2025-03-21 35:54

#89 なぜデザイン案件は炎上しやすいのか?

アジェンダ:・デザイン案件が炎上する主な原因・炎上を防ぐための解決策・デザイナーとクライアントの最適な関係性💌 ご意見箱エピソードの感想やご質問、リクエスト等はこちらの⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ご意見箱⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠へお寄せください。📚 弊社オリジナルコンテンツbtrax初の書籍⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠『発想から実践まで デザインの思考法図鑑』⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠Amazonと全国書店にて好評発売中!🎙 出演者Brandon Hill (CEO & Founder, btrax) ⁠⁠⁠⁠⁠X⁠⁠⁠⁠⁠

Ryuichi Sakurai (Workshop assistant & Marketing intern, btrax) ⁠⁠⁠⁠⁠⁠LinkedIn

🏢 会社概要btraxは "We design the future by bridging the gaps." がビジョンのデザイン会社です。これまで日本、アメリカなど諸外国を含め300社を超える企業様に向けてUXデザインを軸に最適なユーザー体験を生み出し新たな価値の創出に貢献してきました。詳しくは弊社⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ホームページ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠をご覧ください。最後までご視聴頂きありがとうございました!今後ともデザインに関するお役立ち情報を配信していきますので、是非チャンネルフォローよろしくお願いします。

サマリー

デザイン案件が炎上しやすい理由について深く考察されています。マネジメントの課題やコミュニケーションの問題から生じるスコープクリープなど、さまざまな原因が指摘され、デザインの特性に起因する難しさが浮き彫りになります。デザイン案件が炎上しやすい原因として、クライアントとデザイナー間の主観的な意見の対立、ロジックの難しさ、階層構造による意思決定の不透明さが挙げられています。特に、日本企業では最終決定者とフィードバックを行う担当者が異なるケースが多く、コミュニケーションのギャップが問題を深刻化させる要因となっています。また、クライアントとの関係性や部長クラスの影響も、デザイン案件が炎上しやすい理由として挙げられます。解決策としては、コラボレーションを促進するワークショップの重要性とプロジェクトの進め方の見直しが議論されています。デザイン案件は国籍を問わず炎上しやすく、その原因には承認プロセスやクライアントの介入が関与しています。解決策として、ワークショップや決裁者を巻き込むことが重要であるとまとめられています。

デザイン案件の課題
サンフランシスコ・デザイントーク、この番組は、サンフランシスコと東京に拠点を置くデザイン会社、BTRAXのCEO、Brandonと、デザイナーの彩香が、日本で働くデザイナーや、デザインをビジネスに取り入れたい方向けに、様々なトピックについて深く話します。
はい、サンフランシスコ・デザイントーク、本日も始めていきたいと思います。MCを務めます、今回初登場のリュウチです。よろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
本日のテーマは、なぜデザイン案件は炎上しがちなのか、というテーマで。
そうね、これは結構、僕としては、ずっと温めてたトピックで。
温めてたんですか。
今まで、デザインの仕事をずっとやってきて、案件もたくさんやってきた中で、デザイナーの方、聞いてる方だったら実感あると思うんですけど、炎上する案件の方が多いぐらいなんですね。
あ、そうなんですか。
