1. 草とか石とかのラジオ 〜耳で聴く自然探求〜
  2. #23 森が育てるチョコレート?..
2025-07-27 10:28

#23 森が育てるチョコレート?日陰で実るカカオの暮らし【草とか石とかのラジオ】

植物園で見たカカオに興味を持ち、実からチョコレートつくりました。カカオの性質や栽培方法を体験と共に紹介します。アグロフォレストリー農法やカカオの受粉、生態にも注目し、身近な植物園からカカオを考えます。


【参考文献】

「カカオとチョコレートのサイエンス・ロマン」佐藤清隆・古谷野哲夫


【カカオの実を買ったショップ】

「dariK」https://dari-k.shop-pro.jp/


【一緒に聞くのおすすめなpodcast】

コテンラジオ「チョコレートの歴史」https://open.spotify.com/episode/1GVQISoPE5evuDp9ay4bJp?si=9gxtoHnCTYmdHH21w6ltww


#草とか石とかのラジオ #自然 #カカオ #植物園


サマリー

今回のポッドキャストでは、カカオの植物特性やチョコレート製造の過程について詳しく掘り下げています。特に、カカオの栽培方法であるアグリフォレストリーや、ココアバターの性質がチョコレートの味わいに与える影響について触れています。

カカオへの興味
はい、今回も始まりました。草とか石とかのラジオ。このポッドキャストは、自然界が好きなもの、気になるものについて深掘りしていく番組です。どうぞよろしくお願いします。
さて、今回のテーマはカカオでございます。カカオって言われるとチョコレートをイメージする方が多いと思うんですけれども、実際にカカオの実とか植物を見たことありますでしょうか?
このポッドキャスト第3回目ぐらいに植物園の会をやったんですけれども、植物園でもカカオって結構な確率で見ることができるんですよね。
というのも植物園は、熱帯植物のコーナーとか、食用植物のコーナーを設けていることが多くてですね、そういうコーナーに、例えばバナナとかバニラとか、あとカカオの木とかが植えられていることが多いんですよね。
日本の植物園だと、大体冬の1月から3月頃にカカオではラグビーボールのような形の実を木に直接ぶら下げているのを見ることができたりします。
カカオの食べる部分は、カカオポッドというラグビーボールのような実なんですけれども、その中に白い果肉に包まれた種がたくさん入っていて、そこが食べられる部分でチョコレートの原料になるところです。
今回はですね、この植物園でカカオという植物を見たことで、そもそもカカオってどういう植物なのか、チョコレートって何なのかということが気になってきたので、今回詳しく調べてみました。
まずカカオとかチョコレートに対する一般的なイメージについてですけど、まずお菓子をイメージすると思うんですが、よく噂でチョコレートを食べ過ぎるとニキビができやすいっていう話もあるんじゃないかなって思います。
今回いろんな文献を当たって調べてみた結果、ニキビができやすい被験者に通常の10倍のチョコレートを1ヶ月くらい食べさせ続ける研究っていうのがあったんですけれども、特にニキビは増えなかったよっていう研究結果もあるので、おそらくチョコレートにはそんなにニキビとは関係ないのかなって思ったりします。
あとチョコレートを食べ過ぎると鼻血が出やすいとかいう話をよく聞くんじゃないかと思うんですけれども、いろいろ調べてみるとチョコを食べ過ぎたからといって鼻血は出ないっていう話でしたね。
このようにチョコレートをたくさん食べても鼻血があまり出なかったりニキビが特にできなかったりとか、一般的なイメージとカカオ、チョコレートっていうのは意外と違うんじゃないかなって思うんですよね。
今回は植物園でカカオを見るだけではなくて、実際にカカオの種からチョコレートを作ってみて、実際の経験としてカカオを触ってみたいと思ったので、1回原料、種からチョコレートを作ってみるっていうのを行ってみました。
チョコレートの製造過程
今回使ったカカオの原料は種なんですけれども、ネットで購入しましたね。
買ったのは、チョコレートを主に扱っているダリケイさんというところで通販で購入ができるんですけれども、注文すると程なくしてカカオの種がネットでそのまま送られてきます。
このカカオの種というのはちょっと長細い種で、長さが2センチくらいで横幅1センチくらいの殻付きの状態で送られてくるんですけど、
これをまずフライパンで焙煎して、これを冷やしてから殻を剥いて、するとなんかチョコレート色の種の中身みたいなのが出てくるんですよね。
これを食べるだけでビターチョコレートみたいな味はするんですけれども、これをすり鉢で3時間くらいずっと湯煎しながら潰すっていう作業がありましたね。
