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スピーカー 2
サイエントーク
レンです。
スピーカー 1
エマです。サイエントークは、研究者とOLが科学をエンタメっぽく語るポッドキャスト番組です。
スピーカー 2
今一番吸ってるものって何ですか?
空気。
の?
スピーカー 1
空気の窒素。
スピーカー 2
窒素。
うん。
僕らが吸ってる空気、8割ぐらいは窒素ガスですけど、窒素って元素記号で言うと?
スピーカー 1
N2。
スピーカー 2
N2。Nって何ですか?
スピーカー 1
窒素。
スピーカー 2
いや、違う。Nって何でNなんですか?
スピーカー 1
ナイトロジェン。
スピーカー 2
ナイトロジェン。ナイトロジェンって何ですか?
スピーカー 1
こないださ、ハイドロジェンはさ、水ハイドロの元みたいなジェンだったじゃん。だから、ナイトロの元。
スピーカー 2
ナイトロの元。
うん。
ナイトロって何ですか?
スピーカー 1
え?爆弾?
スピーカー 2
まあまあ、でも、ニトロって言ったら爆弾っぽいとかあるじゃないですか。
うんうん。
でも、よくよく考えたらナイトロって何っていう、あんま知ってる人いないんじゃないかなと思って。
スピーカー 1
うん。え、あの、その、なんちゃらプラスジェンで何々の元っていうところは合ってるの?
スピーカー 2
それは合ってる。
あ、そうなんだ。
ジェンは元とか、まあ生み出すものみたいな。
スピーカー 1
うんうん。
スピーカー 2
遺伝子のジーンとかもここから来てるんですけど、まあそういう意味では、ナイトロを生むものとか、そういう意味なんですけど、じゃあナイトロって何かっていうと、石の名前なんですよね。
うんうん。
蕭石っていう。
スピーカー 1
うんうん。
スピーカー 2
で、蕭石の蕭は、蕭酸ってあるじゃないですか。
うんうん。
ついおじさんのね。
スピーカー 1
はいはい。
スピーカー 2
の蕭の石。まあ言ったら、この中には窒素が入ってると。
スピーカー 1
うん。
スピーカー 2
いうことなんですけど、あ、で、この蕭石ってやつは、身近なとこだと、花火打ち上げるときの火薬の主成分だったりするんですけど。
スピーカー 1
ほうほうほうほう。
スピーカー 2
まあ、化合物で言うと、硝酸カリウムなんだけど。
スピーカー 1
硝酸カリウムね。
スピーカー 2
うんうん。
そう。でも、そう言われたら、まあ、そっかーってなるじゃん。
うんうん。
一応ね。
うん。
でも、ここに至るまでに、いろんな名前が付けられてて、窒素には。
スピーカー 1
うん。
スピーカー 2
それがすごいカオスなんで、紹介してみると、付いた名前の、まあ、日本語訳ね。
日本語訳か。
うん。いや、多分、他の言語で言っても、なんかヤバさがあんま伝わんないから、日本語訳で言うんだけど。
意味は同じなんだ。
意味は一緒。だから、ナイトロジェンは、まあ、蕭石の元とか、そういう意味ってことじゃん。
スピーカー 1
うん。
スピーカー 2
で、そこに至るまでは、有毒な空気。
うん。
汚れた空気。
うん。
腐った空気。ダメな空気。
辛そう。
生きられないもの。
スピーカー 1
うん。
スピーカー 2
窒息させるもの。みたいなのを経て、今の窒素っていうのに行き着いてる。
スピーカー 1
でも、そう言えばさ、窒息の窒ってさ、一緒だよね。
一緒一緒。
窒息。
スピーカー 2
あー。
そうそうそう。日本語の窒息、違う、日本語の窒素は、窒息のちから来てるね。
へー。
でもさ、こんなもう、悪口じゃん。ほとんど。
スピーカー 1
うん。
まあ、全然さ、だって私らが一番知ってる空気だから、空気っていうか、あのー、まあ、空気か。だから、別にそこまで悪く言う必要ないじゃんって感じだよね。
スピーカー 2
そうそうそう。ちょっと言い過ぎなんじゃないかなと思って。
