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スピーカー 2
今までサイエンマニアで農薬、ものすごい深掘りしたのは1回ぐらい農薬の話したかな。
だけどあんまりなかったんで、会社で研究してますっていう人とちょっとどういう話になるのかなと思うんですけど。
もともと農薬研究とか興味あったっていう感じなんですか?
スピーカー 1
そうですね。大学の時に植物を使った研究をしてた関係もあって、農業関係、植物使うような研究がしたいなって。
漠然と就活の時に思ってて、その中で種苗メーカーとか農薬メーカー色々調べてた中で、農薬メーカーの方とご縁があって就職できたという流れですね。
スピーカー 2
確かに大学で農薬めっちゃやってますみたいなところってあんまりないんですかね?
スピーカー 1
農学部しか多分なくて、僕は農学部じゃなくて工学部なので、全く農薬って関わり農業について1ミリも勉強してなくて。
スピーカー 2
会社入ってから頑張ろうみたいな。
スピーカー 1
会社入ってからはもう一から勉強してなんですけど、ほぼ農学部出身の人ばっかりで身の回りも。
スピーカー 2
それは大学の時の専門がマッチしたっていう感じですか?
スピーカー 1
いえ、全然マッチもしてなくて。
大学の時は遺伝子組み替えとか使って植物細胞生物学が専門なんですけど、植物の細胞分裂をテーマにして遺伝子組み替えとかクリスパーキャスナインとか有名どころだと、そういう技術使ってタンパク質の機能解析をしたりとか。
というのを顕微鏡を覗きながら実際に現象を見て理解していこうみたいな、そういう研究をしてて。
スピーカー 2
王道のバイオ系の研究っていう。
スピーカー 1
王道のバイオ研究ですね。
ただその実験の中で農薬成分を処理するというか、細胞の中を微小管っていうチューブリンの重合体を観察したりしてたんですけど、
それをバラバラにするのに農薬成分を細胞に直接処理したりとかして、細胞を観察することもあったので、材料として使ってたんですけど、研究の対象としては農薬っていうのは使ってなかったです。
スピーカー 2
そうですよね。しかも使う量が全然違いますよね。
そこから会社に入って、似たような研究をするっていうわけではなかったってことですか?
スピーカー 1
全然違って、今の専門は質量分析系とか、LCマスとか、HPLCとか、
スピーカー 2
分析とか?
スピーカー 1
そうですね、分析関係ですね。RI使った分析とかをして、定量分析、定性分析ってよく言うと思うんですけど、
それをしながら残留値を求めたりとか、環境中でどういう対象がされるかっていうのをベースに調べる研究をしているので、
全く全然違う分野ですね。
スピーカー 2
全然違うけど、会社に入ってから分析系になる人は多いかなと思います。
スピーカー 1
多いと思います。
スピーカー 2
ゴリゴリ生物系の基礎的なバイオの実験を会社でビジネスやろうってなった時に、
スピーカー 1
なかなかそれだけだとビジネスになるのは難しいってなった時に、
スピーカー 2
どうしても作ったもの、農薬を作ってそれがちゃんとできてるかっていう分析とか、
残留ってことは実際に撒いてその植物取ってきて、そこにどのくらい入ってるかとかそういう感じですかね。
確かにそれは会社じゃないとやらないよなっていう感じがしますね。
そういう分析を今やられてるっていう。
スピーカー 1
そうです。仕事で分析をしながら安全性評価をしているっていう感じですね。
スピーカー 2
安全性評価もしてるんですか。
スピーカー 1
安全性評価って言うとちょっと広い意味にはなるんですけど、
スピーカー 1
どちらかというと安全性評価をするものを見つけてきたりとか、
あとは、
スピーカー 2
ものを見つけてくる。
スピーカー 1
大社試験をするので、親科合物って言うんですけど、
