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始まりました、志賀十五の壺。 今日も志賀十五の壺をやっていこうと思います。
今日のトークテーマは、タイトルにある通り、 水曜日のダウンタウンっていう番組があって、そこで出てくる
説っていうものですね。この説っていうのを 言語学的に考えてみよう
というね、まあそういう回にしようと思います。 これね、結構僕は面白いと思ってるんですけど、
まあでもね、普通に生きてたら別に気にならないものだと思います。 例えばね、実際に番組内で
紹介されたものだと、 いい意味でをつければどんな悪口でも怒られない説っていうのがあったんですね。
これなんかあった気がしますね、面白いですね。 とか、
あとはね、結構
シリーズ化してるものとかもあるみたいですね。 僕はね、毎回見てるわけじゃないんですけど、
タイミングがあれば番組見てるんですけど、そのシリーズ化したやつだったりすると、 ロケ中にタレントを巻くことなど容易説とかね、こういうのがあると。
いろんな説があるんですけど、この説っていうのが 言語学的に見て何なのかっていうのがね、
まあ面白いところなんですよ。
そもそも 説っていうのは名詞ですよね。
当然それだけで使えるものですよね。 まあ説がある
だけでもまあ言えなくはないっていうことで、 一応独立語というか自立語というかまあいろんな言い方ができますけど、
別に前に何かしら要素がなくても使える名詞ですよね。
なので、さっき言ったやつだと、いい意味でをつければどんな悪口でも怒られない説っていうのは、 その説っていう名詞を
前にばーっとあるものが修飾してるんだというふうに見ることができます。 こういうのをね、
日本語学とかだと特に連体説と言ったりします。 連体っていうのは体言に連なると書いて連体ですよね。
この場合の体言というのは名詞説ということで連体修飾を受けている。
まあ説明されている修飾されているってことに思われるんですが、 果たしてそれはどうなんだろうというね。
もうちょっと別の見方ができるんじゃないかというお話でございます。 例えば他の連体説で言うと
昨日買った車みたいなものですよね。 まあそれと同じように
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どんな悪口でも怒られない説。 これが並行的に考えられるかというと
僕はねちょっと違うんじゃないかと思いますね。水曜日のダウンタウンの説の方は 普通の連体修飾、つまり昨日買った車とは違うんじゃないかと思います。
まず音の面から言うとですね、発音の点から言うと、 そもそも日本語の単語っていうのは
かな一文字について高い低いの値が決められているんですよね。 で結構これ過去のトークでもお話ししているんですけど、
説っていうのを単体で使うときは性通なので高い低いのパターンになっているんですよね。
性通ですよね。 これは単独で使うときはそういうアクセントのパターンなんですが、
よくイントネーションと言われるものですね。 アクセントのパターンは高い低いっていうのが性通です。
ただ単独で使われないとき、例えば わかりやすいやつで言うと地動説とか天動説とかありますよね。
でこういうふうに地動説天動説といった場合は 説の部分のアクセントのパターンが変わっちゃってるんですよね。
両方低い低いのパターンになってるんですよ。 地動説じゃなくて地動説。
でこういうふうにある単語が何かの単語の一部になるときにアクセントのパターンが変わるっていうのはよくあることで、
するっていう動詞もするでこれは低い高いなんですけど、
例えばハグするとかいった場合はハーグするなので、 やはりこのするっていうアクセントも低い低いとなっています。
でこのアクセントの点から考えると、どんな悪口でも怒られない説っていうのは、
天動説とか地動説と同じアクセントのパターンになってるんですよね。
つまり説が前の要素と 一つの単位となっているってことなんですね。
もしこれが連体収縮だったとしたら、どんな悪口でも怒られない説となるはずなんですよ。
最後の説が高い低いになるはずなんですけど、 怒られない説だと説の部分が低い低いになってるんですよ。
だからねこれは連体説ではないんじゃないかと思うんですよね。
で実はこういった現象は説以外でも観察されて、 例えばこういう言い方も日本語でできるんですよ。
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遅刻しちゃった話。
これは遅刻しちゃった話とは違って、
でこれはアクセントのパターンも説と同じように変わってるんですけど、 さらに連濁も起こってますよね。話が話になっているので。
連濁が起こるのはもっとわかりやすくて、 何かの単語の一部になるときにしか起こりません。昔話みたいに。
だからね日本語って割とそういうことができるんですよね。
めちゃくちゃ長いように見えて、一単語っぽく扱っているということですね。
それがどんな悪口でも怒られない説ではなく、どんな悪口でも怒られない説っていうね、 アクセントのパターンが変わっているってことですね。
なのでまず第一にこれが面白いところは、 あたかも一単語っぽく振る舞っているという点です。
でもう一個面白いのは、 前に出てくるのが何でもいいんですよ。今のは怒られない。
だから要言が来ているわけですよね。 動詞のないっていう否定の形が来ているわけですけど、
さっきの例で言うと、ロケ中にタレントを巻くことなど用意説。 この用意っていうのはなんだ?