うん。
まあ、なんでね、今回ちょっと窒素の話を色々していくんですけど、窒素ってなんかね、意外と知らんというか、地味な感じがするというか、そんなイメージないですか?酸素とか二酸化炭素に比べると。
スピーカー 1
あー、そうだね。酸素とか二酸化炭素とかの方が、
うん。
よく、あの、日常で耳にするよね。
スピーカー 2
そうそう。
スピーカー 1
でもなんかさ、あえて窒素だけ使ってさ、
うん。
あの、安全にすることもあるよね。
あー。
分かちないように。
うんうん。
そういう意味ですごく重要じゃない。
スピーカー 2
そういう意味では重要。
スピーカー 1
何かしらを製造する時とかに、窒素置換してさ、窒素噴液からやったりするじゃん。
スピーカー 2
あー、そうね。
うん。
これ伝わるかな。
まあ、不活性ガスとか言うけど。
うん。
なんか、あの、ポテチの袋の中に窒素ガスを封入して、したら酸化がされなくなったりする。
うん。
まあ、保存できるっていう効果ありますけど。
スピーカー 1
うんうんうん。
スピーカー 2
でも、って考えたらさ、窒素はじゃあ、すごい安全なものなんだみたいな。
うんうんうん。
でも、一方で爆発とも言われるとか。
スピーカー 1
そうだね。
スピーカー 2
一体どっちなみたいな。
スピーカー 1
そうだね。
スピーカー 2
感じもするじゃん。っていう話とかね。
うん。
まあ、ちょっとなんか、結構よく分からんみたいなとこも多いと思うんで。
うん。
で、その窒素の名前が、そもそも英語の有毒だなんだって、バリーズ黄金からちゃんとした名前がつくまでの話とか。
うん。
あとは、まあ、その性質の話とかちょっとね、して、ちょっと地味に思われがちな窒素にスポットライトを当てようじゃないかという回です。
スピーカー 1
窒素は、でも私嫌いじゃないよ。
スピーカー 2
あ、嫌いじゃない。
スピーカー 2
うん。
まあ、当然あって名前ついてないみたいな。
スピーカー 1
ああ。
ことよね。
まあ、なんか窒素化合物で初めて使ったのは塩化アンモニウムだみたいな、みたいな感じの言い方をしてたから、でもなんかもうそもそもあるよねみたいな。
ああ。
それ言ったら窒素もそうか。
スピーカー 2
それはね、で、そんなん言ったら人間の体ってアミノ酸からできてるから、もう。
スピーカー 1
ああ。
スピーカー 2
アミノ酸のアミノはNですからね、窒素ですからね。
スピーカー 1
じゃあ、え、何?その塩化アンモニウムは何が初めてだったん?
スピーカー 2
まあ、物として人間が初めてそのとって、名前つけてた。
うん。
スピーカー 1
え、もうその時から塩化アンモニウムって名前だったの?
だから、アモンの塩っていう、あ、塩化アンモニウムとは言ってなかったけど、アモンの塩っていうその名前をつけてた。で、それが後の時代にNH4Clっていうのが分かって塩化アンモニウムっていう名前になってるけど。
スピーカー 2
ええ、あ、じゃあもうすでに塩っていう概念は分かってた時代に名前がつけられたんだね、じゃあ。
まあ、塩っていうか、もう多分塩っていう感じの、なんかもう岩っていう感じのイメージ。
岩っていう感じの意味合いに近いんじゃないかな。
スピーカー 1
ああ、じゃあもうとりあえず分かんないけど、アモンの塩っていう風に名付けてたんだ。
スピーカー 2
そうそうそう。だから、そこら辺に落ちてるやつを拾って、何だろう、大阪の砂みたいな。呼ぶみたいな。
うーん。
って感じ。で、まあこれアンモニアの起源なんだけど。
うん。
で、そことは全く独立して、さっきのナイトロジェンのナイトロって出てくるんだけど。
うん。
これさっき言ったように、硝石っていう石をね。
うん。
これがナイトロみたいな名前が付いてたんだけど、これすごいややこしくて、これ実は一回サイエント学でも出てきてるんですけど、ナトロンっていうものがあって。
