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アートテラー・とにのそろそろ美術の話を、この番組は、アートテラー・とに、私がアートに関わる方をゲストにお迎えして、トークを繰り広げるポッドキャスト番組です。
第9回目の今回は、初のギャラリストさんがゲストということで、東京パロ代表の山本ホズさんをお迎えして、アート資本主義という大きなテーマについて話していきます。
ということで、山本ホズさんです。どうもよろしくお願いします。はい、よろしくお願いします。お久しぶりです。ご無沙汰してます。
ちょっとコロナの影響で、いつもはギャラリーツアーみたいなのを僕は企画していて、で、大体もうラストはホズさんのところに来て、1時間ぐらい喋ってもらうみたいな。
ありがとうございます。こういう時期なんで、ギャラリーツアーができずに、久々にちょっとね、お話できるので楽しみにしてますけど。
でもまあ、こういう時期だからね、アートのことに関して、じっくり喋るっていうのがいいような気がします。
本当ですか。だからとてもいい企画だと思います。ありがとうございます。ホズさんはあれなんですよね、こう見えてって言ったら変だけど、お笑い好きなんですもんね。
もう大好きです。お笑い好きなので、なんかすごい可愛がっていただいて。そうそうそう。もう今もうだから、バラエティは必ず欠かさず見てる。
しかも若手に詳しいんですもんね。そうそう、若手に。最近誰が好きなんですか?最近は誰が、でもね、やっぱり
最近ほら、モンスターエンジンが出なくなったのがちょっと大好きなんですよね。モンスターエンジンすごい好きなんですよね。神々の遊びが。
それがちょっと出ないから寂しいなと。そうなんですね。だからアートを極めたホズさんが、一番アートだなと思う芸人がモンスターエンジンだと。
そうそう、もうあれはもう最高傑作。ちょっと軽く紹介してもらっていいですか?どの辺が好きなんですか?
まあ、神々のっていう、黒いタイツ履いて、最初私が神だって言う。いろいろ喋って、いろんなこと話してるうちにもう一人が出てきて、もう一人も私も神だって言った時点で神がいなくなるわけですよ。この総裁っていうのがすごく。
モンスターエンジンはそこまで深いこと考えてないっていう。でもそういう話をすごい盛り上がってるので、もうちょっとお笑いの話とかも入れつつ、いろんな話聞きたいと思うんですが、それこそ僕は本当にもう十何年ぐらいお世話になっているので、普通に
ありがたみなくて言われるんだけど、普通に入ってこれるようになったけど、やっぱりギャラリーって敷居が高いってイメージが皆さんあると思うんですけど、そもそもその美術館とギャラリーの違いは何ですか?
簡単に言えば美術館は物は売ってません。見るだけですね。ギャラリーは物を見て買えますという。その違いが一番大きいんじゃないですかね。
これ一番大きいところですね。東京画廊さんはどういう作品を扱っているとかあるんですか?
03:00
私の父が創業し始めた時は近代の洋画っていうのがスタートだったんですが、やっぱり世界の中で前衛っていうのが大きな主流を占めてきたんで、
それで60年代に入るともう完全に前衛を中心とした作品になって、70年以降はその前衛もほぼほぼやりを遂げて現代美術に移っていったっていうそういう経緯ですね。
もともとは現代画ではなかったんですか?
もともとは洋画です。もともと父の出身は仏画ですから古美術です。
だいぶ変わったんですね。
古美術で戦前、平山島っていうところに、デッチ防空に入って、戦後新しい洋画が流通に乗るようになって、それで洋画を扱いだして。
その頃はどういう画家で言うと?
もう今で言う岸田隆盛から梅原隆三郎、一番大きな安井総太郎です。
安井総太郎先生にすごい可愛がられて、それから第1回目の展覧会はさすがに梅原安井っていうのは日同とか先輩の画廊がやってますから、
うちの父とすれば長海誠二とか、そういう若手の新しい洋画の人たちを発掘する。
海老原紀之介とか、それから一番大きかったのはキュービズムの岩手県にあるよろず哲郎さんとか、そういうのをやって、それを大原美術館の大原さんが買ってくれたわけですよね。
今あるのはここから行ったんですか?
そういう作品をうちからも買ってくれて、確か安井さんの最も代表的な作品も大原さんが買っていただいたんで。
そうなんですね。見たことありますよ、大原さんに。
そこからどうやって前衛に移っていったんですか?
2つあるんですけど、大原さんのところに作品を収める中に、洋画の延長上に本当のヨーロッパにある印象派のものを、小島寅次郎さんという人が大原美術館の一番作品を集める顧問だった人。
ヨーロッパに行ったわけですよ。そこで中小表現主義にぶち当たるんですよ。
向こうに行ったの?
向こうで。これは何だと。
要するに当時の最新?
最新。それで帰ってきて、そこに有名な評論家の人が斉藤義重さんを家にガロに連れてきて、戦前から中小やってんだけど売れないと。
山本さん、この作家は素晴らしい作家だから、やった方がいいって言って斉藤義重をやってたんですよ。
あ、そうなんですか。紹介されたから?
紹介された。そしたら売れたんですよ。売れたんで斉藤先生も、絵は売れるもんだねって。
06:01
その頃はいくつぐらいだったんですか?
斉藤先生も50幾歳ですよ。
それまで全然売れなかったんですか?
うん。もう大変な生活でした。
へー。
だから前衛なんて無理じゃん。日本でマーケットないし。
それで斉藤先生自体がそこで初めて父と出会って売れたわけですよ。
たぶん父も中小表現主義のことを知らなかったら、斉藤さん見てもやるかどうかわかんないよね。
それまでにやっぱりヨーロッパの情報を持ってたから、20世紀はこっちだ、後半は。
それで一挙に武将絵画じゃなくて中小絵画に変えたんですね。
これはやっぱり日本全国のギャラリーから見ても早い方になるんですか?
