春のぽんまつりの開催
はい、シェアする落語の四家です。3月29日土曜日、
深川東京モダン館の圓橘の会から移動しまして、平井、ひらい円蔵亭で行われました『春のぽんまつり』、三遊亭ぽん太さんの会ですね。
珍品だらけ、ま、今回はですね、珍品をやるという風に最初から宣言して、始められた会でございます。
ま、前説っぽくですね、立ちで、まくらのようなトークのようなのがあったんですが、ぽん太さんがですね、この『春のぽんまつり』というのは始めたのは、コロナ中にネタをどんどん増やしたんだけども、
その後かける場所がなくて、ネタをどんどん増やす中で、割とその珍品というか、珍品というのは、ま、要はあんまりその、公演されることのない落語ということになりますが、
なんでそういうものが生まれるかというと、基本的には面白くないからだと、いうことですね。またその、どこでやっていいのかがちょっとわからないみたいな、そういう落語もあったりします。
で、そういうのをですね、こうバーンと広げてみようということで、このぽんまつりがあって、ま、2、3年ぶりの開催なのかな、その、ぽんまつりで今回は珍品をやりますというふうに宣言して、開催されたわけですね。
で、最近のですね、エピソードなんかも、立ちのトークでお話をされた後、落語に入ります。
一度、下がってまた出てきて、1席目、あれ?と思いましたね。僕もすごく好きな噺なんですけど、1回しか、あの人でしか聴いたことがないという話だったんで、おー、と思ってました。
『地蔵の散髪』という話ですね。これはですね、ま、後であのぽん太さんご本人もおっしゃってましたが、たぶんね、笑福亭べ瓶さんしかやってない。で、非常に下品で、下品だけどゲラゲラを安心して笑える「僕の好きな下品」の笑いですね。
ま、たまいもない話なんですけども、とにかく痛そう。一言で言うと痛そうな感じですね。やっぱりそのべ瓶さんのサービス精神たっぷりの、上方落語に比べると、100%江戸落語のぽん太さんの語り口だと、笑いの量でいくとね、どうしてもね、べ瓶さんの方が強いと思いますけども、多少さっぱりめながらやっぱり爆笑できる話として、
これは珍品というかなんかね、普通に両国亭とかでやっていいんじゃないかなというふうに思いました。2席目はですね、これもおーって思いました。一門の方は、結構やられてるみたいなんですけども、僕は、おそらくぽん太さんが教わった三遊亭好楽師匠で、聴いたことがあります。
『胡椒のくやみ』という噺ですね。ぽん太さんは割とそういうところがあるんですけど、ここはオーバーアクトでいいと、ここは臭くていいっていうふうに出てくるときにね、バーンと前に出てくる。
まあ、『胡椒のくやみ』ですから、胡椒というのは落語でどういう機能を果たすかというと、ほぼ100%くしゃみをするためですね。そのくしゃみをするシーンにおいて、もうくしゃみがね、でかいの。非常にそのくしゃみのでかさが良かったですね。くしゃみだけではなくて、こう、胡椒が辛くてたまらないというような「水くれ水くれ」みたいなあたりがですね。
もう、素朴にですね、ゲラゲラ面白かったです。で、ここで仲入りが入りまして、3席目がですね、これはやってる人がほぼいないんじゃないかというふうに、ぽん太さんはおっしゃってましたが、なんかね、不思議な話です。『おさん茂兵衛』。
まあ、だいたいこう、女性の名前が出てきて、男性の名前が出てくると、まあそうね、あのー、恋愛というか、心中だったりとかですね。まあそういうですね、話なんですよ。なんかでもしっかりした話なんです。なんかちょっと圓朝ものっぽくもあるし、ただまあ落語なので、まあそこはぽん太さんがちょっと変えたところかなと思います。
ここはぽん太さんがちょっと変えたところかもしれませんけども、あの、何の解決もしないっていうあたりがね、すごくいいんですよね。まあ、ちらっとだけ筋を紹介しておくと、茂兵衛というのは、仲町、今の門前仲町の、呉服問屋の、手代ですね。事業員です。
