それはですね、グリーントランスフォーメーションという言葉です。GXなんて言われてますけどもね、またなんかわけわからんかっちょいい造語が出てきましたね。何でもXつければいいってもんじゃねーぞってあの感じですけど、GXっていう言葉自体はですね、昨年くらいからちらちらと見かけるようになってきた言葉です。
もちろんですね、あの大流行のトレンドワードであるDX、デジタルトランスフォーメーションをもじった造語です。じゃあグリーントランスフォーメーションって何なんだっていうことを説明するとですね、簡単に言うとカーボンニュートラルを目指すための変革取り組みのことをグリーントランスフォーメーション、GXと指します。
結構抽象的ですけどね、これがGXっていうのはないんですけど、とりあえずそういう取り組みをGXと呼ぼうぜって定義したわけです。
カーボンニュートラルについてはね、ほぼ説明不要だと思いますけど、一応説明しておきます。
カーボンニュートラルはですね、地球温暖化を防止するためにCO2の排出量を実質ゼロにしましょうという取り組みです。
このですね、実質ゼロというところが非常にポイントでして、当然どんなことをしても基本的にCO2って出ちゃうんで、ゼロにはできないですよってことです。
我々が生きてるだけでもね、息吸うし、僕がこうやってポッドキャスト収録してるだけでもね、CO2ガンガン出してます。
なので、なるべくCO2の排出量っていうのを減らしつつ、CO2の吸収量っていうものを増やして、プラスマイナスでゼロ目指しましょうね。
という考え方がカーボンニュートラルというものです。
で、このカーボンニュートラルという言葉がですね、ものづくり白書に登場し始めたのが、実は2021年です。
それまではですね、カーボンの彼女もなかったですね。めちゃくちゃ最近なんです。カーボンニュートラル。
で、2022年、昨年のものづくり白書でもカーボンニュートラルは非常に大きく取り上げられてます。
そして今年ですね、カーボンニュートラルではなくGXという造語で取り上げられているわけです。
この変化ですね、今年のものづくり白書の肝だと私は思ってます。
私の所感としては、カーボンニュートラルへの取り組みがうまく進んでいないということを国は危惧しているのだと思ってます。
多分ですけど、なんか国が焦ってる感じが私はね、白書から感じました。
本当に私の主観ですけどね。白書の中にもですね、こういう文章を書いてあります。
世界で脱炭素に関する市場ルールの形成が進んでいる。
我が国の企業においても、こうしたルールに対応していく必要があり、脱炭素への取り組みの重要性が高まっている。
また、製作事業者に対する脱炭素への要請も高まっており、サプライチェーンの高度化、強靭化に向けた取り組みが進んでいる。
とあります。なんかいろいろ高まっているということです。
つまりですね、他国に対してカーボンニュートラルの取り組みで日本は結構遅れとってますよということです。
そこでですね、カーボンニュートラルに向けた取り組みをGXと定義することで関心を高めたり、国内でのルールを制定していこうとしているわけです。
最近SDGsとかよく聞きますし、地球環境も大事だと思うけど、ぶっちゃけそんな力を入れる必要ある?って私は思ってないですよ。
当然私は思ってないですけど、正直な話に座って思っている人もいると思います。
じゃあですね、なぜ国がそんなに焦ってるか、カーボンニュートラルが進まないことに対して焦ってるかというとですね、
それはこのままじゃあ地球があったかくなっちゃうぜっていうことじゃないんですね。
その理由っていうのは、焦ってる理由はお金の話です。
2023年のものづくり白書の中にこれに関してですね、2つキーワードがあってます。
それがSX銘柄っていうのとESG投資というワードです。
これらね細かくは説明しませんけど、簡単に言うとですね、利益を出したり成長している会社だけでなく、
これからは環境課題や社会課題に取り組む会社に積極的に投資をしていきましょうと、そういう流れがあるわけです。
こういうルールづくりが世界的に進んでます。
つまり逆に捉えれば、どんなに良い製品を作っている会社であっても、
バンバンCO2出したり、社会課題に取り組んでいない会社にはお金を出してやんねえぞと、
そういう社会になりつつあるということです。
企業は大前提として利益を出す、利益を追求するために存在しているわけですから、
ボランティアでね、カーボンニュートラルとか環境問題になかなか取り組めないわけですね。
なので、無理やりでもビジネスに紐づけてやらんとということで、
世界各国がこういった投資を絡めて、すごく強力な力で無理やりカーボンニュートラルをビジネス化しているというわけです。
これが今の世界の流れです。
生き残るためにはカーボンニュートラルに取り組まなければならなくなる。
これっていうのは自明の理なんですね。
ただこの点で日本の企業はわりかしノホホンとしているわけです。
よってこれからはGXだと国が発波をかけているということですね。
じゃあGXって言いますけど、具体的に何をしなきゃいけないの?