予定通りにいかないケースの方がほとんどで、めちゃくちゃスムーズに、何の問題もなく、みんながハッピーで終わることの方が実は少ないんで、それはどうしてかっていう話をできれば。
その原因と対策、我々なりにたどり着いた対策とかも話せればなと思います。
いろいろ乗り越えてきたってことですね。
乗り越えてくる。
新しい案件が入ると、また炎上する可能性があるって感じなんですけど。
そういう話ができればと思います。
よろしくお願いいたします。
まず、平和に終わる案件が少ないってことで、どんな原因が今までのご経験であるのかなっていうのを。
そもそも、じゃあどういうことになりがちなのかっていう、その炎上の定義からした方がいいなと思うんですけど。
まず、一番ケースとして多いのが、提案時とか見積もり時に想定していた期間およびそこにかかるリソースの費用通りに終わることが少ないってことですね。
プロジェクトって基本的に最初に見積もり出して、それをクライアントさんが承認して、その範囲内で始めるんですけど。
その見積もり金額内に収まるようにするっていうのが、結構至難の技でして。
結論としては、出した見積もりより全然時間かかっちゃったとか、コストかかっちゃったっていうことの方が多いし、
逆に言うと、固定費用で見積もること自体が実は非現実的な業界なんですね。
始めてみないとどのくらい時間かかるかわからない。
クライアントさん的に、いくらかかるかわかんないんで、とりあえずやってみましょうかっていう案件をOKすることはほとんどないじゃないですか。
一般的に考えて、買い物とかした時に商品手に取った時に値段書いてなくて、レジに行った時に値段が決まりますって。怖くて買えないから。
とりあえず金額は出さなきゃいけないし、クライアントさんも予算っていうものがあるから、その予算内で仕事をしてもらわないと困るよっていう。
そういうのが一般的な企業であればどこでもそうなると思うんですね。
ただ、プロジェクトの性質上コントロールがしにくいところが出てくるので、じゃあ1ヶ月かかると思ってたら結論3ヶ月かかりたっていうこともありましたし、
スコープクリープの影響
じゃあ3ヶ月かかったんで3倍くださいって言ったらふざけんなって言われる。
それが基幹的な話が一つ。
もう一つが、じゃあプロジェクト終わりましたと。
デザイン系の仕事だと作ったものが何らかの形で世の中に出るわけじゃないですか。
それがウェブサイトかもしれないし、製品かもしれないし、もしかしたらマーケティングキャンペーンかもしれないですけど。
クライアントさんとしてみればお金払ったから、それが世の中に出たときに何かしらポジティブな結果が生まれることを期待するんだけど、
思ったより良い結果が出ないということで、何かしらどうなってんだっていうことで揉めがちっていう結果的なことね。
3つ目がこれはすごいざっくりしてるんですけど、プロジェクトやってる最中に何らかの形でお客さんと揉めるってことですね。
関係がギクシャクするとか、一緒に同じものを作ろうとしてる割には敵対関係になっちゃうっていうか、そういうのも頻発します。
これは今やった3つって、僕の経験上国とか文化とか人種関係ないですね。
関係ないんですか?
関係ないです。うちの会社は日本の会社さんの仕事もさせていただいてますし、それ以外の国、アメリカとか、
国に言うと他のオーストラリアの企業と仕事したり、ヨーロッパの企業と仕事したり、はたまた中東とかアジアの他の国とかもあるんですけど、
どこの国のどの仕事をしたところでこれにはまるケースはパターンとしては一緒。
なので、よく言われる日本の企業はなかなかお客様神様理論で難しいとか言われますけど、
実は国文化関係ないです。
なるほど。
一旦炎上とはってことですね。
僕のイメージ、僕はアメリカに留学して今サンフランシスコにいるんですけど、
アメリカではプロジェクトマネジメントって講義があるって、
そこではすごいスコープ、何をやるやらないっていうのをしっかり明確にしましょうみたいな、
プロジェクトチャーターっていって、プロジェクトの内容をしっかりと記したものを作ってやりましょうみたいな、
そういうのがすごく行き届いてるなって感じがしたんですけど、
それがあっても別に変わらない。
アメリカでもスコープが外れたことを求められたり炎上しがちだったりするんですか?
