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始まりました、志賀十五の壺。みなさんいかがお過ごしでしょうか。ピーター・ペティグリューです。
こないだ配信したエピソードで、アフリカの諸言語ということで、まさにアフリカで話されている言語の話をしたんですよね。
で、最後の方がね、ちょっと駆け足になっちゃったっていうか詰め込んじゃってて、
なんかね、言いたいことも言えない、こんな世の中じゃないですけど、
もうちょっと補足的なことを取ろうと思って、今回はアフリカの諸言語 part 2 ということでやっていこうと思います。
そちらもぜひ合わせて聞いていただきたいんですけど、そこでお話ししたのは、
アフリカの大陸で話されている言語は、いくつかグループに分けることができて、下から順番に大雑把に言うと、
アフロアジア語族っていうのがあって、
ナイルの上流あたりにナイロサハラっていうのがあって、
サハラ以南、アフリカの大雑把に言うと南半分はニジエルコンゴ語族といって、
一番南の方にはコイサンショ語といわれる舌打ち音を言語音に持っている、そういった言語のグループがあると。
またマラガスカルという島ですね、あそこで話されているマラガシ語っていうのはインドネシアやフィリピンの言語と親戚である。
だいたいそんなことをお話しして、重点的に話せたのが一番北のアフロアジア語族、主にアラビア語でしたけどの話をしたのと、
ニジエルコンゴ語族の、なんて言うんですかね、東の方というか南の方で話されているバントゥ諸語、特にスワヒリ語の話をしました。
このスワヒリ語には名詞クラスっていうのがあってみたいな話をしたんですよね。
でもうちょっとそこがね、補充というかね、きちんと述べる必要があるとちょっと思ってですね、
この名詞クラスっていうのはヨーロッパの言語に見られるような名詞の性と似ています。
文法性と言われるもので、男性名詞とか女性名詞とか、あるいは中性名詞っていう風に、
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そういう名詞の性っていうのがヨーロッパの言語にあるんですよね。
でこれはちょっとね名前がややこしいというか、男性とか女性とか言ってるので誤解を招きやすいんですけど、
これは要は名詞のグループ分けの問題で、活用が違うっていうようなことなんですよね。
なのでヨーロッパの言語で男性名詞とか女性名詞といった場合は、
必ずしも現実世界の生物学的な性と一致しているわけではないです。
そもそも椅子とか机とかね、こういった無生物のものにも男性名詞とか女性名詞っていう風に割り振らなきゃいけないので、
この文法的なジェンダーっていうのと現実世界の生物学的な性っていうのは無関係であるということを強調しておこうと思います。
でスワヒリ語をはじめとするバントゥー諸語に見られる名詞クラスっていうのは大まかに言って文法性と同じです。
名詞のグループ分けのことなんですよね。
ただヨーロッパの言語の文法性と異なるのは、まず数が多いっていうことですね。
スワヒリ語だと10いくつ名詞のクラスがあって、
バントゥーの言語は大体10以上名詞のグループ分けっていうのがあるので、
それに対してヨーロッパの言語に見られる文法性っていうのは、
大体男性と女性と中性みたいな感じなので、
数がバントゥー諸語の名詞クラスの方が多いと。
でもう一つはヨーロッパの文法性と違ってバントゥー諸語の名詞クラスは意味的なまとまりっていうのがあります。
大雑把に。
スワヒリ語なんかだと名詞クラスをクラス1クラス2っていう風に数字で呼ぶんですよね。
その方がある意味シンプルで男性女性とかっていうよりいいと思うんですけど、
例えばクラス1っていうのは人を表す名詞が多く含まれます。
例えばトートっていうのが子供っていう名詞なんですけど、
これはクラス1に含まれて、
でクラス1の名詞はムっていうセット字がつくのでムトートという言い方になります。
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このムっていうのは形容詞にもついてムトートムズーリというと良い子供という風になります。
ズーリっていうのが良いっていう形容詞でこれにムっていうのがついてるっていうことですね。
でスワヒリ語というかバントゥー諸語の場合は単数か複数かで名詞のクラスがまた変わるので、
これが子供たちになるとワトートワズーリっていう風にワーというセット字がつくことになります。
でこのワーのつく名詞はクラス2の名詞と言われるんですね。
この間のアフリカの諸言語の話をしたときは、
キターブっていうのを例に出したと思うんですよね。
でこのキターブっていうのはキっていうのがセット字で、
これはクラス7の名詞でそれの複数のビターブっていうような
ビっていうセット字がつくのはクラス8の名詞となっています。
で同様にですね、例えば良い本だったらキターブキズーリ、
良い複数の本だったらビターブビズーリっていう風になるということなんですね。
でこのセット字キーがつくクラス7の名詞は意味的には、
物っていうかな人工物を表すことが多いんじゃないかなと思います。
本とかあるいはナイフもそうだし、
あとは言語もこのクラス7の名詞に含まれるんですね。
例えばスワヒリ語っていうのはスワヒリ語でキスワヒリっていう風に言います。
他にもクラス3とか4の名詞は植物を表す名詞とか、
こういう風に名詞クラスごとに意味的なまとまりがあるんですね。
で各々の名詞クラスの名詞はそれに応じたセット字をつける必要があると、
これがバントゥー書語の大きな特徴です。
で前回のエピソードでもお話しした通り、
その名詞だけではなくて、今回も話しましたけど、
形容詞にもセット字がつくし、動詞にもセット字がつくということなんですね。
スワヒリ語を含むバントゥー書語っていうのは、
もともともと西の方で話されていた言語なんですけど、
それが東やね南の方に拡散していきました。
でアフリカ南部の方に残っているコイサン書語と言われる言語は、
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冒頭ちょっと言いましたけど、下打ち音を持っています。
とかね、こういったものが言語音として使われます。
こういう下打ち音を持っているコイサン書語を話す人々は狩猟採集民で、
一方バントゥー系の言語を話す人々は農耕民だったために、
そういうコイサン書語を話していた人たちを追いやったりとか、
あるいは吸収したりして拡大していったと言われてるんですね。
こういうふうに言語っていうのは、農耕とともに拡散していくっていうようなことが結構言われてたりします。
こちらの話は関連エピソードがあるので、ぜひ合わせて聞いていただけたらと思います。
というわけで今回はアフリカの諸言語パート2ということで、
主にスワヒリ語ですけどね、バントゥー系の言語のお話をしました。
それではまた次回お会いいたしましょう。
番組フォローも忘れずよろしくお願いします。
お相手はシガ15でした。
またねー。