いやー、うち以外ないでしょ。
じゃあ一応現代アート専門のギャラリーとしてはもうだいぶ初期。
で、その時に東京画廊の一緒に立ち上げた中に南画廊の清水さんがいた。
で、南画廊の清水さんは東京画廊から脱立して、
それで南画廊さんがアメリカの中小、うちがヨーロッパの中小というふうに積み分けをして展覧会をやり始めた。
じゃあヨーロッパの中小、いわゆる本棚とか、
本棚とかイヴクラインとか。
イヴクラインも日本人画家の僕が、美術館よりも先に行ったわけですよ。
美術館はずっと後ですよ。
そういうことですよね。
それはやっぱり当時の人はみんな衝撃を受けたんですか?見たことないしそんなの。
これが面白いんだけど、製造業が日本が戦後最も大きな力を持つわけですね。
これは投資場だとか電化製品、それから自動車。
そういうような人たちは新しい製造業だから、
なんかね、新しい製造業を起こす人はヒントが欲しいのよ。
社長さん、当時の社長さんの前代です。
それでうちへ来ると、なんか不思議なものがあるから。
それがショックになったんだと。
それで多分、倉敷宝石の大原さんとか、
それから製造業の人はね、現代美術を買うんですよ。
へー。
だから要するに印象派とか買わないんですね。
だから印象派はもう買うけど、そこにはもう興味は。
ヒントがないから。
そう、ヒントがないから。
これって今も続いてるんですか?今の。
だから日本はその後流通業になったでしょ。
例えば西部百貨店とか、市政堂とか。
流通業になると何が売れるかっていうと、ポップアートですよ。
流通のアートだから。
やっぱりポップアートっていうのは流通でしょ。
アメリカ文化だから。
それだからポップアートが流通業。
だから西部もポップアートコレクションしてるじゃないですか。
そう、リンクするんですね。
リンクします。
社長さんがどういう業種なのかっていうことに。
それで今度は金融業になるでしょ。
金融業になるとそういう新しいものに興味ないですよ。
印象派に戻ろうと。
確実に、資産として確実なものしか買わない。
09:00
なるほど。
だから冒険しないですよ。
今そういう時代になってるんですか?
もうそれを通り越しちゃって、冒険しないところじゃなくて冒険がない時代になっちゃっただけ。
2000年以降。
2000年以降。
そうなんですね。
だから今日本のこれからの最大の問題は今日のテーマでもあるんだけど、
この冒険がないっていう日本が21世紀に生き残れるかどうか。
すごい、壮大なテーマになる。
壮大なテーマ。
これはちょっと興味津々です。
ちょっとこれじゃあ後に聞くんですね。
今改めてなんですけど、やっぱり買える場所じゃないですか。
そうするとやっぱり買ったことない人からすると、買わないと入っちゃいけないのかなみたいな。
買わない人で最もたくさん来たのがアーティストですよ。
なるほど。勉強しに来ると。
アーティストたちは新しい情報を知りたいんだけど、
日本の美術館に新しい情報ないから。
当時ってこと?
当時は。
だって神奈川県立近代美術館が1951年だっけ。
近代美術館でそれぐらいですね。
それでひじかた先生が作られるんだけど、
それが日本で最初の公立の美術館ですよ。
その後近代美術館ですから。
その時にうちの父はひじかたさんに頼まれて、
神奈川県立近代美術館のいろんなサポートをしてた。
そうなんですね。
だからまだノウハウがないから。
それで、だから美術館は当然うちより遅れるわな。
だからうちの方がアーティストにとっては。
最新情報、今みたいにインターネットもないし、雑誌もそんなにカラーでもないしっていうと。
ガロを巡りしかないよ。
そこに本棚とかイブくらい持ってくればさ、若い連中ショック受けて。
そこで影響を受けた人たちも多いんですね。日本の美術館で。
その人たちが次の時代をしようアーティストになる。
それを見て、これはヨーロッパ行かなきゃいけない。
これはアメリカ行かなきゃいけないって言ってみんな海外出て行ったわけですよ。
これでも一般のアーティストじゃない普通の人も来ていいってことですよね。
もう全くうちには誰々来ちゃいけないってことがないから。
一番面白い例は、80年代かな。
中学生が毎回展覧会来てるのがいたよ。
今、美術館のキュレーターになった。
普通に美術が好きだったんですか。
ポツンといるのよ。
毎回来るから、ガロの人たちとみんな仲良くなっちゃって。
お、男来たかみたいな感じで。
だから全然それで、お前買わないから出て行けっていうのは一切なかったから。
でも見てもらえるのは嬉しいんですか。ポツさんとしても。
展覧会やるから。展覧会は見せるためにやってるんで。
見た後に売れればいいわけだ。
まず見せるってことが大事なんで。
それはだからノーチャージで見せるわけですよ。
一番うちのガロでとんでもないことが起こったのはこういう。
ムンクですか。
ムンクの展覧会やったんですよ。
12:00
そうなんですか。何年くらい前ですか。
もうだから何年、70年代。
ムンクの絵を持ってきたんですか。
ドローイングだったとかね。日本初のムンク展だった。
美術館とかも含めて全部で。
全部で。そしたらさ、今、博品館があるじゃん。
やめき通りのガロから博品まで列ができた。
ギャラリーに入るためだけに。
父親が100円取ればよかったんですよ。
100円でもだいぶの後ろになりましたね。
それでその後ムンクがこんなに日本人に評判があるっていうのは初めて知って。
それでその後だよ。神奈川県立近代美術館でムンク展やった。
あ、そうなんだ。それまで日本人ってムンクあんまり有名じゃなかったんですか。
だから多分ね、なんか本で見てるんだろう。
ムンクの写真見たけど。
ムンクのああいう人間性みたいなのもね。
だからゴッホが耳切ったとかさ。
そういう文学的なもので彼ら知ってたから、
そらにムンクが来たっていうので来たんですよ。
でも当時って口コミってことですもんね。
今みたいにインターネットないのに。
ないからね。
それでそんなに列ができたんですか。
そう。
だから多分うちのガロを70年やったけど、
そんなに列が出て見に来た人は1人ぐらい。
その以降ないんじゃないかな。
でもじゃあその時に買った人もいるってことですよね。
いやーわかんない。
でももしかしたらあるかもしれない。
僕その時大学生だったから。
あ、そっかそっか。
売れたかどうかはわかんない。
へー。
でもその今ちょっと作品のこれ聞いてほしいということでプロデューサーが。
作品の値段はどのように決まるのですかっていう。
これはね皆さんから聞かれるんだけど、
日本人の場合は値段っていうのは製造業で値段が確定されてるから、
製造業っていうのはコストを積み上げてって利益乗せて価格じゃん。
資産財っていうのは不動産はコスト積み上げて値段決めてるわけじゃないじゃん。
それは最初の値段をいくらにするかが大事なんですよ。
不動産の場合は。
なぜかと言うと銀座のあの5丁目4丁目の角が平米4000万で決まると北海道まで決まるんですよ。
そこを基準にするから。
そうそう。だから一番最初のトップが値段のことになるから。
その値段っていうのは関係で成り立ってるわけね。
なるほどなるほど。
これは人間の関係が値段を作ってんで、製造業は関係じゃないじゃん。
積み上げてるから。
だからアートっていうのはほぼ、例えば20代で最初にデビューした作家の値段っていうのはほぼ世界中同じぐらいの値段。
なるほど。ギャラは一緒みたいな。
そうそう。芸人のギャラ一緒。それと一緒。
ほうほうほう。
だって芸人のギャラだってコストじゃないでしょ。
はいはい。だから大体一緒ですよね。
そう。だから例えばそう。
そこから売れてくるとさ、上がってくるわけじゃん。
要するにまあ争奪性にあるわけですもんね。
そうそう。
15:00
番組プロデューサーがこいつ使いたい。なるとギャラを上乗せしていくってことですよね。
そう。それは人間の関係でしょ。
はいはいはい。
だから人間の価値とアートの価値って非常に似てるんですよ。
この価格っていうのはホーズさんが決めるものなんですか?
