1. 草とか石とかのラジオ 〜耳で聴く自然探求〜
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2025-06-15 13:46

#20 「小さくて古い」という美しさ。盆栽の世界をのぞきに【草とか石とかのラジオ】

波平の盆栽、カツオに破壊されすぎ問題──から始まる今回のテーマは「盆栽」。
展覧会で見た樹齢400年の木、レンタルされる高級盆栽、そして香川県高松市に広がる鉢に入る前の松畑まで、あちこち巡って見えてきたのは、意外すぎる盆栽の世界。そもそも鉢に入ってたら盆栽なの?松ぼっくりから育てたうちの子は…?そんな疑問を抱えながら、ちょっとずつ「盆栽の見方」が変わっていくかも。


【参考にした施設・HP】

「日本盆栽大観展」https://bonsaijapan.jp/

「高松盆栽」https://takamatsu-bonsai.com/


【参考文献】

「鉢植えと人間」田嶋リサ

「盆栽の誕生」依田徹


#草とか石とかのラジオ #自然

#盆栽



サマリー

今回のポッドキャストでは、盆栽の魅力とその文化を探求しています。特に京都での日本盆栽大観展や高松市の盆栽産業に焦点を当て、盆栽の美しさや独自の育成方法を解説しています。高松市のJA香川高松盆栽の里を訪れ、さまざまな種類の盆栽の魅力に触れています。特に桜やモミジの盆栽についての感想や、盆栽の歴史も学び、自分でも盆栽を育てたいという気持ちが強まっています。