スピーカー 1
えー、出てきたっけ。
スピーカー 2
そう、これはね、ちょっと第何回か押せたけど、化学編の最初の方にミイラの話したんですよ。
スピーカー 1
ああ、はいはいはいはい。
スピーカー 2
で、そこで出てきてて、ミイラのその防腐剤みたいな。
スピーカー 1
うんうんうんうんうん。なんかその話したね。
スピーカー 2
そうそう。で、ナトロンっていうものがあって、これがナトリウムの語源ですよっていう話をしたんですよね。
スピーカー 1
ああ、ほうほうほう。
スピーカー 2
これ、ナトロンとナイトロジェンって結構似てないですか。
スピーカー 1
似てる。
スピーカー 2
似てるじゃん。
うん。
だからこれ、古代ではごちゃ混ぜにして使われてたらしいよ。
スピーカー 1
うん。じゃあナトロンがナイトロジェンの時もあれば、ナイトロジェンがナトロンの時もある。
スピーカー 2
そうそうそう。なんかそんな区別されてなかったと、ちゃんと。
スピーカー 1
でも別々のものだよね。
スピーカー 2
別々のもの。
うん。
スピーカー 1
だけど、そもそもこのナイトロ。
スピーカー 2
うん。あ、ナイトロ。
ナイトロがそもそも何なのかっていうと、これもなんか塩由来の灰みたいな意味なんだよね。
うん。
塩由来の灰を示してる言葉で、ナトリウムとナイトロに分岐してる。
だから語源はほぼ一緒のところから出てきてるっていう。
スピーカー 2
っていう感じなんだけど、それが元々ナトロンの言葉としての始まりで、これがまず個体としての窒素化合物がどんどんどんどん見つかってきましたよっていう歴史をね。
はいはい。うん。
で、じゃあガス。
うん。
これ空気中に、最初に言ったけど、8割ぐらい窒素なんで、すぐ見つかってもおかしくないじゃないですか。
うんうん。
でもね、これ歴史上ね、全然出てこないんですよ、窒素ガスって。
スピーカー 1
うんうんうん。
スピーカー 2
古代文明にもないし。
うんうんうん。
ずーっとなくて、で、18世紀ぐらいにやっと出てくる。
スピーカー 1
うん。やっぱり不活性だからかな。
スピーカー 2
あ、まあそうだね。水素みたいにボンって燃えるとかは起きないからね。
スピーカー 1
そうだね。
スピーカー 2
だしまあ、匂いもしないし。
うんうんうん。
見つけにくかったってことなんだけど、こんだけいっぱいあるのに。
スピーカー 1
うんうんうん。
スピーカー 2
で、これ結構、なんて言うんだろう、最後の最後に残ったもの感がすごいというか、残りもの感がすごいんだけど、この窒素のガスが見つかったのって。
スピーカー 1
うんうん。
スピーカー 2
で、そもそも、これ空気の研究とか、今までも炭酸とか水素の話とか、サイエント学でしてきましたけど、そもそも空気って複数種類ありますってなって。
うん。
で、その複数種類のものから、燃えるもの、燃えないものとか、そういうのはざっくりわかってくるわけだよね。
うん。
で、基本的にだから燃えるかと、動物をその空気の中に入れてどうなるかっていうのを実験してたみたいな。
うんうんうんうん。
スピーカー 1
っていう話だったんですね。
スピーカー 2
うん。
じゃあ、なんか物燃やして、燃やし終わった後の空気は、火を消すっていうのがわかってたのよ。
スピーカー 1
うんうんうん。
スピーカー 2
言ったら酸素消費して二酸化炭素が出てきて充満するんで。
うん。
その二酸化炭素をじゃあ取り除いたら何残るのって調べた人がいたのよ。
うんうんうん。
これ二酸化炭素を見つけた人がやってる。
スピーカー 1
うん。
あ、じゃあその人はもうすでに酸素とか二酸化炭素は空気に占める割合が結構少数派というか、
そんなにいっぱい占めてないっていうことはなんとなくわかってたんだ。
スピーカー 2
全然わかってない。
スピーカー 1
あ、わかってないの?
