1. 志賀十五の壺【10分言語学】
  2. #158 「あつはなつい」の言語..
2020-08-18 11:18

#158 「あつはなつい」の言語学 from Radiotalk

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育
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始まりました、志賀十五の壺。みなさんいかがお過ごしでしょうか。志賀十五です。
いやー、暑は夏いですね。とか言いますよね。特におじさんがね。
で、こういう寒いギャグで、少しでも暑い夏を涼しくしようっていうね、まあそういう優しさなんでしょう。
で、冗談抜きで本当暑いですよね。40度近く連日気温も上がってますからねー。
で、マスクもしなきゃいけないし、大変ですよ。
で、話は戻りまして、この暑は夏い。で、これをちょっと言語学的に話すっていうのが本日のテーマになっております。
このトークを初めて聞くっていう方もいらっしゃると思うんで、ざっくり言っとくとですね。
言語学の話をよくしているので、この番組で。
で、テーマはいろいろなんですけど、今回みたいにその、まあ短というかね、
まあわかりやすい例から、ちょっと言語学の話をしてみたり、深掘りしてみたりっていうことをやってます。
もしね、あの気になるトークが過去のものにあるかもしれませんので、
よろしかったらこれを聞いていただいた後にね、遡っていただけたらと思います。
で、暑は夏いって、もちろんこれ言葉遊びみたいなものなんですが、言語学的にね、ちゃんとこの現象に名前がついてるんですね。
で、これは音位転換とか言うんですよね。
英語だとよくメタセシスって言うんですけど、なんかね、このメタセシスって科学分野で化学の科学分野の方でも使われる言葉のようです。
まあとりあえず言語学でもメタセシスというふうに言います。
で、まあ現象自体は大したことないと言えば大したことないですね。わかりやすいですね。
夏が暑いっていうのが、暑が夏になるってことはあとなんか入れ替わってるっていうことですね。
で、そういう音の入れ替わりがあるものをメタセシスと言うということですね。
で、まあ日本語だけを見てもですね、この暑が夏い以外にもメタセシスは観察されます。
これはね、よーく言われるのは雰囲気ですね。
雰囲気っていうのを雰囲気って言う人がいますよね。
どのくらいの割合でいるんだろうな。僕はほぼ100%雰囲気っていうふうに言うので、雰囲気って若者の方が言いやすいのかなと思いますね。
で、この番組の姿勢としてはですね、過去のトークでもお話ししてるんですが、言語に間違っているもの何もないっていうことなので、
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その雰囲気っていう言い方はやめようっていうそういうキャンペーンとかはいたしません。
で、この雰囲気が雰囲気になるのも今回テーマであるメタセシスの一つであります。
で、なんで雰囲気になっちゃうかは、
普通はね、こういう言語の音変化っていうのは発音がしやすいようにしやすいように効率化を求めて変化するんですよね。
で、そういうお話は過去にもしてあって、大抵の場合そういうふうに説明できるんですよ。
楽したいから簡単な発音になると。
どうですかね。雰囲気が雰囲気になるのも発音のしやすさからなのかな。
1個考えられるのは、んっていう音の後に母音がひょっとしたらきづらいのかもしれません。
雰囲気ですよね。それよりは雰囲気の方が発音しやすいのかもしれませんね。
というのが、時々んっていう音の後の母音がなぎょうの音になるっていう現象があるんですよね。
専門的にはこれれんじょうという言い方をしますが、
例えばはんのうとかかんのんさまとかですね。
これははんおうとかかんおんっていうのが、ある意味そのんのnが次の母音と一緒にくっついちゃって、
反応観音という風になっているわけですよね。
なのでんっていう音の後に母音っていうのは独立して現れづらくて、
そのために反応とか観音みたいななぎょうの音になっちゃうという現象があるので、
ひょっとすると雰囲気っていうのも発音しづらくて雰囲気になっているのかもしれませんね。
でもこれは微妙ですね。
というのが、ぜいんとかたまごのらんおうとかはれんじょうが起こらずに、
ぜんにんとからんのうとかなってないですよね。
ちゃんとんの後に独立して母音が出てきているので、
この理由はちょっと不完全ですね。
なので雰囲気が雰囲気になるのは多分発音のしやすさからなんだと思うんですけど、
ちょっとはっきりとはわかんないですね。
調べたらちょっと出てくるかもわかりません。
今お話しした厚がなついと雰囲気の例はどちらも言葉遊びとか言い間違いとされるようなもので、
