まずですね、規模の限界によって大きな失敗をした歴史的な事例を見ていきましょう。時代はですね、遡ること、ローマ時代です。
古代ギリシャの設計家にディオグニティスという男がいるんですよ。もうめちゃくちゃ呼びにくいですね。この古代ローマ人って名前が複雑すぎてちょっと読みにくいんですけど、ディオグニティスなんで意語をディオと呼びますね。
ディオブランドではないですからね。そこは誤解なきゃいけないように。ディオちゃんね。ディオちゃんじゃないな。おじさんなんでディオくん。ディオさん。まあいいけど。
さておきですね、彼はロドスという町に住んでまして、その都市を戦争から守る、防衛をするための兵器や策略を考えることを成り割りとしてました。
ディオの防衛の手段というのはですね、特に目新しいものじゃなくて非常に古典的な手法ではあるんですけど、その手法で長きに渡り都市を守り続けて、その実績によってですね、民衆から強い支持を得てたんですね。
ある日のこと、そのね、ロドスの町にカリアスという男がやってきます。カリアスはね、民衆に対して自分が設計した新型兵器の模型を披露します。そしてこういうわけです。
これは敵のどんな兵器でも捕まえることができる無敵の回転機銃機だとカリアスは豪語したわけです。
回転機銃機というのは今でいうとこのクレーンみたいなものですね。このカリアスの回転機銃機の模型というのは非常に精巧に作られていて、動きまで厳密に再現しています。
こうやって敵の兵器をやっつけるんだと、それをね実際に見せるわけですね。とても非常に高いクオリティで見せます。
ロドスの人はその素晴らしい設計に感銘を受けました。
カリアスはですね当然機体をすごく集めて逆に旧来のやり方しか知らないディオ君はですね徐々に信頼を失っていくわけです。
そしてついにディオに与えられた権利や実験というのはすべて剥奪されてそれ代わりに全部カリアスに与えられることになってしまったわけです。
そしてですね時は流れいよいよ金国との戦争が始まりました。
近日中にですね敵の超巨大兵器攻め込んでくるぞという段階に差し掛かります。
しかしですねロドスの人々心に余裕があるわけですね。
なぜならね我々にはあのカリアスの作った無敵の回転機銃機あるじゃないということですよ。
とうとうカリアスがですね国からよしお前あの回転機銃機もう使うからね。
模型じゃなくて実際のサイトで作ってみろ。戦争に導入するぞと言われるわけですね。
しかしですねカリアスから衝撃の一言は放たれます。
すいません模型はうまく動いたんですけど実際の大きさ作れませんでした。
と、というわけです。
模型ではあれだけ素晴らしかった設計であったにもかかわらずカリアスは実際の寸法でその回転機銃機を作り出すことが不可能だと言い放ったわけですね。
ロドスの人々はカリアスの間違った推論に欺かれていたわけです。
え?機銃機ないの?どうしようと困り勝手だロドスの人々はですね再びディオに泣きついて助けを求めました。
これはね手の平返しもいいとこですね。
実際に実験を白雑されたことでディオっていうのは深く傷ついてまして一度は彼らの頼みを断るんですね。
しかしロドスの人々を守るために再び立ち上がってですね最終的にディオはですね見事にロドスの都市を防衛することに成功します。
敵を撃退してディオグニティスは再び栄光を授かれました。
カリアスがその後どうなったかは知る余地もないですが想像には絶やすいですね。
というのがこの規模の限界を語る時によく言われる歴史的エピソードです。
もうね映画化決定ですね非常にこの逆転劇素晴らしいと思います。
でこれの中でですねカリアスがですね最初から自分の模型がスケールアップできないことを知ってて
実験だけ欲しくて騙してたのかそれとも途中で気がついたのかこれはね定かではないです。
今日はですねそこではなくて模型を実際の寸法にスケールアップできなかった理由これを考察していきたいと思います。
実はねこれも答え出てるんですね主な理由は2つですけども一つ目の理由がかなり主たる理由です。
これがですね強度上の問題です。規模の限界っていうのはこの強度の問題が一番大きいです。
既に成り立っている機械をそのままの形でスケールアップしていくとどこかのタイミングで必ず強度不足に陥ります。
これが規模の限界というものです。形状を無限に大きくしていくことは不可能であって必ずどこかに限界があるということです。
じゃあそれはなぜなのか今日はねこれだけ覚えて帰っていただければ ok です。
これもね非常に単純な話ですよ大きくすれば当然強度も強くなりますがそれ以上に重くなるからです。
これだけです。強度の増加幅よりも負荷の増加幅の方が大きいので必ずどこかのタイミングで限界を迎えます。
例えば大きさを2番にすると強度は4倍になり重さは8倍になるんですね。
大きさが3倍なら強度は9倍大きさ重さは16倍です。
これだけはねちょっと図がないと説明しづらいんだけど断面積と体積の関係で簡単に説明することができます。
これね応力を考えれば非常にわかりやすいんですね。応力ってなんじゃのほいっていう人のためにですねちょっと丁寧に説明してきますけど
応力っていうのは部品内部にかかる力を示す物理量で荷重割る断面積で表すことができます。
応力にはですね許容応力という材料ごとに決められた値があって設計者はこの許容応力をもとにですね部品の形状やサイズを決定します。
スケールアップを成り立たせるのはあればスケールアップ後も部品にかかる応力は同じでなければならないわけです。
つまりですね荷重割る断面積の値が同じじゃなきゃダメなんですね。
