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2025-08-09 11:40

#780 アフリカのバントゥー諸語の Noun class from Radiotalk

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育

サマリー

このエピソードでは、アフリカのバントゥー諸語の名詞クラスについて詳しく説明しています。名詞のクラス分けの方法や、スワヒリ語などの言語での機能について探ります。特に、意味に基づいたクラス分けの多様性がバントゥー諸語の特徴となっています。

バントゥー諸語の概要
今回のエピソードは、アフリカのバントゥー諸語についてお話ししようと思います。
バントゥー諸語というのは、アフリカの南半分というか、サハライナンっていうんですかね、
あの首入れているところの下半分で広く話されている言語です。
バントゥー諸語、諸語というぐらいですから言語のグループなわけですが、
代表的なのはスワヒリ語だと思います。 スワヒリ語っていうと、日本ではね、あんまりメジャーではないっていう感じがするかもしれませんが、
当然言語学では広く扱われているし、 話者の数もかなり多い言語ではないかと思います。
スワヒリ語はバントゥー諸語の中でもアフリカ東海岸で話されていて、 そのアフリカ東海岸っていうのはアラビア語を話す
アラブ人の商人たちが活躍した場所でもあるんですよね。 ですのでスワヒリ語にはアラビア語からの釈用っていうのがそれなりにあります。
その貿易の過程で成立したみたいな側面もあるんですよね。 そもそもスワヒリというのがアラビア語の海岸という単語から来ているので、
その言語名自体がアラビア語なんですね。 ただ言語の系統的に言うとアラビア語とスワヒリ語っていうのは関係がありません。
その釈用とかはあったし、接触も大いにあったんですが、 系統関係にはありません。
過去のエピソードでアフリカの諸言語について、 バントゥー諸語も含めてお話ししたものが多分2つぐらいあるはずなので、
関連エピソードとしてリンク貼っ付けておきますので、そちらも併せて聞いてください。 BGMです。
名詞クラスの特徴
始まりました4月15日のツボ。皆さんいかがお過ごしでしょうか。 サミュエル・L・ジャクソンです。
バントゥー諸語はいろいろ面白い特徴はあります。 日本語とはあんまり似てないかなと思いますね。
今回はバントゥー諸語の文法、中でも名詞クラスというのについてお話ししていこうと思います。
英語だとナウンクラスというわけですが、 この名詞クラスがバントゥー諸語を特徴づけている一つの特徴ということができると思います。
要は名詞をクラス分けしているという感じなんですが、 そのクラス分けの基準というのがかなり意味によっているんですよね。
意味に基づいて名詞をグループ分けしているといった感じです。
名詞をグループ分けするという点では、 ヨーロッパの言語なんかに見られる文法性、グラマティカルジェンダーと一緒といえば一緒ですけど、
ただバントゥー諸語の名詞クラスっていうのは数が多いんですよね。 10いくつ、もしかしたら20近く名詞クラスというのが認められます。
ヨーロッパの言語の文法性っていうのは、 男性、女性、プラス、中性みたいな2つとか3つぐらいだと思うんですが、
名詞クラス、バントゥー諸語の名詞クラスは桁が違うんですね、文字通り。
例えばクラス1の名詞っていうのは人間の単数が含まれて、 クラス2の名詞っていうのは人間の複数名詞が含まれます。
だからクラス1、2っていうのは人間名詞で、 その中でも1は単数、2は複数ということなんですね。
この単数と複数で名詞のグループ分けが変わるっていうのも、 文法性とちょっと違うところかなと思います。
同様に名詞クラスの7とか8っていうのは無生物のものを表すことが多くて、 道具とかそういったものを表すんですね。
さっきのクラス1、2と同様にクラス7は単数のもの、 クラス8は複数のものっていう風に、
ここでも7、8で単数複数でクラスが変わります。
他にも抽象物を表すクラスとか場所の名前を表すクラスとか、 そういう風に意味によって名詞のクラスが十いくつ分かれているんですね。
その意味によって分かれているっていうのも、 ヨーロッパの言語の文法性とちょっと違って、
ヨーロッパの言語の文法性っていうのは、 無生物であっても男性あるいは女性っていう風に、
動詞と名詞クラスの関係
本来性別がないものでもそういう風に割り振っていて、 その根拠っていうのはよくわかんないんですよね。
