古典回しの始まり
はい、シェアする落語の四家です。1月18日日曜日、西尾菊房一挙庵におきまして、第116回古典回し。
いやー、この回も116回なんですね。前何度か来てね、すごい良いなと思ってたんですけど、しばらくね、行かなくて。
で、今回寸下なんで久しぶりに来てみたら116回です。大したもんですね。素晴らしい。
で、今回はですね、立川須志さんと桂久之一さんということなんですね。
久之一さんがですね、この長い歴史を持つ古典回しに初めて上方落語家として登場すると、すごいですね。
桂久之一さん、去年おととし2年連続でNHK新人落語大賞決勝に進出してテレビに出たと、私ももちろん見ています。
率直な感想は、1年間でこんなに上手くなったんだっていう感じですね。まだまだお若いんですよ。
そしてね、今ね、東京大阪2拠点で活動されているということで、素敵ですね。こういう方が出てくるっていうのがまたいいですよね。
オープニングではですね、仕切り上手の須志さんが久之一さんの面白いところをピシピシと引き出すトークを展開されまして、
そこからですね、今回は須志さんがこの回の卒業講演ということで、取りを取るということで、
1423ですね、ABBAの方式ということで、須志さんが開口一番と取り、久之一さんが長襟前と食いつきというような、そういう順番になりまして、
開口一番が須志さん。まくらも面白かったと思うんですけど、あんまり記憶がなくて、そこから入っていったね、片棒がね、見事でしたね。
1席目から片棒なんてやって尺足りるのかなと思ったらね、斬新な工夫がありました。
3兄弟が1人になりました。これはね、ちょっといいね。
もちろん片棒ってめちゃくちゃ面白い話なんで、フルバージョンで聴きたいんですけど、フルバージョンって結構長いんですよね。
長くても飽きないと言えば飽きないんですけども、そんなに長い時間やれないことが多いですから。
そこをどうするかというところで、3人が、もうトム・ブラウンですね。合体してしまったというところで、
これがね、やっぱり須志さんですよね。綺麗に上手い具合にまとめて合体させてるんで、
元々の片棒を持っている爆笑をね、誘う面白さっていうのを損なわずに、結構短い時間でピタッとまとめていて、すごい良かったです。
その須志という名前にすごい憧れを持っているという、このやっぱり東京は行きだっていう風におっしゃってたのが、
桂久之内さんなんですが、そんなまくらを振った後に、上方では珍しい恋愛のお話ですと言って始めたのがですね、
あれ、これはどういう話なんだろうなぁ。上方だから知らない話も結構あるよなぁと思って聴いていたらですね、
気もつぶしいでしたね。こういう話にやっぱり挑んでいくっていうのがね、二つ目の時代の良いところで。
ぶっちゃけね、今の人の共感をそんなに呼ぶ話じゃないんですよ。前半はともかくね、前半はこういう物語なんですけども、
香盤は殺人未遂、身内殺人未遂なので、その動機も現代人には理解しにくいところなので。
だけどね、そういうことを、現代人バイアスみたいなものを乗り越えてスッと心に入ってくる。
なんかその気持ちが話と繋がってしまうというところは、やっぱりその久野石さんがしっかりこの話の真を捉えてやってるからだと思うんですよ。
だからまあ非常に二つ目、良い二つ目らしい、今満足させてくれて、この先この人はこの話をどうやっていくんだろうなーっていうね、
そういう期待感が保てる非常に良い話でした。で、ここで仲入りが入って、今度もまた活躍の石さんですね。
落語の深さ
もうここはね、やっぱスタンダードランバーで行きますよ。実にね、スタンダードランバーでかつ非常に面白い時うどんです。
時うどんはね、もともとめちゃめちゃ面白い話なんで、普通にやっても面白いんですけど、だからこそその中にどういう個性をちょっと入れていくのかいかないのかっていうところがね、
それぞれの演者の腕の見せどころなんですけど、やっぱり久野石さんらしい、ふわっと自分らしさを入れていくっていうあたりがですね、非常に良かったです。
満足しました。ここを軽く綺麗にまとめてくれたんで、最後の寸志さんはじっくりやれるということで、寸志さんの得意ネタの一つ、僕も寸志さんのこの話は大好き。
井戸の茶碗ですね。どうしてもこの井戸の茶碗っていうのが良い話として捉えられちゃってるというところがあって、良い話の部分もあるんですけども、やっぱり僕はこの話の本質は落語なのでね。
落語っていうのはやっぱり人間のダメな部分を描く話ですから、侍2人ともダメなんですよ、この人たち。だって自分の名を取る、自分の名誉というものを第一に考える侍、その生き方は尊重されるべきだし、美しいところもあるわけですけど、
なんでそれを1回の商人に任せるのっていうところがね、いかにもダメ。気取ってでもダメ。それが落語っぽいという話をね、僕は1回書いたことがありますけども、そのダメな部分っていうのをね、寸志さんはそのセリフのスパッスパッとね、短いところで入れていくし、
ちょっとね、侍に対して商人が歯向かうところもあるし、正直性別って言ってないですからね、いうあたりがすごくよく描けている。この話をちゃんと落語として捉えているっていうところが僕は大好きなんですね。
ちゃんとこの話をちゃんと落語として捉えているってどういうことだかっていうと、もともとこれ講談なんですよ。今浪曲でもやられてますけども、講談はやっぱりヒーローのストーリーなんですよね。そしてここがすごい重要なんですけど、講談の中では性別な言ったり来たりってないんですよ。侍同士が対決するんですよ。
それがそのヒーローとしての侍のストーリーなわけですよね。その辺が落語との違いなのであって、落語らしさっていうものを前面に出していく色んなやり方あるんですけども、僕はこの寸志さんのやり方がすごく好きですね。
久しぶりに聴いて非常に楽しみました。古典回しというこの回、結局二ツ目なんでしょうね。二ツ目の古典の回ということなんだと思うんですけども、主だったメンバーがどんどんどんどん真打に昇進していくので、ここから入ってくるメンバーがどうなっていくのかっていうね。寸志さんが今回最後ということらしいので。
ここで一人は桂久之内さんが入ったわけですよ。上方カラーを初ということで。今後どういう人が入ってくるのかっていうところがまた楽しみですね。僕はなんとなくなんですけども、三遊亭花錦さんをしときたいと思います。
ということで、非常に楽しい回でした。シェアする落語の四家でした。ではまた。