00:10
始まりました、志賀十五の壺。皆さんいかがお過ごしでしょうか。
骨ゲルゲです。今回は分裂文というのをテーマにお話ししていこうと思います。
分裂文は主に英語で使われる用語ではないかなと思います。
英語以外の言語にもあるとは思うんですけど、今回は英語中心にお話ししていきます。
英語だとクレフトセンテンスと言われるものです。 どういったものかというと、
例えばね、 It is 〇〇thatみたいに、
時々強調構文と言われることもあります。 ただ強調というのは、
大して説明になってないんですよね。 強調と言ったら、ある意味何でも強調なので、
もうちょっとちゃんとした説明が本当は必要です。
が、例えば wikipedia の分裂文というところを見てみますと、 分裂文とは単文の中にある成分、主語目的語その他を強調するために抜き出し、
コピュラ文を主説とする副文に変換した文のことを言う。 まあここでね、強調するためにって言っちゃってるので、
これはある意味で説明にはなってないんですよね。 日本語の例を挙げれば、
あいつが花瓶を割ったという代わりに、花瓶を割ったのはあいつだという文である。 まあコピュラ文にするっていうことは、AはBだっていうようなね。
英語だとB動詞が出てくるような構造になるわけですけど、 日本語でも一応
クレフトセンテンス的な分裂文的なものはあります。 僕がよく見るその英文法、文法書ですね。
マイケルスワンのプラクティカルイングリッシュユーセージっていう本があるんですけど、
そこでクレフトセンテンスっていうのを引いてみたんですが、 まあここでもね、結局強調という言い方をしてるんですよね。
ある単語を強調することができると。で、そのためにその強調したい単語以外のものは
関係説みたいなものにするっていうのがクレフトセンテンスの説明になっています。 いわばザット説ですね。
で、このマイケルスワンの文法書に挙がっている例だと It was my secretary that sent the bill to Mr. Harding yesterday.
03:07
昨日ハーディン氏に請求書を送ったのは私の秘書だっていうことで、秘書のセクレタリー、マイセクレタリーか、
の部分がある意味抜き出されているわけですね。 本来はこれは主語にあたるものなんですけど、
それを強調するために It was my secretary で、残りをザット説の中に入れてるっていうことになっています。
これは主語の場合ですけど、まあ当然というかね、他の要素も It was 〇〇、ここだと It was the bill でも It was Mr. Harding でも Yesterday でも、他の要素も一応強調することはできるんですよね。
何度も言ってるようにですね、強調っていうのはある意味何も言ってないことと一緒ですので、
もうちょっとね、ちゃんとした説明が必要です。 ここではね、焦点という言い方をしたいと思います。
フォーカスということもあって、まあこれは劣気とした言語学の用語なんですね。
で、焦点と言い換えたところで結局は 強調じゃないかっていうようなね、
そんな感じもしないでもないんですけど、 焦点っていうのはよく新情報というふうに言い換えられます。
新情報に対して旧情報っていうのも言語学で言われるんですよね。 でそっちの方はよく主題とかトピックっていうふうに言い換えられます。
発話っていうのは その主題、聞き手も知っていることと焦点、聞き手の知らないことの部分から成り立つとされています。
ただ文全体が新情報ということも当然あり得るんですよね。 雨が降ってきたとかいうのはこれ全体が新情報なわけです。
日本語はこの旧情報と新情報 あるいは主題と焦点について結構敏感で
これは 和とがの違いに表れるんですよね。
で、和っていうのは旧情報を表して がっていうのは新情報を表すっていうふうに
大まかに言うことができます。このあたりの話は過去に お話ししたことがあると思うので関連エピソードちょっと探して url
貼っておこうと思いますけど 例えば私の秘書は請求書を送ったといった場合
私の秘書っていうのが主題で、それ以降のものが 焦点というふうに解釈されます。
06:07
そうではなくて私の秘書っていうのが焦点、すなわち 新情報だということを言うには
がっていうのを使えばいいんですね。 私の秘書が請求書を送った。
こういった発話は請求書を送ったのが誰かみたいなことが話題になっている場合に 私の秘書がっていうふうにがを使えばね新情報を表すことが
すなわち焦点を表すことができます。 一方英語は
主題と主語っていうのが非常に密接に関わってるんですね。 この辺はややややこしいところですけど日本語は
別に主語は主題じゃなくてもいいんですけど 逆に目的語が主題になるようなこともあります。
請求書は私の秘書が送ったといえば 目的語が主題になるわけです。
ただ英語は 主題イコール主語
こういう結びつきが強い言語なんですね。 まあこれはまた言い換えると
主語っていうのは急情報じゃなければいけないということになります。 そうなると
主語が新情報であるとき、主語が焦点であるときっていうのはちょっと特殊なことを しなくてはいけません。
それが分裂文だということなんですね。 つまり動詞の前の位置っていうのは主題でありかつ主語であるものしか
まあ大げさに言えば出られないので その場所から外すために
It is ホニャララ that ホニャララっていう形で 焦点を表しているということになります。
この主語と主題っていうのは名前が似ているだけに ちょっとね混乱を招きやすいんですけど
英語あるいは日本語の主語と主題についてのお話も 関連エピソードがありますので合わせて聞いていただけたらと思います。
分裂文っていうのは結局出来上がったのは a イコール b というか a is b というか
ざっと説で後ろに回ってますけど コピュラ文なわけなんですよね。
焦点となっている要素以外はざっと説で名詞化されているということができます。
実はこれとよく似た現象が日本語にもあって まあ一つはさっきのその wikipedia の例にもあった
花瓶を割ったのはあいつだみたいなものですけど それとは別にね
09:02
係り結びっていうのも一種の分裂文だったと考えられているんですね 特に
ゾーナムやアーカーが出てきて 文末が連体形になるっていう係り結びです。
連体形っていうのは一種の名詞化と考えられていて その焦点の要素以外がすべて連体形で名詞化されているということなんですね
でねこれもね関連エピソードあるんですよ この係り結びと
分裂文、クレフトセンテンスの 類似性みたいなね話も
関連エピソードございますので今日はたくさん 合わせて聞いていただけたらなぁと思います
結構似たような話してるんじゃないかなと思うんですが というわけで今回は特に英語ですね
における分裂文についてのお話で 分裂文というのは強調強調言われてますけど
強調っていうのはすなわち焦点であって 焦点っていうのは新情報であると
でそれを表すために 和とか我みたいなねそういった助詞を用いない英語は
やや特殊な公文を使っているというお話でございました というわけで最後まで聞いてくださってありがとうございました
また次回のエピソードでお会いいたしましょう お相手はシガ15でした
またねー