形容動詞ですかね。で形容動詞が来てもいいし、
あとは実際にあったものだと、中高生のリーゼント絶滅説みたいに、 名詞が来てもいいんですよね。
でこういう点でもやっぱり普通の連体説と違って、 連体説っていうのは普通は動詞だったり、
形容詞だったり形容動詞だったりっていうものの、 連体形が来なきゃいけないはずなんですけど、
全然連体形じゃなくてもいいんですよね。 あとこれも面白いですよ。
今年の風は喉からしかこねんじゃねえか説っていうのが、 実際に検証したわけではないんですけど、劇団ひとりさんが言ったもので、
今年の風は喉からしかこねんじゃねえか説っていうのは何が面白いかっていうと、
かっていうのは疑問の終助詞と言われるもので、 こういったものはね普通連体修飾に使えないんですよ。
例えば、昨日買った車に終助詞をつけて、 昨日買ったぞ車だと、これはね、
統治法としか解釈されないはずなんですよ。 車を修飾しているようには考えられません。
ただね、説にするとこれがいけたりするんですよね。 まあ例えば、昨日頑張ったぞ説とかね、わかんないですけど、そういう言い方ができるんですよ。
なので終助詞が前に来てもいいという点で、 この説の振る舞いっていうのは非常に興味深いです。
で、さらに面白いのは、 ラジオトークでも番組なさっているマキムーさんのトークで、
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リンク先も貼っているので、ぜひ聞いてみてほしいんですけど、 トークタイトルに
人間性欲でセックスしないのでは説っていうタイトルがあって、 まあこれは内容も去ることながら、
これも面白いですよ。 セックスしてないのでは説、これしてないのではないか説だったら、
まだなんとなくわかるんですけど、 してないのではっていうね、ちょっと文の途中で切れるような、
言い差し表現みたいなものにも説っていうのはくっついてるんですよね。 なので、
今までお話ししたことを、まあしっちゃかめっちゃかなっちゃいましたけどまとめると、 一見昨日買った車みたいに連帯就職に見えますが、
説のアクセントが変わるという、まず発音の面で、 まあどうやら連帯就職ではないと見えると。
あとその説の前に出てくるものが、もちろん動詞も形容詞も、 形容動詞もあったりしますけど、
名詞でもじゃないか説みたいな、「か」とか「ぞ」とか終助詞が来てもいいし、
何々してないのではみたいな言い差しっぽいものでも、何でも説っていうのはくっつくという点で、 これもまた連帯就職とは違う振る舞いをしています。
どうですかね。僕は割と面白いなぁと思って喋り始めたんですけど、 あまり伝わってないんじゃないか説っていうのがありますね。
ぜひご質問とあったら送っていただけたらと思います。 ではまた次回お会いしましょう。ごきげんよう。