【9月30日】トランプ氏、米国最大規模の製鉄所建設計画を発表
2026-09-30 06:46

【9月30日】トランプ氏、米国最大規模の製鉄所建設計画を発表

News Connect(ニュースコネクト)あなたと経済をつなぐ5分間

1日1つ、5分間で、国際政治や海外のビジネスシーンを中心に、世界のメガトレンドがわかる重要ニュースを解説。朝の支度や散歩、通勤、家事の時間などにお聴きいただけるとうれしいです。

▼出演:

野村高文(Podcastプロデューサー/Podcast Studio Chronicle代表)

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https://chronicle-inc.net/support

https://note.com/t_nomura/n/n43e514e703b4

▼参考ニュース:

China to cut tariffs on US farm goods, but list excludes soybeans

https://www.reuters.com/world/china/china-says-cut-tariffs-us-farm-goods-soybeans-excluded-2026-09-28/

Trump unveils $15 billion planned Iowa steel project

https://www.reuters.com/business/trump-unveil-planned-15-billion-iowa-steel-project-2026-09-28/

Trump unveils plans for a $15 billion steel mill in Iowa

https://www.nbcnews.com/politics/trump-administration/trump-unveil-steel-plant-iowa-tariffs-manufacturing-rcna600241

(アメリカ政府によるxでの発表)

https://x.com/WhiteHouse/status/2104690392243269956

Essar to invest $18 billion in US, build America's largest steel plant in Iowa

https://economictimes.indiatimes.com/industry/indl-goods/svs/steel/essar-to-invest-18-billion-in-us-build-americas-largest-steel-plant-in-iowa/articleshow/134553505.cms?from=mdr

Who are the Ruias? The family behind Essar Group's $18 billion US bet

https://www.firstpost.com/world/united-states/who-are-the-ruias-the-family-behind-essars-18-billion-us-bet-14048942.html

日本製鉄、1Q決算で事業利益58.1%増の1455億円 U.S. Steelが収益を牽引

https://news.mynavi.jp/techplus/article/20260805-4780337/

米国の鉄鋼・アルミ・銅の232条関税の制度変更と企業の実務対応

https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2026/babd3b5e2e799eda.html

How do tariffs work and how will they impact the American and global economy?

https://www.hks.harvard.edu/faculty-research/policy-topics/public-finance/explainer-how-do-tariffs-work-and-how-will-they

▼Podcast Studio Chronicle公式サイト

https://chronicle-inc.net/


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サマリー

米中首脳会談後、米中双方が関税を引き下げる品目リストを公表した一方、アメリカが望んだ大豆は対象外となった。番組の中心は、トランプ大統領が発表したアイオワ州の大規模製鉄所計画で、メサビメタリックスと親会社のインド企業SRグループが、鉱石採掘から製鉄までを国内で完結させる構想を進める。計画は雇用創出や経済効果が期待される一方、関税コストがアメリカの消費者や国内企業に転嫁される側面もある。日本製鉄によるUSスチール買収を例に、海外企業の投資と技術がアメリカ鉄鋼業の再生を担う可能性、そして高関税政策への評価が中間選挙で問われる見通しを解説する。

