コマイヌの魅力
はい、今回も始まりました。草とか石とかのラジオ。このポッドキャストは、自然界で好きなもの、気になるものについて深掘りしていく番組です。よろしくお願いします。
さて今回のテーマは、コマイヌと地衣類でございます。 まずコマイヌって、あの神社の鳥居とかの横に口を閉じているコマイヌと口を開けているシシで、
シシコマイヌっていう2ペアで置かれていることが多いですよね。 僕はこのコマイヌの形がすごい好きで、写真を撮ってコレクションしておく習慣があるんですけれども、
いろんなコマイヌの写真を見比べていると、置いてある場所や作られた年代によってその姿形というのがすごい変わっているんだなということがわかりますね。
コマイヌの歴史はすごい調べていて面白いんですけれども、全国コマイヌ図鑑というホームページを見ると、自分の近くの神社のコマイヌがどういう歴史でどういうタイプなのかということがわかってすごい面白いんですけれども、
いろんなコマイヌを比較して見てみると、このコマイヌの上にはいろんな生物がいるなっていうのを思うんですよね。
よくあるのはコマイヌが苔で覆われて苔むしているっていう場合が多いですね。
苔類っていうのはあんまり生育に土壌が必要なので、コマイヌの上って石だと思うんですけれども、そういう上でも生活ができるんだなって思うんですが、
苔以外にもカサブタ状の付着物の生物みたいなものがあって、それが黄色とかオレンジとか灰色とか、この生物によっていろんな色模様ができていることがわかりますね。
この生物一体何なのかっていうことをよくよく調べてみると、これが苔類っていう生物だったんですよね。
これでこの僕が好きなコマイヌをカラフルにしているこの苔類っていう生物は一体どういう生き物なんだろうっていうことに興味を持ったので、今回この苔類という生物について深掘りしてみようと思います。
まず苔類って一体何なのかっていうと、菌類の仲間ですね。
ただこの苔類の特徴としては、菌類なんだけれども、藻類、いわゆるシアノバクテリアとか、交互性ができる生物と永続的な共生関係を築いているっていうのが特徴になります。
要は、苔類の中の菌類は菌類に水や無機物を提供していて、逆に藻類からは交互性で得られた栄養分を得ているっていう、そういう共生関係にありますね。
そんな苔類の形っていうのは笠蓋状の付着物のようなものもありますし、苔のような形を作っている場合もあります。
また名前が○○苔みたいな名前がついているので、名前も苔と似ているんですけれども、苔とは全く別物の生物ですね。
苔類の体を薄くスライスして顕微鏡で観察すると、菌類と藻類の細胞から構成されていることがわかるので、苔類とは全然違う生物なんだなということがわかるかと思います。
こんな苔類なんですけれども、特徴としては他の生物が生存できないような厳しい環境下でも生活できるってことですね。
いろんな種類があるんですけれども、すごい寒い南極圏北極圏でも生きるものもありますし、乾燥低温強風などにさらされるアンディス山地みたいな鉱山にも苔類は結構いろんな種類がいまして、
何年も雨が降らないような砂漠にも苔類が育っているのが見つかっています。
環境と苔類の関係
こういった環境で苔類が生活できるのは、苔類がもともと乾燥とか低温・高温に耐える能力が高いっていうことと、
あとそういう厳しい環境下に置かれると、補給を減らすことでエネルギーの消費を抑えたまま何年も耐えて生き残ることができる能力があっている。
そういうこともあります。
こんな環境耐性が強い苔類なんですけれども、種類によっては耐強性に非常に弱いということでも知られていて、
例えば、苔類の代表的な種類のウメノキゴケ類っていう種類があるんですけれども、
これは耐気汚染に弱くて、二酸化窒素による耐気汚染によってその地域で生育が衰退するっていうことがわかっているんですよね。
このように苔類っていうのは、耐気汚染の移り変わりを反映する環境指標生物としても利用されていて、
苔類を見ていくとその地域の環境っていうのがわかってくるかと思います。
そういう視点でこれまで撮ったコマ犬の写真の上の苔類というのを見ていると、
なんとなく場所によってコマ犬の上についている苔類っていうのは種類が変わっているなって思うんですよね。
例えば海の近くであったり、川とか滝がある水の近くだと苔類が生えやすいっていう印象があります。
あとよくコマ犬の上に生えている白から緑色の苔類は梅の木苔類なのかなとか図鑑で見て思ったりしますけれども、
一方で海岸の近くにいるコマ犬は明らかについている種類が違っていて、
なんか黄色とかオレンジの苔類が生えていることが多かったですね。
いろいろ調べていると海岸性苔類っていう海岸沿いに生えている苔類がいるんですけれども、
今回もそういった仲間なのかなと思います。
ただパッと見明らかに種類が違うなと思っていても、この苔類の種類っていうのはかなり童貞が難しいんですよね。
というのも苔類は顕微鏡でじっくり観察したりとか、苔類の化学成分を抽出して童貞していくっていう流れになるので、
今回苔類の図鑑をいろいろ眺めてはみたんですけれども、これはこの仲間だってパッと見てわかるのは難しい印象がありました。
ただですね、今回苔類の図鑑をいろいろ見て思ったのは、苔類は本当にいろんなところに生えていて、
それは川にかかっている橋の手すりのところであったりとか、建物の下のコンクリートの基礎部分に生えていることもありますし、本当にいろんなところにいましたね。
苔類は光を必要とするので、石垣とかコンクリートとか屋根の瓦とか、光があるところであればいろんなところに生育できるのかなと思います。
ただ苔類は年間の成長速度が非常に遅くて、年間3ミリぐらいしか増えないらしいですね。
なので移動の激しい石であったりとか、成長の速い草とか竹の表面とか、水の上とかには生育することができないんですよね。
一方で狛犬について見てみると、狛犬は年間ずっとほぼほぼ動かされないので、苔類が生育しやすいですし、動かない古い建造物の多くには苔類が多く生えていることが多いのかなと思います。
こんな我々の身近なところにいる苔類ですけれども、種類がわからなくてもこれは苔じゃなくて苔類だっていうことがわかってみると、ちょっと世の中が変わってみえて面白いんですよね。
今回は狛犬を通じて苔類について勉強したんですけれども、外路樹にも結構苔類がついていることが多いんですよね。
その中で、木によってついている苔類は結構異なるんですけれども、例えばウメノキゴケっていうゴケはサクラやマツについていることが多いですし、ムカデゴケっていう苔類はカエデとかポプラ、ヤナギについていることが多いそうです。
こういった違いがなぜ出てくるかというと、苔類が生育しやすいペハっていうのが異なっているので、異なる木には異なる苔類が生えるっていうことみたいなんですけれども、このような視点で見てみると、街中の生物の見え方が変わってくるんじゃないかなと思います。
今回参考にしたのは、街中の苔類ハンドブックっていう図鑑ですね。これを見ると、この模様が苔類だったんだっていうことがよくわかるので、ぜひこういった図鑑を見て、街中を注意して、苔類を探してみてはいかがでしょうか。
以上、草とか石とかのラジオ、狛犬と苔類についてでした。お聞きいただきありがとうございます。