それまさに専門の単語があるんですよ。
スコープクリープって言うんですけど、
英語でコミュニケーションしてるときにスコープクリープが発生してるとか言い方するんですけど、
スコープっていうのは範囲じゃないですか、
クリープっていうのは嫌なやつっていう意味なんですけど、
スコープで決められた以外のことをお客さんが求め始めたみたいな、
よくあるケースなんですね。
例えばロゴのデザインをする案件があったときに、
最初プロジェクトマネジメントでディファインしていくじゃないですか、
まず3種類見せますと、
そこから3ラウンド経て、
バリエーション見ていただいて、フィードバックいただいて、
改善してを2回やる、3回やるって決めて、
ファイナルしましょう。
これこの通りに終わることってほとんどなくて、
どういうことになるかっていうと、
いい感じのデザインなんだけど、
もう少し他のバリエーションを見てみたいとか、
最終的にこれにしましょうって決まるはずが、
いいんだけどもう少しここの部分、
もうちょっとこうできないかっていうことで、
どんどんリクエストが入ってきてしまう。
プロジェクトマネジメント側からすると、
最初決めたときにバリエーションとラウンド数決めたじゃないですか、
これで終わりなはずじゃないですかって言ったときに、
それはそうなんだけどって言って、
クラウドさんもその中で収めるべきじゃない理由を並べてくるんですね。
一番よくあるのが、
あなたたちのデザインスキルがもっと高ければ決めれたんだけど、
出してきたものがお粗末なので、
もっと出してもらわないと困りますって考え方。
でもデザイナーとしてみれば、
いや想定した時間とリソース使ってるんで、
これ以上やるとコストかかるんですよって言って、
そこでお仕引きが発生するわけじゃないですか。
もうお客さんと揉み始めてるんです。
これをプッシュバックって言うんだけど、
無理ですって言ったときに、
人間だからやっぱり機嫌悪くなるじゃないですか。
否定されるから。
この行ったり来たりを続けてるうちに、
すごい嫌悪なムートになる。
お前とはもう仕事しねえっていう感じになったりとか、
お金払ってるんだからやってよっていう話になったりとかして、
で、もう大変ギスギスしてくるんですよ。
っていうことが、
理論的にはスコープ決めるんだけど、
現実的にはスコープクリープが多発します。
専門職としてのデザイン
そうなんですね。
でも依頼する側からしたら、
外部のビートラックスみたいな会社を頼らないと、
実現できないことをやろうとしてるから、
頼んでるってことなんですよね。
そうなんです。
ここから炎上しがちな原因編に行きたいんですけど、
まさに自分たちでできないから、
専門家にお願いしてるっていう、
そういう仕事じゃないですか。
これって、業界でいうとそうだな、
弁護士さんとか、
税理士さんとか、
あたまたお医者さん、
例えば外科医さんとか脳外科さんとか、
そういったものに近い、
専門職なんですよ、デザイナーっていうのはね。
デザイン会社デザイナーっていうのは。
なので、自分では作り出すことが難しいから、
デザイン会社さんにお願いする。
もしくは何かしらの課題があって、
デザイン的視点から解決してほしいから、
お願いするっていうことは、
専門家に頼むってことは一緒なんですけど、
弁護士さんとか、
税理士さんとか、
お医者さんと大きく違うところがあって、
デザイン業界、デザイナーの仕事っていうのは。
これが非常に厄介なんですけど、
目に見えるものを作ることが多いので、
お客さんが口出ししやすいんですよね。
さっき言ったロゴの件、
例で言うと、
なかなかいいけどもう一息とかっていう理由は、
目で見えちゃってて、
そこに対しての感想を言いやすいってことなんですね。
これが弁護士さんが作った契約書とか、
法的な書類とかだった場合に、
それを見て、
素人であるクライアントさんが、
この内容いまいちだからもうちょっと書き換えてっていう方が難しいじゃないですか。
分かんないから、
一般的な表現として、
もうちょっとこういう条件とか入れられますか?入ってますか?って聞いて、
大丈夫です、入ってますよ。
言葉はややこしいですけど、
ちゃんとそこをカバーされて、
じゃあそれでいいですって終わるんだけど、
デザインは、
主観的な意見の対立
ここは青い色なんだけど、
もうちょっと薄めにしてとかっていうのは、
専門的な能力がなくてもできちゃうので、
方やデザイナーは、
いやいやこの青は濃い方がいいんですよって言っても、
いやいや私は薄い方が欲しいって言ってるんだから、
なんでやってくんないの?っていう風に揉めるっていう。
まず口出しがしやすいっていうことですね。
もう一つが、
今度じゃあ、
税理士さんみたいな、
会計士さんとか税理士さんとか、
数字を扱う仕事と比べると、
数字って超ロジカルだから、
1たるつ1は2っていうのは固定じゃないです。
税理士さんだったら、
税金に関係することをやると思うんですけれども、
売上引く経費イコール利益みたいな、
すごい単純に言うと、
そういう計算ができて、
そこに何パーセントの税金がかかるんで、
この利益をなるべく減らすような計算にしましょうか、
っていうロジックが立つんですけど、
デザインは、
ロジックが立てるのは非常に難しいんですよ。
さっき言った、
濃い青か薄い青かと思った時に、
デザイナーさんが濃い青のほうがいいですよ。
クライアントさんが薄い青のほうが欲しいんですよ。
揉めた時に、
クライアントさんが聞くのは、
濃い青のほうがいいっていう、
論理的な説明してもらえませんか?
