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ここは、とある町にある小さなセレクトショップ、SLOW&STEADY。
国内外からセレクトされた洋服に囲まれた店内は、今日も沢山の人で賑わっていましたが、閉店間際、今はBGMだけが響いています。
いや、店の奥から誰かの声が、そう、今日も店主の岡崎が残業がてら、ああでもない、こうでもないと、洋服話に鼻を咲かせているのです。
フィッティングルームの更に奥、SAF ONLYと書かれたその先にある、狭くて小さなバックヤード。
今日もこのバックヤードから、あなたのクローゼットへとお届けします。
続き、パトリックについて。
ちょっと考えたんやけどさ、そのパトリックの商品説明。
今回初めてオリジナルブランドでリリースするパンツなんやけど、それについては、ノートっていう文章コンテンツである程度結構時系列ごとに書いてるのよ。
どういうアイテムをベースに、どういうパンツを作りました、素材はこういうジンバブエコットンっていうね、ジンバブエの手で取れたみたいなオーガニックコットン使ってます、だとか、いろいろ書いてるんよ。
だからそれはもうそこで読んでっていう。
ラジオで喋りたいのは、このラジオやけんこそさ、たまにはね、何だろう、愚痴と言いますかね。
いやいやいや、もうね、これね、言い訳きますけど、みんなね、そらね、うち洋服屋さんですよ、いろんなメーカーさんにご協力いただいて成り立ってますけど、そらね、みんなね、当たり前に商品が届いてるし、
いっぱい商品に、洋服に囲まれてるから、いやいや洋服ブランドなんで当たり前に洋服出せるでしょみたいな感じで、みんな思ってるけど、そうじゃないんよ。
そうではない。
僕もそうですね、働き始めてそれめっちゃ思ったんですよ。
うちのね、そのペインティットブランクっていうのは、当然お店の業務とかいろんな業務と並行して作ってるから、僕の性格も鈍臭いしさ、なかなかなかなか時間はかかるっていうのは当たり前の話なんやけど、
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メーカーさんとしてずっとやられてる方に比べるとね、コネクションもそんなないしさ、自分で手探りみたいなとこがあるから時間かかるんやけど、
今回はね、違う。
今回、ぶっちゃけ言うと、去年の9月ぐらいの時点で決まってたんよ、もう形はね。
形というか、ここのベースでこういう感じでいこう、みたいなのが決まってて、工場さんに言ってて。
その縫製工場さんにも伝えてて、その生地をいっぱい取り寄せたり、糸から作ったり、作ってみようとかっていうこともいろいろいろいろやりました。
それは年末、本当に正月明けぐらいの時点でもかなりやってます。
それで生地は決まりましたが、2タンっていう生地。
2タンって110メートルなわけ。
110メートルのぐるぐる巻きにしたね、2タン分発注したわけ。
で、その発注した生地が届きました。
その生地屋さんがね、畑屋さんが生地作ってくれました。
縫製工場さんに届きました。
ようやくじゃあ、祭壇です。今から縫いますよっていうときに、その生地の中央に、これはね、ちょっと軽く書いたんですけど、
真ん中にね、線がビューって入ってて。
で、縫製工場さんから連絡があって、線が入ってますと。
どういうことですかと。
なりますよね。
この生地サンプルを見て、作っていただいたサンプルで、2タン分っていうことを発注して、確保はしていただいてましたよねっていうことで言ってて。
当然、縫製工場さんしかり、畑屋さんしかり、国内では結構有名なとこなんですよ。
そんなことは起こらないだろうと、という前提でみんな動いてて。
で、畑屋さんがその2タンの生地を縫製工場に送るってことは、チェックしてOKってことで。
そうですね。
でもその真ん中に2タン全部に入ってるわけよ。
全部やったんですか。
全部じゃない。
全部。
僕のパンツの形っていうのが、各パーツごとに裁断に有効活用するように、各パーツを並べるわけ。
それで裁断していくんやけど、各パーツごとにね。
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どうしてもその真ん中の線がかかると。各パーツに。
各パーツに。
だから作れないと。
振り出しということですか。
いや、完全振り出しですよね。この半年近くやってきて。
それは違うやんってなるやん。
なりますね。
どうしたらいいんすかってなるじゃん。
言ったら、他のメーカーさんがうまくどうやってるのかっていうのは分かんないんですけど。
でも、僕の中でそんな得票しもない形作れんし作らんし、めっちゃ毎日毎日毎日履き続けてほしい、履き続けたいって思うものしか作らんって決めてるから。
トップスもパンツも全部ね。
だから生地めちゃめちゃ大事なわけ。