盆栽の基本と展覧会
はい、今回も始まりました草とか石とかのラジオ。このポッドキャストは、自然界で好きなもの、気になるものについて探求していく番組です。よろしくお願いします。
さて今回のテーマは、盆栽でございます。 僕にとって盆栽というもののイメージは、アニメのサザエさんでナミヒエが盆栽の手入れをしていて、それを野球をしているカツオが破壊しているっていうイメージがあったりします。
ちなみにある推計によりますと、カツオはこれまでに100個以上の盆栽を破壊しているというふうに言われたりしていますけれども、この盆栽はナミヒエさんのような年配の方がやる難しい交渉な趣味なのかなというようなイメージがあります。
じゃあまず盆栽って一体何なのかという話ですけれども、盆栽は漢字で書くと、盆と栽というふうに書きますよね。
この盆は植物が植えてある鉢を意味していて、栽は植物ですね。
つまり植物とそれを割っている鉢全体を指すものが盆栽で、これらが一体となって調和が取れた干渉物のことを盆栽と言うそうです。
今回はこんな干渉物でもある盆栽について展覧会や盆栽の産地に行って色々と調べましたので、そのことについてお話ししようかと思います。
まず盆栽とは一体どんなものかというものを見るために、去年京都の都メッセというところで行われていた日本盆栽大観展という展覧会に行ってきました。
こちらの展覧会はかなり広いホールで、美術品を展示するように数百個の盆栽がずらっとテーブルに展示されていて、それを見るって感じでしたね。
この会場内にクラシックの音楽が流れていて、すごい高尚な、もの静かな展覧会だなって感じました。
置いてある盆栽はいろんなものがあるんですけれども、中では樹齢400年もあったりする立派な盆栽であったりとか、徳川家光が持っていたという盆栽も引き継がれて、それが展覧会に出されていたり、すごいレベルが高い盆栽が並んでいるんだろうなという風に感じました。
ただ、盆栽をいろいろ見ていく中で、自分は盆栽を見るのは初心者なので、見方がわからないし、どうやって見たらいいのかなというのはすごい不思議に思っていたんですけれども、今回たまたま盆栽の専門家の方と話す機会があったので、その盆栽の見方について聞いてみました。
盆栽の見方としては、まず目の前に盆栽があるとして、盆栽を正面から少しかがんで見てみるというのが見方ですね。
かがんで見ながら、この樹木と鉢のバランス、調和を見ていくということが大事です。
その中で、この木も大事なんですけれども、鉢も大事で、トコナメバチというのがすごい有名らしいんですけれども、その調和みたいなものが大事らしいです。
あとはですね、盆栽の植物の方の評価ポイントとしては、樹齢と木の小ささというのが大きなポイントになります。
つまり、この盆栽が年齢が高ければ高くてほうが良いし、小さければ小さいほうが良いということですね。
あと、葉っぱの若々しさや、それに対する樹齢の対比みたいなものが評価ポイントにもなります。
この盆栽というのは、手間をかければかけるほど良いというふうにされているらしくて、この木の年齢に対して大きさが小さいと、それだけ手間がかかっているということがわかります。
この展覧会にある盆栽をいろいろ見ていると、表面がかなり分厚くて年季が入っているのに、そこまで大きさは大きくないなとか、そういうことが見えてきてよかったですね。
盆栽の輸出と管理
今回のこの展示会には、スイスとかアメリカ、ドイツ、フランスなど海外からの出品もあって、この盆栽という文化は海外でもかなり人気が高いんだなということを感じました。
今、盆栽の輸出額の資料を見ながら喋っているんですけれども、2023年の盆栽の輸出額というのは9億円を超えていて、
2019年に比べて約2倍になっていて、かなり輸出量というのも増えているみたいですね。
盆栽の輸入輸出というのは、土壌の微生物とか空港の検疫で引っかかることも多いみたいで、持ち込みが難しいようです。
ただ、それでもこれだけ輸出されているのは海外それだけ人気があるからだというふうに思います。
ちなみに高い盆栽、例えば樹齢400年みたいな文化財クラスの盆栽は普段どうやって管理されているのかというと、
サザエさん並兵ごときの一般人にはなかなか管理していくことが難しいんですよね。
こういった盆栽というのはオーナー制になっていて、ちょっと裕福な方がオーナーになっていまして、それを盆栽職人に預けて管理されているみたいで、
それを預け盆栽という文化として存在しているみたいですね。
なので盆栽は普段は預けておいて、必要な時だけ出していく文化というのがあるみたいです。
ちなみに盆栽のレンタルサービスというのも存在しておりまして、卒業式とか入学式、成人式等々の式典の飾りとして盆栽をレンタルすることもサービスとしてできます。
よくホテルのロビーとかに盆栽とかが飾ってあることを見たことがあると思うんですけれども、
あれはおそらくレンタルの盆栽で、ホテルの方が日々手入れしているのではなくて、盆栽の専門の方が手入れしていて、それをレンタルしているのかなというふうに思います。
ここで少し話は変わりますが、盆栽はどこで作られているのかという話をします。
盆栽の産地はどこなのかというと、多くの人は盆栽の美術館があることで有名な埼玉県の大宮辺りを浮かべるのではないかと思うんですけれども、
日本の松の盆栽の全国シェアは、香川県の高松市が8割を占めているということです。