って言われた時に、
ちょっと困るんですよ。
もしくは、
これ濃い青にしたほうが、
リリースした後に、
うまくいく根拠はどこにあるんですか?
って言われた時に、
困るわけですよ。
だったら、クライアントさんが、
じゃあ僕がいいって思ってる方にして、
なんでしてくれないの?って言って揉める。
っていうことですね。
そこで、
そういうふうに揉める、
今言った揉める理由は、
視点が主観的だからなんですよね。
お客さんが、
僕が薄い青がいいっていうんだから、
薄い青にしてよっていうのは、
僕じゃないですか。
その人の好みじゃないですか。
デザイナーが、
じゃあ濃い青のほうがいいですよって言った時に、
はたまたそれが、
デザイナーの個人的な意見なのか、
客観的に見て、
そのプロジェクトのゴールに対して
濃い青のほうがいいと思っているのかによって、
変わってくるので、
結論としては、
ユーザー目線をちゃんと持った方がいいんだけど、
ロジックの難しさ
受け取る側っていうのは、
じゃあロゴデザインした時に、
その会社のオーナーのロゴ、
オーナーからすると自分の会社のロゴだから、
自分のものっぽく思えるけど、
そのロゴを見る、
一番のターゲットは消費者じゃないですか。
なので、
じゃあコンビニのロゴだったら、
そのコンビニのオーナーよりも、
コンビニに買い物来る人が対象になって、
そういう人たちがいいと思うロゴじゃないとダメなんだけど、
お金払ってるのはオーナーじゃないですか。
そうなると、
オーナーからしてみると、
僕がお金払ってるんだから、
僕がいいっていうのにしてほしいっていうのは、
人情じゃないですか。
人の気持ちとして当たり前じゃないですか。
なんだけど、
服を買うとか、車を買うとか、
時計を買うとの一番の違いは、
お金を出す人と、
それを受け取って、
いいと思う人が違うのに、
そこに気づかなくなりがち。
これも、
揉める原因。
デザイナーからすると、
いやいや、
ユーザーのために思ってやってるのになってないし、
思いながら、
いやそうっすよねとか言いながら、
お客さんと揉めないようにする。
これがもう一つですよね。
最後の原因が、
一番、なんだろうな、
複雑な問題であり、
プロジェクトの規模が大きくなると、
どんどん発生しやすくなる。
僕的には、
デザイン仕事における最大の敵、
ラスボスだと思ってるんですけど、
今まで言ったものっていうのは、
対相手とのコミュニケーションとか、
理解が深まったり、
信頼関係が深まると、
なんとかなるんですよ。
お金出してる人が、
デザイナーさんを信用してくれれば、
じゃあ分かったと。
お前がそんなに言うんだったら、
任せてみるわっていうとこまでいけるんだけど。
最後のやつがね、
これはほんときついんですよ。
口出しをする、
フィードバックを出していただける方と、
最終的にどれにしようって決める方が、
違うケース。
これは、
よりアジア系の会社に多い、
組織構造なんですけど、
階層が結構ある会社で、
担当者とか打ち合わせに、
参加する方と、
最終的に、
これでいこうっていう方が、
違うケースの場合、
階層構造による意思決定
よくあるよね。
日本の企業もよくあると思うんですけど、
例えて言うと、
課長さんが、
案件の担当になってて、
打ち合わせに毎回出てくると。
どうしましょう、
ああしましょうってディスカッションしながら、
デザイナーに出して、
これいいね、
じゃあこれでいこうかなと思いますって言って、
2日後とかに、
すいません、
ちょっと上司の決断で、
やっぱりボツボツとかって言ってくるんですね。
デザイナーからすると、
あれ?あれOKだったんじゃないですかって言ったら、
僕的にはOKだったんですけど、
上の者がって言うんですね。
謎の上の者キャラが出てくるわけですよ。
誰やねんって話なのに。
そうなってくると、
さっき言ったみたいに、
頑張ってその人に納得していただくとか、
プレゼンテーションを上手にやったりとかしながら、
デザインアイデアを通したはずが、
それを聞いてない、
第三者的な人が、
最終アウトプットだけを見て、
いまいちだね、
もうちょっと変えたらとか言うんですよ。
そこの背景にある、
ユーザーがこうでとか、
いまの市場トレンドがこうでっていうのは、
コンテキストぶっこ抜いちゃって、
できたものだけ見て、
個人的な感想を言っちゃうわけね。
それも忙しいんで、
数秒だと思うんですよ。
チラッと見て、
あー、微妙だねとか言って。
で、課長に降りてきて、
じゃあ課長さんが、
すいません部長が微妙って言ってたんで、
作り直してしてもらえませんか?