親科合物が植物とか動物とか土壌とかから分解されてどういうものになって、
それがどういう顔になってるか、どういう構造になってるかっていうのを調べたりもするので、
安全性を実際に動物を使った試験をするための対象となる大社物とかを見つけてくるっていう仕事ですね。
スピーカー 2
これは僕は結構専門的には被ってるんでめちゃくちゃよく分かるなっていう感じなんですけど、
イメージできるのかな。
単純に農薬として蒔く前のものを調べるのも当然だけど、
植物入った後に植物の中でそれが毒に途中で変わっちゃうとかそういう場合もあるわけですよね。
スピーカー 1
そうです。
スピーカー 2
だからそういうのが起きてるかっていうのをちゃんと調べないと、
いざ蒔いて良かれと思って蒔いたものが途中で毒になってましたとか、
そういうのがあるとダメだから、それをちゃんと追わないといけないっていう感じですよね。
スピーカー 1
そうです。
スピーカー 2
僕はどっちかというとそういう元を作る側をやってたんですよね。
なんというかめちゃくちゃタッグを組む相手ではあるんですよ。
スピーカー 1
そうですね。
スピーカー 2
多分農薬のメーカーさんの中にもその元の農薬をたくさん作る人いらっしゃいますよね。
合成されたものを実際に合成してくださった方からいただいて、それを評価したりっていうのをしているので。
実際に研究所で試験農園みたいなところで蒔くみたいな感じなんですか?
スピーカー 1
小さいハウスの中で、小さいスケールからやることもあれば、
だんだん研究が進んでいって実用化が近づいていけば、
実際の環境に見せて、畑で実際に処理したりとか、
あとは狙っている市場があれば、実際の現地で試験したりとか、
そこで効果があるかっていうのを調べたりもしています。
スピーカー 2
なるほど。結構難しいですか?どうですか?わからないですけど。
スピーカー 1
あまり活性評価はしないので、実際に効くかどうかはあまり評価はしないので、
めちゃくちゃ難しいとは思います。
スピーカー 2
効果をどう測定するのかって難しそうですね、農薬って。
スピーカー 1
そうですね。
スピーカー 2
どうやってやるんですかね?
スピーカー 1
いろんな会社によって評価の仕方があるらしくて、社外費になるらしいんですけど、
点数をつけて、その点数をつけた中でいいものをピックアップしたりとか、
あとは除草剤とかだと、なるべくいろんな草種に枯らせた方がいいので、
いろんなのを広く枯らせるやつを選んでくるとか、
狙ってる市場によって、これが枯らせないと商品にならないっていうのもあったりするので、
そういうのも事前に市場調査して、現地でどういう雑草が、
抵抗性の雑草とかが流行ってるかとか、10年後どうなるかっていうのを予想して、
いいものをピックアップしていくっていうんですかね。
スピーカー 2
10年後の予測なんてできるんですか?
スピーカー 1
それは本当に予想です。
今の現状で出回ってる剤とか、
あとは一般の大学の研究とかで、
抵抗性雑草こういうのが出てきましたっていう報告が一般に公開されるので、
そういうのを見ながら、たぶんこの辺だったら、
こういう作用性の農薬の抵抗性がこれから出てくるよねっていうのを見て、
プランを立てていくっていう感じですね。
スピーカー 2
なるほど、でもなんかその雑草と戦うのめっちゃ難しそうだなってなんとなく思って、
なんか雑草っていう括り雑すぎるじゃないですか正直。
なんか何でもどれが雑草だろうみたいなとか、
なんかこうさっきもいくつかターゲットになる多分雑草がいるんでしょうけど、
それって選ぶの難しそうだなとか思いましたけどね。
なんかいるんですか雑草してんのみたいな、
こいつら倒せればオッケーみたいな。
スピーカー 1
作物によってはあります。
例えばですけど稲荷を育てるなら稲荷雑草をたたけた方がいいとか、
