1. 志賀十五の壺【10分言語学】
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2021-03-02 10:37

#274 文字・もじ・モジ from Radiotalk

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育
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こんにちは、志賀十五です。 今日も志賀十五の壺、やっていこうと思います。
まずはお便りを読み上げたいと思います。 こちらはラジオネームパンナイさんからいただきました。
ギフトと一緒にいただきました。 創作言語 魅力的な活動
小説 地球に散りばめられての世界を思い出しました。 ということでパンナイさんどうもありがとうございます。
これは何の話かというとですね、
シャープ269で僕の作っている創作言語というか人工言語の話をしたんですね。
それに対するお便りということになっています。 こういう小説があるんですね。地球に散りばめられて。
僕は自分で言語を作ってはいるんですけど、 他の創作言語についてはからっきし無知なもんで、
せいぜいエスペラントと、 あとは1984年に出てくるニュースピークぐらいしかわかんないんですよね。
なので人工言語をその創作活動って見る人もいると思いますね。
その言語だけではなくて、 仮想の世界とか空想の世界を作り上げていくということですね。
僕はあんまりそういうふうには考えてなくて、 単純に文法書を書きたいからっていう唯一のモチベーションがそれなので、
自分の世界観とか宇宙観みたいなのがあるわけではないんですよね。
もしかしたら今後そういうのも考えたりするかもしれませんけど、 今のところただ文法書を書きたいということになっています。
ということでパンナイさんどうもお便りありがとうございました。
ちなみに僕の作っている言語ネジバ語には文字がないんですよね。
これはシャープ269の方でもお話ししてるんですけど、
その理由として、僕自身の考えとして文字っていうのは言語の本質ではないからと、 そういうことなんですね。
というわけで今回のトークは言語と文字ということでやっていこうと思います。
もしかしたら言語学をやってない人からすると、
言語は文字だ、文字は言語だとね、そういうふうに考えている人がいるかもしれませんけど、
そうではないですね。文字は言語の本質ではないと思います。
よく言われるのはですね、言われるというか例えられるのは文字っていうのは服と一緒だということです。
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いろんな服があるように文字にもいろんな種類があると。
その服というのは人間の本質ではないということですね。
服を着ないような民族がいたっておかしくないということです。
そして服っていうのが人種や民族を超えて着られているように、
文字っていうのもその言語の種類に関係なく使われるものであるということです。
わかりやすいのは漢字ですね。
日本語と中国語っていうのは系統上全く関係のない言語ですけど、
日本語は中国語由来の文字を使っているということです。
他にもラテンアルファベットを使うような言語がたくさんありますけど、
これもやっぱり言語の種類に関わらず文字というのは適用可能だということです。
おそらく多くの方がご存知だと思うんですが、文字というのは大きく2つに分けることができます。
標音文字と標語文字です。
標音文字っていうのは簡単に言うとアルファベットですかね。
ラテンアルファベットにしろキリル文字にしろ音を表すような文字のことを言います。
これには韓国朝鮮語で使われているハングルとか日本語のカタカナ、ひらがなのカナも含まれます。
もう一つは標語文字と言われるものです。
これはね、もしかしたら表意文字みたいな言い方もされてるんじゃないかと思うんですけど、
言語学ではもう標語文字で統一されてるんじゃないかなと思います。
こちらのタイプの文字は簡単に言うと漢字ですね。
音を表しているというよりはその語を表しているということになります。
漢字以外だと南米のマヤ文字とかベトナムで昔使われてたチュノムとか、
西の夏と書いてセイカ文字っていうのも標語文字に含まれます。
このセイカ文字っていうのが非常にかっこいいので興味のある方ぜひググってみてください。
先ほど言ったようにですね、僕の作っている言語には文字がないんですけど、
作るとしたら標語文字かなと思ってますね。
標語文字はちょっときついかなと思っているので、
その標語文字の中でも単音文字と言われるような文字にするかなと考えてます。
この単音文字っていうのはアルファベットみたいに詩音と母音それぞれ独立して書くようなもので、
日本語のかなとかそういったものは音節文字と言われるものです。
日本語のかなを考えるとわかりやすいんですけど、
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詩音と母音がセットになって表されているということですね。
例えば、かという文字は k と a 分解できるわけではなくて、
か、その一つの音節を表しているということになっています。
先ほど文字は言語の本質ではないみたいな言い方をしたんですけど、
それでもね、文字はその言語を反映している側面もございます。
例えば漢字っていうのは中国語の特徴と非常にマッチしてるんですよね。
中国語っていうのは単語が変化するような語形変化っていうのがないので、
例えば英語みたいな言語だと名詞に単数や複数があったり、
動詞に三単元の s がついたり、過去形があったりとかこういうことがあるわけですけど、
中国語はそういう単語が変化することがないような言語なので、
標語文字っていうのがしっくりきてるんですよね。
一方、日本語は漢字っていうのと相性が悪いといえば悪いんですね。
というのが、例えば行く、行ったみたいに日本語の場合は動詞の形が変わるので、
こうなってくると漢字という標語文字だけでは間に合わないんですよね。
だからこそ、かなというのが発明されたわけでございます。
そしてこのかなっていうのも日本語の特徴によくマッチしてて、
先ほどかっていう文字は k と a 分けることができないと言いましたけど、
日本語の場合は分ける必要がないので、
しんとぼいん、普通セットで出てくるので、
そのしんとぼいんのセットを一つの文字で表せばそれで足りるということになっています。
それとね、日本語の初期体系の大きな特徴として、
語彙的なものは漢字で書いて、文法的なものはかなで書くというものがあります。
これ大したことないように思われるかもしれませんが、
この特徴のおかげで日本語は分かち書きせずに、
つまり単語と単語の間にスペースを入れることなく書くことができるんですね。
例えば先ほどの行くっていう例で考えると、
行くっていうその語彙的な意味の方は漢字で書いて、
現在を表すくはひらがなで書いて、
あるいは過去を表すたっていうのはかなで書くと、
こういうふうになっているわけですよね。
日本語の特徴として、文法的なものは語彙的なものの後ろに後ろにつくようになっているんですよね。
例えば学校がとか言った場合、学校っていうのが語彙的なもので、
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その語彙的なものの後に文法的なが、
つまりかなで書かれるようなものが出てくるということになっています。
なので分かち書きしなくても、
その意味のまとまりっていうのは基本的に漢字で始まるということになっているわけですね。
このおかげで日本語はスペースを入れることなく書いたり読んだりできるということになっています。
この語彙的なものは漢字、文法的なものはかなという使い分けはですね、
ある単語が文法化したんだぞという、そういう一つの基準となります。
どういうことかというと、行ってみると言った場合、
普通この見るっていうのはかなで書くんですよね。
もし漢字で書いたとしたら、行ってそこで何かを見るっていう意味になるんですけど、
トライするみたいな意味だと普通かなで書きます。行ってみる。
これはつまり語彙的だったものが文法化したのでかなで書かれているということになっています。
こういうのね、探してみるといっぱいあると思いますよ。
敬語の何々してくださるみたいな場合もかなで書くのは、
あれはやはり文法化したからだということができます。
というわけで今回のトークは言語と文字のお話でした。
最後まで聞いてくださってありがとうございました。
ではまた次回お会いしましょう。
ごきげんよう。
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