1. 志賀十五の壺【10分言語学】
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2020-07-29 10:23

#144 古代日本語とカタカムナ from Radiotalk

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始まりました、志賀十五の壺。皆さんいかがお過ごしでしょうか。志賀です。
今回、お便りをいただいたので、それに対する返答ということでやっていこうと思います。
以前まででしたら、お便りってマシュマロでいただくことが多かったんですけど、
Radiotalkの方で専用のお便りフォームができたもんですから、そちらでね、お便りいただきました。
こちら、ライチさんからですね。ライチさんってRadiotalkもやってらっしゃる方ですから、
ぜひそちらのライチさんのRadiotalkも聞いていただけたらと思います。僕もね、ちょいちょいご紹介いただいてありがたいことにね。ありがとうございます。
では、読み上げますね。 いつも聞き応えのあるRadiotalkありがとうございます。大学で言語学を学んでいた頃を思い出します。
日本語や音声学とはだいぶ異なるのですが、今は一部で流行りだしたカタカムナについてのトークがあれば嬉しいなぁと思っております。
あと、そろそろ正体を教えてください。シュメル人でしょっていうことでね。
そうです。私がシュメル人ですっていうことでね。まあ、そういうことがわかったということで、
大学で言語学をやっていらっしゃったということで、こういう方、聞いてくださっている方多いと思いますね。
以前もマシュマロでそういうお便りいただいたことありましたね。
まあ、なかなかね、その大学を出てお仕事を始めたりするとね、言語学って触れる機会がなくなったりすると思うので、まあそういう方も楽しんでいただけたらと思ってね。
まあ、Radiotalkやってます。 で、カタカムナね。これは
ご存知でない方もいらっしゃると思うので、ざっと言っとくとですね、古代文字って言っていいんだと思うんですね。
その文字で書かれた内容とかはちょっと今回全然触れないんですけど、 古代文字の一つであるというふうに言っていいと思います。
で、このカタカムナの文献というのが発見されたのが戦後すぐの頃のようですね、1949年。
発見された方は、奈良崎さんという、奈良崎光月さんという方が発見されたそうです。
その経緯というのが、兵庫県で電気の測定をしていた時に、その地元の漁師の方から、
動物たちが困っているから、その測定をやめてほしいというふうに言われて、
それで測定をやめたら、そのお礼としてそのカタカムナ文献というのを見せてくれたということらしいんですね。
で、その文献が書かれている巻物っていうのが持ち出しできないということで、
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それを写してですね、写本を持って、それを研究なさったということのようです。
で、なかなかこのカタカムナっていう文字はですね、カタカムナ文字とか言ったりするのかな?
カタカムナだけでいいのかな?
カタカムナを実際見ていただけたらいいと思うんですけど、ちょっとサムネイルの方の画像にもしておこうと思いますが、
かなり神秘的というか、馴染みがないなという感じの文字の形をしています。
で、この文字の成立時期っていうのがどうなんでしょうね。
奈良崎さん自身がどういうふうに考えてたかはわからないんですけど、いろいろサイトとかを当たってみると、
1万2千年以上前の時代の文字だっていうふうに言ってるものが多いですね。1万年以上前。
これちょっと遡りすぎじゃないかなと思いますね。
少なくとも漢字が日本にやってくる以前、ひらがなカタカナ以前の文字であるというふうに考えられているようです。
なので中国からその文字体系というか初期体系が日本に渡ってくる以前に、日本には文字があって、それをカタカムナと言っていると。こういうことのようですね。
で、なかなかロマンのある話ですね。日本人というのは独自の文字を持たなくて、中国からやってきた漢字を使ったり、あるいはそれを派生させてですね、
カナっていうのを作り出して、それを現代でも引き継いでいるというふうに考えられているわけですけど、それ以前に日本人は独自に文字を持っていたというのが、このカタカムナがそれが一つ証拠であるということですが。
