1. 志賀十五の壺【10分言語学】
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2020-09-17 10:57

#176 「サンマを焼く匂い」の言語学 from Radiotalk

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育 #私の秋は〇〇の秋
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始まりました、志賀十五の壺。皆さんいかがお過ごしでしょうか。志賀十五です。
最近ね、朝夕めっきり寒くなっちゃって、秋も本番です、みたいなね、そんな雰囲気ありますね。
今週のお題トークが〇〇の秋みたいなことで、まあ古典的には
スポーツの秋、読書の秋、食欲の秋みたいな感じで言われることが多いですね。
食欲効くの秋といえばやっぱり、サンマですけど、
サンマは高いですね。とても今年は食えないんじゃないかって感じがしております。
サンマ、漢字で書くと、秋の方の魚っていうことでね、秋の味覚の代表格みたいなところがあるわけですけど、
残念ですね、高いっていうのがね。
ほいで、今日のトークはですね、サンマを焼く匂いっていうね、この表現についてちょっと言語学的に考えようっていうことにしたいと思います。
この番組を初めてお聞きになる方もいらっしゃると思うんですけど、まあそういうことをよくやるんですね。
言語学の話をして、なんか身近にある
日本語の表現とかを言語学的に考えたらこうなります、みたいなことをよくやっているので、もしよかったらね、
フォローしていただいたりとか、過去のトークで何か気になるものがあればそちらもね、聞いていただけたらと思います。
で、もう一回言っとくとですね、サンマを焼く匂い。
これ何のことはない日本語の表現って感じなんですけど、
ちょっとね、詳しく見るとなんかよくわかんないなっていうのがあります。
これどうなっているかというと、サンマを焼くっていうのが匂いっていう名詞を説明しているっていうことなんですよね。
専門的に言えばこういうのは連帯就職とか言ったりしますね。家庭用って感じですけど、
対言に連なるってことで連帯なんですよね。対言っていうのは名詞と言い換えても別に問題ないって感じで、
この場合はサンマっていう名詞を、間違えた、匂いっていう名詞をサンマを焼くっていうのが就職している、説明しているってことになってるんですよね。
匂いっていう名詞は他にもいろんな就職説明の仕方がありますよね。
嫌な匂いとかいい匂いみたいに形容詞とか形容動詞で就職することもできるし、海の匂いみたいにのっていうのをつけて説明することもできるし、
そういういろんな就職説明の仕方があるんですけど、サンマを焼く匂いの場合は、これは文が匂いっていうのを説明しているって感じですよね。
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ただ言語学ではこういうのを説っていうふうに言うんですよね。
説と文ってかなり重なるとこも多かったりするんですけど、説っていうのは文の一歩手前みたいなイメージとしてはそんな感じです。
この場合は連体就職説とか言われたりするんですけど、サンマを焼くとかサンマを焼いているとかこれだけで一応文としては成立しててですね。
それが連体就職説となって匂いっていうのを説明してサンマを焼く匂い、こういうふうになっているってことですね。
何を言っているんだってことですよね。
日本語母語話者に日本語の説明をしたって何の意味もないと言えば意味もないんですけど、
中学の時に英語で関係代名詞とか関係説とか習いましたよね。
僕はあれすごい苦手だったんですよね。
僕はあれが理解できないまま高校受験をして、高校に入ってから関係説ってこういうことだったんだっていうことに気づいたんですよ。
それくらい苦手だったんですよね。
例えば関係代名詞のめんどくさいとこは主格とか目的格とかなんかそういうのがあるとこですよね。
私の買った本みたいなのはa book that I boughtみたいな感じですよね。
これは私が買った本という本というのが関係説の中だったら目的語にあたるもので、それが英語だと最初に出てきてa book。
この場合は関係代名詞はあってもなくてもいいんですけど、thatとかwhichが入ってでI boughtで主語同士とこういうふうになっているってことですよね。
あるいは主格とかの場合だとa man who is studying abroadとかだと留学している男みたいな感じですよね。
これはa manというのが一応関係説の中では主語で、この場合は関係代名詞whoとかthatは省略できなくて、その後is studying abroadで現在進行形になっているってことですよね。
こういう主語とか目的語とか考えると非常にめんどくさいですよね。
めんどくさいし非常に説明しづらいと。