その栽培環境に育ててる地域で発生してる雑草って全然違うので、
スピーカー 2
確かに地域性ありますよね。
スピーカー 1
地域性があるのでやっぱりそれを広くたたけるもの、
絶対これっていうのはあんまりないかもしれないです。
地域性が、なのでその広いスペクトルがあるというか、
何でも枯らせるっていうのが雑草材にとっては難しいですね。
スピーカー 2
枯らす力強すぎたら育てたやつも枯れちゃうんじゃないですか。
スピーカー 1
そうですそうですそうです。
スピーカー 2
そこはもうその中に入っている成分で何とか区別してっていうのを研究してる感じですかね。
スピーカー 1
はい、選択性があるのを頑張って探して、
そこからレンさんの専門だと思われますけど、
置換器変えたりとかそういうのをして、
より選択性がどう出るかっていうのを見ていくっていう感じですね。
スピーカー 2
いろいろやっぱりその成分をマイナーチェンジしたやついっぱい作って、
一番いいやつを探そうみたいな感じですよね。
農薬ってやっぱりめっちゃいっぱい作らなきゃいけないじゃないですか正直。
バラまくるんで。
それ一番大変だよなって思って。
何でもいいわけじゃないじゃないですか。
ちゃんといっぱい作れるやつを農薬として選ばないと。
そうですそうです。
それも大変そうだなって思いましたけどね。
大変ですね。
スピーカー 1
現代コストっていうんですか、製造コストはすごいきっちり計算して、
どれぐらいで投資回収できるかとかっていうのはやっぱり見た上で、
そのまま商品化を目指すのか、そこで諦めるのかっていうのも指標としてあります。
経営判断としての。
スピーカー 2
まあ確かにそれは経営サイドが考えることかもしれないですけど。
そうですね。
スピーカー 1
こっちはなんかいいやつをなるべく見つけてこようっていうところですね。
スピーカー 2
これ本当にそうで、イギリスなんかこれ日本だったら絶対売っちゃダメだろみたいなクオリティの野菜めっちゃいっぱい普通に置いてあるんですよ。これ腐ってんじゃんみたいな。
スピーカー 1
普通に売ってるんで、なんか日本めっちゃしっかりしてるなってそれ見た時思っちゃいましたけどね。びっくりしました。
やっぱ国によって感覚が違うんですかね。
スピーカー 2
多分違うんじゃないかな。もう土まみれのレタスとか普通に。
土まみれだしなんかちょっと黒くなってきてないみたいなやつもなんかボーンって普通に置いてあるんで。
いやーちょっとすごいなーと思うんですけど、そういう意味ではなんか日本のそういう農業とかそういう系のとかしっかりやってるおかげだと思いますね。
スピーカー 1
農薬って聞くと、レンさんはどういうイメージを持たれますか。
スピーカー 2
どういうイメージ?僕は白い粉とかそういうイメージあるんですけどね。
イメージかーでもあんま使ったことなくて。
スピーカー 1
そうですよね。
スピーカー 2
家庭菜園の時に使う地面に物殺やつとかってあれも農薬ですか?
スピーカー 1
あれ肥料です。
肥料ですけどもしかしたら農薬の大きな分類に入るかもしれないです。
スピーカー 2
なんか使ったことあるのはそういうのだなーって思いましたけどね。
スピーカー 1
なんか一般の消費者の人たちだとあんまり体に良くないんちゃうって思われる方がいたりとか。
スピーカー 2
まあ確かにそうですね。
そうですね。
なんか無農薬野菜がいいみたいなイメージは結構あるかなと思いますね。
スピーカー 1
そうですね。
スピーカー 2
イメージでしかないと思ってますけど僕は正直。
だって農薬使わないとちゃんと育たないじゃんみたいな。
スピーカー 1
いやそうなんですよ。
農薬を使うことで農家さんの働く時間というか短く効率的にできるっていうのもありますし。
あとは逆に農薬を使わずに野菜、虫とかに食べられた野菜を出荷すると