それとも作家と話し合ってこれぐらいにしようかってなるんですか?
うん。だから作家と話し合って決める。
だから作家の一人、当然若いから、うちの父が大体こんなもんだよって言って、それでこんなもんだよってから始める。
で、不動産は下がっても文句言われないけど、アートは下がると文句言われるから。
最初の設定金額を高くできないんですよ。
なるほど。
例えば僕が、弾尺くんっていうね、若い作家を1枚50万で売ったとするじゃん。
売れないから翌年30万でできないんだよ。
なるほど。
だから5万から7万いって10万って言うと買ったお客さん喜ぶじゃん。
逆に低めから設定していくんですね。
そうそう。だから低めから設定していかないといけない。だからコストに合わない場合あるの。彫刻。
ほうほうほうほう。
石台のが高かったりする。
そっか。でもやっぱりそれは低めに、製造部じゃないから、これぐらいのコストかかったからで決めれないんです。
そう。
あーなるほど。
だからそれは大体世界の中での関係。だからその当時はまだ世界の関係までいかないから、
日本の大体アーティストの常識的な金額があるから、その金額で僕たちは決めてるんで、勝手に決めると後で痛い目にある。
じゃあ基本的にどの作家さんは新人時代とか下積み時代は同じ値段で買えちゃうってこと?
同じ。大体同じ値段。
でもそういうのは早めにいろんなギャラリー巡ってて知っておいた方が有利ですよね。
そう。
だってそうじゃないともう何十倍になった後に知ったらもうってことですよね。
だから一番いいのはアートフェア行くことよ。
アートフェア行って関係見ると大体値段わかるじゃない。
それでこの作家の質とこの値段がいい具合だなっていうものを買った方がいい。
なるほどなるほど。
これ質より値段高いんじゃないっていうのと、質より値段が低いんじゃないとかっていうのがあるじゃん。
その辺を見極めるのがアートフェアの醍醐味なの。
そうか。何個も一緒にあるから。
そう。だから比べるってことができるからね。
うちの画廊に来てもここの画廊で50点見るってことはありえないじゃん。
だから比べようがないんだけどアートフェアだと5000点見れるから。
なるほど。
だからどんなアートが苦手な人でも5000点見ると好きなもの1点ある。
ほうほうほう。
美人がどうのこうのって言うけど5000人女の人集めたら必ず自分のタイプ1人がいる。
さすがにそれぐらい言えば。
はいはいはい。
だからそれがその人の最初のスタートなの。
なるほどなるほど。でもそういうものを買った方がいいですか?
もしこれからコレクターになりたいっていう人の一発目はやっぱり好きなものを買った方がいいですか?
そう。だから好きなものっていうかそれは買い方があるんだけど
それは今僕の方で若い人集めて20人で絵の買い方っていうレクチャーしてる。
18:01
ほうほうほう。
その絵の買い方っていうレクチャーをお金取ってやってるからここでは言えない。
それどこで聞ける?聞きたい人に。
だからそのうちに問い合わせてくれば次やるときに教えるから。
あーそれ東京ガラソンでやってるんですか?
そうそうそう。
あーそれはもうぜひぜひ気になるかな。
でそれ若い人が主体になって僕が集めてるわけじゃないから彼らが集めて
で彼らに僕がこういう買い方しなさいって言ってアートフェアにずっと行くわけよ3331から
みんなじゃあ安いのか。
はいあります。
同じシステムのその僕の買い方。
で買ったものを後で僕の彼に持ってこいと。
でみんなでその買ったものをワイワイやるの。
なるほど。
これが大事。
これ大事なの?
そうでその品評したときに何が大事かと次買うもののヒントになる。
なるほどなるほど。
これを10年やると面白いコレクションできる。
へー。
衝動買いじゃないから。
それってでもすごいバカ高い金額ではない?
もう僕は5万円が制限。
最初はでしょ?
これは父が小美術の時に最初に来たお客さんは5万円から買わせるっていうのが大事だ。
へー。
それもいきなり本当だったら30万円とか100万円売った方が儲かるのに5万円から。
っていうのはなぜかと小美術は壊しちゃうと二度と手に入らないでしょ。
ってことはお客さんに小美術の使い方を学ばすってこと。
まずは安いものからというか。
5万円で壊してもそんな痛いわけではないけど
父が井戸邪漫をお金持ちだからって言って渡すでしょ。
割れたら二度と手に入らない。
確かに。
もう辞めちゃうかもしれないし。
辞めちゃうし。
だからそれで5万円から買わせる。
日本の場合バブルの時に5万円のものを買ったことのない人が100億買ってるわけ。
最初から印象派の絵とか買っちゃったから。
騙しやすい。
5万円、10万円、30万円、100万円いった人は絶対騙されない。
なぜかと美術はどういう風になって自分の手元に来るかっていう
常識的な環境感。
こんな風に100億のものが来ないだろうっていうのを買っちゃう。
なるほど。
お金持った人は落ち入りやすい。
落ち入りやすい。
どれだけお金持ちになってもまずは常識的なところから始める。
だから前澤くんがオークションで買うっていうのは正しいわけ。
なるほど。
あれは正しいんですね。
正しいでしょ。
多少サーバリストが容赦されるけど。
でもあそこで買うほうが確実。
だからよくわからない人が来て掘り出しもなりますよ。
100億円でとかいうのは怪しい。
だからほらインターネットオークションで買ってる人ほとんど危ないじゃん。
今でも増えてますもんね。
みんな自分が目が聞こえてるからと思って買うじゃない。
21:01
ほとんど引っかかったでしょ。
今騙しやすいんですね。
騙しやすいよ。
でも金額もでかいですからね。
そう。
騙すっていうのは騙すように騙すから。
素人はこれ面白いんだけど、
騙す人と騙される人はどっちが偉いかっていう話なんだよ。
日本は騙される人が良い人、
騙す人が悪い人でしょ。
別の国に行くと、騙す人は騙すために働いてると。
騙されてる人は働いてないから、
働いた人がたくさんお金もらって何が悪いんだって。
なるほど。
よく詐欺の事件とかあると、
その能力をちゃんと他のところに使えばいいのにみたいなのあるじゃないですか。
あれは他の国に行くと、それを使ってるんだって話なんですね。
もう既に。
だから仕事ってことを考えたら、
仕事してる人がたくさん貰うのが何故悪いんだってことだ。
確かに。そういう国柄もあるんですね。
だからさっき言った製造業から値段を上げていく社会と、
ドンと上から来て下に降りる社会とで全然違うじゃん。
それと同じくらい騙すと騙されることがある。
ちなみにお金の話で言うと一つ疑問なんですけど、
例えばアート作品買って値段がすごい下がる。
例えば何でも鑑定団とか見てるとあるじゃないですか。
偽物じゃないんだけど値段が下がることってあるんですか。
あります。
それはどういう時に下がっちゃうの?