これ、すごい難しい問題なのね。
で、難しい割によくあるケース。
よくありますね。
なので見えない敵がどこかにいて、
その敵を、
敵って言ったの失礼だけど、
そのボスを納得させるために、
どうにかしなきゃいけないんだけど、
どうすんねん。
こういうのが主な原因だったりします。
やっぱり商人を取ろうってすると、
デザインだけじゃなくて、
そこに含まれた背景とか、
ロジックみたいなのは、
部長的な人を求めているような感じがします。
そうなんだよね。
その背景にある理由とかコンテキストとかロジックを、
課長さんが部長さんに結局説明しなきゃいけないわけじゃないですか。
最初やっとくとだけじゃなくて、
それに至る経緯であるとか、
ターゲットしたユーザーの好みであるとか、
それってそうなんだけど、
それじゃあそうしようってなった瞬間に、
一番最初の問題に戻るんですけど、
想定していた期間とコストって進まなくなるんだよね。
なぜなら、それを説明する資料を作らなきゃいけないから。
デザイナーからすると、
あれ、ロゴをデザインするだけだったんじゃないの?と思ったのに、
いやいや、部長が理解するために、
補足資料を作ってもらわないと、
こっちも通せないんですよって言われたら、
じゃあ分かりました。
じゃあそこで別料金って言うわけにいかないじゃないですか。
別料金って言ったらどうなるかっていうと、
最初からいいデザインしてくれればすんなり通るんで、
それができてないんで、
あなたのせいだから資料作ってよって言われた。
すげえ性格悪そうに聞こえるけど、
人間の心理学としてはそうなるわけよ。
それはしょうがない。誰が悪いわけでもない。
なので、そこで想定していたコストよりも
膨れ上がりがちっていうことなんです。
そうですね。私も日本の会社にいた経験があるので、
思うのが、ただ立場が上ってだけで
気を使っているだけではなくて、
課長目線から言うと、
部長的な立場の人も、いわゆる課長的な仕事もしてきて、
今の立場があるって感じなので、
課長目線からすると、そういう現場の仕事も、
離れてはいるけど、理解はあって、
それぞれ経験してきたっていう、
多分リスペクトもあって伝えている。
なので、その部長の一声とかっていうのが
かつがえりやすいのかなっていうのはすごく感じています。
そうですね。そこは、
おそらく部長さんからの目線で言うとそうなんですよ。
しかしながら、ちょっと深い話すると、
課長さんの立場の方が、
そういう案件を続けていくと、
どこかのタイミングで、
あれ、この人は、
デザイン案件の炎上理由
部長さんから承認を得るのを最終的な目標、
ファーストプライオリティ、
最初の優先順位が一番高いものとして、
やってるんじゃないかなって思う瞬間が出てくるわけ。
デザインの仕事って、
ユーザーありきで、ユーザーが一番重要なはずが、
その人によるけど、
たまにね、
この人はユーザー以上に、
部長さんの顔色が変わってるんじゃないかと思う時があるわけ。
多分部長さんはそんなことは思ってなくて、
ユーザーに一番受けるもの、
会社として一番良いものを作り出してよとは思ってるんだけど、
課長さんクラスの方は、
とはいっても部長さんが首を縦に振ってくんないと前に進まないんで、
無意識のうちに、
心の中で、
これ部長OKしてくれるかなと思いながら、
物事を進め始めると、
ちょっと厄介。
そうですね。
だと思います。
ありがとうございます。
今までおっしゃっていただいた原因のところから、
解決策のところに移っていきたいと思うんですが、
ちょっと私から一つ質問で、
さっきクライアントさんが内容に口出しをしやすいとか、
ユーザー目線をしないがちっていうところがあったと思うんですけど、
それを踏まえてクライアントさんが立ち振る舞いとして、
デザイナーさんにお任せしますっていう感じの方がいいのか、
デザイナーさんも本当にユーザー目線で立ててるかっていうのもわからないじゃないですか。