野菜も食べられちゃうと人間にとって良くない成分を生成したりするんですよ。
防御反応というんですか野菜の防御反応として。
スピーカー 2
食べられたとこから出てくるんですか。
そうですそうです。
スピーカー 1
食べられたらそれに反応して結果として人の体に良くないものが生成したりするんですけど。
逆に安全じゃないというか何ですかね。
農薬じゃない別の要因であまり良くない野菜ができたりとか。
スピーカー 2
そういう歴史を今まで歩んできてるわけですよね。
たぶんそういう時期あったでしょうし。
スピーカー 1
そうですそうです。
あとは見た目があまり良くなくて商品にならなくなるので農家さんの収入も減ったりっていうのもありますし。
スピーカー 2
さっきのロンドンの話。
スピーカー 1
さっきのロンドンの話。
ロンドンはちゃんとやってると思うんですけどね。
それが受け入れられる国なのかどうかっていうのはあると思いますけど。
日本は結構綺麗好きな国だと思っているのでやっぱり綺麗な野菜が好まれるのかなって思ったりとかもしてますね。
スピーカー 2
新鮮な野菜を届けるっていうのが一番目的ですからね。
スピーカー 1
そうですね。
大きくは収量を安定化させたりとか働く労働時間を減らして効率的に収穫量を増やす。
あとはちゃんと農家さんの収入が確保できるようなっていう。
そういう大きな3つの役割が農薬にはあるのかなとは思っています。
大事ですね。
ただやっぱり食べる側としては安全であって欲しいっていうのもあると思うので。
その気持ちもこちらとしてもすごい分かりますし、開発する側としてもやっぱり安全な商品を出したいっていう思いもあるので。
スピーカー 2
まあそうですよね。
スピーカー 1
そこもしっかり。
スピーカー 2
農薬イコール悪ではないよっていう。
スピーカー 1
そうですね。
塩でも砂糖でも大量に食べれば毒になりますし、それは農薬も一緒でっていう考え方をしてますね。
次ここから農薬の種類の話をしていきたいんですけど、農薬ってどれぐらい種類あると思いますか?
スピーカー 2
どれぐらい?
えーもう全然わかんないですけど、なんかいっぱい野菜も果物とかもあるじゃないですか。
だから、えー何種類くらいあるんだろうな。
スピーカー 1
大きなカテゴリーっていうんですかね?カテゴリーでいくと。
スピーカー 2
カテゴリーでいくと、だからさっき言ってた雑草カラス系の、敵を倒すタイプと、逆に育てたいものの育成を促進するみたいなタイプはあるんじゃないかなと思いますけど。
あとあれかな、虫対策とかかな。
スピーカー 1
あ、そうですね。それもあれですね。
今多分挙げていただいたやつだと、除草剤とか、あとは虫倒す系だったら殺虫剤ですね。
あとちょっと成長を良くしたりっていうのは植物成長調整剤って言うんですけど、
多分畑にぶっ刺したりするのも、中に入っている成分を見るともしかしたらそれにカテゴリーされたりするかもしれないです。
あとは細かくなるんですけど、サツダニ剤とか。
サツセンチュウ剤。センチュウってめちゃくちゃちっちゃいミミズみたいなのが土の中にいるんですけど。
スピーカー 2
逆に研究でよく出てくるんで知ってますけど。
スピーカー 1
あ、そうですね。よく研究で出てくるんです。
スピーカー 2
出会ったことは全然ないんで。結構センチュウ問題になるんですかね。
スピーカー 1
なりますなります。
サツマイモとかだとコブができたりして商品にならなかったりするんですよ。
サツマイモに寄生してサツマイモから広がっていくので。
そうなんですよ。
なのでそのサツマイモが良い状態で育たなくて、物にならないっていうこともあるので。
スピーカー 2
あ、そっか。意外と知らなかったな。センチュウ、そうなんだ。
スピーカー 1
研究対象としてはすごい便利だと思うんですけど。
農家さんからするとすごい厄介で。
