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2025-09-13 11:49

#790 【英語】助動詞になぜ二つの意味がある?メタファーによる説明 from Radiotalk

主要参考文献
Sweetser, E. (1990). From Etymology to Pragmatics: Metaphorical and Cultural Aspects of Semantic Structure. Cambridge University Press.

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育

サマリー

このエピソードでは、英語の助動詞の二つの意味について解説されており、特に必然性や義務、そして認識のメタファーを通じて説明される。助動詞の用法は日常語を通じて理解され、義務と認識の関係が深掘りされる。

お便りの紹介
お便りいただいております。まずは1通目。紫うさぎさんからギフトと一緒にいただきました。ありがとうございます。お疲れ様です。
先日万博に行かれてたXのポストを見ましたが、9月1日でしたか。私も同じ日に行ってました。そうです。9月1日の夜間券。夕方から入場できる券で行きました。
もしかしたら紫うさぎさんとすれ違っているかもしれませんね。収録聞きましたが、私はお祭り部分だけ楽しんでおりました。ということで紫うさぎさんお便りどうもありがとうございます。
これ前回のエピソードで、万博楽しいのはいいんだけど、環境のことを考えるとか、持続可能な社会とかそういった方面のことももっと考えていいんじゃないかみたいな話をしたんですよね。
それでもね、万博はお祭りですからね。世界各国のパビリオンや機関とか企業の展示とかで新しいことをたくさん学べますからね。万博に行けるっていうのもなかなかある機会ではないんでね。大いに楽しんでいいんではないかと思います。紫うさぎさんお便りどうもありがとうございました。BGMです。
始まりました。4月15日のツボ。みなさんいかがお過ごしでしょうか。竹脇ムガです。お便りもう一通いただいております。好きな品種はどうしさんからこちらもギフトと一緒にいただきました。ありがとうございます。半身タイガース早々のリーグ優勝おめでとうございます。
これね僕がありがとうというのも変ですけどね。おめでとうございます。お便り送るのはかなり久しぶりになりますがトークはずっと楽しく拝聴しております。内容はもちろんしがさんの声のトーンがながら劇にすごくちょうどよく。ながら劇ですみません。実家の片付け作業にぴったりなのです。というお便りを初めてしたのがちょうど2年前の今頃でした。これからも楽しみにしております。
そうですか2年ずっとね聞いていただいているということでありがたいですね。
少し前のメタファーのトークでしたか。前が過去を表したりこれから行く先を表したり混乱するという話私も同じです。
私が少し勉強しているバツク語が前年前もって家の前前進するなどすべて語幹が同じです。
なるほど。日本語の前と守備範囲が似ていて面白いなと思っています。
だから前年とか前もってもそうかな。これはこれらは過去を前というので表しているということですね。
でこの時間と前と後ろの話は次回のエピソードで取り上げようと思います。これを機にねちょっと撮ってみようと思います。
前というのが過去後ろが未来っていうのが3日前と言ったら過去で3日後と言ったら未来なので。
それはそうなんですけどその一方で過去を振り返るとか未来に向かって突き進むとか言ったりするとむしろ未来が前にあって過去が後ろにあるような気がします。
というかそっちの方が感覚としてはしっくりくる気がするんですがそれとは反対に3日前3日後っていうのがあるのでその辺が少しややこしいんですよね。
次回のエピソードではこの時間的な前後と空間的な前後の話をしようと思います。
これからも様々な切り口の言語学トークそして季節からプロ野球トークもいいですねよろしくお願いします。
ということで好きな品種はどうしさんどうもお便りありがとうございます。
阪神タイガスリーグ優勝してねぜひ日本一を勝ち取ってこの番組でもまたエピソード撮りたいなと思いますね。
お便りの中にあったメタファーですけどメタファーが好きな人はとことん好きなんですよね。
特に認知言語学をやってる人なんかは何でもかんでもメタファーっていう感じで。
僕自身はほどほどに好きかなっていう感じですね。
さっきお便りの中にもあった空間的な前後が時間的にも拡張されるっていうのもこれもメタファーで。
助動詞の意味の拡張
日常のあらゆるところにメタファーというのが要は例えってことですけど潜んでいると考えられてるんですよね。