っていうのも実はですね、国が明確にしています。
そのキーワードも今回の白書の中で出てきています。
それがカーボンフットプリントです。
カーボンフットプリントっていうのは、製品のライフサイクル全体でカーボンの排出量を見える化しましょうという仕組みですね。
原料調達、生産、流通、使用、排気に至るまでですね。
その製品の最初から終わりまで、その過程で発生するCO2の量を見える化させましょうというものです。
それをその量をカーボンフットプリントと定義して、カーボンフットプリントが低い製品が良い製品だよねということにしようと、そういうルールです。
使う時はエコだけど製造でバカすっからカーボン出してますよとか、そういうものは評価できないよねということですね。
これをですね、我が国のカーボンニュートラルの取り組みの第一歩として推進しているわけです。
経済産業省はですね、今年の3月にカーボンフットプリントのガイドライン、5月にはですね、カーボンフットプリントの実践ガイドというものを出してます。
それだけでもこのカーボンフットプリントに対する国の本気度というのが非常に伺えますね。
ここでさらに重要になるのが重要になる、さらにというか話は戻って重要になるのがGXという言葉です。
グリーントランスフォーメーションですね。さっきも出てきましたけど。
ここまでこのカーボンフットプリントの話まで話すと、実はですね、なんでDX、デジタルトランスフォーメーションをもじってGXとしたのかがなんとなく見えてきます。
結局ですね、カーボンフットプリントの取り組みっていうのはデジタル技術の活用なくしては絶対に成り立たないですね。
だってさ、サプライチェーン全体でCO2排出資料を管理しましょうよってなったら、紙じゃ無理ですよね。
下請けも含めてですね、広い範囲を巻き込んだ仕組みとかシステム、こういうものが必ず必要になります。
なのでですね、皆さんの頭に刷り込まれたデジタルトランスフォーメーションDXを彷彿させるようなもじり方、GXとしたんじゃないかなと、僕は勝手に思っています。
実際にデジタル技術を活用してグリーンを進めていくんだっていう文言も白書の中に書いてありますので、必ずそういう狙いもあるのかなと思います。
カーボンフットプリントに関してですね、気になる人がいたらぜひですね、経済産業省のカーボンフットプリントのガイドラインと実践ガイド、これは見ておいてください。
そのリンクは貼っておきます。例によってですね、小難しい資料ですよ。実践ガイドとかね、目が回るくらい細かい計算がいっぱい載ってます。
ただね、これって製造業に関わる人全てに影響してくるはずです。大企業だけ取り組んでればいいよとかじゃなくて、サプライチェーン全体でやろうとしてるんですからね。
当然、下請けも中小企業も零細企業っていうのも全部他人事じゃなくなります。だからね、今後カーボンフットプリントっていうのはかなり注目されてくるし、皆さんの実際の仕事に関わってくると思った方がいいと思います。
最初に白書とは社会の実態を国民に周知させることと言いましたけど、2023年のものづくり白書ではカーボンニュートラルに本気にならないとやばいぜっていう実態が周知されてるんじゃないかなと、