センチュウから菌に感染して病気になったりとかっていうのもあるので。
センチュウ剤っていうのはイモとかそういう系は特に市場が大きい剤ですね。
スピーカー 2
センチュウにとっては踏んだり蹴ったりかもしれないですけど、仕方ないですね。
そうですね。
結構いろんな種類ありますね。
スピーカー 1
いろいろあります。
あとは殺菌剤とか、ネズミ殺すやつとか。
スピーカー 2
ネズミ専用みたいなのか。
スピーカー 1
ネズミ専用とかもあります。
という感じでいろいろ全部で11種類ぐらいですかね。
カテゴリーに分かれています。
その中でやっぱり王道でいくと、除草剤、殺虫剤、殺菌剤っていうのがどの地域でも王道かなと思います。
地域によってやっぱり出やすい市場というか。
例えばですけど、ヨーロッパだと殺菌剤の市場が結構大きかったりとか。
あとアメリカ、北米、南米だと除草剤が多かったりとか。
もちろん殺菌剤も売れるんですけど、植え付けてる作物によって使われる農薬が変わるので。
小麦とか大豆とか、あと稲とかはやっぱり除草剤がすごい使われて。
野菜とかフルーツは殺菌剤とか殺虫剤がよく使われるっていう感じですね。
なのでヨーロッパとかだとどちらかというと、穀物はもちろん栽培されてるんですけど。
トマトとかもありますし、トマト、ジャガイモ、ポテトとかもあるので。
除草剤もですけど、結構殺菌剤とかはシェアが大きいです。
スピーカー 2
そうなんだ。地域性はありますよね。
スピーカー 1
そうですね。育てられるものもやっぱり気温とか気候で変わってくるので。
やっぱりそういう自然環境も影響してきて。
雨が多い年はやっぱりこれが売れる、こういう剤が売れるとかっていうのもありますし。
スピーカー 2
そうか、雨の量で変わるんだ。
スピーカー 1
変わります。湿気の量とかでも変わるので。
スピーカー 2
そう考えたら農薬メーカー側からしたら品揃え豊富にしないといけないから結構大変ですよね。
スピーカー 1
そうです。やっぱりいっぱいラインナップ持ってるっていうのは販売する上では大きいですね。
スピーカー 2
そうですよね。今年はこれいっぱい作ったけど雨多かったから全然使えねえみたいになったら。
スピーカー 1
そうです。いろんな地域で売るためにいろんな種類を開発するというか研究して出していくっていう。
スピーカー 1
じゃあここからは、いい農薬が1個出てきた時に、どうやって安全性の評価をしていくのかっていうのを、
私が仕事している内容をベースにご紹介していければいいかなと思います。
スピーカー 2
全然僕は知らないですね。
スピーカー 1
まずなんですけど、最初の方にもお話ししたんですけど、農薬って認可を受けないと売れないので、
そもそもはその国とか地域のルールにのっとって、必要なデータを集めて安全だっていうことを証明するっていうのが絶対必要になることです。
もちろんその前のベースとして、きくっていうのがちゃんと枯らしたりできるっていうのが、
ベースの上でいいものが出てきたら、それがすべて達成できるものを選ぶっていうのが一つの大きな課題になりますね。
スピーカー 2
だからいろいろな候補を試して、そこから選抜していくみたいな感じですね。
スピーカー 1
そうです。ある程度絞られてくると、いろいろ候補から一番いいものを選んできて、
どれが登録取れそうかとかっていうのも実際に実験しながら選ばれる対象のデータになっていくっていう感じですね。
スピーカー 2
なるほど。じゃあそこからちょっと絞られた段階ぐらいから、もっと細かい安全かどうかとかをやり始めるっていうことですね。
スピーカー 1
そうです。私がやってるのは残留っていう分野と退社っていう2つの分野を担当してるんですけど、
残留って聞くとイメージしやすいと思うんですけど、農薬って環境中にまくので、そもそも土にどれぐらい残るかとか、