米中の関税引き下げと大豆をめぐる交渉
おはようございます。 2026年9月30日水曜日、ニュースコネクト、あなたと経済をつなぐ5分間、パーソナリティーの野村高文です。
この番組では、1日とす5分間で、世界のメガトレンドがかるニュースを開設していきます。 朝の支度や散歩、通勤、家事の時間などにお聞きいただけると嬉しいです。
さて、この番組でも先週行われた米中首脳会談の件についてお伝えしましたが、その成果として、お互いに関税を引き下げる品目リストが新たに公表されました。
両国それぞれ300億ドル、日本円にして4兆7千億円規模の輸入品目が対象となります。
具体的には、アメリカ側がおもちゃや家電など77品目、中国側は農産物や医療機器、石炭など1619品目の関税を引き下げます。
9割の品目について、再帰国待遇の税率が適用されることになります。
一方でトランプ大統領が最も望んでいたものの一つ、大豆は関税引き下げの対象には入りませんでした。
アメリカの発表によれば、中国はアメリカ産の大豆を年間2500万トン購入するとされています。
その大豆の関税を引き下げなかったことは、外交カードを残した中国の戦略的な交渉姿勢が見て取れます。
アイオワ州の巨大製鉄所計画
さて、今日取り上げるのはアメリカの産業についての話です。
トランプ大統領は28日、中西部アイオワ州において建設費150億ドル規模、関連事業を含めたプロジェクト総額は最大180億ドル、2兆8000億円にも上る製鉄場の建設計画を発表しました。
この計画はアメリカ国内において史上最大規模の製鉄場を建設するものであり、トランプ大統領は自らが推し進めてきた高関税政策の成果として説明しています。
外国製品に対して高い関税を課すことで、アメリカ国内での生産や製造業の国内回帰、いわゆるリショーアリングを促進し、巨大な工場と雇用を創出したという主張です。
この大規模な計画を進めるのは、中西部ミネストタ州に拠点を置くメサビメタリックスです。
メサビはミネストタ州で50年ぶりとなる鉄鉱石の新しい鉱山を開設したばかりでした。
このアメリカ産鉄鉱石を使って、アイオワで鉄鉱を生産する垂直統合型のビジネスです。
つまり、鉄鉱石の採掘から鉄鉱の生産まで、サプライチェーンがアメリカ国内で完結することになります。
また、雇用面でも少なくとも1750人の工場的な雇用と、最大6000人の建設雇用を生み出すとアメリカ政府は述べています。
2030年の稼働開始から10年間で、総額950億ドル、15兆円の経済効果が見込まれています。
SRグループと海外資本による米国投資
そして、このメサビーメタリックスを所有する親会社がインドの巨大複合企業SRグループです。
SRグループはインド国内はもちろん、エネルギー、インフラ、金属建設などの分野において全世界的に事業を展開しています。
アメリカでもSRはメサビーの親会社として、ミネストタ州の鉱山に25億ドル、4千億円近くを投資してきました。
今回の台北投資はSRにとっても北米市場における過去最大級の戦略的投資とされます。
アメリカの基幹産業である鉄鋼分野において、アジアの資本が全面に出て巨額投資を担っている構図です。
日本製鉄によるUSスチール買収
そして、このアメリカの鉄鋼業界において海外の資本や技術が中核になっているケースといえば、記憶に新しいのが日本製鉄によるUSスチールの買収です。
USスチールは1901年に誕生した名門企業で、かつては圧倒的に世界一の鉄鋼生産量を誇っていましたが、
近年は業績が低迷し、設備の老朽化や技術更新の遅れが指摘されていました。
日本製鉄によるUSスチールの買収は2023年に発表されたものの、当時のバイデン政権や労働組合の反対によって簡単には進みませんでした。
第二次トランプ政権でもトランプ氏は当初反対の姿勢を見せていましたが、その後方針転換、ようやく昨年2025年に買収が完了しました。
USスチールは日本製鉄の完全子会社となり、上場が廃止されました。
そして買収から1年後、日本製鉄が8月に発表した2027年3月期第一市販期決算では、本業の稼ぐ力を示す連結事業利益が前年同期比58.1%増加し1455億円に達しました。
この大幅な利益の増加と業績の伸びを牽引したのが海外事業、とりわけUSスチールの事業だったと説明されています。
高関税政策のコストと中間選挙
かつてアメリカの産業を支えた巨大産業の領域において、日本の日本製鉄やインドのSRといった海外の企業が、現場の収益性改善や設備更新、新たな技術の導入、そして工場建設の主要な担い手となっています。
こうした状況に対してトランプ政権側は、高い関税を課すことによって海外の企業をアメリカ国内に呼び込み、国内投資を活性化させることに成功しているという論理を展開しています。
確かに表面的な数値や巨大プロジェクトの発表だけを見れば、高関税政策が成果を上げているように捉えることも可能です。
ただ一方で貿易や経済の仕組みに目を向けると別の構造が見えてきます。
関税を払うのはその国に輸出する企業ではありません。アメリカ国内の輸入事業者です。
外国製品に対して高い関税が課された場合、その税額コストはアメリカ国内に持ち込まれる段階で発生し、最終的には製品の販売価格やそれらの資材を使用して製造される各種製品の価格に上乗せされます。
関税による追加コストの負担は多くの場合、アメリカの消費者や仕入れを行う国内企業に転嫁されます。
つまり高関税を背景に海外企業がアメリカ国内への大型投資に動く一方で、その関税によって国内の製品や資材の価格が押し上げられるという側面があります。
もちろん外国からの投資が増えることはその国の経済にとっての好影響につながりますが、アメリカ国民は本当に投資のためなら負担しいと思っているのでしょうか。
11月の中間選挙ではこうした関税政策への評価も問われることになります。
さてこのトランプ政権の高関税政策、これをめぐっては国際的な摩擦も広がっています。
カナダとは貿易戦争とも呼ばれる関税合戦になりつつあります。
一方で日本製鉄のようにアメリカへの直接投資を戦略的に活用し、現地での事業基盤を強化することにつながった事例もあります。
日本企業は様々なジャンルで高い技術力を持っています。
日本の強みを生かして現地の設備更新や雇用創出に結びつける補完関係を構築していくことは、USシールの事例が示しました。
今後第2第3の日本製鉄が登場するかもしれません。
ニュースコネクトお相手は野村高文でした。
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それでは良い一日をお過ごしください。
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