グロスとはなにか
始まりました、志賀十五の壺。皆さんいかがお過ごしでしょうか。
円達あちゃこです。
さて、今回は、ズバリ、Leipzig Glossing Rules とはなにかというテーマでお話ししていきます。
いや、本当に何かっていう感じですよね。
もっと一般的に大雑把に言うと、グロスというものについてお話ししていきます。
これはね、畜語訳みたいに言い換えてもいいんですが、どういうことかというと、
これはね、言語学の本とか読んでるとよく出てくるんですよね。
逆に、逆でもないけど、語学書なんかではあんまり見かけないかもしれないです。
文法書であったり、言語学の本に結構出てくるもので、
例えば、日本語なり英語でその言語の文法書が書かれていると、
その言語の例が出てきたときに、当然その言語の例っていうのが出てきますよね。
で、その下に日本語であれば日本語、英語であれば英語の訳っていうのが付いていることが多いと思います。
グロスというのはその間に出てくる畜語訳的なものです。
ここで英語を例に挙げるのもなんですけど、
例えば、I like himと言ったときに、
Iの下に私、likeの下に好き、himの下に彼、
こういうふうにいちいち単語ごとに訳を付けるというのが、
大雑把に言えばグロスということになります。
ただ、グロスが与える情報っていうのは、
その一単語一単語の情報はそうなんですけど、
その内部構造の情報っていうのもグロスは与えるんですよね。
特に文法的な情報というのを与えてくれるものです。
で、日本語の例で考えると、
例えば、食べたっていう例があって、
で、その下に畜語訳的なものを付けるとしたら、
英語だと、えいと、こうなると思います。
実際そういうふうにやってもいいんですが、
言語学一般ではそうはせずに、食べとたっていうのを分けます。
で、よくこの境界はハイフンが入ります。
こういうのを節字境界と言ったりするんですが、
食べとたに分けて、それをハイフンでつなぐと。
で、食べの下にはいいと、それをハイフンでつないで、
その下には過去、英語だったらpastみたいな畜語訳を付けるんですね。
こうすることによって、食べたをえいととしてしまうと、
その実態っていうのが見にづらいんですが、
食べとたに分けて、いいととpastに分けてっていうふうにすると、
よりその言語の情報っていうのが明確に分かるということになっております。
で、そのグロスっていうのは、
最もメジャーなものは、
冒頭言ったライプチヒグロッシングルールズっていうやつで、
別に日本人向け、日本語母語話者向けに関われたものだったら、
日本語でグロスをつけてもいいんですよね。
ただ今回は、英語でそのグロスをつけるっていうことを想定してお話していきます。
さっきの食べたですと、たの部分がpastなわけですが、
そういうときは普通略語を使って、
過去だったらpstっていうふうに書かれるんですね。
さらに言うと、こういう過去みたいな文法的要素は小型英文字で書かれます。
日本語や英語のグロスの例
英語だとsmall capitalと言うんですが、別に大文字でもいいんですけど、
一応小型英文字で書かれるんですね。
で、その小型英文字で書かれるのは文法的要素で、
食べたの食べの方のeatっていうのは普通の小文字で書かれます。
語彙的要素は普通の小文字、文法的要素は小型英文字っていうふうに分けられるんですね。
この食べたっていうのがもうちょっと複雑になると、
食べさせられた、例えばこうなったとすると、
食べとさせとられとたっていうふうにそれぞれ配分でつなぐことになります。
で、食べっていうのはeatでいいんですが、
させの部分はcausativeの略号です。
で、これを小型英文字で書き、
られのところはpassiveですと書いて、
たの部分はさっきと同じpstとするんですね。
ですので日本語の特にこういった動詞にグロスをつけるとしたら、
最初にこう、食べみたいな語彙的要素がきて、
その後小型英文字で書かれる文法的要素がつらつらつらっと続いていくことになるんですね。
日本語はそういう設備字を多く使う言語であるっていうことができます。
ただ日本語の食べたとか、あるいは食べさせられたみたいに、
きっちり配分できれる言語ばかりかというとそうでもなくて、
例えば英語でteachの過去形はtaughtですけど、
このtaughtの中からpstっていうのを抜き出そうとしても結構難しいんですよね。
そういう場合どうするかというと、
配分ではなくて、periodでteach、period、pst、こういうふうに書くんですね。
このperiodを使うことで、その一つの要素、携帯層と言うんですけど、
一つの携帯層に複数の意味、機能がありますよということを表すんですね。
これは他のものにも言えて、例えばlike、好きの三人称単数現在、三単元、その形がlikesですけど、
このsっていうのがまさに三単元ですので、三つの機能が乗っかっています。
そういった場合はlike-sとして、sの方に数字の3、sg、prsとおそらくすると思います。
3っていうのは三人称、sgっていうのはシンギュラーで単数、
prsっていうのはプレゼントの現在。
これでsのすべての情報を表したことになるんですね。
いちいちシンギュラーとかプレゼントって書いてたら長ったらしくなってしまうので、そういう書き方をするというわけなんですね。
ですので言語学の本をたくさん読んで、そういうグロスに慣れ親しんでくると、
3sgっていうのは三人称単数化とかね、そういったことがパッとわかるようになるんですね。
さて、節字っていうのは過去のたみたいなものですけど、はハイフンでつないでいたんですが、
節語と言われるものはダブルハイフンというか、イコール日本線で結びつけられることになっています。
節語って何なのっていうことだと思うんですけど、
日本語で言うと各助詞っていうのが節語になります。
例えば私がっていうのが例文として上がってたら、そのグロスは私の下は1sgになるかなと思いますね。
一人称単数、そしてイコールでがとなって、グロスの方はイコールでnomとなると思います。
これはノミナティブといって主格っていうのを表してるんですね。
この日本線で結びつけられるような節語っていうのは、節字に比べて結びつきが若干ゆるいっていうようなイメージになるかなと思います。
この節字と節語の違いについてもね、関連エピソードがあるのでぜひ聞いていただけたらと思います。
というわけで、今回はライフ地比グロッシングルールズについてのお話でございました。
PDFファイルで現物を読むことできますので、気になる方読んでみてください。
それではまた次回のエピソードでお会いいたしましょう。
お相手はシガ15でした。
またねー。