1. 志賀十五の壺【10分言語学】
  2. #616 音楽と言語と人間の本質..
2024-01-13 10:55

#616 音楽と言語と人間の本質について from Radiotalk

関連エピソード
159 https://radiotalk.jp/talk/350494
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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育
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始まりました、志賀十五の壺。みなさんいかがお過ごしでしょうか。 科学忍者対ガッチャマンです。
お便りいただいております。ユッコンコンさんからギフトと一緒にいただきました。 ありがとうございます。
早速ありがとうございました。なんとなく理解できました。 ちなみにまさに古典ラジオでレビストロースの回を聞いていました。 構造主義は面白いです。というお便りとね、ギフトいただきました。
ありがとうございます。
これはですね、前回かなですかね、 構造主義の話をして、ヤコブソンの
心位三角形と母位三角形の話と弁別創生の話をしたんですよね。 それがユッコンコンさんのお便り、
質問が来たというかね、お便りが来たので、 それにお答えしたという回でございました。
そのヤコブソンとレビストロースはね、親交があったんですよね。 そういう歴史のロマンというかな、その辺の話も面白いところではないかなと思います。
構造主義の話で言うと、
前回のエピソードで関連エピソードを紹介しているんですが、 ちょっとね、遡ってみたら他にも構造主義の話をしているものがあって、構造主義というか記号論ですけど、
ソシュールの記号論の話をシャープ159とシャープ161でやっております。 シャープ159、記号の中で生きる私たちっていうのと、シャープ161、否定的に定められた私たちの世界というね、
そういう記号論の話をしておりますので、 そちらもね、合わせて聞いていただけたらと思います。
ソシュールから構造主義は始まったというふうにね、よく言われております。
で、前回のエピソードでさっきも言った真三角形と母音三角形の話をしたんですけど、
ユコンコンさんが音楽をやっている方なので、音楽で例えると結構わかりやすいかなぁとね、 配信した後にちょっと気づいたんですよね。
前回お話しした子音にしろ母音にしろ、あの三角形っていうのは、 全部関係の中で成り立っている三角形で、
コード進行みたいなものと考えると結構しっくりくるんじゃないかなと思います。 コード、和音ですよね。
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コード進行には型みたいなのがあって、カデンツとか言われるものがあるんですよね。
で、その進行の型っていうのは例えば、 トニックサブドミナントドミナントトニックみたいな一連の流れがあります。
例えばハ長調で考えると、あるいはキーで言うとCで考えると、
トニックサブドミナントドミナントトニックっていうのはドミソファラドソシレドミソっていう風に、
一連の流れがあるわけなんですよね。で、これがもし、 例えばト長調だとしたら、
キーがGだとしたら、 今のトニックサブドミナントドミナントトニックっていうのはソシレドミソレファラソシレっていう
コード進行になります。で、物理的な音だけを考えると、
ハ長調でトニックっていうのはドミソ、Cですね。Cのコードです。 で、ドミナントはソシレでGです。
で、これがト長調になるとトニックがソシレ、Gで、 サブドミナントがCということになります。
物理的な音だけを見ると、まあそういうことなんですけど、 ただそのカデンツというかコード進行という関係ですよね。
ある意味その関係の中で見れば 一緒なんですよね。ハ長調のC F G Cというコード進行と、
ト長調のG C D Gというコード進行は 関係という中では同じです。
で、それが真陰三角形と五陰三角形の 同じ三角形だっていうことと、ちょっと似てるんじゃないかなと思います。
こういうふうに物理的には 違うコードというか、違う音なわけですけど、
関係の中では同じ構造を持っているので、 だからこそカラオケでキーを変えて歌うことができるんですよね。
物理的な音はキーを変えてしまうと変わるんですけど、 その隣り合った音同士の関係っていうのは変わらないので、
まあそういった意味で音楽っていうのはちょっと構造主義的に 見られるんじゃないかなと思います。
キーというか音程という面でも音楽っていうのは 相対的というか
関係の中で成り立っているわけですけど、今お話ししたように。 テンポという点でも速さっていう点でも
かなり相対的なものと言えるんじゃないかと思います。 同じ曲を違うテンポで、遅く演奏しても早く演奏しても
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我々は同じ曲と認識するんですよね。 極端な話をすると
テンポが倍になったら 8分音符は
16分音符になるし 4分音符は8分音符になるわけですよね。
その絶対的な長さっていうのは半分になるわけですけど、
まあそういう絶対的な長さっていうのは その一つの曲の中では
ある意味関係がなくて この8分とか16分とか
あるいは4分って言ってるのがまさに相対的な長さですよね。 その音符の長さっていうのが
4分であれ8分であれ16分であれその長さを持っているっていうのは 隣り合った音符とかあるいは全体の中で決まるものなので
そういった意味でやっぱり音楽っていうのは 関係の中で
成立しているというか 物理的な絶対的な音の高さとか長さっていうのは
ある意味でどうでもいいことなんですよね。
こういうふうに考えると同じとか同一とか まあ異なるでもいいですけどこういった場合に
ちょっと違う意味で使われうるなっていうのがねわかると思います。 なんか似たようなねエピソードは以前撮ったことある気もするんですけど
物理的なレベルでは 異なるものでも
関係の世界だったら同じであれば 我々は同じっていうふうに見なせるんですよね。
まあだからこそさっきもちょっと言いましたけど たとえ曲のキーが変わっていたとしても同じ曲と認識できるわけですよね。
言語を話している時だってそうです。 同じ言語音を走っていると言ってもその物理的な世界では
声の高さとか あるいは長さとか
声の大きさとかねそういうのは その時々で当然異なってくるわけですけど
同じ言語音だと認識できます。 それは言語が関係の中で
成り立っている相対的なものだからということができると思います。 その物理的な同一性っていうのを
まあ排除してというかまあそういうの関係なしに 同じと認識できるんですよね。
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なので人間にとってその言語に限らずですけど 現実的な物理的なレベルでの同一性っていうのは
結構どうでもいい場面も多いです。 例えば
しわくちゃで汚れた1万円札と 折れ目のついてない1000円札だったら
その物理的な意味では1000円札の方がきれいですけど みんな1万円札の方欲しがあります。
それはカヘというものが関係の中で成り立っているものだからですよね。 物理的なレベルではどのお札でも
その紙という物質的なねレベルでは違いはないんですけど そこに関係というものがこう
絡んでくると まあ途端に同じものとは見られなくなるんですよね。
あるいは昨日と同じ電車に乗ったとか言った場合は これは同じ電車っていうのは
車両が同じっていう意味でもいいですけど普通はそうじゃなくて 同じ駅から同じ時刻に出る電車っていうふうに解釈されると思います。
まあ構造主義的な考え方っていうのはなんとなくこういうことじゃないかなと思いますね。
あ、そういえばね、ジャンケンと構造主義っていう関連エピソードもございますので そちらもねぜひ合わせて聞いていただけたらと思います。
それではまた次回のエピソードでお会いいたしましょう。番組フォローも忘れずよろしくお願いします。
お相手はシガ15でした。 またねー
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