ちょっとね本当に絵がなくて申し訳ないんですけど皆さん頭の中で想像してください。
シンプルな円柱も本当にね円の棒を思い浮かべてもらってそれが壁からニョキニョキと入ってますよと。
なんだこの棒って感じなんですけどそこは疑問を持たないでもらって壁から円柱が入っているよと。
この円柱の大きさを2倍にしてみてください。
で大きさを2倍にするとですね断面積っていうのは4倍になるんですね。
これ単純な話断面積は4分のπD自乗なんでねこの直径のDが自乗されてますから。
直径が2倍になれば断面積は4倍になりますと。
じゃあ荷重ここではこのニョキニョキと入っている円柱のですね重さとしますけどこれは8倍になるんですね。
重さって体積と密度の積なんですけど密度っていうのは基本的に一定なので体積だけ考えれば良しとします。
体積ってね断面積かける長さですよね。
これ小学校レベルの算数ですけど。
でさっき説明したように断面積っていうのはね大きさ2倍したら4倍になってるわけです。
そこに2倍になった長さをかけます。
つまり体積は8倍になるわけですね。
ゆえに重さは8倍なわけです。
わざわざ円柱を頭の中で思い浮かべる必要はないかもしれないですけどそういう話なんですよ。
この例でわかる通りですね断面積は4倍重さは8倍。
つまり大きさを2倍にすると応力部品にかかる負荷も2倍になるわけです。
だから大きくすればするほどですね部品にかかる負担っていうのは増えていっていつか必ず耐えきれずに破損します。
これこそが模型をそのままスケールアップできない理由です。
模型サイズでは応力的に問題がなく成り立っていても実寸法にすると容易く材料の許容応力を超えてしまうんです。
かの有名なですねガリレオガリレーもこの規模の限界を説明する上で骨に例えて説明します。
これはねまたね絵がないと説明しないしづらいんですけどガリレオ骨とでもね検索してみてくださいすぐ出てきます。
強度を保つための骨の太さのイメージがね示されているんですけど細い骨とすげーごく太の骨が並んでて
これは何を話しているかというともしもこの細い骨ですねこの骨の長さを3倍にするんだったら3倍にして同じ強度を保つんだったら
これぐらいの太さの骨になるんだよという図なんですね。
これね非常にわかりやすい図なんで規模の限界を説明するときね例えば新人に規模の限界説明しようかなって思うときにこの図を使ってもらうといいかなと思います。
骨じゃわかりにくいって話だったら実際の機械で例えるんだったらね僕は個人的にショベルカーの比較をお勧めしてます。
これねショベルカーの写真を見比べてみると非常にわかりやすいんですね。
巨大ショベルとミニショベルこれを同じ尺度で並べて比較するとめちゃくちゃわかりやすいです。
全然太さが違うんですよねアームとかの。
でガリレオの骨の話もそうですけどこれ僕のブログの方に比較した絵貼ってあるんでぜひとも時間がある人は見てください。
わかりやすいですよ。
リンクはですねポッドキャストの説明欄に貼ってありますんでそこからブログ飛んでもらえるとありがたいです。
まとめるとですね単純なスケールアップが成り立たないのは規模の限界があるから
斧を大きくすると強度も上がるがそれ以上に負荷が大きくなる。
この2つを覚えましょう。私が伝えたかったのはですね
安易に大きさを変えるのはリスクがあるから気をつけろよということです。
製品の設計とかに関わっている人だったら今回の話は非常に当たり前だと思うかもしれません。
そもそも模型からスケールアップすることはないし
既存の機種とか部品を利用するときも設計検証してるから大丈夫だと。
でもですね違うんですね。
私もねこのスケールアップのリスク分かっているつもりはいますが
それでも流用設計においては割と見落としたりするんですね。
スケールアップに潜む思わぬ落とし穴ってのあります。
サイズが変わればですね設計検証に必要な項目ももちろん変わるんですね。
ぜひともこれを肝に銘じておいてほしいと思います。
またですね最近は結構実物を作る前に模型を作って検証しようとか
そういう取り組みが増えてます。
それは何故かというと3Dプリンターが普及してきたからです。
一昔前はねわざわざ模型を作るなんてコストも時間もかかるって言って
現実的にはなかったんですけど
今となってはですね検証の一環として
ミニチュアの3Dモデルを作るなんてこと結構多くなってきました。
そしてですねそのミニチュアのモデルをわざわざ
重役が出席する会議まで持ってってですねこういうわけです。
部長これが次期機種の構想モデルです。
いかがでしょうかと見せるわけですねモデルを。
そういうわけですよ。
おおこれは剛性があってかっこいい機械じゃないかよし作ってみろと。
こういうやり取りがですね会議で行われているのかいないのか
さながらではないですけどまあそんな感じですね。
さながらロドスの人々とカリアスのような関係なわけですよ。
それがですね模型であったとしても
物というのは相手を納得させるために最も有効な手段の一つです。
やっぱり物の持つ説得力ってのはねすごいわけですよ。
このようにですね今後はねますます模型を作ってから
実物を作るという流れが結構普及するんじゃないかなと思います。
技術者である我々はですねこの圧倒的な説得力を持つ模型物
こういうものに惑わされてはいけません。
何も難しいことは必要ないです。
一つ視点を持つだけです。
模型を見たらただ一つ本当に実際の大きさでこれ作ることできるのかと
疑いの目を向けるそれだけでいいです。
それが大切なのだと思います。