当然競技ごとに競う項目というのは違うんですけど、技能五輪の花形競技でもある千万種目について、簡単にですけど説明していきたいと思います。
千万というのは工作機械の一種で、工作機械の中でも最も知名度が高いと言われている代表的な機械です。
ワークと呼ばれる工作物を機械に固定して、それをぐるぐる回転させながら、バイトと呼ばれる専用の刃物を当てて、ナイフでリンゴを剥くように削っていく。
そういう加工が千作加工で、それを行うものが千万と呼ばれます。
大会の概要としては、基本的に製作課題というものが与えられて、その課題に沿って物を加工するということになります。
黒革という棒材みたいな棒の鉄の塊を渡されて、それを加工して精度を競うという種目です。
競技時間は毎年ちょっとずつ違うみたいですけど、大体5時間程度です。
製作課題も毎年変わるんですけど、大体4個から6個ぐらいの部品を組み合わせたものを作る、そんな形の競技になっています。
裁点は原点方式で、いっぱいの部品からなるものを加工して組み立てるので、組み立てた際の組み立て寸法、部品単体の寸法、主観。
傷がないか、仕上げ面が綺麗か、面取りできているか、特別原点といって、ちゃんとネジが入らないよ、加工時間延長しちゃいましたよね、そういうところで原点が入る。
これで一番得点の高い課題を作った人が勝ちだ、そういう競技です。
この製作課題が本当にいやらしい形をしていて、基本的に何の部品やねんって感じの形なんですけど、結構面白い形をしています。
勝手な想像ですけど、製作課題考えている人は多分結構楽しいと思います。選手はたまらないでしょうけど。
旋盤という加工に使う機械本体は、会場に設置されたものを使いますけど、加工に使う工具とか測定器は基本的に持参します。
なので準備の時点でも大会が始まっているんですね。測定器を手で持った時に体温でちょっと変形するんですね。
そうならないようにテーピング巻いたりとか、工具の準備したりとか、細かい段取りがまず肝になりますね。
当然、大会のために用意されている機械とはいえ個体差があるので、会場の旋盤にもやっぱり当たり外れは若干あるみたいですね。
当たり外れというか、機械に特有の癖みたいなものがあるんですよ。
それを大会当日触った感じで見極めて、その癖を加味しながら寸法精度を出していくと。
内容以上に非常にシビアな競技なんですね。
さっき冒頭で紹介した僕の友人は技能五輪に出たんですよ。
だけどどの機械に当たるかっていうのは、ぶっちゃけ運ゲーだって言ってました。
変な癖ついてる機械に当たっちゃうと、当然ちょっと不利になると。
そこまでのリカバリーを含めて、やっぱ技能だということですね。
技能五輪とはいえ選手はアスリートですから、技能に対して非常にストイックに突き詰めて、毎日技能を磨いている若者たちです。
そういう若者同士の戦いっていうのはやっぱり面白いと思います。
こういうのが技能五輪の全国大会の概要です。
ここからが次、技能五輪国際大会の話になります。
基本的には技能五輪全国大会で優秀な成績を収めた選手が、日本代表選手として選出されて、技能五輪の国際大会というものに出場できることになります。
ただ国内で行われる42種目と国際大会の種目の区切りってちょっと違うので、実施されない種目もあるということです。
この技能五輪の国際大会自体は、1950年にスペインの職業青年団が提唱して始まったものらしくてですね、
そこから2年に1回の奇数年開催で行われています。
これまで日本でも3回開催されてますね。
1970年に第19回大会が東京で、1985年に第28回大会が大阪、2007年に第39回大会が静岡で開催されています。
実はこの2007年の第39回大会なんですけど、これ僕見に行けたんですよね。非常に運が良いことに。
というのも、2007年って僕ちょうど工業高校通ってたんですね、その時。
しかも出身は静岡なんで、当然静岡県の工業高校に通ってたと。
当たり前ですけど、学校行事で技能五輪見に行きましょうとなるわけですよ。
で、学校行事で見に行くことができたと。マジですごかったですよ、本当に。
熱気もすごいし、やっぱりね、技能者のスピード感っていうのはやっぱり半端ないですね、本当に。
ちょっとマニアックな話なんだけど、言葉で伝わらないかもしれないけど、フライスバンっていう機械があって、
Z軸ってテーブルの高さを上下に動かすレバーみたいなハンドルがあるんですね、フライスバンって。
あんま分かんないと思うけど、選手がとにかくそれを膝で蹴ってノールックで手元まで持っていくっていう技をやってるんですよ。
これも全然分かんないと思うけど、とにかく普通は手でも持ちに行くんだけど、
その時間がもったいないから、膝でポーンって蹴ってノールックでパシッて手で取るみたいな。
それがね、めちゃくちゃかっこいいですね。
で、みんなで何あれ?みたいな感じになって、あの、すげえかっこいいなって言って、
そのまま学校に帰った後ね、そればっかり練習してましたね。
多分あんまり普通の作業でやらない方がいいです、機械蹴るとかね。
だけどそのハンドルさばきめっちゃかっこよかったんで、とにかく膝でポーンって膝の側面でね、
ハンドルをパーンって蹴って右手でパシッてこう掴むみたいな。
そればっかり練習してですね、膝があざだらけになったという思い出があります。
そのぐらいにこう、あのインパクトのある大会ですね。
もうほんの1秒1秒が大事なんで、
このなんか1個の作業もコンマ何秒でも短くなるようにやっぱり選手が工夫してるんですよ。
それがやっぱりかっこいいんですよね。
ちょっと話しとれちゃいましたけど、とにかくね、こういう国際大会っていうのがあるわけですね。
実はね、昨年も国際大会日本の京都で行われてたんですけど、
それはまあコロナの影響で、もともとの上海開催だったものを12カ国に分散して行ったらしいです。
なんで日本主催かって言われるとちょっと微妙な大会なんで、厳密に言うと日本は行われたのは3回だということですね。
次回は2024年にフランスで第46回の大会が行われる予定となってます。
さっきもね、もともと既数年で行ってたんですけど、コロナで1年ずれちゃったんで、これから多分偶数年開催になっちゃうというか、なっていく感じですね。
この国際大会にはね、毎回日本からだいたい45名程度の技能者が出場してます。
まあ本家のオリンピックと似たり寄ったりなんですけど、金メダルの国ごとの獲得数で競ってるわけですよ。
最近の過去の結果を見ちゃうとですね、日本が若干押されてる感じがします。
2011年ぐらいまでは金メダル獲得数で上位3カ国にまずまず日本が入ってくるという感じだったんですけど、前回前々回とですね、3位以内に入ってないです。
1位は中国です。前回前々回と1位は中国。2位はロシアとかスイス。3位が韓国となってます。
韓国がねとにかく強くて、ほとんど毎回韓国が1位ですね。歴代の金メダル獲得数は多分韓国が一番多いかなと思います。
当然ね、メダル数が全てではないんですけど、やっぱ最近こう日本があまりそういう上位にランクインできてないっていうのは、
労働人口の減少とかね、ものづくりに対して若者関心が薄れてますよとか、日本がそもそも元気ないですよみたいな、
そういうこともちょっとずつ影響してるんじゃないかなって、かんぐってしまいますよね。やっぱ。
わかんないですよ、わかんないですけど。せっかく若いモチベーション高い技能者が頑張ってるわけですから、日本も盛り上がってほしいなって思いますよね。