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2025-10-07 10:10

#797 ゼロは単数か複数か? from Radiotalk

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育

サマリー

バックトゥーザフューチャーにおける「Nobody calls me chicken」というセリフを通じて、英語の言語的特徴やゼロの扱いについて語られています。ゼロは単数と見なされる一方で、複数としても用いられ、その不思議さが探求されています。

バックトゥーザフューチャーのセリフ
バックトゥーザフューチャー面白いですよね。僕もDVDは持ってるんですが、金曜ロードショーとかそういうテレビでやってるとついつい見ちゃいますよね。DVD持ってるのに見ちゃうっていう、それぐらい面白い映画ですよね。
まだ見たことないっていう人は羨ましいですよね。あの面白さをまだ体験してない、今から体験できるんだと思うと羨ましい限りでございます。
そのバックトゥーザフューチャーの中で、日本語版だったら、吹き替えだったら腰抜けって言われてマーティ・マックフライがカチンと来るシーンが何度か出てくるんですよね。
腰抜けなんて言わせないみたいなセリフがあるわけですが、これが英語だとNobody calls me chickenとなります。
チキンと言われてNobody calls me chickenと返すんですよね。
このNobody calls me chickenというセリフに、英語の言語としての面白さっていうのが結構詰まってるなぁと思います。
一つはNobodyっていうのが日本語だとない単語なので、誰にもとか誰もとかそうなりますかね。
誰も腰抜けとは言わないみたいになるわけですけど、その否定を含んだ代名詞があるっていうのは面白いですよね。
日本語にはないので、日本語だとせいぜいことなきを得るとか、このことなきっていうのはかなりNothingに近いような気はしますけど、せいぜいそれぐらいで日本語にはなかなかない表現ですよね。
BGMです。
始まりました4月15日のツボ。皆さんいかがお過ごしでしょうか。燃える男の赤いトラクターです。
Nobody calls me chickenっていうのは、これは文型で言うと第5文型です。
SVOCで、よく僕は第4文型と第5文型がどっちがどっちだったかなと思っちゃうんですけど、第4が確かSVOOなので、Nobody calls me chickenはSVOCでございます。
この第5文型っていうのはOイコールCの関係が成り立つようなもので、ここだとMeイコールChickenの関係が成り立つような、そういった文型です。
広い意味では他動詞ですね。SVOで目的語が出てきていて、それにCっていうのが追加されているっていうことですが、このCはよく保護と言われますけど、
この保護っていうのが何なのかっていうのはよくわかんないっちゃよくわかんないんですよね。
Nobody calls me chickenだったら、この保護に現れているのは名詞ですけど、Make me happyみたいに形容詞が現れることもあります。
このCが何なんだろうと最近僕が思ったのは、Nobody calls me chickenっていうこの文を疑問文にしたらどうなるかと思った時で、
つまり、あなたは何と呼ばれてますか?とか、何とお呼びしたらいいですか?とか、そういった疑問文ですね。
この時、疑問詞で使われるのはWhatです。
What are you called?疑問文で、しかも受動態でB動詞が出てきてますけど、What are you called?で、あなたは何と呼ばれてますか?
何とお呼びしたらいいですか?とかだったら、What should I call you?っていう風に、ここでもWhatが出てきています。
僕がこれに引っかかったのは、Whatを使うんだということです。
Howじゃないんだと思ったんですよね。改めて思ったというか、
日本語の感覚だと、何とお呼びしたらいいですか?とか何と呼ばれてますか?っていう風に何とっていうのがあんまり目的語っぽくないので、何をにはならないですよね。
何とっていうのは何となくHowに近いかなと思ってたんですけど、What should I call you?っていう風に、
Whatが出てきているということは、このHowっていうのは目的語なのかな?とかちょっと思ったんですよね。
第四文型のSVOOの方は二重目的語交文というか、つまりGive me a bookみたいな、本ちょうだいみたいなときは、これはMeもa bookも両方目的語だっていうのは言われているし、納得できているんですけど、
Nobody calls me chicken, no. Meはともかく、チキンの方はSVOCのCなので、保護なので、何となくWhatは使われないんじゃないかと思ってたんですけど、使われるんですよね。
この辺のことも調べたら当然いろいろ出てくるとは思うんですけど、そうか、保護にはWhat使うんだっていうね。
これ以上話はないです。それでおしまいなんですけど、そう思いましたという感想でございます。
Nobody calls me chickenで面白いのは、動詞がCALLSっていう風に三単元のSがついてるってことですね。
Nobodyっていうのは人がいない、つまりゼロのはずなんですけど、動詞の形は三人称単数現在のSがつくんですよね。
三人称はいいと思います。私とあなた以外。現在もいいとして、ゼロ人のはずのNobodyが動詞の一致という点においては単数扱いになっているっていうのもよくよく考えると結構面白いですよね。
ただ、英語においてゼロっていうのが常に単数扱いかというとそういうわけではなくて、Nobodyは確かに動詞の一致は三人称単数扱いなんですけど、
その英語のゼロという数字は複数的に使われます。どういうことかというと、1点っていうのは1ポイントですよね。
ポイントの方は複数形にならずに、2以上だと2ポインツ、3ポインツっていう風にポインツっていう風に複数形になります。
ゼロ点のときはどうなるかというと、これはゼロポインツで複数形になるんですね。
これ別にポイントに限らず、あらゆる加算名詞で同じことが言えるんですけど、ここではゼロは複数扱いになっているということです。
ゼロの捉え方
複数扱いになっていると言っても、ゼロを複数と捉えているというよりは、単数形は一時専用で、1以外だったら複数形を使うっていうような、そういう説明の仕方の方がいいと思います。
ゼロと同じように、小数点のつくようなやつも複数扱いになるので、0.8とか0.5とか、これもやっぱり0.8とか0.5を複数とみなしているというよりは、単数形は一時専用で、
それ以外は2以上の整数もそうだし、ゼロも小数も、1以外だったら何でもかんでも複数形にするというのが英語のルールです。
そんな中、代名詞のnobodyは単数扱い、動詞の1では三人称単数現在のsがつく。
これはもしかしたら、ゼロの捉え方が名詞と動詞で違うのかもしれませんね。
同じ単数という言い方をしたとしても、動詞でいう単数と、主語の単数と、名詞における加算名詞の単数とはちょっと捉え方が違う可能性もあります。
ゼロは複数か単数かってなかなか考えてみると面白いですよね。
ゼロの発見は数学史上、数学に限らず人類史上かなりインパクトのあるものだったわけですけど、
そのゼロという概念が言語の中でどのように扱われているか表現されているかを調べてみるのも面白いかもしれません。
というわけで今回は、バックトゥーザフューチャーのセリフ、ノーバディコーズミーチキンからとりとめのない話をしたという感じでございました。
それではまた次回のエピソードでお会いいたしましょう。
番組フォローも忘れずよろしくお願いいたします。
お相手はSIGA15でした。
またねー。
10:10

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