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2025-07-22 11:41

#775 【言語学】メタファーってなに? from Radiotalk

主要参考文献
レイコフ, G・ジョンソン, M (渡部 昇一・楠瀬 淳三・下谷 和幸 (訳)) (1986)『レトリックと人生』東京: 大修館書店.

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育

サマリー

このエピソードでは、メタファーの重要性とその機能を深く探求しています。特に認知言語学におけるメタファーの役割や、他の言語でも同様の表現が存在することを紹介しています。

メタファーの基本概念
今回のテーマはメタファーでございます。 メタファーというのは、要は例えですね。
何かを別の何かで例える。それがメタファーです。 そのメタファーというのは言語学では、昔は
結構周辺的なものと捉えられていて、 どっちかというと文学とか、あるいは詩とか、そういった領域で扱われていたんですが、
このメタファーというのが実は言語の 中心的な役割を果たしているんじゃないかというふうに、だんだん変わってきました。
特に認知言語学と言われる言語学の分野で、 メタファーというのはものすごく重要なんですよね。
この例えっていうのは、メタファーの他にも メトニミーとかシネクロキーとかいうのがあります。
この辺りの話は過去に扱ったこともあるんですが、 今回はメタファーを中心にお話ししていこうと思います。
BGM、行けい。
始まりました。4月15日のツボ。皆さんいかがお過ごしでしょうか。 ロナルドウィズリーです。
メタファーっていうのは、例えなわけですけど、 それがもう当たり前になりすぎてて、
例えてる感じがしないというか、 メタファーだと気づきにくいようなものも結構あると思います。
例えば、 この道路は工事中だというのもメタファーと言えなくもないんですよね。
工事中の中という字は、 もともとというか、本来の意味としては、
何かの中っていうね、物理的に内部にあるっていう意味なわけですけど、 工事中だって言った場合は、そういう状態であるっていうことですよね。
こういうのは陽気のメタファーと言われることがあります。
工事中だとか、あるいは恋愛中だとか、 その陽気の中にあるんだということが
状態を表している、メタファーとして機能しているわけです。 面白いのは、これは別に日本語に限ったことではなくて、
少なくとも英語では、彼は恋愛中だとかいうのは、 he is in love っていうふうに同じinっていうのが使われるんですよね。
同じっていうか、意味としては中っていう意味のinが使われます。
ですので、認知言語学では、認知言語学っていうのはその段の通り、 認知っていうのをすごく重要視するわけですけど、
人間に共通した認知の仕方っていうのが、 言語に表れているっていうふうに考えますので、
だから別個の言語でも同じような表現が出てくるのは、 同じ認知の仕方をしているからだっていうふうに考えるんですよね。
あるいは、不祥事がその芸能人を引退に追い込んだ。 これもメタファーと言えます。
不祥事っていう概念的なものというかね、 一種のものというかね、物理的なものとして
例えているわけですね。 同じように、擬人化っていうのも
一種のメタファーで、 台風がキーハントを襲ったとかいうのも、台風を一種の
人、あるいは生物みたいなものに見立てて、 襲うという動詞を使っているわけですよね。
こういう言い方は日常生活でガンガン使われているものです。 そう考えるとメタファーっていうのが
単なる例えに留まらないというか、 その言語の周辺にあるんじゃなくて、もっと言語の根幹に関わってくるっていう主張もわかる気がしますね。
今までお話しした陽気のメタファーとか、 不祥事を物扱いするとか、
台風を擬人化するとか、こういったものはひっくるめて 存在のメタファーと言われることもあります。
また別のメタファーの種類として、 方向づけのメタファーというのもあるんですね。
方向ということは上とか下とか、内とか外とか、 前とか後ろとか、そういったものですけど、こういった方向っていうのは
構造のメタファー
もともとは物理的な空間を表すものですよね。 ただそれが物理的なその空間を飛び越えて