スピーカー 2
うん。全然わかってない状態でやってる。
スピーカー 1
うーん。
スピーカー 2
てかそもそも酸素っていうものがあるってまだわかってない。まだフロギストンだと思ってた時代なんで。
スピーカー 1
あ、そっか。固定空気見つけた人か。
スピーカー 2
そう。これジョセウ・ブラックさんっていう人で、炭酸の歴史のところで出てきたんだけど、
なんか物を燃えたら二酸化炭素が出てくるぞっていうのはわかってて、
うん。
で、二酸化炭素を吸着する液体みたいなのもわかってた。
スピーカー 1
うんうん。
スピーカー 2
前さ、前というか理科の実験でさ、息ブクブク吹きかけたらさ、白く濁るっていう石灰水とかありましたけど、
あんな感じであれ二酸化炭素吸着してるわけですけど、二酸化炭素吸着はできるっていう状態だったんで、
じゃあ物燃やして二酸化炭素が出てくるけど、その二酸化炭素も吸着させたらどうなるんでしょうねっていうのを調べたんだけど、
うんうん。
で、当時別にこの人そんなに興味なかったらしいんよ、これ。
スピーカー 1
うん、そのよくわからない空気Xに対して興味がなかった。
スピーカー 2
そう。
うん。
スピーカー 1
だって残ってるものでしょうみたいな。
スピーカー 2
うんうんうん。
だからその弟子に投げたらしいんよね。
うん。
で、その弟子が窒素を見つけたって言われてるラザフォードさんっていう人なんだけど、
スピーカー 1
ラザフォード?
スピーカー 2
うん。で、この人が何やったかっていうとめっちゃシンプルで、ネズミを入れます。
うん。
ネズミが死んじゃった。
うんうんうん。
有毒な空気だって言って、有毒な空気と名付けたっていう。
スピーカー 1
あー、だからさっきのね。
スピーカー 2
そう。シンプルすぎるけどね。
うん。
だからただの残り物を調べてみましたみたいな状態だよね、最初。
うんうんうん。
この現象はこの人が見つけたっていうことになってるし、ググってもその人って出てくるんだけど、一応同時に見つけた人があと2人いる。
スピーカー 1
あと2人いるんだ、すごいね。
そう。
同時っていうのは同じ年?
スピーカー 2
ほぼ同時って感じ。
うん。
誤差2年ぐらい。
うん。
だけど、公に発表しなかったみたいなので。で、1人がキャベンディッシュっていう人で。
スピーカー 1
おー、キャベンディッシュさんね。
スピーカー 2
こいつ水素見つけた人っすね。
スピーカー 1
あー、あの、金持ちだけど、あんまり人と関わらない人だっけ?
そう。
スピーカー 2
うん。
何回も出てくんだけど。この人実はね、窒素も見つけてんだけど、発表してなくて、発見者にはなってない。
うーん。
で、もう1人、シェーレさんっていう人もいるんだけど、この人も実は化学誕生編の最初に言った、
一番今までたくさん新しい元素を見つけたんだけど、発表しなかったりで、全然評価されてない不遇な化学者って言われてて。
うんうん。
水銀ペロって並べて中毒で死んじゃったっていう人なんだけど。
うんうん。
で、この人も一応窒素見つけて、汚れた空気とか、ダメな空気みたいな名前をつけてたんだけど。
スピーカー 1
うんうんうん。
スピーカー 2
だからまあ、言ったら同じような性質は見つけてたんだよね。特に何も反応しないし、生き物殺しちゃうし。
うん。
まあ、なんかしょうもない機体だわみたいな感じの名前をつけられてたと、最初。
スピーカー 1
なるほどね。
スピーカー 2
うん。っていうのが一応窒素の発見として言われてるのがこんな感じですね。
スピーカー 1
うんうん。でもみんな、こいつは有毒なガスだとしか思わなかった。
スピーカー 2
そうそう。
うん。
まあ、でもこれってさ、今の考えだったら、だって酸素も二酸化炭素も言ったら毒じゃね?みたいな。
スピーカー 1
うんうんうんうん。
スピーカー 2
それだけだとね。
スピーカー 1
ていうか、そもそもなんでこんな窒素多いんだ?8割もあるんだ。
どこから窒素できたの?