だからそれは一時流行るっていうことと、
流行ったことが時代を過ぎると価値が無くなる場合があるわけ。
旬過ぎちゃうみたいな。
そう旬が過ぎちゃうと。
その時に旬が過ぎても価値があるものがあるわけ。
そのものが残る。
ところが旬を過ぎちゃうと価値がもう無くなっちゃうものがあるわけ。
それもうゼロになっちゃうんですか。
ゼロ。ゼロだって。
その後再評価されることってあんまりないもんなんですか。
いや非常に難しい。
なぜかって言うとそもそものものがそれだけの文脈の能力を持ってるかどうか。
だからその作品が将来価値が出るようなだけの何かを持ってるかどうか。
美術紙の文脈ってただただかっこいいから買ったとかじゃなくて。
そうじゃなくて。
これやっぱり美術紙っていうのは大事なんですか。
美術紙大事。
美術紙っていうこれは不動産でまた言うと不動産は路線価格が大事でしょ。
東京駅からそこまで何分か。駅から何分かっていうんで路線があるから価格がつくじゃん。
なるほど。
この路線価格の役割をしてるのが美術紙だ。
なるほど。王道のあるしもしくは私鉄みたいな。
そう私鉄かもしれないし。
でもどうせ買うんだったらやっぱりJR的なの買っといた方がいいんですね。
メインストリームになるもの。
例えば梅原龍三郎を明日香港に持っていって値段つくかったらやばいでしょ。
24:00
国内では成立してるから。
そっかそっか。
だからさっき言った私鉄なら成立するけどJRでは成立しないとかっていう大きな。
なるほど。
流れじゃないですか。
そうするとやっぱりどっちかというと世界の美術史を見ておいた方がいいんですね。
うん。
そこの文脈に近づくかっていう。
そう。というか今この間誰だっけな。すごく面白いこと言ってた人がいるんだけど
インターナショナルの対応語がドメスティックでしょ。
うんうんうん。
この場合は自分が含まれてないことを言うんだよ。
だから日本にとってインターナショナルっていうのは自分のことじゃないじゃん。
外国のことじゃん。
グローバルはローカルだ。
グローバルの対応語がローカル。
そうするとグローバルっていうのは僕も入ってるわけ。
なるほどなるほど。
インターナショナルとドメスティック、グローバルとローカルっていう対応語になった。英語ではね。
あーなるほどと思って。
確かに。
で、ドメスティックになると値段が下がるってことだよ。
なるほどなるほど。
グローバルっていう流れになると美術史が日本の美術史も世界の美術史に並べられるようになればローカルになるから。
ローカルになれば価値は確定するんだけど。
ドメスティックっていうのはその土地の少ない人数で価値を決めてるから。
うんうん。そうか。
うん。
なるほどなるほどなるほど。
貨幣と一緒。
確かに。
だって貨幣っていうのは世界貨幣なのかドメスティックな貨幣かでしょ。
ある日突然ブラジルの貨幣はとんでもないインフレを起こすじゃん。
はいはいあります。
でももうユーロとそれからドルは世界の通貨だから、
世界同時にインフレになることはあるけど、その価値がなくなることはないけど、
ドメスティックな貨幣ってある日突然ゼロになっちゃうじゃん。
うんうんうん。
だからそれの違い、イタリアのリラなんてもうどういうものなんだ。
ああなってましたね。
だからユーロっていう通貨に変えた。
そうかそうか。
だから多分ヨーロッパが貨幣がいくつもあるとアメリカなんかに対抗できないんで、
それでユーロ圏作ってユーロっていう貨幣に統一して、
それぞれの貨幣が持ってるドメスティックさをやめたわけでしょ。
うんうんうん。
で問題は日本だよね。円は今世界貨幣になってるけど、どうなるこの先。
次の世界貨幣狙ってるのは誰?
中国ですか?
そうでしょ。だから中国人は元って言うけど、円って言ってるんだよ。
ああそうなんですか。
円って言えば、分かんないじゃん。日本の円が元になってる。
はいはい、確かに。
でアジア圏を中国が統一しちゃったら、円は。
飲み込まれちゃうんですね。
そう飲み込まれちゃう。
なるほど。
ただ問題なのは中国の財政が、ちゃんとした正式な発表が何だか分かんないから、
みんな怖くて、世界貨幣にならないだけで。
27:02
そうかそうか。
本当に日本は今翻弄されてるんですよ。
それをそのまま当てはめると、日本国内の美術っていうのは、
ドメスティックなのかローカルか。
今どちらだと思うんですか?
日本の近代美術はドメスティックになっちゃった。
全円はローカル。
だから具体が高いでしょ。
そういうことか。
だから梅原美術博物館とかその日本の近代の美術師の人たちは、
日本では価値があるけど、
ドメスティックなものだから。
そうすると日本の洋画というものを、
インターナショナルドメスティックからグローバルに持ち上げることしなきゃいけない。
はいはいはい。
これが文化生産。
これはちょっと後半戦の話ができるということですけど、
今タラットでは具体っていうのを皆さんちょっと分かりやすく。
具体っていうのは1950年代、戦後まもなくでね。
それから1972年まで続いた全円運動なの。
具体美術協会ですね。
具体的な舞台ですね。
そうそう具体的な。
その吉原次陵さんという関西の油屋の息子さんが、
その全英という旗頭に人がやらないことをやろうって言って、
みんな集めたグループがあって、
そのグループがやってた運動が世界に認められて、
今グローバルな表現になった。
なんかあれなんですよね。
世界的にも今具体で通じるっていう。
そう、具体で繋がります。
アメリカのどこで?グッケンハイムでしょ?