今僕は関係説の英語の関係説の説明をしましたけど、もう説明してて嫌になりましたね。全然説明できてないなと思いました。
日本語の場合はこのthatとかwhichとかwhoみたいな関係代名詞っていうのがなくて、留学している男とか私が買った本みたいにそのまま文の形で名詞を修飾しているってことなんですよね。
ただ古典の世界だとその連体形っていうのがあったんですよね。
なので修飾形と連体形が違う形だったので、こういうふうに名詞を説明するときには連体形っていう特殊な動詞の形を使って名詞を修飾していたってことなんですよね。
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例えば古典だとありっていう日本語がありましたよね。
これはラゲオ変格活用とか言って特殊な活用の仕方をするんですけど、江戸に男ありみたいな修飾形だとありっていうのが出てきて、
ただこれが男っていうのを説明するときは江戸にある男みたいなね、こういうふうになったってことですよね。
ただ現代語ではその日本語の歴史の中で連体形と修飾形が一緒になるっていうこの大事件があったので、
今ではあるっていうね一つしかないので、現代語だと東京にいる男と東京に男がいるっていうこの同じいるっていう形を使うので、
あんまりねその名詞を修飾しているっていうのがね非常にわかりづらいと言えばわかりづらい言語になってるんですね。
で話は戻りまして、留学している男、これは元の形っていうかねに戻すと、男が留学しているってこういうふうになるんですよね。
でこれはさっき言ったように主語にあたるってことなんですよね。その修飾されている、説明されている名詞が主語にあたると。
あるいは私が買った本の場合だと私が本を買った、なのでこの本っていうのは目的語にあたるっていうことで、
そのなんていうかな、ちゃんとしたっていうとあれですけど、ちゃんとした文に戻すことができるんですよね。
こういうの関係説とか言ったりするんですよね。
で話はまたまた戻りまして、三魔王焼く匂い。
この匂いっていうのは確かに三魔王焼くっていうのが説明しているっていうことなんですけど、この匂いっていうのを元の文というかちゃんとした文には戻すことはできないですよね。
匂いっていうのは主語じゃないので、匂いが三魔王焼くでは当然ないし、
目的語っぽく王をつけて匂いを三魔王焼くも当然変だしっていうことで、この匂いっていうのが文に戻すことができないんですよね。
これ非常に面白いですよね。
でこれねちゃんとした用語があるんですよ。
留学している男とか私が買った本みたいに元の文に戻せる。
男が留学している。私が本を買ったみたいに戻せるものをうちの関係って言って、
三魔王焼く匂いみたいに元の文っていうかな、元っていうのもあれですけども元の文というかちゃんとした文に戻せないものを外の関係と言ったりします。
面白いですよねこの外の関係ってね。
三魔王焼く匂い以外にも、他にもお父さんがやってきた足音とか、これも足音っていうのがちゃんとした文の中に入れ込むことができないんですよね。
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他にも、眠れなくなる番組とかね。面白いか怖いかわからないですけど、眠れなくなる番組っていうのをこの番組っていうのを元の文に戻そうと思っても番組が眠れなくなる。
違うし、番組を眠れなくなる。番組に眠れなくなるっていう風にどうやってもこの番組っていうのが戻すことができないんですよね。
こういう元に戻すことができないものを外の関係と言うってことなんですよね。
三魔王焼く匂いっていうのもこれと同じ外の関係で戻すことができません。
なので同じ連帯就職で、つまり名刺を同じように文で説明しているように見えても、
うちの関係と外の関係っていうね、こういう違いがあったりするんですよね。
ただこういうことを喋ってもあまり意味がないんですね。
日本語僕話者って、そんなこと関係なくきれいな日本語しか口から出てこないので、どうでもいいんですよ、この話は。
ただまあどうでもいいからこそ面白いっていうか、こういう違いがあるにも関わらず、
まあ我々はね、平気で三魔王焼く匂いとか言っちゃったりして、しかもそれを理解できたりするっていうのはね、言語の面白いところだと思います。
というわけでね、まあ今日は三魔王焼く匂いっていうことで、その関係施設とか連帯就職とかっていう話をしたんですけど、説明が難しいですね、これ。
ラジオっていうその音声だけっていうのもあるかもしれませんけど、何かな、版書とかあったらわかりやすいのかな、そうでもねえか。
まあちょっと今日はわかりづらいお話だったかもしれません。
もしね、ご質問等あればお便りいただけたらと思います。
というわけで、今回はここまでということで、また次回お会いしましょう。ごきげんよう。
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