この時間的な前後については次回のエピソードで取り上げますが少し意外なところでもメタファーが説明に用いられることがあります。
例えば英語の助答詞には2つの側面があると言われています。
専門的には拘束的モダリティとか認識的モダリティとか言われたりするんですが、
具体的に言うと例えばmustっていうのはyou must goだったらお前は行かなきゃいけない。
端的に言えばこれは義務を表していますが、
John must be thereとか言うと、
ジョンはそこにいるに違いない。
この違いないっていうような、こっちを認識と呼ぶことにすると、
mustっていうのは義務と認識の2つの側面を持っています。
これは英語の助答詞だと広く観察されて、
mustだけではなくてmayとかもそうです。
you may goだったらお前は行ってもよいという許可を表して、
John may be thereだったらジョンはそこにいるかもしれない。
これもやはり義務と認識2つの側面があります。
canもやはり2つの側面があって、
できるっていうのがすぐ思いつくと思うんですけど、
それとは別にありうるみたいな意味を表すことがあります。
この英語の助答詞が持つ二面性もメタファーでよく説明されて、
助答詞の義務、義務的側面の方がデフォルトというかもともとあって、
そこからのメタファーで、派生で認識的側面を獲得したと説明されることもあります。
この義務の方がもともとあるというかデフォルトだというのは歴史的にもそうなんですよね。
本来の意味は義務的な用法だったのが、そのうち認識的な用法を獲得していった。
そのことは歴史的にも言えるし、子供が言語を獲得するときもその順番らしいんですね。
まず義務的用法を獲得してから認識的用法を獲得するという、
そういう順番で獲得するそうです。
ではどういうメタファーによって、たとえによって義務から認識に拡張したのか。
これを考えるのって結構難しいと思います。
メタファーが説明としてよく使われるのは、気分と上下関係とかで、
これは多分過去のエピソードでお話ししていると思うんですけど、
上方向が楽しくて、下方向が悲しいみたいな。
なので気分上々とか気分が上がるとかいう言い方すると楽しくて、
落ち込むとか沈むというと、悲しい気持ちを表していると。
これは空間的な上下関係が、メンタルというか精神的なものに応用されているわけですよね。
こういったメタファーは非常にわかりやすいというか、直感的にもピンとくるところがあるんですが、
それに対して、you must goという義務が、John must be there、
違いないという認識に、どのようにメタファーを通じて拡張するのかっていうのはイメージしづらいと思います。
義務のmust、何々しなくてはいけない。
これは何らかの圧力がかかって、主語に対してそういう義務を負わせているということですね。
例えば母親が言っているから、you must go、お前は行かなきゃいけない。
母親あるいは母親の発言というのが圧力となって、主語、この場合youにのしかかって、
義務という意味を帯びています。
John must be thereみたいな、
Johnはそこにいるに違いないという認識の方も、やはり圧力というのが考えられて、
何らかの証拠やその場の状況みたいなものが、やはり圧力となって、
和社自身がそうでありに違いないという結論に強制的に押しあられる。
そのように考えると義務と認識のmustっていうのは非常によく似てると言えるんですね。
少しこじつけっぽく聞こえるかもしれませんが、義務のmustっていうのは現実世界での圧力みたいなのがかかっている。
一方何々に違いないっていうのは精神的なというかメンタル面で、
その思考の中で圧力がかかっている。
そのようにメタファーによって拡張されていると言えるんですね。
mayもやはり義務から認識の方に拡張していると考えられて、
それもmustと同じようにメタファーによって説明されます。
mayっていうのはそこに障害がない、バリアがない、なのでyou may go、あなたは行くことができる。
そのように義務的側面は説明できます。
一方、John may be there、ジョンはそこにいるかもしれないというのも、
思考の中で何かによって妨げられることなく、そういった結論に至ることができる。
推論の過程の中にバリアがないというふうに言えるんですね。
このように英語の助動詞の持っている2つの側面は、義務から認識へのメタファーによる拡張として説明されることもあるんですね。
というわけで今回のエピソードはここまでということで、次回のエピソードもどうぞお楽しみにしてください。
番組フォローまだの方はよろしくお願いいたします。
お相手はシガ15でした。
またねー。
11:49

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