1. 志賀十五の壺【10分言語学】
  2. #615 弁別素性:音韻論のはじ..
2024-01-09 10:24

#615 弁別素性:音韻論のはじまり from Radiotalk

主要参考文献
橋爪大三郎. 2014. 『はじめての構造主義』 東京: 講談社.
加賀野井秀一. 1995. 『20世紀言語学入門: 現代思想の原点』 東京: 講談社.

関連エピソード
519 https://radiotalk.jp/talk/948397
545 https://radiotalk.jp/talk/994315
546 https://radiotalk.jp/talk/996349

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育
00:11
始まりました、志賀十五の壺。皆さんいかがお過ごしでしょうか。ピート・ローズです。
お便りいただいております。ユッコンコンさんからいただきました。ギフトと一緒にいただきました。ありがとうございます。
いつも楽しく聞いております。私は古典ラジオというポッドキャストにはまっています。
地元のFM横浜の番組にゲストとして、古典ラジオメインMCの深井隆之介さんが出まして、
ジャパンポッドキャストアワード大賞を何度も受賞しているというお話や、深井さんの年齢が私と同じだということで興味を持ったことがきっかけで聞くようになりました。
その中でヤーコブソンの構造言語学というものの説明が出まして、以前、志賀十五さんも何度か
一般言語学の訴訟理について取り上げてくださっていますが、その際こそはすべての考えを音韻に
当てはめた人だというところまではわかりましたが、イ・ウ・アの三角形とツープークーの三角形が同じだというのが全然わかりません。
それについて志賀十五様からのお話も伺えましたらすごく助かります。
よろしくお願いいたしますということで、ユコンコンさんどうもありがとうございます。
先に関連エピソードを紹介しておくと、シャープ519で、際こそはすべてというエピソードを取っております。
シャープ519、そしてその構造主義的な考え方を人類学に応用したレビストロースの話をシャープ545とシャープ546、2回にわたってやっておりますので、ぜひそちらを聞いていただけたらと思います。
今回お便りにあるヤコブソン、あるいはヤコブソンですが、構造主義的な考えを言語の音に応用して音韻論と言われる分野を確立したと言っていいと思うんですけど、
構造主義的な考え方っていうのは結構フワッとしてるっていうか、抽象的と言えば抽象的なので、関連エピソードも聞いていただけたらいいんですけど、
言語の音にとって大事なことは、他の音と異なっているっていうことなんですよね。
物理的な音声ではなくて、もっと抽象的というか対立の中にある、否定的にしかある意味定義できないような音素と言われる単位が重要になります。
03:06
例えば、あという母音が日本語にはありますけど、このあという母音は独立してあるというよりは他の母音、い、え、う、おと異なる母音であるっていうのが大事なんですよね。
他の母音と対立しているということが全てなんですね。 だから最こそは全てっていうようなことなんですが、その音素というのを認定する、見つけるために必要な、役に立つのが弁別組成と言われるものです。
この弁別組成と言われるものは、チェックリストみたいな感じで、そのチェックリストっていうのはイエスとノーしかないみたいだね。
どちらかと言えばイエスとか、どちらかと言えばノーとか、どちらとも言えないっていうのはなくて、プラスとマイナスの0か1かというか、デジタルと言ってもいいし、
白か黒かということですよね。 そういうチェックリストを持って音素っていうのは区別できるというのがヤコブソンの発見であります。
わかりやすいのは、例えばPで書くようなシーン、パーっていうのと、Bで書くようなシーン、バーっていうのは、これは優勢性と言われる弁別組成によって区別されます。
プっていうシーンは優勢性マイナスで、ブっていうシーンは優勢性プラスです。
あるいは美音性と言われる鼻音ですね。美音性と言われる弁別組成、チェックリストもあって、これによってパーバーとマーっていうのが区別されます。
Mで書くようなマーっていうのは美音性がプラスということです。あるいは継続性と言われる弁別組成もあって、これはその音が継続して発音できるかっていうようなチェックリストなんですよね。
またパーとバーについて考えると、このパーにしろバーにしろ、これは破裂音あるいは閉鎖音と言われる音で、継続性はないんですよね。つまり継続性マイナスなんですけど、それに対してFで書かれるようなシーン、
日本語のフーの音でもいいですけど、このフーっていうのはフーっていう風に継続して発音することができますので、この継続性というチェックリスト、つまり弁別組成は継続性プラスということになるんですね。
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破裂音の方は継続性マイナスということです。 こういうチェックリスト、弁別組成を用いれば、プラスとマイナスに割り振られて音素というのが決まってくるということなんですね。
さて、ここでお便りにあったイ・ウ・アの三角形とトゥ・プー・クーの三角形についてお話ししていきます。 それぞれ母音三角形と親音三角形と言われて、今回のエピソードのサムネイルがそれになっております。
親音にしろ母音にしろ、この三角形というのもさっき言った二項対立が軸になっていて、三角形の横の方、底辺の方が左が鈍い、右が鋭いとなっていて、縦の方が上が密で下が疎っていうような二項対立になっております。
まず横の鈍い鋭いっていうのはどういうことかというと、高音調かどうかというようなことだそうです。 この辺がね僕もよくわかってないんですが、
ひとまず鋭いという点で言うと、ウっていうのはマイナス鋭い、イっていうのがプラス鋭いと。 アっていうのは中立だそうです。その鋭さで言うとプラマイ鋭いみたいになって、
二項対立だけど中立っていうのを認めるんですね。 だから本当は2つの対立を掛け合わせたら4通りあるはずなんですけど、中立のアーというのがあるので三角形になっているそうです。
縦の方は密か疎ということで、母音で言うとアっていうのが密、プラス密、ウやイっていうのはマイナス密となっております。 この密とか疎っていうのも僕もちょっと理解できてないですが、周波数の比較的狭い範囲にエネルギーが集中しているかどうかという対立だそうです。
この鋭さのプラスマイナスと密のプラスマイナスで母音を三角形に対立させることができて、同じような対立が親音でも認められるということなんですね。
鋭いとか密っていうのがちょっとわからないまま話しているんですけど、ひとまずヤコブソンはこの二項対立、プラスかマイナスか、中立っていうのもありましたけど、プラスかマイナスかということで音素を認めていくわけなんですが、
09:11
その二項対立を用いれば、アウイっていうのとクープートゥっていうボイントシーンっていう、物理的には異なる音声なわけですけど、二項対立っていう関係の中では対立という点においては同じ三角形を作るということだと思います。
あんまりお便りの回答にはなってないと思うんですけど、申し訳ないんですが、音韻というものが対立しあっている、その関係の世界で認められるものであると考えると、母音だろうが親音だろうが同じように記述できる、同じような三角形で表すことができるということだと思います。
このあたりは僕も勉強していこうと思います。
それではまた次回のエピソードでお会いいたしましょう。番組フォローも忘れずよろしくお願いします。
お相手はシガ15でした。
またねー。
10:24

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