00:01
始まりました、志賀十五の壺。みなさん元気で暮らしていらっしゃいますでしょうか。志賀十五です。
今回はまず、ずいぶん前にいただいたお便りをすっぽかしてたもんですから、そちらを読み上げたいと思います。
特命希望さんから。
昨日質問をした特命希望です。すいません、全然昨日とかじゃないですね。一月ほど前になってしまいました。
お返しトーク、シャープ213拝聴しました。本当ですか?というのは、我ながらトンチン感な聞き方でしたが、そんな質問にも丁寧にわかりやすく答えてくださって嬉しかったです。
ルソーの本も読んでみたいのですが、自分にはまだまだ難しそうなので、まずリンクを貼っていただいた花見さんのトークを聞いてみようと思います。
お返しトーク、ありがとうございました。ということで、特命希望さん、お便りありがとうございます。
すいませんね、こんなに間の空いたお返しになってしまって。
ちょっとね、いろいろ収録した取り溜めしたトークがあったりとか、質問をいただいたお便りはなるだけ早く返そうと思ってるんですけど、今回みたいにお礼を言ってくださったりすると、自分の中でそれで満足しちゃって、こんなに先延ばしたお返しになってしまいました。
どうもすいませんでした。
このシャープ213のトークは言語の起源についての話なんですよね。
ぜひ興味のある方、そちらも聞いていただけたらと思います。
今日のトークは何を話そうかと思ったんですが、前回のトークは認知言語学の話だったんですよね。
認知言語学ってのは何なのかっていう話をわかりづらく説明したんですよね。
その時にも言ったんですが、認知言語学で扱われるものの一つにメタファーっていうのがあって、機会があったらまたそれについて話すって言ったんですよね。
またこれも繰り返しになっちゃうんですけど、僕は認知言語学が苦手なもんですから、こういう機会に一気に認知言語学の話を連続でやってしまおうと思って、今日も認知言語学のメタファーの話をしようと思います。
メタファーっていうのはどうですかね。皆さん聞いたことはあるかなと思いますね。
ざっくり言うと、今日のお話は比喩表現の話となっています。比喩ですね。
これね、国語の時間でちょっと習ったりしてたりするんですよ。
直喩とか隠喩とか言ったりするもので、直喩っていうのは、例えば、牛みたいに眠るみたいに見たいとかね、こういったものをつけるのは直喩というもので、
君はバラだって言ったら、これは隠喩となるんですね。
03:05
今回扱うのはこの隠喩の方です。隠喩っていうのは英語でメタファーと言うってことですね。
比喩表現はメタファーだけではなくて、そのメタファーの友達みたいなのもあって、カタカナで言った方がいいのかな、どうかな。
両方言っとくと、メトニミーっていうのがあって、これは勧誘と言われるもので、しねくどきというのもあって、これは呈誘というものです。
今後はもうメタファー、メトニミー、しねくどきっていうふうに言いますね。
僕は苦手なんですよ、この辺りは。言ってることはよくわかるし、でもわかりやすいんですけど、なんかこの3つがごっちゃになっちゃってね。
というわけで、僕の復習も兼ねて今回のトークは取っています。
もし皆さんの中で創作活動をしている方とか、あるいはラジオトーカーの方で自分の独自の独創的な表現がしてみたいとかいう方がいらっしゃったら、今回のトークは非常に役に立つと思います。
そもそもメタファーを含め比喩表現っていうのは長らく言語学では扱われてこなかったものなんですよね。
むしろ文学的なものと見られていたり、あるいは数字学的な、どうやって文章を書くかとか、そういった方で扱われていたものでした。
認知言語学はこの比喩表現も言語学の分野に取り込んだということなんですよね。
認知言語学というのは何なのかというと、我々の言語活動というのは人間固有の認知活動、どうやって外界を捉えるかというその能力に基づいて行われているという理論なんですよね。
これは前回ちょっとお話ししたんですけど、我々の認知能力が元になって言語が使われたり生み出されたりしているということなんですよね。
その理論に基づくと比喩というのはその根幹に関わるものと確かに言えるんですね。
つまり我々が日常生活で何かに例えて言ったりするというのは、そういう例える能力が人間の認知能力としてあるからということなんですね。