うのみにしすぎるのも良くないのかなって思うんですけど、
そこのバランスっていうのは何かありますか。
全般的に言うと、
全部お任せしますはデザイナーからしてもちょっとやりづらいかもしれないですね。
クライアントさんの会社のことはクライアントさんが一番よく分かっているのは当たり前ですし、
ユーザー目線っていう意味だと、
日々お客さんのことを考えてお客さんと話をしているのもクライアントさんの会社になるんですね。
なので、一緒に一つのものを作る、
ワンチームとして信頼関係が作れるのが一番良くて、
敵対関係になるのは絶対ダメだし、
かといって丸投げされても、
できますけど、精度高い仕事にはならない時もあるということで、
距離感がすごい重要なんですよね。
ワークショップの効果
やっかいトリッキーだけど、そこから逃げてはいけない関係性づくりが必要とするんじゃないかなと思ってますけど。
ありがとうございます。
解決策というところでは、一緒にやるっていうところでワークショップっぽいやる。
このポッドキャストでも結構前のエピソードで話してたことがあって、
デザイナーのスージーと話した時に、
彼女もビートラックスのデザイナーで、
こういうデザイン案件でいろいろそういう壁にぶつかって悩んでいる時に、
何かいい方法ありませんかって言われて、
ワークショップやっぱり一番いいよねって話をしたんですね。
ワークショップって何かっていうと、
今このビートラックスのサンフランスコのオフィスの隣の部屋でも今やってるとこですけど、
クライアントさんとうちのデザイナーなりが、
同じ場所と同じ時間を共有して、
一つの課題に向かって一緒に考える時間を作ろうっていうやり方ですね。
さっき言ったみたいに、
コラボレーション関係、信頼関係を結んで、
一緒に同じものを一つ作るっていうのは重要だとすれば、
一番いい方法っていうのは、
日本語で言うとこの同じ釜の飯を食う関係になるっていう。
日本だと例えば合宿とかあるじゃないですか。会社で合宿。
あれもそうで、チームとしてチームビルディングをした上で、
一つの課題に対して同じ方向を向かって一緒に解決策を考える。
これはデザイナーもクライアントさんもそういう関係を結ぶと、
非常に課題解決に近づくので、
うちの会社でこういうさっき言ったような炎上問題が多発してた時に、
これワークショップで解決できないかなと思って、
そこで考案されたのが、もう10年くらい前ですけど、
デザインワークショップ型のサービスなんですよね。
そこからデザイン志向なり、リーンスタートアップなり、
デザインスプリントなりのメソッドも活用しながら、
日々クライアントさんとワークショップを進めてるんですけど、
僕がビートラックスとしてワークショップサービスを提供しようと思った、
一番の理由としては、もっと良いものを世の中に出したいからだったんですよ。
ワークショップ型じゃない受発中関係みたいな関係になっちゃうと、
どうしても良いものを作るのに限界があるということに気づいて、
これはワンチームでやらないと本当に良いものって作れないんだなと。
デザイナー側はお客さんのことをもっと知らなきゃいけないし、
お客さんはもっとユーザーの声とか聞けるようにしてあげた方がいいなと思って、
そこで考案したんですね。
いつの間にか良いものを作るだけじゃなくて、
人材育成の側面もあって、
クライアントさんから是非ワークショップお願いします。
人材育成したいんだよっていう、
副産物もできたぐらいに、いいんですけど、
そのワークショップでリアルタイムで課題解決をしていくのは非常に重要ですね。
逆に、作ってフィードバック出して、作ってフィードバック出してを、
継続的なサポート契約
メール上だけとかオンライン上だけでやるのは結構しんどい。
文字コミュニケーションの限界もあるし、
同じ温度感がわからないと、
なるほどね、だからこれがいいんだねっていうのがわかりづらいので、
ワークショップをやっています。
それが一つ。
