験させてもらう時っていうのは、
少なからずいろいろと上で展覧会をいっぱい見せさせてもらって、
あとで休憩してどうぞってなってるので、
僕の中ではピカソが入ってるってことなんですね。
そう思います。
入っていると思います。
ダディットもやってるから、それなりのものができてるんだ。
ちょっとやってみたいっていうのがあると思うんですよね。
ってことはこの美術館はピカソですけど、
ピカソに限らずこの番組を聞いている方は、
少なくともいろんな美術館に行ってるわけですよ。
でも多分美術館で鑑賞して終わりっていうのは、
僕もいつもそうなんですけど、
そこでちょっとやると入ってるんですよ。
本当に気持ちいいんですよ。
巡ると。
インプットしてアウトプットすると気持ちいい。
インプットだけじゃなくて。
インプットしかしてないですからね。
SNSとかで発信していただいたりとか、
そういったアウトプットもあると思うんですけど、
ここでも直結で。
手を動かさない。
そうなんですよ。
だからすごく気持ちがいいんですよ。
エネルギーがこう回ると。
そういう思いをいただいてます。
大事ですね。
もちろんせっかくであれば、
YMアーツセッションとか、
このタイミングで来ていただいてもいいですけど、
そうじゃない時には店なんか見た後に、