1. 志賀十五の壺【10分言語学】
  2. #629 桜の発音は昔、「ツァク..
2024-02-27 10:52

#629 桜の発音は昔、「ツァクラ」だった!? from Radiotalk

#ラジオトーク百科事典vol2

関連エピソード
https://radiotalk.jp/talk/730676
https://radiotalk.jp/talk/834042

主要参考文献
釘貫亨. 2023.『日本語の発音はどう変わってきたか: 「てふてふ」から「ちょうちょう」へ、音声史の旅』 東京: 中公公論新社.
Frellesvig, Bjarke. 2010. "A History of the Japanese Language". Cambridge: Cambridge University Press.

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育
00:11
始まりました、志賀十五の壺。みなさんいかがお過ごしでしょうか。
ぬえのめいすけです。
今回は、ラジオトークで行われている
ラジオトーク百科辞典の企画に参加いたします。
これが第2回目の、何て言うんですか。
第2回目のラジオトーク百科辞典ということで、
第1回目はクリスマスがテーマだったんですよね。
今回は桜がテーマということで、
お話ししようと思ってたんですけど、
何にもないですね。桜について、
何か語れることがあるかと言われるとないので、
どうしましょう、おすこやすみさんという感じなんですが、
仕方ないので、また言語学的なね、
話をするということでやっていこうと思います。
困ったら語源とかね、発音とか、
そういう話に逃げればいいというか、
そういう話ししとけば何とかなるっちゃなるんですけど、
今回のタイトルにあるように、
一説によると桜というのは、
茶という発音だったというふうに考えられております。
茶しすせそが茶ちつせぞみたいな、
そういった発音だったという説があります。
時代で言うと、7時代以前の日本語の発音で、
我々が古文で習う日本語より、
さらに前の段階の日本語なんですけど、
その7時代以前の上代とか言ったりしますけど、
万葉仮名で日本語が書かれていた時代ですね。
当時の日本語の発音というのは、
現代あるいは平安時代の発音と結構違ったと言われております。
過去に話したものだと、
例えばハ行の音、ハヒフフェホの音が、
7時代以前はパピープペポというね、
ピーの音だったと考えられていたりとか、
あとはイーダンとエダンとオダン、
イエオーにそれぞれ2種類ずつあって、
コールイとオツルイとか言ったりするんですけど、
それで日本語の母音は5つじゃなくて、
8つあったという説があったりします。
03:02
この8つの母音について言うと、
上代特殊仮名遣いと言って、
さっき言ったように万葉仮名で書かれてたんですけど、
その使い分けっていうのがかなりはっきりしていて、
ある単語にはこの漢字しか使われないし、
別の単語ではこっちの漢字しか使われないとかね、
そういったことで、
おそらく違う文字が使われていたということは、
違う発音だったんだろうというふうに考えられているんですね。
今回テーマにしている作業の話は、
なんと今まで話したことがないっぽいので、
ちょうどいい機会といえば機会でございます。
そもそも昔の、日本語に限らずですけどね、
昔の言語の発音がどうやってわかるかっていうのは、
まあ推測に過ぎないっちゃ過ぎないんですけど、
日本語の場合は万葉仮名っていうふうに、
仮名?仮名っていうか漢字を中国から借りて、
それでもって音を表していたので、
当時の中国語の音から推測して、
当時の日本語の発音がわかるみたいにね。
別個の言語の証拠から推測するというのが一つあります。
さっきハヒフヘホがパピプペポだったっていう話もそうで、
例えば万葉仮名だとナミっていう字ですね。
あれは音読みだとハーですけど、
それが葉行の葉行っていうか葉の音に当てられていたわけですが、
当時の中国語の発音だとそれは両親破裂音なので、
つまり唇を閉じて破裂させるような音なので、
おそらく奈良時代以前の日本語の葉行は、
Pの音だったんだろうと考えられるんですね。
当時の中国語でHの発音のものが葉行に使われていたということはないんですね、逆に。
そういったことから昔の発音は推測できます。
葉行の話については関連エピソードを聞いていただけたらと思います。
現代日本語の葉行の発音はサシスセソというのは摩擦音という音です。
空気の摩擦を起こしているわけですが、
それに対して一節によると、繰り返しですけど、
サチスセソっていう音だったと考えられています。
これは摩擦音に対してハサツ音という音です。
破裂の後に摩擦が起こるようなチャみたいな音だったと考えられているんですね。
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なんでそのように考えられるかというと、
9世紀に書かれたサンスクリットの発音の説明書きを見ると、
ちょっとそういったことが推測できるんですね。
サンスクリットはおそらく仏教の言語として非常に重要だっただと思うんですが、
その文献を見ると、サンスクリットのチャの音は日本語の作業と同じように発音すると書いてるんですね。
一方、サンスクリットのSの音については中国語の発音でもって、
中国語のSと同じように発音するみたいに説明されてるんですね。
もし当時の日本語の作業がSの摩擦音だとしたら、
サンスクリットのSの音は日本語の作業と同じと書かれてるはずなんですが、
そうではなくて、サンスクリットの発音、チャの音が日本語の作業と同じっていう風に記述されていると。
このことから、当時の日本語の作業は摩擦音ではなくて、
サンスクリットのチャみたいな発音だったという風に考えられるんですね。
ただし、この作業が現代と同じ摩擦音だったのか、あるいはチャみたいな発音だったのかについては、
意見が分かれているみたいで、摩擦音派と発音派とあるんですが、
もう一つ別個の見方として、その後ろに出てくる母音によって発さつか摩擦か変わっていたという説もあるんですね。
例えば、アーの母音の前だったら発さつ音、つまりサーという発音なんですが、
母音が前じた母音、イーとかエーとかいう母音の前だったらシーとかシェーみたいな発音だった、
摩擦音ですけどね。シーとかシェーという発音だったという説もあります。
ですので、サシスセソーは、その考えにのっとるとですけど、サーシツシェソーのように発音されていたという説もあります。
当然、昔の言語の発音というのは推測に過ぎないわけですが、
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発さつ音が摩擦音になるっていうのはあり得ることかなと思うんですね。
サーというのがサーになるというのは、一旦閉鎖を作って破裂させるというのがサーには必要なわけですけど、
それがなくなって摩擦だけになるとサーになるんですよね。
なので、発音の変化の流れとしては、発さつ音から摩擦音というのはあり得るかなと思うんですが、
ただ、作業の音が発さつ音だったとすると、昔の日本語に摩擦音はなかったということになるので、
つまり、Sの音はTSみたいなね、サーの音だったし、
ハヒフヘホーはさっき言ったようにパピプペポーだったわけなので、
摩擦音を持たない言語っていうのもちょっと妙だなという気もするので、どうなんでしょうねっていう感じですね。
というわけで、今回は日本語の作業の発音が、実はTSみたいなね発音で、
桜もサクラみたいなね発音だったかもしれないというねお話でございました。
それではまた次回のエピソードでお会いいたしましょう。
番組フォローも忘れずよろしくお願いします。
お相手はシガ15でした。
またねー。
10:52

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