ですが、僕はかなりこれは怪しいと思いますね。
奈良崎さんが創作したとは言わないですけど、少なくともその1万年以上前とかあるいは奈良時代以前の漢字が渡ってくる前の文字体系であるとはとても言えないと思います。
むしろかなり時代が下ってから作られた文字であると考えた方が妥当ではないかと思います。
これは言語学的な知見からそういうふうに考えられるというお話ですね。
カタカムナで書かれたその内容がどうこうというのはひとまず置いておいてですね、その文字自体に着目して言語学的な観点からちょっと怪しいんじゃないかというふうに僕自身は考えます。
その理由というのが、まずカタカムナというのが現代日本語の48文字、48音図に対応しているということらしいんですよね。
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これは正音だけで濁音は考慮していない、半濁音、濁音は考慮していないということのようです。
これは歴史的考え遣いでもですね、濁音はその点々書かずに書くということがあったので、それ自体は別に変わったことではないんですけど、
ただね、48音っていうのは現代語では日本語は48音ですけど、
奈良時代以前の日本語の音っていうのはもっとね、現代日本語と違っていたはずなんですよ。
例えば奈良時代以前の日本語の母音はもっと多かったというふうに考えられているんですよね。
というのも、エダンとオダンっていうのが、あとイダンだ、イダン、エダン、オダンが2通りに発音し分けられていたと考えられています。
これは万葉仮名っていうのが昔日本語で使われてたんですけど、別々の漢字を当てて書き分けられていたので、イダン、エダン、オダンについてですね。
こういうのを常題特殊仮名遣いとか言ったりするんですけど、別々の漢字を使って書き分けてたってことは、発音の違いがあったっていうことだっていうことで、
日本語の母音は5つじゃなくて、8つか、あるいは6つっていう人もいますけど、とりあえずもっと母音の数は多かったっていうふうに考えられています。
一方、カタカムナの方はですね、現代日本語と同じ5つの母音でしか対応してないので、
もし奈良時代以前の日本語が反映してるんだったら、イダンとエダンとオダンに2種類、その文字体系が対応してないとおかしいってことで、
1つこれが怪しいんじゃないかと思う理由の1つですね。
全てのイダン、エダン、オダンに書き分けがあるわけではなくてですね、
具体的に言うと、き、ひ、み、け、へ、め、こう、そう、と、の、も、ろ、よ、で、これらの仮名に2つの発音があったっていうふうに考えられています。
それが反映されてないので、カタカムナで、かなり怪しいと思いますね。
で、もう1つ僕が怪しいと睨んでいる理由の1つはですね、
んっていう文字があるっていうことですね。
和音のんですけど、これね、確かに現代語でんっていうのは文字であるし、実際日本語語化者はそういうふうに発音するんですが、
奈良時代以前はね、んっていうのはなかったっていうふうに考えられてるんですよね。
んっていうのができたのは、漢語っていうのが入ってきたり、あるいは飲みたっていうのが飲んだになるみたいに、そういう音便っていうのでしか観察されないっていうことで、
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かなり時代が下らないと、んっていうその発音と言われるものは出てこないんですよね。
だから奈良時代以前にんっていうのは、その少なくとも独立した音としては日本語になかったんじゃないかと思うので、
なのでこれはんっていうのが日本語にできてから作られたものじゃないかなっていうふうに思います。
というわけで以上2つの理由からですね、カタカムナっていうのは、今わかっている時点ではちょっと怪しいんじゃないかと思うのが、僕の意見というか考えですね。
というわけでね、お答えになってますかね。
今日いろいろお話しましたけど、一つは日本語って昔母音は多かったんだぞっていうことと、
僕がシュメール人だったんだぞっていうことをね、覚えていただけたらと思います。
こういう感じでですね、ラジオトークの方でその専用のお便りフォームがございますから、そちらで質問どんどん募集しております。
というわけで今回はここまでということで、よろしかったら番組フォローをお願いいたします。
ではまた次回お会いしましょう。ごきげんよう。
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