覚えるしかないみたいになっています。
それに比べると、バントゥー初号は、 それぞれのクラスの意味の統一性みたいなのが一応あるんですね。
もちろん例外はあります。 人間を表す名詞でもクラス12以外の名詞に属しているっていうこともあるし、
逆に人間以外の、例えば虫みたいな単語が クラス12に入っているっていうこともありますが、
おおむねクラスごとに意味の傾向というのがあるんですね。
ではバントゥー初号で名詞をその意味によってクラス分けしたからといって、 だから何なのということですが、
ここがバントゥー初号の面白いところで、 まずそのクラスに属しているかどうかっていうのが、
単語の頭の音を見ればわかるんですね。 つまり接頭字として名詞クラスの要素というのが表われます。
さっきのグループ78の道具を表すようなクラスだと、 単数の場合だとキーというのが単語の頭に出てくるんですね。
本というのはスワヒリ語でキターブといって、 これ面白いのがアラビア語からの釈用なんですけど、
それは置いておいてキターブのキーというのが道具を表す接頭字です。 このクラス7に属す言語はキターブと同じように全部キーというのが付きます。
スワヒリ語というのはスワヒリ語でキースワヒリというふうに言いますが、
このスワヒリ語っていう単語もグループ7に属しているのでキースワヒリとキーというのが付きます。
これが複数になるとキではなくてビーというのに変わって、 一冊の本だったらキターブですが、複数の本だとビターブといってクラス8に変わるんですね。
さらに面白いのが、 その名詞に関わるような単語も全部一律にキーというのが出てくるということです。
クラス7の場合はキーというのが出てきて、 他のクラスだったらもちろん違う接頭字が出てくるわけですが、
日本語風にちょっと考えてみると、大きい本っていうのは キターブキ大きいみたいに
形容詞の大きいにもキーというのが付くんですね。 あるいは一冊の本とかいうときも、これも日本語風に考えればキターブキ一つみたいに数詞にもキーというのが付きます。
そういう修飾要素、形容詞とか数詞とか名詞にかかっていくようなものだけではなく、
動詞もキーっていうのが現れるんですね。 本が落ちるとかだったら
キターブキ落ちるっていう風に 同じ接頭字が動詞にも現れます。
これが本がね、2冊以上であれば クラス7からクラス8になって
ビターブ、ビ落ちるっていう風に、今度はビというのが一貫して現れるんですね。
これはなかなか面白い仕組みですよね。 ただ、
ここでちょっと深く考えてみると、主語が複数あって、
その構成メンバーのクラスが別々の場合、 動詞にはどの名詞クラスの接頭字が現れるんだろうというのが疑問として湧いてきます。
バントゥ主語の面白いのは、主語の構成メンバーが 人間名詞であれば、
全員人間であれば、それぞれのメンバーの名詞クラスが 1だろうが5だろうが、あるいは11だろうが12だろうが、
何であっても動詞に現れるのは 人間複数のクラスの2が現れるそうです。
つまり、その主語の名詞がポンポンポンと並んでいて、 その中にクラス2の名詞はないとしても、
動詞はもう人間であれば2っていうのが現れるんですね。 で、逆に構成メンバーが非人間、人間以外のものであれば、
例えばペンと本と椅子とテーブルとが落ちたとか、そういった場合は、
それらのクラスが何であれ、動詞の1は無条件にクラス8、 スワヒリ語だったらVというのが出てくるそうです。
これも人間の場合と同様に、 名詞の方にクラス8はないとしても、動詞の1はもうクラス8にしちゃうんですね。
じゃあ、人間と非人間が一緒くたの場合、 例えば、
男と犬が落っこちた。 こういうふうに、男と犬で人間非人間が
主語になっている場合は、動詞の1はどうすんだというと、 こういった場合、男が犬と落っこちたっていうふうに犬を
その主語の1には持ってこずに、まあwithみたいな要素で、 主語以外の要素にしちゃうそうです。
で、動詞の方は男というね、 クラス1で一致するということです。
バントゥー主語ってなかなかね、 普通に生活していたらなじみがないと思うんですが、
こういった名詞クラスというものを持った、 まあそういった言語でございますというお話でございました。
それではまた次回のエピソードでお会いいたしましょう。 番組フォローも忘れずよろしくお願い致します。
お相手はしがじゅうごでした。
11:40

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