言語の周辺的なものって感じがするんですけど、
実はね、もうメタセシスが起こっちゃってそれで単語として定着しちゃっているものもあります。
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有名なのは秋葉原ですね。
秋葉原ってもともと秋葉原だったらしいんですよね。
このバとハが入れ替わって秋葉原に今なっているということなんですよね。
他にもお花のサザンカっていうのはもともとサンザカだったんですけど、漢字を見たらサンザカなんですよね、確かに。
それはメタセシスが起こっちゃってサザンカになっていると。
あとは新しいっていうのももともと新たしいだったんですよね。
予想新たにとか言いますからね、確かにそういうところで古い形っていうかね、
元の形っていうのは観察されるんですけど、形容詞の方はもう新しいになっちゃっていると。
で、これらもどうなんでしょうかね。
発音のしやすさなのかな。ちょっとわかんないですけど。
ここで申し上げたいのはですね、何も言葉遊びや言い間違いだけではなくて、
もうちゃんとした単語として一般化しちゃっているメタセシスもあるということですね。
こういうのちっちゃい子によく観察されるんですよ、確かにその言い間違いという意味では。
わかりやすい例ですと、トトロのめいちゃんがトウモロコシをトウモコロシって言ったりね。
あれメタセシスですし、オタマジャクシがオジャマタクシーになったりね。
ああいうのはもしかしたら聞いたことある単語にちょっと吊られちゃってね、
そういう言い方になっちゃってるっていうのはあると思います。
こういう吊られるっていうのを言語学で類推って言ったりするんですよね。
なのでオタマジャクシーよりもオジャマタクシーの方がオジャマットタクシーっていうふうにきっちり分けられるっていうね、
そういう吊られてそういう言い方になってるっていう説明ができるかもしれません。
なのでメタセシスが起こる原因っていろいろあると思うんですけど、
発音のしやすさとか、ちっちゃい子だったら吊られるっていう類推とかそういうものが原因となっているということです。
これは何も日本語だけではないんですよね。
いろんな言語で、ほぼ全ての言語でもしかしたらあるかもしれません。
例えば英語だと、飛行機乗ったことある方だったらわかると思うんですけど、
乱気流のことタービュランスって言うんですよね。
このタービュランスってトラブルと同じなんですよ。
なのでこのTの音の後のタのURとトラブルのラっていうのはもともと同じ順番だったんですけど、
トラブルの方では入れ替わっちゃってラっていう音になってるんですよね。
ここで面白いのは日本語はどっちかというとカナ単位で音が入れ替わるってことですね。
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カナ単位って言うとちょっとあれなんで、もっと専門的にはモーラ単位とか音節と言ってもいいかもしれませんね。
つまりシーンと母音の組み合わせで入れ替わっちゃってるってことですね。
英語の方はシーンと母音が独立して、シーンと母音がコロッと入れ替わってタービュランスがトラブルとこういうふうになるっていうことですけど、
そういうところに言語それぞれの個性が表れているということですね。
言語によってはこのメタセシスを文法的に用いるところがあるんですよね。
これロトゥーマ語っていうフィジーの方で話されている言語なんですけど、
ここではちょっと具体的に忘れちゃったんですけど、メタセシスを起こすことで、つまり音を入れ替えることで別の意味を表すっていう仕組みがあるようです。
個人的に興味があるんでまた調べてみようと思うんですけど、結構珍しいですよね。
ただね、日常生活においてですね、こういうメタセシスという現象を知ってて役に立つかというと、これ役に立つかもしれませんよ。
っていうのが、厚がなついはちょっと微妙ですけど、そういうギャグとかね、いうことができるので、
例えば犬のおまわりさんをメタセシスを起こしたら犬のおさわりマンになりますからね。
いきなりおまわりさんからおさわりマンってもう落差が激しいですよね。
っていうふうにメタセシスでこういういろんな言葉遊びができるので、知っておくとこういう面白おかしいことが言えたりするかもしれません。
どうなんですかね、文学でもそういうとこあんのかな、俳句とか仙流とかで使ったりしてるんですかね。
もしそういう創作活動とかしてる方がいらっしゃったら参考にしてみてもいいと思います。
というわけで今回はここまでということで、よろしかったら番組フォローのほうをお願いいたします。
最後までお聞きいただいてありがとうございました。ではまた次回。ごきげんよう。
11:18

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