自分は初めてこれを聞いたとき少し驚いたんですけれども、高松市はすごい松の盆栽を作るのに適した気候らしくて、
というのも気温が暖かくて雨も少なくて気温の寒暖差も低く水はけが良い土もあるということで、非常に松を育てるのに適しているんですよね。
ちなみに高松市には立林公園という有名な日本庭園があるんですけれども、そこは行くとわかるんですけれども、
すごいよく手入れされた大きな立派な松の木がたくさん並んでいる公園で、すごい松を育てるのに適しているんだなということがよくわかります。
今回はこの盆栽の松で有名な高松市に盆栽を見に行ってきました。
今回行ったのは高松市の市街地中心から少し離れた国分寺地区というところなんですけれども、
この地域には盆栽を育てている農家さんがたくさんいまして、30件から60件ぐらいの農家さんがいて、そこで作られている盆栽が高松盆栽というふうに呼ばれています。
この地域には普通の住宅街なんですけれども、この住宅街を歩いていくと見慣れない緑の畑がたくさんありまして、
その畑に大量の松の盆栽になる前のものが直接植えられていました。
この高松盆栽は生産地ということもありまして、盆栽を苗から育てて、まず地面に植えて、ある程度育ったら鉢にあげて盆栽として販売しているようですね。
この町のメインの産業は盆栽の町みたいなんですけれども、マンホールっていろんな柄があると思うんですが、
ここの地域のマンホールには盆栽が描かれていて、すごい盆栽が日常に溶け込んでいる町なんだなというふうに思いました。
高松市の盆栽の魅力
今回はこの高松市のJA香川高松盆栽の里というところにも行ったんですけれども、ここは盆栽の直売所でそこに行ってきましたね。
僕はJAといえば野菜の直売所をイメージすることが多いんですけれども、盆栽がメインの直売所ってすごい珍しいと思って面白いと思いましたね。
この盆栽の里では、鉢上げされた盆栽が何百体と管理されているんですけれども、枝に針金がかけてあったりしていて、
枝が曲がるように固定するための針金がぐるぐる巻きにしてあるものがあったりとか、仕上がる前の盆栽みたいなものがたくさん置かれていましたね。
松の盆栽の生産地ということで、松も多いんですけれども、他もいろんな種類の盆栽がありましたね。
行ったのが3月ぐらいなんですけれども、桜の盆栽とか綺麗に咲いている季節で、
これまで桜の盆栽ってあんまり見たことがなかったんですけれども、すごい綺麗な盆栽になるんだなって印象が変わりましたね。
あとはモミジの盆栽とかもあったんですけれども、モミジの盆栽って普段は割と初心者向けの盆栽っていう扱いのイメージがあったんですが、
ここで育てられているモミジの盆栽はすごいしっかりした樹形でかっこよくて、初心者用の盆栽も手入れしていくとこんな立派な盆栽になっていくんだなとか、いろんな気づきがあってよかったですね。
最後に全体の感想ですけれども、最初に行った盆栽の展覧会では、芸術品として完全にバキバキに仕上がった状態の盆栽を見ることができて、
それですごい面白かったんですけれども、実際盆栽っていうのは路地に植えられた松を畑である程度大きくしてから鉢に入れて盆栽として完成っていう感じなんだなということが分かりまして、
この盆栽の里で枝の形というのは針金を巻き付けたりして整えていく必要があるということがよくわかったなと思いました。
今回高松にわざわざ行ったことによって、その過程も踏まえて見ることができたので、盆栽ってこういうふうにできていくんだなっていう、そういう過程がすべてわかったのはすごい面白かったですね。
盆栽の歴史と今後の目標
ところで、今回このポッドキャストで盆栽をテーマに選んだ理由というのは、実は僕は自分で公園で拾った松ぼっくりとかもみじの種から、松とかもみじを盆栽のように育てていて、興味を持ったっていうのが理由だったんですよね。
これは単に植木鉢に植えているだけで、鉢は特にこだわりなく植えているので、盆栽の定義でいうと鉢との調和とかは全く考えていないので、盆栽ではなくただの鉢植えだということが分かりましたね。
ただ、今回いろいろ調べたので、今後は自分が家に置いてある松とかもみじについてもしっかりとした盆栽に仕上げていく技術みたいなものも欲しいなというふうに思いました。
冒頭にしゃべったように、盆栽ってすごい高尚な文化なのかなっていうことを思っていたんですけれども、今回いろいろ調べていくと、平安時代とかは日本では貴族とかの上流階級というか、そういうところでメインで育てられていたみたいなんですけれども、
江戸時代では結構、庶民の間にも盆栽が浸透していて、普通に一般市民が盆栽を育てているみたいで、当時の浮世絵にもその様子が描かれていたりしたんですよね。
今回いろんな盆栽を見ていると、値段は数百万円するものもあれば、500円ぐらいで売っているものもあったりするので、本当に盆栽っていうのはピンキリなんだなって思っています。
なので、盆栽っていうのは上流階級の手に届かないものとか、ややこしい難しいものみたいなことも思わず、自分なりの盆栽だったり鉢植えみたいなものを楽しんでみてはいかがでしょうか。
以上、草とか石とかのラジオ、盆栽についてでした。
お聞きいただきありがとうございます。
13:46

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