っていうのも調べないといけないですし、あとは作物に直接かけるので、作物にどれぐらい残ってるかっていうのを調べる。
この残留っていうものと、あと退社って言われるどうやってバラバラになっていくか、有効成分がバラバラになって分解されていくかということですね。
っていうのを調べるこの2つをやってます。
スピーカー 2
だからそれも大きく分けたら植物の中でどうバラバラになるかと、土の中でどうバラバラになるかっていうのをどっちもやるって感じですかね。
スピーカー 1
そうです。それをそのラボで再現できる形でやるっていうのが仕事としてやってる内容ですね。
スピーカー 2
なるほど。
スピーカー 1
環境中にまくので、いろいろ検討しないといけないことが多くて、環境中にまくので、どこに行くかわからないっていうのが前提で、可能性があるところは全て調べないといけないっていうのが農薬の難しいところですね。
スピーカー 2
例えば近くに川流れてますとかあったら川も調べるんですか。
スピーカー 1
そうです。どれくらいそこに流出するかとかっていうのを調べます。
スピーカー 2
それは大変だな。
スピーカー 1
実際にその使用場面とかが登録取るときに当局の方から指定されるというか、こっちから提案して環境汚染が問題になりそうというか恐れがある場合はバッファーゾーンっていう名前を言うんですけど、
スピーカー 2
バッファーゾーン。
スピーカー 1
川から何メーター以上離れたところじゃないと処理しちゃダメっていうルールができたりとか。
スピーカー 2
行っちゃったらやばいからですよね。
スピーカー 1
そうです。
スピーカー 2
その辺ちゃんとやってるんですね。
スピーカー 1
その辺もシミュレーションしながら使い方が決まるっていう感じですね。
それを決めるための試験をしているっていう感じですね。
スピーカー 2
なるほど。
スピーカー 1
ちょっと細かい一つ一つの話が入りますけど、環境中でまず代謝の話からいくと植物中でどうバラバラになるか、土壌中でどうバラバラになるか、
あとはもし作物とかに残った場合はそれが人間の体に入る可能性もあるので、生き物の中でどうバラバラになっていくかっていうのを調べないといけないので、動物代謝っていうのを大きくやってます。
スピーカー 2
それマウスとかラットとかその辺ですか?
スピーカー 1
マウス、ラットとかです。
あとは川とかに行くこともあるので、火水分解とか、あとは水の中で川の水に入ったらそこに日光が当たると思うので、水中光分解って言うんですけど、水中で光が当たった時にどう分解するか。
なるほど。
ラジカル反応とか起きるので。
スピーカー 2
めっちゃ起きやすそうですもんね、確かに。
光当たったら。
スピーカー 1
なのでそういうのも調べます。
スピーカー 2
なるほどな、それを疑似的な川みたいなのでやるんですね。
スピーカー 1
はい、そうですね。
スピーカー 2
さすがに魚はやらないですか?
スピーカー 1
魚もやります。
スピーカー 2
魚もやるんだ。
スピーカー 1
はい、要求してくる国があるので、最終的にやったりもします。
スピーカー 2
そうなんだ。
スピーカー 1
はい、関わる生物すべてチェックしないといけない。
スピーカー 2
大変ですね。
スピーカー 1
難しいところですね。
いろいろやってどう分解していくか、代謝マップを作るって言うんですけど、
どういう加工物がどういう形に変化していくのか、バラバラになっていくのかっていうのを調べて地図にして、そこから残留するかどうかチェックする基準っていうのがあって、
童貞って言うんですけど、物の顔を決めた時に、それを残留しているかどうかチェックするものをそこから決めるっていう段階に入ります。
スピーカー 2
それは量的にとかですか?これが量多いやつとかメジャーなものを決めるっていう感じですか?
