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大人のための音感トレーニング本を、朗読していきます。
絶対音感との違い、絶対音感と絶対音程感、絶対音感との違いが、いまいちピンとこないという人のために、両者を説明しましょう。
絶対音感で、どの音から上のラの音を歌う場合、音の高さを記憶しているので、突然ラの音へ移動していきます。
これは掛け算区で答えを導き出すのと同じです。
計算するプロセスが必要ないので、瞬間移動のように目的の音や答えにワープしているわけです。
すべての音の高さを暗記しているということですね。
これに対して絶対音程感は、そのプロセスである音程を利用して目的に達する能力です。
音程とは音と音の距離のことですから、測量子のように様々なものを指し、音感を使って音の関係性を測ります。
ドからラへの正確な距離を知っているので、ドがわかればラまで簡単に正確に移動できます。
音程を正確に記憶するためには様々なコツがあるわけですが、
この能力は学習年齢に制限がありません。
それどころか、後で触れるように様々な曲を知っている大人の方が有利なのです。
こうした展開を見ると、音痴な人はドからラへの音程距離というものに一切気にせず、
エイとドにでもなればわかり、無謀なジャンプを繰り返している人といいます。
目を瞑ってビルからビルへジャンプして渡れあがるようなものです。
結果どうなるかは明白でしょう。
ところが音痴な人と違って歌の上手い人というのは、ビルとビルの間を飛び渡る集中力を持っていて音をジャンプしているのです。
両者の間では心調差が違います。
このことから音痴だと言われている人でも、ジャンプスペックよりも少し引き滑らせれば、ある程度その場で改善できたりします。
絶対音感と絶対音程感、絶対音程感と相対音感、相対音感を比較してみましょう。
コードは音の中に対する相対音感をハーモニー感覚、和製感覚と言います。
相対音感は相対という言葉にも表されているように、自分の音を決定するために何か他の比較すべき対象がないといけないわけです。
目的地点を示すのに、あのデパートの斜め向かいの建物ですという説明のように、デパートがわからなくてはならないわけです。
デパートの位置に言うならば依存しているような能力です。
話を音楽に戻すと、伴奏の音や他人との音の関わりの中で自分の位置を決めていることになります。
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ということは、周りの伴奏が突然変化した場合には対応できません。自分もつられてしまうからです。
その時々の伴奏には作用されません。
絶対音感も絶対音程も周りに作用されないのではなく、周りの音を相対のように聞いていないのです。
だからこそ絶対の人には様々なアレンジの伴奏にも作用され、自分の音程を維持することができるのです。
一流の歌手たちは絶対音感を持っていないにも関わらず、
頼るべき伴奏がない無伴奏の場合でも、チャレンジングなアレンジの伴奏の場合でも平然と対応できる音感能力を持っています。
こうした点から私はこの音感を絶対音程感と名付けているわけです。
デパートしかわからない人、相対音感にはデパートの有効という説明は有効ですが、
その建物の場所を幼い頃からすでに生き慣れていて、その場所をよく記憶している人、自分の家を記憶している感じです。
絶対音感にはデパートを使った説明は不要です。
どちらか一つの説明で済むわけです。
このように絶対音感と相対音感は同時に二つを所有することができないと一般には言われています。
ところが本書で扱う絶対音程感は相対音感とも保存できる能力です。
ここから南北の方向へ1258メートルいくデパートがあるので、その正面から期待52キロのところに建物があるという説明ができるようなものです。
絶対音程感と相対音感の両者とも年齢に関係なくトレーニングを積めば積むほど能力は磨かれていきます。
本書では絶対音程感をスキャットを利用して磨き音程を記憶します。
自分の中に正確な物差しをたくさん用意するのです。
それから移動度省法へと応用し実際の曲でも音感を発揮できるようにしていきます。
固定度省法固定Cとして楽器装置の指向法として活用していきます。固定度省法は楽器装置の指向法として活用していきます。
ちなみに絶対音感は幼児期の内科にしか身につかないと言えますが、一音だけなら一時的とも記憶できるようになります。
毎日AでもC音でもいいので、そうした音差を携帯し時々鳴らして聴いたりすれば3ヶ月程度で一音記憶できるようになります。
ただし永久的なものではないので記憶した音を解きこれをチェックすることは必要です。
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A音だけでも記憶すればギターならのチューニングは大変便利だと思います。
本書のフロックのCDトラック名はA音を当てるクイズとなっています。
カウントが終わるとA音が再生されます。
自分でイメージしたA音とCDの音が同じになるようにぜひ練習してチャレンジしてみてください。