1. 志賀十五の壺【10分言語学】
  2. #535 なぜ両足なのに on feet ..
2023-04-04 10:12

#535 なぜ両足なのに on feet ではなく on foot なのか? from Radiotalk

ギフト、ありがとうございます!!

関連エピソード
大母音推移のエピソード
https://radiotalk.jp/talk/683907
「てえてえ」のエピソード
https://radiotalk.jp/talk/517936

主要参考文献
『テイクオフ英語学シリーズ①英語の歴史』 (松浪有編、大修館書店)
『英語の謎:歴史でわかるコトバの疑問』 (岸田緑渓・早坂信・奥村直史、角川ソフィア文庫)

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育
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始まりました、志賀十五の壺。皆さんいかがお過ごしでしょうか。マスカット・オブ・アレキサンドリアです。
お便りいただいております。お便りじゃない、ギフトをいただいております。
マレーグマスさん、ハシュスさん、ミーさんからね、ギフトをいただいております。 この番組では、ラジオトークから送ることのできるギフトや
ラジオトーク以外からも送ることのできるお便りを随時募集しております。 お便りの方は
ラジオトークのアプリだったらそのまま お便り出せるんですけど
概要欄のね、リンクからもお便りフォームのリンクがございますので、そちらご覧いただけたらと思います。
さて、今回のエピソードは 英語のオンフットっていうね
表現を考えていこうと思います。 もうちょっとね、大きな
視点で言うと、 今不規則に見える言語表現も昔は
非常に規則的だった、 規則的なものだったみたいな話をね、しようと思います。
その例としてオンフットというのを考えていこうということですね。 このオンフットっていうのは歩きでとか徒歩でみたいな意味で
皆さんもね、学生時代覚えたんじゃないかなと思うんですね。 もしかしたら今聞いてくれている方の中には
まあそういったものをね、今まさに 学んでいるっていうような学生の方もいらっしゃるかもしれません。
いずれにせよこのオンフット。 フットっていうのは足ですよね。
で、両足で歩くのにも関わらず オンフットという単数形が使われています。
このフットというのはある意味不規則で、 フッツとはならないんですね。複数形がね。
複数形はフッツとはならずにフィートというね、 言い方になります。
まあこういった 母音が変わるね、不規則形というか不規則な複数っていうのは
他にもあって まあトゥースとティースっていうのも同じ変化ですよね。
歩くときは両足なんだからオンフィートといった方が複数形を使った方がなんとなく しっくりくる気がするんですが、まあそうはなってないんですね。
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ちなみにねこのオンフット、 単数、なぜみたいなのをググってみたら
オンフィートだと両足一緒にぴょんぴょん飛んでる感じになるとかね、 歩くときは一歩一歩歩くんだから単数形でいいみたいなね
まったくトンチンカンなことを言ってるものが出たりするんですよね。 また別の説明ではこのフットっていうのは
その手段を表しているから ある意味抽象名詞
として使われているので 形としては単数形なんだというような説明もあります。
今回はもうちょっと別の視点から、すなわち歴史的な視点からこのオンフットというのを考えていこうと思います。
このオンフットのフット 実はこれ複数形だったんですね
たださっきも言ったようにフットの複数形はフィートじゃないかっていうことなんですが これはねちょっと順を追って説明する必要がございまして
昔の英語、1000年ぐらい遡った 専門的には古英語とか言われたりする時代の英語では
名詞に格変化というものがありました。 現代でも英語の親戚の姉妹言語のドイツ語なんかではこの格変化というのが残っていて
これはどういうことかというと 文の中での役割に応じて名詞の形が変わるということですね
で1000年ぐらい前の英語では4つの格がありました 主格、対格、続格、余格
まあこれ非常に専門的な言い方ですけど 主格っていうのは主語の形
大雑把に言うとですけどね、対格は直接目的語の形 続格っていうのは所有者の形
余格っていうのは間接目的語の形 主格と対格は同じ形だったので
実質的には3つの格しかなかったんですが いずれにせよ文の中での役割に応じて形を変えていました
で現代英語ではこの格変化っていうのはなくなっています 大名詞にちょっとその名残がありますよね
I, my, me みたいなものです でそういった格変化が1000年前の英語にはあって
主格の形は 単数形はフォート
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複数形はフェイトでした まああり見綴り通り発音してたんですよね
フォートとフェイト でこれが現代英語にも引き継がれています
で 前知詞の音の後に出てくる形っていうのは
余格の形が出ていたんですね で余格の複数形の形が
フォートムという形でした このフォートムの語尾が弱くなって
ウムが消えてしまって で現代英語のオンフットになってしまってるんですね
つまり 単体で現れるフットっていうのは
単数形の主格に由来するもので オンフットのフットは複数形の余格に由来するということで
現代英語ではフットっていう同じ形になっちゃってますけど 由来が違ったんですね
まあ現代英語ではさっきも言ったように格変化っていうのはなくなっちゃってるので まあそういったことが全くわからなくなっています
歴史的にはオンフットのフットは 実は複数だったっていうことがね一応言えるんですね
このフットの面白いところは冒頭も言ったようにこれは 複数形がフィートというねちょっと変わった形を用いています
でこれもさっき言ったように1000年ぐらい前の英語だと 単数形の主格はフォート
複数形の主格はフェイトだったので まあこの時からすでに
母音が変わることで 複数を表してたんですね
フェイトがフィートになるのはこれはダイボーインスイーという音変化によるもので こちら関連エピソードがあるのでぜひそちらを聞いていただけたらと思います
でさらに1000年前の英語から1000年遡ると つまり今から2000年ぐらい前の状態まで遡ると
このフェイトっていうのはもともとフォーティズみたいな形だったんですね つまり語根のフォートに設備字のイズっていうのがついてフォーティズ
まあ現代英語の複数の s にちょっと似てますよね で
この複数の設備字ですね イズのイという母音のせいでオという母音がエという母音に変わってしまって
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フェイトさらにフィートに変わってしまったんですね こういった音変化をウムラウトと言うんですけど
後ろの母音のせいで 前の母音の音がこう変わってるということですね
でこのウムラウトに似た現象はね日本語にもあるなぁと思ったことがあって 尊いっていうのを
日本語でていていということがあるんですね 日本語でっていうか主にネット上ですけどこのていていっていうのも
オという母音がエに変わっているので似たような音変化と言えるんじゃないかなと思います このていていについては関連エピソードがございますのでそちらも聞いていただけたら
と思います というわけで
現代では不規則に見えるようなものでも過去に遡れば かなり規則的だったということがあるとそういったお話でございました
それではまた次回のエピソードでお会いいたしましょう お相手はシガ15でした
10:12

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