それでめっちゃ考えて、その生地やからって、その生地を作るために本当は2色作りたかったの。
2色作りたかったんやけど、一番作りたかったものがあるんやけど。
それはウールとか、ウールとコットンとリネンとかいろいろ混ぜんと、僕が理想と思う肉感、厚さとか質感が作れんから。
じゃあそれは9月、10月ぐらいに、実際今糸から作ってます。
生地から作ってます。
それは進行中。
もうすでに半年ぐらい経ってるけどね。
作ってます。
こだわりがある。
ただ、同時、僕が今回決めたジンバブエのコットンのためにずらしたわけよ。
時矩を。
両方は絶対無理やし。
で、その僕が作りたいパンツ、もう一素材っていうのは、やっぱ冬じゃないと履けんから。
じゃあそうしようか。
先にジンバブエコットンの方を。
で、やろう。
それがダメになったと。
半年間、危険があれが。
いやいやいや、ってなるやん。
そのほうせい工場のね、いつもやり取りしてる方も、その人が長く工場やってるからっていうね、そのネットワークで生地屋さんとか畑屋さんとかも紹介してもらってるから、間に立ってるわけよ、その方がね。
だからその人がちょっと焦って電話かけてくれて、見ていただこうかなって一瞬思ったんですけど、100%岡崎さんはNG出すと思って返しましたと。
あーもう。
だから、じゃあどうなるのっていう話になってくるよね。
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そうですね。
で、ちょっとお時間いただけますかっていう話があって。
で、2,3日経って連絡来て。
夕方ぐらいかな。
連絡来て。
今日行っていいですかって言って。
お店に来てくれた。
来てくださって。
閉店後。
9時半ぐらいかな。
仕事終わってから来るから来てくれて。
もう本当にこう題外案というか、同じ糸で同じ綿を使ったやや薄手のものであれば可能ですと。
ただちょっと時間はかかりますと。
元々このコーチのイベントに合わせてインターネットホームページ、店頭、コーチ3箇所同時にリリースしたかったの。
構想ではそうですね。
言ってたやん、ずっと。
言ってましたね。
ずっと。
それができんのは仕方ないと。
その関連工場さんが潰れたところがある。
で、さらに記事がダメになる。
で、さらにまたちょっと遅れると。
でもそれはごめんなさいもう無理ですって言ったやん。
もう無理。
これ以上遅れて8月9月になってくると次作りたいものと同時に出るやん。
もうそうじゃないよ。
だからその次今糸から生地から作ってるやつはそのパンツを履きまくった後にあふゆに履いてほしいわけ。
だから僕の中でちょっとプランが大きくずれるからどうにかどうにかもうお願いしますって言って。
まずはその薄い生地、ミントって始まらんから。
見たわけ。
で、それがあれね。
今思って。
3メートルくらい持ってきてくれて。
これだったら間に合うっていうね。
で、結構張りがあって、もともとすごい固めの生地やから。
で、僕が思ってるのは大体約13オンスって言って結構厚めのデニムっぽい。
まああやおりの素材なんやけど、13オンスって結構中肉って言われるくらいの厚さがあるわけ。
で、11オンスなんやね、この薄いの。
今回の。
11.3とかかな。
で、この11.3だと通常の血のパンくらいの肉になるやん。
ちょっと薄く。
で、もともとスラックス、デニムっぽい素材。
あやおりの血のパンとかデニムとかに使われる折り方ね。
あやおりのスラックスみたいなのを作りたかったから、それを考えたらちょっと薄い。
もともと薄いのないからね、これ。
特別にその薄いのを用意してもらったから。
この薄い方がもしかしたら僕が思っている形にスラックスっぽいシルエットにはなるんじゃないかなと。
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逆にプラスで考えてそれはオッケーになったっていう話ね。
でもこれね、結果論として良かったけど、無理だったらアウトやからね。
そうですよね、大外揚があったから。
これ誰を責めてるわけでもないよ、もちろん。
なんなら僕がもっともっともっともっと早い段階で、
なんなら1年前ぐらいに決めてれば受け取ったのかもしれんけど、
そんなん無理じゃん。
行き場のない感情が。
その行き場のない感情を今まで押し殺してたから、このラジオではもう撮ろうしよう。
もうぶっちゃけて。
だから物を作るって、本当にすごいことじゃん。
いろんな良いブランドたくさんあるけど、みんなすごいと思う。
洋服一着作るだけでここまでなんでしょう。
僕の場合はそうやってやるって決めてるから、1個に対しての時間はすごい倍ぐらいかけてるのはかけてるんよ。
通常サンプルっていうのを何回も何回も作ったらその都度高いわけよ。
例えば定価1万円で販売してるもののサンプルを作るとなると2万円ぐらいいるわけ。
サンプルの方が高いんですか?