あと、理想的なワークショップは、
どこかのタイミングで、さっき言った部長クラス、
例えば部長クラスにディシジョンメーカーの人が入るっていうことですね。
目に見えない階層、階層があって目に見えないボスキャラがどこかにいるっていうんじゃなくて、
そのボスキャラがどこかのタイミングでちゃんと出席してくれて、
リアルタイムでそのやりとりを目の当たりにしていただけると、
ずっと一緒にいなくてもいいんですけど、
要所要所で3時間でもいいから来ていただけると、
温度感がわかるし、
なぜそのデザインにしているかっていうのが伝わるかと思っています。
あともう一個、これもすごい重要なんですけど、
デザイン案件、特にデジタル系のサービス、
ウェブサイトとかアプリとかが多いんですけど、
クライアントさんからするとお金払ってるんで、
その中でできるだけいいものが欲しいじゃないですか。
そうなるとどうなるかっていうと、
完璧なものが手に入るまでやり直ししてほしいと思うんですね。
いつまで経っても。
これってうちの会社がウェブデザインをメインの生業としてた時に多発してまして、
どういうことかというと、
お客さんが納得するまでウェブサイトが公開されない問題。
公開されないと支払いも受けられないみたいな条件もあったりすると、
1ヶ月で終わるはずが、1ヶ月後にお客さんが、
いやいやまだこれだと完璧じゃないんで、
完璧になるまでとことん作ってほしいです。
ちなみに公開するまで支払いはしないんですけど、
なるとデザイナーも支払いを受けるために、
公開するために頑張らなきゃって頑張ってやるんだけど、
いつまでたってもお客さんが求めるクオリティにならない。
完璧にならない。
理由があって、ウェブサイトに完璧なんて概念ないんですよね。
常に進化するし、常に変化する世界。
デジタルっていうのはそういう世界なんで、
例えば日常使ってるスマホとかって定期的にOSアップデート入るじゃないですか。
バージョンアップで。アプリもそうだし。
リリースされてから短期間でどんどんアップデートされながら改善を繰り返して、
これで完成っていう概念すらないじゃないですか。
生き物だからね。
それに気づいた瞬間に、我々がやったことっていうのは、
30日保証をつけて公開しようっていう契約にしたんですよ。
どういうことかというと、スケジュールが決まってて、
このタイミングでだいたいウェブサイト完成するので公開しますと。
クライアントさんが、そこでできたもので終わっちゃうのってなると不安になるんで、
いや安心してください。30日間は無償で細かな更新であればやりますんで。
って言うと、じゃあいいや、とりあえず今日公開して、
来月の今日まで何かあったらお知らせするんで直してねって言って、
大丈夫ですよって言って、1回公開して支払いもいただいて、
30日保証があるので、もうちょっとテキスト公開てとか、
画像入れ替えておいてって言われたら全然問題ないですよ。
30日以内なんでっていうのをやってから、
お客さんと揉めなくなったんですよね。
お互い気持ちよく仕事できるようになったんですけど、
30日っていうのは一つの例だけど、
もしくは継続的なサポート契約を強いておくってことですね。
公開6ヶ月間は毎月いくらの金額で、
何時間以内までであれば仕事させていただきますって契約しておけば、
お客さんとしても、そっか、これが1回終わってからも
継続的にサポートいただけるんだったら、
1回ここで締めてもいいなって思ってもらえるようになった。
そんな感じです。
確かに。
自分たちで運用とか修正するのって多分難しいと思っているので、
クライアントからすると、より良いもので、
何十年何年か捨たれないものを多分求めているので、
その細かなサポート契約っていうのは良いなって思いました。
そんな感じですね。
デザイン案件の難しさ
なので、まとめると、デザイン業界って結構、
仕事としてはかなり難易度高いんですよね。
ヒューマンコミュニケーションがすごい重要になるし、