グッケンハイムで展覧会やりましたからね。
ここ5、6年の話ですよね。
あれなんで急にアメリカのグッケンハイムが具体、これすごいぞ。
要するに日本の近代洋画はあんまり評価しないけど、
その具体はこれはいいぜって言ってもらえた理由ってなんなんですか?
まず第一番目にヨーロッパで認められたってことね。
その具体が。当時ですか?
そう。で全英が最初に生まれたのはヨーロッパだから。
で全英っていう言葉はロシアのコミュニズムと関係してて、
コミュニズムの議会の前にいるのを全英って言うんですよ。
ほんとに前にいるって。
ほんとあれは政治用語なの。
はいはいはい。
それでその政治用語をやって、
だからいわゆる美術の中で先頭に立っているのを全英って言うようになった。
でこれは第二次世界大戦が終わった後に、
その全英、それまでのアカデミックな構造が戦争で全部壊れたわけよね。
一番大きいのは僕はヒトラーだと思うんだけど、
ヨーロッパのアカデミズムを背負っていた哲学が、
ヒトラーを止められなかったわけね。
だから知性がハシズムを止められなくて、
有名な哲学者までヒトラーの用語をしていたくらいだから。
それで哲学、戦前までの哲学が全てそこで終わっちゃったわけ。
30:04
まあ役にならないというか。
そう、現実に対応できなかったと。
それでそこから文学が一気に吹き出してサルトルの実音主義が出た。
そのサルトルの実音主義が最も色濃く反映していたのが全英だと。
それはもう美術。
美術。
本棚ではないけど、ああいう人たちがたくさん出て、
既存の価値を壊すような美術が出て、
それが世界で同時で動いたわけ。
それはヨーロッパで起こったんだけど、
アメリカに渡るまでちょっと時間がかかるわけ。
そうなんですね。
具体がようやくヨーロッパでマーケットがちゃんと保証するようになったから、
アメリカで具体が認められるようになった。
それまでアメリカは具体を認めていなかった。
でもアメリカが認めたことによっても世界が認めたことになった。
世界が認めたことになって、グローバルの中のローカルになった。
これはやっぱりちょっといやらしいんですよ。値段は急に変わるものなんですよ。
だからうちの父が売っていた値段が100倍になった。
この数年でですか。
だから私の父は知らないで死んじゃったからかわいそうなんだけど、
だから500万円くらいで売っていた作品が5億円になったから。
すごい夢がありますね。宝くじより夢がありますね。
いやもう圧倒的に当たる確率は宝くじなんてことじゃないですよ。
確かにギャンブルじゃないですもんね。
それから問題なのは、ギャンブルって本当に勝つためには知性がいるじゃない。
例えばトランプでも相手が何してるんだとか、将棋だってすごいじゃん。
ところが美術品買う時ギャンブルだと思ってないから勉強しないじゃんみんな。
でも当たるものを買うんだったら勉強しないとダメ。
でもこの勉強すれば当たる率は高いってことですよ。他のものに。
圧倒的。
パチンコ飛翔ガイドとか調べてパチンコやるくらいなら、
美術史学んでおけばメインストリームこれなんだなってのさえ読めばいいわけです。
少なくとも鉛筆を耳に入れてかけて競馬やっててあれぐらいは勉強しないとダメ。
勉強しないとダメ。
あの人たちもその勉強こっちに持ってくれって。
本当ですよね。あんなに馬の体重が何グラムでとかやってるわけじゃないですか。
あれコンテクストでしょ。あれを美術でやればいい。
やったらもう何百倍、万馬券とかの騒ぎじゃないですもんね。
だから美術史勉強して、この美術がここで今行われてることが世界の美術史の中でどういう役割になってるかっていうのを判断して買えばいい。
それは勉強になりますね、確かに。
勉強しないで感覚だけで買ったってバクチン当たんねえじゃんか。
何しかなく何でも勘定なのか見てるとメキキって感覚のような感じになってるじゃないですか。
ああいうことじゃないですね。
ああいうことじゃないですね。
たくさん見てれば感覚でわかるわけじゃなく、勉強なんです。
そこはやっぱり。
それから情報っていうのは2種類あって、大脳皮質の情報と小脳の実質がある。
33:05
小脳の情報を鍛えなきゃいけない。
これはどういう情報なんですか?
物を見る以外ない。
見るってことですか?
そう、物を見て、例えば来歴とか記憶とかってメモするじゃん。
これ大脳皮質の情報なんだよ。
それは大脳の本ですか?
そう。小脳は買わないとダメ。
買わなきゃダメなんですか?
買うとリアリティ生まれない、自分の中に。
なるほど。
失敗したと思うでしょ。
だからさっき言った、5万円から買えっていうのはその訓練しろってこと。
5万円でこれ成功したなと思ったら、次の戦に行けばいいってこと。
失敗したらそのラインはダメだと思ってやめれよ。
それを丹念に積み重ねていけば、当たる率は高い。
それをいきなり最初から100万、一発勝負じゃなくてってことですね。
確かに。
競馬もそうですもんね。きっと最初は1000円くらいから買っていってやっていけばいいですもんね。
ちなみにちょっとまだ話戻すんですけど、アートバーゼル。
さっきちょっとこのアートフェアの話出てきたと思うんですけど、
アートフェアの中でも大きなアートバーゼルっていうのがあると思うんですが、
山本さんが何年も参加されているこのアートバーゼルについて、
ぜひプロデューサーが聞いてほしいってことなんで。
わかりました。
アートバーゼルって具体的にどんなイベントなんですか?
今20世紀の後半から、多分世界の国家の首都では必ずアートフェアが開かれるようになった。
だからギャラリーで絵を買うっていう以前に、まず情報開示だよね。
お客さんはアートフェア行って、たくさんものを見て、そこで値段と作品を選んで、
それからガロー行くと怖くないでしょ。
アートフェアでギャラリーがたくさん集まって、やるイベント等ですよね。
その一番トップにあるのがアートバーゼルというスイスでやれるアートフェアなんだけど、
だいたい250件ぐらいのガローが参加した。
これは誰でも参加できる分?
世界に何十万件というガローがあるんだけど、
コミッティというのがあって、そのコミッティの審査を通らないと250の中に選ばれない。
これだいぶ狭きもんですね。
そう。だから日本だと3つのガローしかない。今のところ。
中国が5ガロー、韓国が1ガロー。
そんなに狭きもん。要するにアメリカもあるしヨーロッパもあるし。
オリンピックぐらいのものですよね。
毎年行われてるもんね。
毎年。だから毎年6月に。
で、あと香港行くともうちょっと緩くて、香港、アジア圏のガローだと出やすいんで、
日本から10何件出てるんじゃない?