時間的なことを表すっていうのはよくありますよね。 前は過去を表して、3日前とか言うと過去だし、逆に後っていうのは3日後とか言えば未来を表すっていう風に
この前後っていうのが時間的な関係を表すようになっています。 さらに
この方向が気分と関わるっていうこともあって、
気分が上がると言えば楽しいっていうことですよね。 逆に気分が下がると言えば悲しいっていう風に
上方向は楽しい、下方向は悲しいっていう風に 空間関係が
感情に使われてるんですよね。もうちょっと別の言い方でも同じことが言えて 気分は上々とかもそうですよね。上上。
気持ちが沈んでるって言えばこれも下方向なので、 やっぱり上が楽しくて下が悲しいみたいになってるんですよね。
これまた英語でも同じようなことが言えて、 嬉しい時はupを使ったりとか、沈んでる時はdownを使ったりっていう風に
ここでも日本語と同じような対応があるんですよね。 もしかしたら逆の言語もあるかもしれないですけどね。探したら。
つまり嬉しい時は下、悲しい時は上っていうような言語もひょっとしたらあるかもしれませんが、
ただ認知言語学的には、楽しい時は姿勢が良くて、 悲しい時はうなだれるっていう、そういう肉体的な動作と絡んで、
楽しいは上、悲しいは下っていう風に、そういった表現、メタファーに結びついているとみなすので、
この説にのっとれば逆の言語はちょっと考えづらいということになりますよね。
ちょっと話戻りますけど、前と後ろが過去と未来に関わってるっていうのは、 これはね結構僕は混乱しちゃうんですよね。
前が過去、3日前とか、後っていうのが未来、3日後とか。
なんでこれが混乱しちゃうかというと、 自分の感覚と逆な感じがして、未来っていうのは前にあるものだというか、
自分の顔の向いている方、つまり前に未来があるっていう気がするんですけど、 言語表現としては前が過去なんですよね。
過去っていうのはむしろ置き去りにしていくので、背中側にあるっていう感じなので、
むしろ自分の後ろの方が過去っていう気がするんですけど、 未来にどんどん突き進むとかいうときはやっぱり前、前って感じがするんですけど、
逆なんですよね、これがね。 これが混乱する理由の一つで、
いつかこの前後と未来過去の話はエピソード剃ってもいいなと思ってるし、 実際本も読んだことがあるんですけど、結構混乱しちゃうんですよね。
どうですかね、皆さんの感覚で前が過去で後ろが未来っていう感じがするでしょうか。
ちょっと話それましたが、 上とか下っていうのが楽しい悲しいに結びついているみたいな、こういったメタファーのことは方向づけのメタファーと言われることもあります。
最後に構造のメタファーというのをご紹介しようと思います。 これちょっと英語の例になっちゃうんですけど、
英語では議論は戦争であるというね。 argument is war っていうメタファーがまずあって、つまり議論というのを戦争で例えて、
その議論は戦争であるというメタファーに基づいて、 議論に関わる、論争に関わるいろんなものが
戦争に例えられるということがあるんですね。 ちょっと日本語でも多少当てはまるかなぁとは思うんですが、
そもそも議論に勝つとか負けるとか、この勝ち負けっていうのが 戦争のメタファーに基づいているということができます。
さらに攻撃するとか、守るとか、 そういう言い方もできるんですよね。
自分の主張を守るとか、そういった言い方が日本語でもあるんじゃないかなと思います。
英語ではもっとそれが過激で、 日本語で言うとこの論破するっていうのが
シュッダウンみたいな言い方をするんですね。 シュッというその、撃つっていう言い方をするので、
さらに戦争チックっていう感じですが、 そういう銃で撃つみたいな言い方が
議論に関わる場面で出てくるっていうのは、 その基盤として
議論は戦争であるというメタファーがあって、 それに支えられる形で
戦争に関わる言い方が出てくるということでございます。
そういうのを構造のメタファーと言います。
この構造のメタファーは探してみたら、 意外とあるんじゃないかなという気もするんですが、
一旦今日はここまでということにしようと思います。 それではまた次回のエピソードでお会いいたしましょう。
番組フォローまだの方はどうぞよろしくお願い致します。 お相手はシガ15でした。
またねー!
11:41

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