つまりある物事を別の何かでなぞらえる、例えることができる。
それの現れがメタファー、メトニミー、シネクドキだということなんですよ。
さっきの例で言うとメタファーだと君はバラだみたいなものですね。
当然これは君とバラの間に何かしらの類似性を見つけて、そういうふうに例えているということですよね。
06:03
あるいは人生は旅だとかね。
英語でもtime is moneyとかね、時は金なりとかも両者の類似性を捉える能力が人間にあって、
それに基づいた表現であるということなんですね。
僕はメタファーはいいんですよ。単純に例えているだけだからということで。
問題は次のメトニミーとかが何だったっけなってよく分からなくなるんですよね。
メトニミーっていうのは、そのものを隣接関係というか近いものというか近接したものとかね、
要するに近いもので置き換える、例えるものをメトニミーと言うんですね。
この例でよく出てくるのは赤ずきんとかですね。
あれは当然女の子を指しているわけですけど、
赤ずきんっていう衣類を経由して女の子を指しているわけですよね。
こういったものがメトニミーというものです。
よく考えたらワンピースのキャラクターってそういうの多いですね。
黒ひげ、白ひげ、赤髪、麦わら。
なるほど。なのでワンピースのキャラクターって、
割とネーミングにメトニミーが使われているということですね。
メトニミーはね、ちょっとここでは詳しく言いませんけど、
メトニミーと省略は全然違うものだとお考えくださいね。
人によってはね、我々の言語活動のほとんどはこのメトニミーであるという人もいます。
例えば新聞を読む。これもメトニミーらしいんですよ。
正しくは新聞の文字を読んでいるんだからってことですね。
その文字っていうのを近い関係にある新聞を経由して指しているってことなんですよね。
新聞だとあれだから、村上春樹を読むとかもそうですよね。
あれは作者を経由して本、さらには文字を指しているとか、
あとこういうのがよくありますよね。
机に座るとかテーブルに座るとかついつい言っちゃうみたいな。
正しくは椅子に座るのにテーブル、机に座るって言っちゃうっていうね。
あれもある意味で間違ってないんですね。このメトニミーの観点に立てば。
つまり椅子っていうものに机とかテーブルを経由して指しているってことなので、
やっぱり隣接したものに置き換えているってことですからね。
ちょっとややこしくなってきましたけど、
ワンピースのキャラクターを思い浮かべたらわかるということですね。
黒足とかね。
で最後の比喩表現はシネクドキと言われるもので、
09:05
これはね全体が部分を指すみたいなものなんですよね。
全体概念が特定の概念を指すと言った方がいいんですけど、
よく例に挙がるのは花見ですね。
花見の花って桜しか指さないのに花で置き換えてるんですよね。
理屈としては梅だろうがチューリップだろうが何でもいいんですけど、そうはなってないということです。
で面白いのはこのシネクドキは逆もあり得るんですね。
つまり特定の概念が全体の概念を指すことがある。
これはねお茶しないって言ったときですね。
お茶しないって言ったときは実際飲むのはコーヒーでも何でもいいんですけど、
お茶っていう特定の概念が全体の飲み物っていうものを指しているということなんですね。
というわけで今3つお話ししましたね。
類似性があるものを例えるメタファー。
近くにある隣接したもので置き換えるメトニミー。
全体と部分関係みたいなね、そういった関係で置き換えるシネクドキ。
3つの比喩表現があります。
なのでさっきちょろっと言ったように独創的な表現をしてみたいと思った方はぜひねやってみてくださいこういうのね。
で当然日本語に限らず英語のタイムウィズマニーとか出しましたけど各言語で見られることですから、
そういったことを気にして外国語を学習するのも面白いと思いますね。
まあ確かになぁラジオトークを聞くっていうのもこれメトニミーですね。
ラジオトークの番組の音声を聞くってことですからね。
ある意味で隣接したもので置き換えているということですね。
というわけで今回は認知言語学の分野というかね、の一つの比喩表現についてお話ししました。
よろしかったら別のトークも聞いてみてください。
ではまた次回お会いしましょう。ごきげんよう。