アートバーゼルの香港。
アートバーゼル、香港。それからもう一つはアートバーゼル、マイアミっていうのがあって、
これは南米の人たち、メキシコとか、あっちにいるガローはバーゼル、アート、マイアミは出やすい。
でもアートバーゼルのバーゼルはもう、やっぱりなかなか…
36:01
そう、なかなか…
要するにヨーロッパのガローは強いってことなんですね。場所的にスイスだからって。
そう、やっぱりね。やっぱり諸本主義の中心だからね。
で、特にバーゼルっていうのは何がすごいかっていうと、さっき言ったコンテクストを作る西洋美術史っていうのを本当に考えたのが、
ブルックハルトっていう哲学者。これがバーゼルだよって。
あっ、そうなんだ。で、バーゼルってやつ。
そう。それからもう一つは、世界の銀行協会の集会はバーゼル。
へぇー。
学問と金融とアートなんですよ。
その中心地なんですか、バーゼル。
へぇー。
面白いでしょ。
これいつから行われてるんですか、アートバーゼル。
バーゼル自体はもう相当古いんだけど、最近ここ10年くらいじゃないかな、世界にアートバーゼルありってなったのは。
これ、アートバーゼル出るきっかけというか、東京からはどうやって…
だから、ドメスティックな、それぞれ、ローカルなアートフェアにずっと出るわけよ。
ニューヨークとか、それからスペインのアルコとか、いろんなところ、それからフランスのアートフェアとか、
そういうのにずっと出て、積み上げていかないと。
はいはいはい。
積み上げていって、バーゼルに申し込むんだけど、なかなか通らないわけ。
はいはいはい。
で、ようやく2015年くらいのときに、東京からOKって出た。
これ出るときに、何を持っていくとかってどうやって決めるんですか?
もうこれはもう、僕たちが向こうから何を期待されているか分かっているから。
アートバーゼル行けば、世界中の人が世界のアートシーンを見れるっていう構造になってるんで、
日本のアートシーンを見たいわみたいな。
そうするとやっぱりうちはさっき言った具体とかモノハとか、
1960年代、70年代の作品を持っていくと喜ばれる。
これ見に来る人っていうのは誰でも見に来るものなんですか?
見に来る人も、買う人とただ見る人が分けて、買う人は最初の2日間しか来ない。
でもそこで売り切れちゃう?
それでほぼ売り切れちゃう。
それで3日目からは一般の人が観光のように入ってくる。
だからもう3日目は売り買いがほとんどない。
だから僕もバーゼル行くじゃないですか、スタッフと飾り付けして、
最初の2日だけいて、3日目から観光に。
どういう人が買いに来られるんですか?
世界中のコレクターの人だと。
だから美術館ではないですか?個人像になると。
個人もあるし、美術館もあるし、いろいろあります。
それから見てると、ヨーロッパ、欧米は個人といっても、キュレーターがついてる。
個人にですか?
そう。
39:00
専属のキュレーターさんがいるんですか?
その人たちが作品を選んどくから、そういう人たちが買いに来るっていうのもある。
プロの目的がついてくれてるってことですか?
だからさっき言ったように、個人の感覚でなんてかかってない。
だから専門の人が来て、10点選んで、
例えば同じ作家でもいろんな種類があるじゃないですか。
すると、プロが選んだものから、自分の好きな色を選ぶっていう程度。
なるほど。それは確実な買い方だな。
ホントだってブルーから青から白から全部あるからさ。
カラーバリエーションがあるから。
カラーバリエーションがあると、本棚を選んどいた上で、
あ、僕に白がいいなって買うわけ。
なるほど。
安全じゃん。
ここのブランドはまず大丈夫だよってどこまで言ってくれてってことなんですね。
でもやっぱりそれは逆にホズさんも、
こういう文脈だったら買ってくれるだろうなってのも、
要するにギャラリーさんたちも読んでるってことですよね。
そう。だから僕たちも彼らが文脈を読んでくることがわかってるから、
その文脈に合った文脈を作っていかないといけない。
なるほど。
だから作品をただポンと飾ってんじゃなくて、
この作品はどういう文脈のもとで生まれたかっていうことを、
ちゃんと資料として向こうに提示すれば、
向こうの人は文脈読めば、
あとはだって感覚でしょ。
うんうんうんうん。
だからそういうことをみんな戦ってる。
これ毎年、これ4年連続。
はい。
毎年やっぱ物派とかやっぱり具体が今人気ですか?
いや、でもそれは物派具体の周辺みたいなものも含めて入れていくから、
もうちょっと今広がってきたような。
へぇー。
結構日本の美術は興味持たれてるもんですか、世界的に見ると。
やっぱり持たれてると思う。
それは一つは不思議なんだけど、
例えばフレンチの一つ星とか三つ星とかっていうレストランがパリにあるでしょ。
はい。
そこで日本人がいないとこはないんだよ。
へぇー。みんな働いてる政府がってことですか。
そう。それから建築事務所。
はい。
ジャンヌーベルとか。
あの有名な建築事務所にも全部日本人がいるらしいの。
確かに。
それでそのデリケートな分、ディテールは日本人にやらせてるような気がする。
なるほど。日本人はそこが得意なんですか。
そう、そこが。
だからすごいコンセプトは考えらんないけど、
すごいコンセプトの緻密な部分は日本人が真向きなんじゃないか。
それはアートにおいてもそういう感じなんですか。
そういう感じ、アート。
大枠だけはちょっとこう、
全映っていう大枠はヨーロッパ考えるけど、
じゃあちょっと具体的にやってみろって言われると、
やっぱり具体がやれるような感じってことなんですか。
うーん。
だからその中で圧倒的にヨーロッパの人がびっくりしたのは、
関根の坊の磯台地で。
関根の坊さん、はいはい。
圧倒系の土。
土を圧倒系に掘って、
穴の部分、穴が開いたやつを地面に持ってきてっていうやつですよね。
42:05
あの一連、彼が作った磯を誘導とか、
それから水槽のプロジェクトとか、
ああいうのは1968年からの4年間の間にいろんなことを考えたのは、
これはやっぱり大米人としては魅力なんじゃないかな。
やっぱり寿司みたいなもんだと思うんだよね。
技術ないじゃん。
寿司ですか?