スピーカー 2
窒素は元々地球ができた時の隕石とかにも入ってる。
スピーカー 1
うんうん。初めからいたんだ。
スピーカー 2
そう。初めからいて。で、昔の大気自体が今の大気よりも何十倍も気圧が高い。
うんうん。
要は空気がいっぱいだった。
うんうん。
で、その主成分は二酸化炭素とか、あとメタンガスとか、いろんなものだったけど、今と全然違うってことね。まず。で、酸素は全然ないと。
うんうん。
で、そこから地球が冷えてくると、二酸化炭素はどんどん海に溶けて、岩に取り込まれて、割合としては減ってく。
うん。
で、生き物が生まれて酸素は出すんだけど、二酸化炭素を吸い込んで。そういうのが続くと、一番多かった二酸化炭素はどんどん減ってく。
スピーカー 1
うんうん。
スピーカー 2
でも窒素の割合はずっと一定だと。
うん。
なんで、結果的に窒素が一番多いっていう状態になって、で、二番目に多いのが生物とかがどんどん出した酸素。
で、二酸化炭素が二番目になって、で、二酸化炭素は今、もう1%もないと。
うーん。
いう感じで、今の気圧に落ち着いてったみたいな。
スピーカー 1
で、窒素はずっと一定なんだ。
スピーカー 2
窒素はずっと一定。
うん。
まあまあ、昔はほとんど二酸化炭素だったってことよね。
スピーカー 1
うんうんうん。
スピーカー 2
っていうのが今、窒素が8割ぐらいになってる理由らしいですよ。
そうなんだ。
うん。
スピーカー 1
でもさ、なんでそもそも隕石とかに窒素いっぱい含まれてたんだろうね。窒素ってそんな特別な空気?
スピーカー 2
空気としては特別なんじゃないかな。めちゃくちゃ安定で壊れないっていうのがあるから。
スピーカー 1
そっかそっか。
うん。
他のやつは、いろんなものと反応しちゃうからこそ、まあなくなったりはするけど。
うんうん。
窒素はそもそも安定だから、だからそもそもの隕石にもいっぱい含まれてたのか。
スピーカー 2
そうそうそう。それこそ、CO2なんてすぐなんかの塩になっちゃったりして、岩石になったりとかするし。
とか、水溶けやすいとか。
うん。
あとは、水素は地球からどんどん出てくる。
出てってるっていう話もあるけど、軽いから。
うん。
だから昔はもっともっと水素とかヘリウム地球にあったけど、もう今逃げてっちゃってるわけだよね。
でも窒素はそこまで軽くはないから、ずっと地球に保持されてるみたいな。
スピーカー 1
ほう。
スピーカー 2
っていう条件がいろいろ重なってるじゃないかな。
スピーカー 1
え、アルゴンとかってさ、安定だったっけ?
スピーカー 2
アルゴンは安定。で、アルゴンも途中から一つずつ地球には増えてってるって感じ。
あ、そうなの?
うん。まあでもね、1%もない。0.何%くらいだけど。
スピーカー 1
でもなんかさ、窒素がさ、
安定だからいっぱいあったんで、アルゴンも安定だったらさ、
うん。
なんか同じ理由でいっぱいあってもいいんじゃない?なんでないの?
スピーカー 2
アルゴン結構でっかいからね。原子として。
そもそも元素番号小さい方が必要な陽子の数も少ないんで、たくさん宇宙には存在してるっていう。
まあ率としては高いわけだけど。
スピーカー 1
そっかそっか。
うん。
窒素は安定なガスの中でも一番元素番号が小さい。
スピーカー 2
そうだね。
スピーカー 1
ヘリウムも安定だっけ?
スピーカー 2
ヘリウムはまあ安定は安定だけど、反応はしないけど。
スピーカー 1
しないけど軽すぎるからどっか行っちゃうんか。
スピーカー 2
そうだね。
スピーカー 1
じゃあ軽すぎず、そして重すぎないからいっぱいいる。
スピーカー 2
うん。っていうことじゃないかな。理由としては。
スピーカー 1
うーん。
スピーカー 2
で、ちょっと話戻すけど。
うん。
さっきまでにだから、全然反応しないっていう意味で、ダメな空気とか、
うん。
ただ生き物殺しちゃうっていう有毒な空気っていう名前がついてたから、
うん。
まあまだナイトロジェにはたどり着いてないわけですよ。
スピーカー 1
うん。
スピーカー 2
じゃあハイドロジェンとかオキシジェンとか、そういう名前つけた人がいるんだけど、
うん。
それがあのラボアジェっていう人で、この人も何回も出てきてるけど、
うん。
まあ今の元素の概念を作った人だよね。
うん。
まあ今はその元素の概念を作ったすげえ人だっていう認識だけでOKなんだけど、
うんうん。
この人、オキシジェンとかハイドロジェンつけてんだけど、窒素にナイトロジェンとはつけてない。
うん。
スピーカー 1
その人の後の人がつけたんだじゃあ。
そう。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 2
そう。で、これが窒素を意味してる。
スピーカー 1
あー、なんか窒素っぽいな、なんか。
スピーカー 2
え?名前が?
