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始まりました、志賀十五の壺。皆さんいかがお過ごしでしょうか。ドロリッチガールズです。
四月といえばエイプリルフールですけど、 このエイプリルフールっていうのを
日本語でっていうかね、 まあ別の言い方で四月馬鹿ということがあります。
けど、 最近はそういった言い方しないんじゃないかなと思いますね。
カタカナでエイプリルフールということの方が 圧倒的に多くて
僕の記憶だと 昔ね、そのドラえもんの漫画を見てて
その漫画の中に 四月馬鹿っていう言い方があったかなと思います。
まあむしろ古風な言い方っていうか、 昔の方がそういった言い方してたんじゃないかなと思います。
このエイプリルフール、エイプリルとフール、それぞれ四月と馬鹿なので、 そのまま四月馬鹿とある意味直訳してるわけですよね。
こういったものを言語学的には 翻訳借用と言います。
あるいはカタカナで軽くということもあるんですね。
これは翻訳借用に対して その音だけ借りてくるっていうようなものもあるんですよね。
でこっちの方が むしろその借用っていうかね外来語っていうことがわかりやすくて
翻訳借用に対応して音訳借用ということもありますけど、 まあそれはまさにエイプリルフールをそのままエイプリルフールというみたいなものですよね。
で普通借用といった場合はこのいわゆるカタカナ語、音訳借用の方が 目立つっていうかねやり玉にあげられやすいんですよね。
やれカタカナ語が多いとか、やれ英語を多用しているとか そういったこと言われるのはこちらの音訳借用の方です。
翻訳借用の方はそれぞれの要素が日本語になって借用されているので 翻訳っていうことが気づかれにくい場合が多いですね。
他の翻訳借用の例としては帝王節介っていうものがあります。 この帝王節介っていうのがもともと語訳だったみたいな話もあるんですけど、
まあこれはドイツ語の帝王と節介っていうのをそのまま 日本語にして借用してるんですね。
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他にも翻訳借用っていうのは探してみればいろんなものがあると思います。 もちろん日本語に限った話ではありません。
まあ今話した日本語の四月バカと帝王節介っていうのはどちらも複合語ですよね。
4月プラスバカ、帝王プラス節介っていうのを 直訳してっていうかねそれぞれの要素を翻訳して借用していると。
そもそもこういう翻訳借用っていうのは単純語では多分起こらないと思いますね。 エイプリルっていうのを
4月にしたからといって、まあ借用にはなってないので こういう複合語で起こるものと言えると思います。
ただ複合語以外にも もうちょっと大きな単位で翻訳借用っていうのが起こることがあって
例えば 東京の人口は大阪のそれよりも多い
みたいな言い方はおそらく翻訳借用だと思います。 これはthe ofっていうようなね
英語の表現を まあ直訳ですよねそのまま持ってきて
大阪のそれみたいな言い方をしています。 これは日本語に本来的な言い方ではないと思いますね。
同じようにこういう比較表現みたいなので考えると 最も美しいものの一つっていうような表現も英語からの翻訳借用じゃないかなと思います。
そもそもこういった和訳に違和感を覚える人は結構いると思うんですよね。 僕も初め習った時に
もっともって言ってんのにそれが複数あるっていうのは変だなぁと思ってたんですが おそらくこれは英語からの翻訳借用
だと思います。 あるいはもっと古いものだったら
論語の詩、曰く、ほにゃららなんとかみたいな あの曰くっていうのも翻訳借用じゃないかなと思いますね。
というのが日本語だったら 動詞っていうのは最後に出てくるので言うっていうのはその
セリフの最後に現れそうなものなんですけど 中国語は主語動詞ときてでその後セリフが来るんですよね
ちなみにこの曰くっていうのは一種の名詞化なので 論語の現代語訳でも先生が言うことにはっていうふうにことっていうふうに名詞化
していると思いますけど まあいずれにせよこのセリフっていうかなその前のSVという語順を
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翻訳借用して詩、曰くみたいな言い方が日本に成立したと言っていいんじゃないかと思います
それと個人的に最近気になっているのは wikipedia とかによく出てきてるんですけど
例えばこの文化は 〇〇に根を持つみたいな言い方が結構見られるんですよね
でこれはまあルーツがあるみたいな言い方なわけですけど これも翻訳借用だと思うんですけどね
当然根に持つっていう言い方は全然違う意味で日本語としてはあると思うんですけど 根を持つっていう言い方は
多分翻訳借用じゃないかなと思います それと
重要な役割を演じてきたみたいな表現も 多分英語のプレイヤーロールの翻訳借用じゃないかなと思いますね
日本語には本来的にはなかった表現を 英語からそのまま
ある意味畜物訳的にね 輸入しているものではないかなと思います
先ほども言いましたけど 翻訳借用っていうのはその要素要素が日本語になっちゃっているので
日本語っていうかその現地の言葉になっちゃってるので 借用っていうのは意識されないものだと思います
それに対して 日本語で言うカタカナ語ですね
翻訳借用の方は 特に日本語の場合はそうですけどカタカナで書いたりとか
あるいは発音上ね それが借用語であるっていうことが意識されやすいと思います
いいか悪いかは別として 話者の意識としてそういったものはあると思いますね
明治維新の頃は新しく漢語を作ったりして その西洋の文化に対応するというか
いろんなものを輸入してたんですよね 例えば経済とか哲学とかこういったものは
これは翻訳借用じゃなくって新しく作られた漢語なんですよね 増語ってことですけど
あるいはもともと別の意味があったものを新しい意味を与えたりとかして 頑張ってその翻訳借用せずに
夏目漱石とかが頑張って漢語にしていったんですよね でそうやって作られた漢語が逆輸入的に中国に入っていったりもしました
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明治維新文明改革の頃はそういった新しい漢語を作るっていうような努力がなされてたわけですけど
現在ではどうですかね割合としては そのまま音をね取り入れているものが多いかもしれないけど
まあでも翻訳借用が全くなくなったわけでもないと思いますね 例えば eu っていうのは欧州連合とか言ったりして
これはまさにヨーロピアンユニオンの翻訳借用なわけですけど こういったふうに翻訳借用って言ったものが
全く廃れてしまったっていうわけでもないと思います ただ冒頭言ったように
4月ばかーに変わってね エイプリルフールっていうのが優勢になってるっていうようなこともあると思います
というわけで今回は借用についてのお話でございました 最後まで聞いてくださってどうもありがとうございました
番組フォローも忘れずよろしくお願いします それではまた次回お会いしましょう
お相手は4月15でした またねー