寿司ってさ、向こう通してから見ると調理してないからさ。
でもあれは、もっと違った意味での西洋人。
例えば魚を釣った時から血抜きするでしょ。
西洋のフレンチに魚を釣った時から血抜きしてるような魚が来ないじゃん。
なるほど。
日本はそこから始まってるんですね。
そうすると、個人のシェフが味を作ってるわけじゃなくて、
血抜きしてるとこからだと、それはシェフじゃないじゃん。
また別の人の手が入ってるってことですか。
それかだし。
鰹と昆布を干してるのはシェフじゃないじゃん。
なるほど。
とりあえずその場合は本土坊だからそこで作ってるけど。
その個人が野菜とか肉入れて自分なりの味作るけど、
日本人の場合はだしは誰が決定してるのかって話じゃん。
彼らにはそれを料理と移んなかったんだよ。
なるほど。
でも今さ、世界中のトップのシェフは銀座に来たら寿司食って帰るじゃん。
はいはいはい。
ってことは彼らが初めて日本人の食っていうのは我々とは違うなって思い出した。
分かってもらえたんだ、ついに。
だからそれがやっぱり位相大臣とかそういうのに関係してんの。
アートって色々と関わってくるんですね。
食もそうだし哲学もそうだし。
でもそれを結びつけるっていうのは非常に難しいでしょ、学問的には。
僕みたいなギャラリストが言ってる分にはさ、またあんなこと言ってるみたいな。
それはでも説得力ありますよね。
そう、面白いじゃないですか。
人はやっぱり銀座で東京ガロがあるって意味があるじゃん。
確かに確かに。銀座ってのも大事なんですね。
大事なんです。やっぱり寿司があって、天ぷらがあって。
この頃とんかつっていうのもついにとんかつっていう、
こう有名になったらしいな。
海外ですか?
スペインでとんかつ売ってるらしいんだよ。
何がとんかつのあれになるんですか?
とんかつっていうのは、
揚げればいいだけじゃない?
でもあれは天ぷら油で揚げてるってこと。
ヨーロッパにあるのは、かつを天ぷら油で揚げてないの。
衣つけてるの。
衣つけてバター焼きみたいにしてるでしょ。
天ぷら油で揚げたっていうのが、あのサクサク感。
それから生の野菜のキャベツなんかつけてないじゃん。
でもさ、生のキャベツの千切りの細切り、
45:00
あれととんかつは抜群に合う。
あれで今世界に受けてるんですか?
それをようやく味、
向こうの人は全部お野菜の非投資だからね。
そっかそっか、生野菜じゃなくて。
そう。
いや、生はもうサラダだからってことなんですね。
だからそういうのはようやく浸透し始めた。ヨーロッパで。
で、そのフレンチが寿司から影響を受けて、
生で出すようになったでしょ。
だからその生でフレンチをやるようになったから、
フレンチが西洋料理の中で最も和食の影響を受けたんじゃないか。
じゃあその流れでいうと、アートももしかしたら日本の影響を受けるかもしれない。
その流れを見ておく。
だからアルテポーベラなんか、それに近いところがあるでしょ。
イタリアで起こった60年代の後半から。
アルテポーベラもクネリスが馬を展示して作品としたとか。
そのまんまってこと?
そうそう。あれのと共通性があるんじゃないかな。
日本の寿司を出すみたいな。
イタリア人は営業会とか地中海で生食ってんじゃん。
そうか、じゃあ日本を受け入れやすかった。
フランス人は生食わない。
なるほど。ちょっと自覚があったんですね。
そういう意味でいうと。
だからイタリア人と日本人はすごく似てるような。
雰囲気的?
海に囲まれてるし、それから素材をそのまんま活かして食べるとか。
そういうフードとアート作品って結びついていくんですね。
なんとなく生まれてきた生活っていうのがあるからっていう。
確かに。
じゃあ最後にこの話もいいですか。
これも聞いとこうということで。
アートと資本主義の話ということで。
マーケットで評価される作家の条件っていうのは先ほど出てきたので、
こっちを聞きたいなということで。
アートと資本主義、商業主義は両立しますか?
それを分けてること自体がナンセンスだよ。
なぜかっていうと、現代、近代はアートのすべてに価格がついたってことでしょ。
価格がついてないものはこの世の中にないじゃん。
会社まで今売り買いされてるぐらい。
ということはすべてのものに価格がつくっていうのが資本主義なの。
だからアートにも価格がついてる。
当然売り買いされて、その売り買いされたものから収入を得て
アーティストの生活が成り立ってるわけだから。
だから商業主義っていうのは悪い意味でみんな言うんだけど、
アートがお金のことを考えなくていいって話じゃない。
アートこそお金のことをちゃんと知らないと、いわゆる商業主義になっちゃう。
逆接的に当然。
だからマーケットに合わせてみんなが喜ぶような絵描こうっていうのはもうアウトだよ。
それもいわゆる商業主義だよね。
むしろみんなを引っ張っていく価値をつくるようなアートが資本主義の根本ですよ。
48:04
資本主義っていうのは投資だから、融資じゃないからね。
だから投資っていうのは博打だから、博打にかけるから我々これだけ発展したんで。
その博打にかけるってことはアーティストが作るとんでもないものに乗るかどうか。
だからさっき言った父が100万円で売ってたものが、その当時買える人が何人いたかなんだよね。
みんな白賀さんの足で描く絵なんて、あんなの絵じゃないと思ってたから。
その白賀さんが100倍になるとは誰も思わない。
白賀さんも具体のメンバーですもんね。
100倍になったんですよ。
でもあの当時の油絵100倍になってる?