で、三重堂のお金を持って、桐生の方に、まあ商用に出かけるんですけども、上尾で、見かけた、めちゃくちゃいい女に惚れ込んで、その、町の親分さん、上尾の親分さんにお願いをして「ちょっとでいいから、お話をさせていただくわけいかないでしょうか」あの女の人と。
というようなことをですね、お願いするんですが、その親分さんの子分の奥さんなんですね、その人が。
いや、そんなことは金もらってもできないよって言うんですけど、そうすると、茂兵衛は、まあ、ある行動に出て、みんなびっくりしちゃって、じゃあとりあえず、あいつは金に困ってるから、おさんの夫の金兵衛といういい加減な男は金に困ってるから、ちょっと話をするだけしてみようかということがあってという、まあ、そういう話なんですね。
まあ、やってることめちゃくちゃなんですけども、まあ、ボーイミーツガールと言いますか、そっから始まるストーリー。まあストーリーもね、今の目線で見たら、まあ、ストーリーとしても、どうなのこれって感じがあるんですけども。まあとにかく、ぽん太さんがこの手の話での語り口、もう地の語りといい、親分の貫禄といい、このね、女の人もまたね、ちょっと面白い感じの女の人なんですよね。
うーん、ちょっとね、なんていうのかな、発波的が強い、うーん、この感じというか、まあ、一人一人のやつ、やっぱり登場人物が綺麗に描き分けられてるのは、まあ、この手の話を得意とする人はみんなそうなんですけども、まあ、ある意味でその三遊亭の実力が出る噺なのかなと。振り返ってみると、なんかストーリー的にはどうなのっていうものがいっぱいありながら、
滑稽噺の演技と感想
聴いてる間はワクワクと楽しいというあたりが、いかにも落語だなというふうに思いました。で、ここでもう1回仲入りが入りまして、この後の2席については喋っていいのかどうかがちょっとわかんなくて、、ぽん太さんがあるところに出るので、ちょっとここは試したいというところで、本当にまあ、公開稽古みたいな感じですね。
で、1席目はまあ有名な滑稽噺です。有名な滑稽噺なんですが、あるところに出るために15分にまとめていて、15分でまとめると結構綺麗だなっていうか、綺麗というか、収まりがいいなっていうふうに思いました。
うん、好きな噺だし、僕がこの話の中ですごく好きなセリフ、「もとい!」っていうのがあるんですけども、そこがね、よくできてまして、いいなと。僕はこの話はぽん太さんのこの口演はすごい好きでした。
2席目が上方落語の中でも僕がもうベスト3ぐらいに好きな落語ですね。生で聴いたのは今回初めてです。確か桂福團治師匠のNHKの日本の話芸ですか、あれで聴かせていただいて、すっごい感動したのを覚えてるんですね。
なので東京でやる人はすごく少ない話です。やっぱり上方を東京、江戸に置き換えて、置き換え方もちょっと工夫があるんですけども、やっぱりこの話は上方の方がいいかな。
お金持ちの遊びの話なので、お金持ちっぽさがどうしても上方の豪商、すごい商人の匂いがするんですよ。そこを江戸落語的な語り口でやっちゃった時にちょっとパワーダウンするなという感じがしました。
これはあくまで個人的な感覚の感じですけどもね。ただやっぱりこの話はすごくよくできているので、そこをぽん太さんみたいに上手い人が15分でピタッとまとめると、これもまた収まりが良くて、非常に戦力になるなというふうに思いました。
とあるところに出るための話ではあるんですが、なんていうのかな。僕はもうこういうのも様子見て、両国寄席とか亀戸梅屋敷とかでかけちゃっていいんじゃないかなというふうに思いますけどもね。
ネタがつくとかも特にそんなに気にするような話でもないかなというふうに思いました。
やっぱりかける場所が少ないと思うので、かけていくうちに江戸版のこの噺っていうのが出来上がってくる可能性もあるかななんてことを考えました。
以上ですね。たっぷり楽しむことができた春のぽんまつり。この日はとても寒かったんですけども、とてもいい気分になれました。
ということで、シェアする落語の四家でした。ではまた。