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2025-08-10 08:57

#24 「張り付く」は技術になる。コバンザメの吸盤とバイオミメティクス【草とか石とかのラジオ】

水族館でよく見かけるコバンザメ。吸盤で大きな魚にくっついて生きる不思議な魚です。その吸盤構造は水中ドローンなどの技術にも応用されつつあり、生物の仕組を真似する技術「バイオミメティクス」について深堀ります。


#草とか石とかのラジオ #自然 #水族館 #魚

サマリー

このエピソードでは、コバンザメの特徴や生活について、特にその吸盤の仕組みが詳しく説明されています。また、バイオミメティクスに関して、自然界の仕組みを模倣した新しい技術の開発についても言及されています。

コバンザメの特徴と生活
今回も始まりました草とか石とかのラジオ。このポッドキャストは、自然界で好きなもの、気になるものについて深掘っていく番組です。よろしくお願いします。
さて今回のテーマはコバンザメでございます。 皆さんコバンザメってどういう印象をお持ちでしょうか?
実際に実物生きている姿を見た方は少ないかもしれないですけれども、よく例え話として偉い人にこびへずらって追従して恩恵を受けるような人をコバンザメのような人っていうような感じで言うかもしれないですよね。
コバンザメの特徴としては、頭の方にコバンのような形の吸盤があってですね、それで大きな魚、サメとかウミガメとかのお腹にくっついて、なんかこう食べた餌の残りみたいなものをもらって生活しているっていうそういう特徴があります。
今回このコバンザメについて調べようと思った理由は、よく自分は水族館に行くんですけれども、なんかコバンザメよくいるから気になったってことですね。
というのも、大きな水槽がよく水族館にあると思うんですけれども、ジンベイザメとか大きな魚の腹の下にくっついて移動している時もありますし、なんか水槽の端っこに頭の吸盤でコバンザメがくっついてぶら下がっているパターンもあるんですよね。
自分であんまり泳いでいるパターンって見ないんですけれども、こういうコバンザメの生活を見てですね、コバンザメってどういう生活なのか、そもそもこの吸盤ってどうなってるんだろうかっていうことがすごい気になってきたので、今回コバンザメについて詳しく調べてみました。
まずコバンザメってどういう魚かっていう話をしますと、サメっていう名前がついているんですけど、サメの仲間では全然ないんですよね。
スズキモクの魚の仲間なんですけれども、特徴として頭に吸盤がついていて、他の魚が泳ぐ能力に助けてもらって自分も移動する形をとるので、自分で移動するのは得意ではないのかなと思います。
コバンザメのことを色々調べていく中で、アマミ大島のマグロの養殖場の近くにコバンザメたちがこの養殖場からゴミとして出てくる餌を求めてじっと寝っ転がっている画像っていうのを見ましたね。
本当に砂浜にじっと転がりながら餌をただ待っていて、なんか餌がいっぱい流れてくるのか、すごい丸々と太ってましたね。
このようにコバンザメというのは積極的に餌を取りに行くっていう感じじゃなくて、極力動かずにいかに効率よく餌を取っていくのかっていうのがコバンザメの生存戦略なのかなと思います。
こんなコバンザメですけれども、魚としてどんな味がするんだろうっていうことも気になってくるんですけれども、今回手に入れることは残念ながらできなかったんですね。
ただ、調べてみるとキロあたり2000円ぐらいで買えるので、めちゃくちゃ高い魚ではないのかなと思います。
その味の評判をいろいろ調べていると、割と綺麗な白身魚で、油の海苔も良くて旨味もあるし、割と美味しいっていう評価は多かったですね。
こんなコバンザメですけど、食用にわざわざ採取されるっていうことはほぼないんですけれども、見た目がよく似た仲間のスギっていう魚が食用魚で、結構有名で養殖もされているみたいですね。
主に沖縄とか暖かい海に住んでいて、沖縄の中では最も養殖されている魚の種類みたいですね。
これは味はカンパチみたいな味で、旨味も強くて刺身で美味しく食べれる魚っていうことで、評判がかなり良いみたいですね。
このスギはもともと温かい海に住んでいるので、最近地球温暖化言われていますけれども、そんな中でも養殖しやすい魚としてかなり注目が集まっているようです。
こんなコバンザメに近い仲間の話はさておき、コバンザメの吸盤の話に移ろうかと思います。
コバンザメは吸盤でどんな魚にくっついているかというと、サメとかウミガメとかに多いくっついていますけれども、中にはマンボウのエラの中に住んでいることも結構あるあるらしいですね。
ダイビングをしているダイバーにも別に餌をくれるわけではないのに、習性としてくっついてくることも多いようです。
こんなコバンザメの吸盤についてですが、頭のおでこのところにあるんですけれども、くっつく仕組みは吸盤に角壁と呼ばれるヒダヒダがありまして、そこが可動式で普段は後ろに倒れているんですね。
それが何かにくっつくときはこの角壁が垂直に立ってですね、周りの水の圧力より角壁の間の水圧を下げることでくっつくことができるっていう仕組みみたいですね。
バイオミメティクスの技術
この吸盤は結構吸着力があってなかなか剥がれないみたいで、Twitterではある人がコバンザメを鮮魚店かなんかで購入してですね、
家の中のいろんなところ、例えば扉とかに貼り付くよっていう様子を写真で上げている人もいましたね。
要は地上でもいろんなところに貼り付くほど吸盤の力は強いってことです。
ただこのコバンザメの吸盤の特徴としては構造上コバンザメの進行方向に引っ張ると上がりやすいっていうところがあります。
逆に雇主が高速のスピードで泳いでも、そっち向きには簡単には剥がれないようになっているそうです。
こんな吸着力は強いけれども、剥がそうと思ったらすぐ剥がせるよっていう、このコバンザメの便利な吸盤の仕組み、すごい面白いなって思うんですけれども、
この仕組みを真似した水中で使う吸盤というのが、今試験段階ですけれども研究開発されているようです。
どういった用途かというと、水中で撮影とかに使うドローンとかの固定用に吸盤が使えないかということが検討されているみたいです。
このように生物の体の仕組みを参照して新しい技術を開発することをバイオミメティクスと言うんですけれども、
今回改めて他の生物でどういうバイオミメティクスがあるのかっていうのを調べてみました。
例えばハチの巣の構造ですね。
六角形の構造、ハニーカム構造って言うんですけれども、これは軽いんですけどすごい強度が高いことで知られています。
この構造を真似した材料っていうのはいろんな建築物でも使われていますね。
あとはイルカの滑らかな形状とか動きを模倣した水着っていうのも開発されていて、それが水泳選手の速度の向上にもつながっているっていう例もありました。
今回いろいろ調べていくと他にも本当にいろんな事例があったんですけれども、
こういった生物の体の仕組みを詳しく見ていくと、人間の社会でも利用可能な技術として使えるものがもっといろいろあるのかもしれないなというふうに思いました。
今回コバンザメの吸盤について模倣されている例というのを紹介したんですけれども、
他にも生物の持つちょっとした特徴を真似した技術というのはたくさんあるので、
そういった視点で身近なものや生物を見てみるとまた見方が変わってくるんじゃないかと思います。
以上、草とか石とかのラジオコバンザメについてでした。 お聞きいただきありがとうございます。
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