なってないですね、確かに。
そうか。
もしかしたら100分の1になってるかも。
確かに。
ってことは、その当時油絵で博打的な油絵を描いてるかどうかってのはすごく大事じゃない。
具体名言うとね、銀座だと具合悪いから言わないけど、やっぱり博打を売ってない絵ってあるわけですよね。
富士山の絵なんてさ、どうでもいいじゃん。
まあそうですね。
まあ要するに富士山の絵は売れるかなと思って描かれた富士山の絵ってことですよね。
だから父が言ってたんだけど、富士山の絵を売ると富士山を買ってるのか絵を買ってるのか分かんなくなる。
あーなるほど。
結局富士山を買う人は絵はどうでもいいから。絵を買う人は富士山って必要ないじゃん。
絵のことを買うんだから。その文脈が日本の場合は分かんなくなっちゃう。
なるほど。
だからみんなリンゴを描いてあるとか、で今最近になると写真のように絵を描くっていうのが流行ってるでしょ。
写実絵が出てる。
そう、あんなの、逆転ですよ。
もともと写真が出てきたために美術は中傷に走ってんのに、その美術が写真を追っかけてどうするのか。
なるほど。
でも一般の人はそれしか理解できないから。
だから写真のように描いてあると、これは美術を買ってるんじゃなくて技術を買ってるわけ。
そういうようなことをどうやって教えていくかっていうのはすごく大事なんだけど、たぶん学校でも教えてないと思う。
でもなんか話聞いてるとあれですよね、最近ハマってたからありますけど、ハンザーナオキハマってたんで。銀行員とちょっと似てるんですね、ギャラリストの仕事。
いやもう銀行員こそ金融なんだから、今価値あるものに貼るよりは、これから価値になるような人に貼っていかなきゃいけないでしょ。
だから例えばソニーとかホンダがこんな世界企業になるなんて思わないじゃん。
トヨタは銀行からお金借りないんですよ。なぜかと言うと日本の銀行はトヨタにお金貸せなかったの。
そうなんですか。
だからトヨタは腹立っちゃって、トヨタさんは俺はもう借りねえと、自分でやろうと言って、成功したら銀行が借りてくれと言いに来た。
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それはもう有名な逸話だけどね。
だから要は日本の場合はどうしても金融が遅れていくわけね。価値のあるものを追っかけるようになってるから。
だから今銀行の最大の問題は手数料で生きてるわけでしょ。投資で生きてないじゃん。
そういうような状況はもう日本の戦後の最高の世界と違うと思う。
なるほど。でもギャラリーの仕事もそういうところなんですね。大事な部分というのは。
そう。ビル・ゲイツが十何歳の時に設計図2枚書いて500万借りに行ったんだ。アメリカの銀行で。貸したんだわ。
見る目があった。
だから2枚のビル・ゲイツが持ってきた図面を読める人がいたってことだよ。
だから500万貸して、今アテンカのビル・ゲイツだったけど、日本に2枚の図面持って行って500万円貸してくれるってことある?
確かになさそうですよね。
ないでしょ。
でも逆にそれギャラリストさんに持って行ったらくれるかもしれないですよね。
そう。
銀行じゃなくてこれ500万になるぞってなるかもしれないですもんね確かに。
紙一重なんですね。アートとそういうのって。
紙一重っていうか、一緒ってことだよ。
だからその世界の流れの構造をつかめば、面白いことはたくさんあるってことなんだけど、それぞれのジャンルで見ちゃうともう行き詰まっちゃう。
アートの人ってお金のことを本当に勉強しないじゃん。
だから村上くんっていう芸術企業なんとかっていうのを書いて、爆発的なヒットしたわけでしょ。
それは今までアーティストの中にそういうものに興味を持つ人が日本にいなかったってことだよね。
でもアート界で売れたいってことはやっぱりそういうことを背けちゃいけないことですね。大事な部分ですもんね。
で、みんなね、売れるものを書けばいいっていうのは美術じゃないね。
売れないものを書かないと。
今後売れるものってことね。売れないじゃなくて。
今売れるやつは結局みんなが追いついてるってことでしょ。
だからタピオカ屋が売れたからタピオカ屋さんになったような状態でしょ。
みんなタピオカの絵描いてはいいってことじゃないじゃん。
で、もうすぐ消えちゃうわけですもんね。
だからそれがどこでみんなが気が付くかっていうのが日本のこれからのチャレンジだよね。
だからアーティストさんにもそういうところは大事?
大事。だから僕は美術学校で経済学を勉強するような先生連れて行けって言ってるんだよ。
僕なんか呼ぶよりも経済学の先生入れて。
だから僕がなぜこんなことをしゃべるようになったかっていうのは
武蔵野美術大学の建築家に経済学の先生が
なんで知らない、いまだに分かんないんだけど教えに来た。
54:01
そこで僕はマルフス経済学を初めて勉強した。
それがこの本三冊学をきっかけになった。
その先生に会わなければ村山達夫先生のところに一緒に行くこともなかった。
その話はまた後半戦に言うとして。
じゃあ最後にこの質問をということで。
2020年、今年やっぱりコロナがありましたけど
このコロナによってアートの価値、価格の変動はありましたか?
今のところ直接うちの商材に関して変動があるとかっていうところまでまだ分からないね。
ただオンラインで結構売れた。
本当ですか?
それは今まで買わなかったソードの人たちも買ってくれてるってことですか?
今まで買ったことのある人が中心だったね。
だからそうやって売れたことは売れた。
そんなに大きな影響があるってわけではないですか?
今のところそれでものすごく影響。
一番問題なのはうちの場合バーデルアートフェアに4,5回出たから
世界のお客さんたちはバーデルアートフェアに出ただろうという信頼性があると思う。
だってそこに250件の中に選ばれたんだから。
僕たちがなんか変なことやるともう250件から落ちちゃうから。
変なことできないじゃん。
それを知ってるから安心してうちにオンラインでも問い合わせてくれる。
オンラインの問い合わせは世界中からだってこと?
日本人買わないうちは。
本当ですか?
日本人で買ってくれるのは若い人たちが若い作家の作品を買ってくれることはあるけど
本体の作品はもう日本人に買えない高くなっちゃう。
本当ですか?
だって白川さんも日本人に買えないでしょ。
金額的にそんなに上がっちゃったんですね。
さっき500倍って言ってたじゃないですか。
これがさらにもう1000倍とか600倍となることはあるんですか?
結構今は高止まりしてる感じなんですか?
いやもうこれは日本の経済成長はこれ以上ないでしょ。
日本の国家の経済成長が万博以降に急激に伸びたから
国家の成長と海外の成長はほぼ同じでしょ。
それ以上上がることはないんですか?
だからこれからは現状維持になるだろうと。
ここまで来ればね。
だからこれがまた次の100倍になるかっていうのはもうちょっと時間がかかる。
だからやっぱり日本の経済が良くならないとっていうことなんですね。
それか日本民族自体がもしかしたら中国に飲み込まれて
もう完全なアボーイド維持みたいになっちゃったらさ。
そっかそっか。
なるほど。
今銀座で近代をやろうって言ってるのは
僕たちはやっぱりアジアの中で日本人が近代をどうやってきたかっていうことを
アートで示そうと。
ちょっとじゃあそれも含めてその詳しい話は
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次回に一越ということでいきたいと思います。
とりあえず今のところまでありがとうございました。
どうもどうも。
さあということでいろいろと伺ってきましたけど
まだまだ話は尽きないということで
次回は山本さん個人の話を交えつつ
さらにアートとギャラリーの話を続けていきたいと思います。