スピーカー 1
お響きが。ストフみたいな。
スピーカー 2
スティックストフ。これちょっと読み方合ってるか分かんない。
うん。
で、これが日本に伝わって、窒素っていうイメージがあったから窒素になってる。
スピーカー 1
うーん。
スピーカー 2
だからある意味、このラボアジェさんが付けたっぽい名前が日本にまで伝わってきてるっていう感じだよね。
スピーカー 1
うん。
で、さっき言ってた、
うん。
フランスとかイタリアもそういうネガティブ系の語源なの?窒素は。
スピーカー 2
そうそうそう。
スピーカー 1
へー。
スピーカー 2
だからこのアゾートっていうやつが結構広まってて。
うん。
で、これ完全に英語でなくなったかっていうとそうじゃなくて、一部の窒素原子が入った化合物ってアゾとか言うんよね。
スピーカー 1
うんうん。アゾ化合物みたいなね。
スピーカー 2
そう。アジドとか。
うん。
そういうのはここが名残っていう。
スピーカー 1
うーん、なるほど。じゃあフランスとかもアゾみたいな感じの音で発音されるんだ。
スピーカー 2
そうそうそう。
でも、まあ今は英語で、その元素記号っていうものが普及してNで統一されてるから、そのものはナイトロジェンって呼んでると思うけど。
うん。
でもこれ面白いよね。一個の元素なのにさ、なんか呼び方がバラバラというか、統一されてないっていう感じ。
スピーカー 1
結局英語圏の人が、いやじゃあそんなネガティブなイメージはやめようって言って、ナイトロから生まれたものだからナイトロジェンにしようって言い出したの。
スピーカー 2
まあでもこれ英語圏っていうか、その次に生まれてるフランスのまた科学的な。
フランスのまた科学者なんだけど。
スピーカー 1
あ、そうなんだ。
スピーカー 2
このシャプタルさんっていう人がいるんだけど、ラボアジさんよりちょっと後輩ぐらいの人かな。
うん。
この人フランスの超有名化学研究者で。
うん。
ナポレオンの大臣とかまでやってたような人なんだけど。
すごいね。
研究者でもありつつ。
うん。
で、この人がネガティブな意味の窒素で普及しないっていうので、まあ小石から生まれてるっていう意味でナイトロジェンっていう名前を考案して。
うん。
いろんなところで提案して定着したというふうに言われてる。
すごいね。
なんかこの人はね、化学を普及させるのにすごいたっけてた人というか、なんだろうね、今で言うサイエンスコミュニケーターみたいな感じなのかな。
なんかいろんな地域で、その科学工場とかを建てたり、あとは科学広める活動していたらしい。
スピーカー 1
まあでもさ、当時ネガティブな語源が一般的だったのを変えちゃって、ナイトロジェンが今一般的になってるわけじゃん。
うん。
で、普及してのけたってことは相当影響力がある人というか。
スピーカー 2
いや、すごいよね。
スピーカー 1
ね、普及させるのうまかったんだね。
スピーカー 2
そうそう。
スピーカー 1
ちょっとかなり昔の話だけど、あれ思い出したわ。
なに?
人工言語の話。
スピーカー 2
人工言語、あー。
スピーカー 1
ラで始まるっけ?
スピーカー 2
えっとね、エスペラント。
あ、そうだそうだ。
スピーカー 1
エスペラント。
スピーカー 2
全然ラで始まんなかった。
エスペラントね。
うん。
スピーカー 1
あー、言葉作るっていう意味でってこと?