作って納めればいいっていう世界じゃないんですね。
信頼関係が最も重要になってくる業界なので、
今言った手法、解決策があるじゃん。
もう1個ボーナスがあって、
これあんまり知られてない手法があるんですけど、
僕がこのポッドキャストをやっている理由の1つでもあるんですが、
デザイナーのカリスマ性を高めるっていう。
この人なら。
そうなんです。
さっきりゅういちがボソッと言った、
専門職なんでっていう話があったんですけど、
専門職で、お医者さんでも税理士さんでも、
どんな仕事でもそうなんだけど、
専門的な仕事っていうのは、
いわゆる先生って言われるすごい人が弁護士でもいれば、
その先生が言ってるなら間違いないということで、
お任せしますっていうふうに、
ある程度信頼を受けるんですよ。
これがデザイナー業界だと、
有名な人とか実績がある方であれば、
何々さんがデザインされたものであれば、
安心して、
個人的にはいまいちじゃねえのと思うんだけど、
有名な何々さんのデザインなんで、
いいんじゃないのかなと思わせられる。
ショートカットがある。
すっごい時間かかるんですけど、
そこもあると、
1年かかりそうな案件が半年で終わることもあるんですね。
そこはちょっと裏技なんで、
あんまり悪用してほしくないんですけど、
クライアントさんから絶大なる信頼を得ることができれば、
時間の短縮にはなるという。
ボーナスですね。
そこのカリスマっぽいところが生きる場面は増えてきましたか?
どうだろうな。
カリスマ性って、
僕は思うに年数実績よりも、
イメージとか、
何かしら成功事例、
ある程度著名な事例があることが重要なのと、
あとは、
その人の喋り方とか、
説明の仕方とか、
プレゼン力、
あとはオーラみたいな、
目に見えない雰囲気みたいなのがあって、
大物感みたいなのが。
ほら、
詐欺師みたいな。
何か凄そうだみたいな。
なので、そこの雰囲気とかが、
僕は重要だと思っていて、
僕自身も日本とアメリカを中心に、
業界の、
大物とかカリスマって言われる人たちと仕事したことあるんですけど、
やっぱり、
立ち振る舞いと喋り方に、
非常に気を使われているなと思った。
見栄えと立ち振る舞いと、
喋り方と応対の仕方が、
凄い大物感があるんですよ。
日本でおそらく一番有名なクリエイティブディレクターの方と
仕事させていただいた時も、
やっぱり姿勢とかも凄いビシッとしていて、
クライアントさんとコミュニケートする時も、
言葉は少ないんだけど、
自信を持ってはっきりと説明していたりするんですね。
そこの大物感とかがあって、
やっぱり何々さんだなと、
みんなが思った世界観だったので、
そこじゃないと思いますけどね。
炎上の原因と解決策
ありがとうございます。
じゃあちょっと締めに入っていきたいと思うんですけど、
本日のまとめといたしましては、
デザインの案件っていうのは、
国籍問わず炎上しやすいと。
それは承認プロセスの原因だったりとか、
クライアントさんのが内容に
口出しやしやすいっていったところが挙げられますと。
解決策としては、ワークショップをしたりとか、
決裁する人を巻き込むっていうのが大事っていうところで、
まとめとさせていただきたいなと思います。
じゃあブランドさん、本日もありがとうございました。
ありがとうございました。
引き続きよろしくお願いします。
このエピソードを楽しんでいただけた方は、
ぜひ高評価、チャンネルフォローよろしくお願いします。
また、サンフランシスコデザイントークは、
番組に対する質問や取り扱ってほしいテーマを募集しています。
番組概要欄にあるGoogleフォーム、
Spotifyでお聞きの方は、
各エピソードのQ&A欄からお送りいただけますので、
お便りお待ちしております。
最後までお聞きいただきありがとうございました。
次回もお楽しみに。
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