この作業、本当にずっとすり鉢を温めながらゴリゴリするので腕がめちゃくちゃ疲れるんですけれども、ドロドロになった液体がすごいチョコレートっぽくてそれは感動しましたね。
これに砂糖を加えて固めて、冷蔵庫で冷やすとチョコレートが完成するんですけど、
感想としては本当に焙煎とすり潰しにめちゃくちゃ時間がかかって、1日仕事なのにかかわらずちょっとしかできないんだなっていうのが思ったところですね。
ただ、なんとなくイメージですけど、チョコレートと砂糖だけじゃなくて他のものも入れて固めているんじゃないかって思ったんですけれども、
本当に砂糖とカカオを混ぜただけでチョコレートになるっていうのはすごい驚きですよね。
この冷やしたら固まるっていうのは、カカオに含まれるココアバターっていう物質が低温になると固まる性質があるっていうことが原因ですね。
このココアバターというのは常温では固まっているんですけれども、25度ぐらいから急速に溶け始めて、32度、33度近辺でほぼ完全に溶けてしまうという性質があります。
なので、今回湯煎しながらずっとゴリゴリすり鉢でやると、溶けてチョコレートの液体になるっていうことですね。
こういう温度を高めると溶けるという性質によって、チョコを口の中に入れると口どけが良いというか、ゆっくりと溶け出して豊かな風味が広がるっていうことですね。
一方でカカオは高温の熱帯地方で作られているんですけれども、そこではココアバターは気温が高いのでほぼ固まらない、溶けてしまうっていうことです。
カカオの栽培方法
そのせいでカカオの原産国では、チョコレートを食べる文化っていうのはほぼ根付いていないらしいですね。
高温の原産国ではチョコレートは食べられないっていうのはなんとなく心苦しいところがありますね。
ちなみにカカオの原産地は南面のアマゾン川付近らしいんですけれども、この辺のカカオが世界に広がっていた経緯は、有名な古典ラジオのチョコレート編を聞くとすごいよくわかるので、そちらを聞いた方がわかりやすいかもしれないですが、概要欄にリンクを貼っているのでぜひ聞いてみてください。
今回この番組の中ではカカオの植物としての特性について少しお話ししたいと思うんですが、まずカカオの花についてですね。
カカオの花ってどんなものかっていうと、小さい黄色い花がたくさん咲くっていう感じで、1年で数千個レベルでたくさんの花が咲くみたいです。
ただ、2,3日以内に自粉しないとすぐ落ちるので、自粉して実際に実になるのは1%ぐらいっていうふうに言われています。
僕がこのカカオを調べていてすごい面白いなって思ったのは、カカオは他の植物と一緒に育てている文化があるっていうことですね。
というのも、カカオは強い直射日光を嫌うので、特に養牧のうちは他の背の高い木と混植して育てるっていうやり方で栽培されています。
つまりですね、大きな日陰を作れる木の下でカカオは育てるので、カカオの農園の中ではカカオの木を中心として森を作るアグリフォレストリーっていうような言い方をするみたいです。
具体的に言うと、最初カカオと一緒にバナナとかパッションフルーツ、胡椒など日陰になるような木をカカオと一緒に植えて、それがしばらくしたら枯れたりするんですけれども、それと一緒にカカオを大きく育てていくというような形です。
このカカオは日本の果樹栽培と全然違う性質だなと思ったんですけれども、なぜこういう農法をとっているかというと、
カカオは自分に昆虫が必要な中バイカなので、あんまり農薬は使えないみたいなんですよね。
そういう昆虫を繁栄させるためには、他の植物を間に植えておくと良いということがあるらしいです。
あとカカオは葉っぱや枝が落ちる量がすごい多いんですけれども、このアグロホリストリー農法であれば肥料がそんなに必要としないというのが日本と異なるポイントですね。
あと直接日光を嫌うという特性から、このアグロホリストリーという農法でカカオが栽培されているようです。
こんなカカオなんですけれども、日本でカカオが栽培できるのかというと、日本の気温はカカオにとってかなり低いので、
ココアバターが固まってしまうため、種子の発芽に必要な栄養として利用ができないので、一般的にはカカオは日本では栽培できません。
ただ植物園みたいな暖かい環境下では栽培が可能になると思いますし、実際今回カカオに興味を持って調べようと思ったのは植物園がきっかけでしたね。
植物園にはカカオ以外にも他に食べられる植物のコーナーとかがあるので、ぜひ植物園に行って自分が興味がある植物っていうのを見つけてみてはいかがでしょうか。
以上、草とか石とかのラジオカカオ編でした。お聞きいただきありがとうございます。
10:28

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