エスペラントを作って、それで流行らせた。
スピーカー 2
確かにね。あとね、この人ね、流行らせたことはもう一個あって、流行らせたっていうか、周りの人が言ったのかもしれないけど、フランスって言ったらワインじゃないですか。
うん。
ワイン醸造で発酵する前に砂糖を加えるっていう工程があるのよ。
うん。
そしたらアルコール度数が上がるっていうのがあって、これ考えたのがこのシャプタルさんで、これシャプタリゼーションっていう意味らしい。
へー。
どうしというか名詞なのかな。日本語で補糖っていうんだけど。
うん。
補充する糖っていうね。
うん。
これワイン知ってる人だったら知ってんのかな。
スピーカー 1
ワインの噂は知ってんじゃない。
スピーカー 2
知ってるかもしれないね。
うん。
面白いなと思って。フランス語でこれシャプタリゼーションって発音するのかな。
うーん。
っていうね、名前も残ってる人が、最終的にこのナイトロジェンっていう言葉を作ったよっていう話らしいよ。
スピーカー 1
すごい。
スピーカー 2
すごいよねこれ。
うん。
すごい長い道のりを経て、ようやく悪口じゃなくなったっていう窒素が。日本語で窒素って言ってるから、ネガティブなイメージ継続されてはいるんだけどね。日本ではね。
スピーカー 1
うーん。でもあんまりネガティブなイメージ持ってなかった。っていうか、窒素から来てるって言われてみたら、あーって感じだけど。
スピーカー 2
うんうん。
スピーカー 1
なんか、私はどっちかっていうと窒素から来てると思ってたから。
スピーカー 2
あー。
スピーカー 1
だから窒素は、もっと別の語源があるのかと思ってた。そうじゃなくて窒息っていうのがあって。
スピーカー 2
そうそう。
スピーカー 1
そこから窒素来たんだっていう。
スピーカー 2
そう。これ日本に持ち込んだのは、前も言った江戸時代に、宇田川洋派っていう人が、かっこいい化学入門っていう、精美改装っていう本を出したっていう話をしたんだけど、前。
うん。
で、そこでつけてんだけど、これなんかすごいなと思って。だって、別に他の漢字でもいいけど。
うん。
この漢字でもいけそうじゃないというか、窒息、毒って考えたら毒素になっちゃうなーとか思うわけじゃないか。
スピーカー 1
うーん。
スピーカー 2
そう。なんかつけ方他にもできそうだなっていう。
スピーカー 1
あれはなんか、毒だったらさ、ガスっていうイメージあんま。まあガス以外にもさ、なんか個体もあるだろうし液体もあるみたいな。
スピーカー 2
そもそも毒素って言うとややこしくなっちゃうから。
うんうん。
いや窒素ってよくひねり出したらなーと思うけどね。
スピーカー 1
そうだね。なんかガス系で有毒ってなったら、確かに窒息だなって。
確かに窒息だなっていう感じはするね。でも実際に窒素だけだったら窒息するしね。
スピーカー 2
うん。窒息に置き換えることはないか。
スピーカー 1
わかんない。
意外とない。
有毒なガス系の漢字一文字でしょ。
うん。ないか、意外と。
まあ、臭いとかだったらそうかもしれないけど、臭素あるもんね。
苦しいとかね。
あー、でも苦しいもさ、ガスな感じしなくない?
スピーカー 2
クソになっちゃう。
スピーカー 1
あー、クソ。
スピーカー 2
苦しい。そうだったら。
うん。
そう考えたら臭素も臭いから臭素なのかなみたいなね。
そう、臭素かわいそうだね。すごく。
悪口。
スピーカー 1
悪口だよね。なんか一番悪いイメージない?
臭素?
うん。ひどくない?
スピーカー 2
ひどいね。
結局窒素、安全なイメージと危ないイメージあるけど、どっちなん?っていう話、最後にして終わります。
スピーカー 1
あ、はい。
スピーカー 2
さっきまで言ってきたように、窒素ガスはすごい安定なんですよね。
うん。
地球で何が起ころうがずっと残ってたぐらい安定なんですよね。
うん。
まず。だからポテトチップスとか飲み物の空いたスペースには窒素ガスが入れられて、余計な酸化とか起きないようにされてますよっていう、そういう恩恵に僕たちは預かってるわけですけど。
うん。
だから基本、ガス自体は安定なんですよ。窒素の。
スピーカー 1
うん。N2だったら安全。
スピーカー 2
N2は安定で安全。
スピーカー 1
でも全部窒素だったら窒素化しちゃうからね。
スピーカー 2
そう。そこで呼吸をやろうと思ったら毒だけど。
うん。