本生産のラインじゃなくてサンプルラインっていうのを作らなあかんから、1人がかかりきりになるわけよ。
だいたいサンプルってその工場で一番腕のいい人が作るから1から10まで。
その人がサンプルの言ってる時はもう手があかんから他の仕事できんくなるよ。
だから高くなるよ。
だからそれを何回もやるとそれはコストかかるやんな。
でもやっぱそれをやっとかんと、見てみんとわからん人やから結構サンプルも結局少なくても2回は作るし。
今回のパンツなんて厚い生地でいけると思ったサンプル作ってるでしょ。
今回また薄いの作るでしょ。
それであかん、ちょっと修正しますっていうのはもう1回作るでしょ。
3回。
どこに来ちゃってんねん。
そういうサンプルの値段とかを低価に載せちゃうともっと高くなるから、
基本的にサンプルとかは低価に反映させてないっていうか、
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3回作ったらさすがにアリやから1本分とかは低価に載せようかなと思ってるけど、
基本的に載せんわけよ。
大体そうだと思うけどね。
だから大変やなって。
何の話?これ改めてね。
行き場のない感情って持ってるとなんか。
だからこそこの度ね、収録してるときサンプルが上がってないからね。
コーチ行く前に撮ってるからこれ。
見てないけど泣くかもしれん。
届いたときには。
これが上がってるときにはもう多分出てますもんね、コーチ。
もしかしたら2回くらい泣いてるかもしれない。
その思いを持ってコーチに。
だからそういう思いの詰まったパンツですよ。
これはね、Tシャツもそうやし、シャツもそうやし、ニットもそうやし、ハンテもそうやし、全部がそれやね。
一個一個なんか重みというか。
厚苦しい思いがね、すごい絡まってますから。
熱量がもう。
だから本当にね、うまくスマートに進めていけるデザイナーさんは山ほどおると思うよ。
その思い、熱い思いっていうのってなかなか聞く場面というか、知らないじゃないですか。
結果作れるってなったからこんな話できるけど、これできませんでしたって言ったらこのラジオでも喋れんからね。
そうですね、確かに。
もっと過激な内容撮ってた可能性ありますか?
もしかするとね。
そうやな、そうやな、完全に不適切された。
もっともっと濃いものが出てた可能性がありますね。
それは良くないけどね。
不幸中の幸いというか。
そういうことですよね。
だからお二人はそういうノートも読んどうし、ちゃんとそういうことも含めて毎日履いてくれたらありがたいですね。
絶対履く気がしますね、僕は。
うちの洋服とか、僕らが好きなものに合わせられるパンツ。
それが冬になったらトップスにボリュームが出るやん。
生地が分厚くなるから。
夏は格好良くても冬のボリュームに負けるっていうパンツは作りたくなくて。
生地薄いって言ってもそこまでペラペラじゃないからね。
冬の結構分厚いニット、それこそケリー、タートルネットのニットとか、分厚めのコーディロインのジャケットとか、
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そういうの着ても全然負けんぐらいのボリューム感っていうか強さはあるかなって思っとんやけどね。
もうすでにコーディネートがちょっとずつ自分の頭の中に。
今回出すパンツっていうのは基本的にフリーというか、
どういう肩でどういうスタイルでどういう洋服着てても履けないことは絶対ない。
友人からもノートの画像を見て絶対受注いくというか。
なんか俺のせとったっけ?完成品のせとったっけ?
乗せてるな。
乗せてるっすね。一応サンプルのせとるっすね。肉厚のところで乗せてます。
あの形やけど薄くなったから厚かった時ではできんことをやってて、
センターにプレスを入れるって当初言ってたんやけど、
サンプル着て何回か、何回かじゃないな、10日ぐらい連続で履いたんやけど、
2,3日履いて洗うとセンタープレス消えるわけ。
ジンバブエコットンって生地の復元率、形状記憶まではいかんけど、
復元率がすごい高くてセンターにプレス入れてても洗ったら元に戻るわけ。
生地が分厚いからその力も強くて消えるから、
すぐ一瞬で消えるものをわざわざ入れる必要ないなっていうので、
センタープレスをやめて成立させるような形にしたんやけど、
生地が薄くなって、さらにセンターのプレスが消えにくいように
内側に少し丈夫にステッチを塗ったりとか、ちょっとうまくやって消えにくくしたんや。
だからセンタープレスが生きるような形にさらにまた調整して。
進化して失敗を。
だからノートで載せてる画像のサンプルとかよりもややシャープに見えるかなっていう感じ。
太さとかはイジッタの5ミリとかやからほとんど見た目は変わらんけど、
センターにプレスがパシッて入ることでやっぱり細く見えるんや。
見た目はね。だからややスマートに見えるかなっていう。
もともとそうやって作りたかったから、結果良かったかなとは思ったけど、
実際手元にないからどうなるかわかりませんこの話は。
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コーチに行って、コーチ行く前の日に届くから、
すごくテンションが低い状態でコーチが始まるかもしれない。
そこは挙げてくださいよ、コーチは。
もうなかったことにする。
パンツパトリックなかったことにする。ひとまずなかったことにする。
まぁまぁそんな感じで、ものづくりって大変ですねっていう。
洋服ってほんまに難しいよね。
耐久性とか、そういうこっちゃないというか。
耐久性ももちろん必要だし、
エイジングというか、長年使っていた時の先のことも見越したりとか、
なんかいろんなことを考えなあかんから、
色落ち具合とかもめっちゃテストしたし。
岡崎さんのブランドはずっとそうやられてますもんね。
2ヶ月ぐらい着用した後も見るみたいな。
Tシャツでも2ヶ月ぐらい着続けて、そっから首変えたからね。
それはね、ものを提供してる側としては、
そういうブランドだからこそできるっていうか、
ちっちゃいからこそできることっていうかね。
ちょっと前半、8割ぐらい愚痴ったけどね。
たまにはね。このラジオは一番近い。
もう日常やから。
でも日常って言っても毎日毎日こうやって愚痴ってるわけちゃいますからね。
違います。全然。
それだけはちょっと誤解しないように。
基本的には楽しくやらせてもらってるよね。
なんかちょっと。
ごめんごめん。そんな感じでね。
これを聞いた頃にはコーチも始まってるのでね。
お近くの方はぜひ。
初めてコーチ行った時に使わせていただいた場所、タコクラっていう場所で。
すっごい、わら?何倉庫っていうの?
本当に古い明治時代に作られた倉庫をリノベーションっていうかね。
そのまま残したような会場なんやけど。
めちゃくちゃかっこよくて。ただただでかいけど。
大きいらしいですね。
なんかすごいかっこいい場所でやらせていただけるんで、
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皆様ぜひね。
コーチ観光も兼ねて来ていただけたらと思います。
その時に岡崎さんの顔も見ていただいて。
一応長くやってるんで、どんなことがあってもニコニコしてるよ。
それは大丈夫。それは絶対大丈夫。
安心して。
ただグループラインやってるじゃん。
グループラインにネガティブなレインが来るかもしれない。
上げていきます。
そうなったらそーっとそれは見なかったことにして反応もせんでいいからね。
それ正解。
はい。
スロー&ステディプレゼンツポッドキャスト
バックヤードトゥークローゼット
話はまだまだつきませんが、そろそろ閉店のお時間です。
聞いた後、クローゼットの洋服たちが今よりきっと好きになる。
来週もあなたのご来店お待ちしております。