スピーカー 1
そうです、メジャーなものを決めます。
これもまた国と地域によってルールが違って、登録、販売を目指す地域に応じて探していかないといけない。
なるほど。
スピーカー 2
さっきマップっていう地図みたいなの出ましたけど、
すっごいシンプルだったら、この成分がこれになってまた次これになってっていう一方通行というか、
一方向しかないかもしれないですけど、実際はこの成分の中の一部のパーツが変わる場合もあれば、別なところが変わる場合もあれば、結構複雑なわけですよね。
スピーカー 1
はい、そうです。
スピーカー 2
だからそれを全部こういう変わったやつがいるっていうのを頑張って、土の中とかから引っ張ってきて、
スピーカー 1
実際土の中ではこれになってるとかを一個一個潰していくっていうことですよね。
スピーカー 2
そうです。
スピーカー 1
なんか人の体でやるのとはまた違った大変さがありそうだなって思いましたね。
スピーカー 2
そうですね。
全然違うだろうなっていう。
人の体だとどう代謝されるかとか、主に肝臓とかだと思うんですけど、結構代謝される反応が明確なんですけど、土壌の場合だと微生物が分解するので、
スピーカー 1
そうっすよね。何でもありじゃないですか。
何でもありです。なので、使う土壌によっては肝臓が変わるので、違うものが出てきたりとかもありますし、
あとは作物によったらトマトでナス化の植物でやるのとイネ化の植物でやるので、代謝構想とかも変わってくるので、できてくるものが変わったりとかもしますし、
いろんな土壌で調べて、いろんな作物で調べてっていうのをして、網羅的にチェックしないといけないですね。
スピーカー 2
だから膨大な量をやらないといけないですよね。
スピーカー 1
そうです。膨大な量をやらないといけないです。
地図作るためにも。
スピーカー 2
はい。
で、そこから大事なやつを選んで、それも安全かどうかみたいなのをやるってことですか。
スピーカー 1
そうです。そこからこれぐらい出てきたら、マウスとか使った安全性試験をしないといけないという基準があるので、それをする。動物実験をするっていうフェーズに入ります。
そこでもし毒性があったりとかしたら、致命的な毒性があったらもうその時点でその材は開発できないってなることもありますし。
スピーカー 2
そこはシビアですよね。実際。
しかも多分やってみないとわからないみたいなところもあるじゃないですか。そこまで行くと。
そうです。
なんか予想外の毒性が出たぞみたいなのが全然ありそうだし。
スピーカー 1
全然あります。
スピーカー 2
成功率もそんなに高いわけじゃないじゃないですか。多分。
はい。
いろいろ試すしかないって感じですよね。きっと。
スピーカー 1
土壌で残留を調べる前に土壌でどれぐらいのスピードで半減期って半分に減るのかとかっていうのも調べるんですけど、
そういうのを調べて川とか地下水とかにどれぐらい農薬成分とかその代謝物、農薬に由来するものがどれぐらい水の方に行って水を汚染するかっていうのも調べる試験もしたりします。
それは補助で実際に巻いて地下水取ってきて分析するっていうこともありますし、
必要な加工物のパラメーターっていうんですけど、どれぐらい使用性があるか、水に溶けやすいかとか、
あとは土壌中でどれぐらい分解されやすいかっていうのを指標に、地下水にどれぐらい漏えいするかっていうシミュレーションをして基準をオーバーしないかっていうのも調べたりしてます。
スピーカー 2
地下水ってどうやって取ってくるんですか?
スピーカー 1
農薬の評価でおける地下水っていうのが1メーター下にある水っていうことになってるんですよ。
土壌中の下になってくるので採水カップっていうのを使って実際に引っ張って取ってきたりとかっていうのをしますし。
スピーカー 2
その地面をちょっと掘って?
スピーカー 1
あ、そうです。井戸みたいなのを作って掘ったりとか。
スピーカー 2
それも大変だな。
まあそれでもどっか行ってたらまずいですもんね。
スピーカー 1
あ、そうです。
まずはそのシミュレーションで大丈夫か基準をオーバーしてないかどうかっていうのを確認して、もしオーバーしてたら実際の補助でチェックして本当にオーバーするのか確認してみようステップを踏んでいくっていう感じですね。
地下水にどれぐらい出たらアウトなのかっていうのも基準が定められてたりするので、それを超えてないかとか。
スピーカー 2
そこを全部まとめてデータ提出するっていうことですね。
スピーカー 1
あ、そうです。シミュレーションもして全部提出するっていう。
ちょっと全部喋りきれないんですけど、私の仕事だと環境中にばら撒かれた農薬がどういう運命をたどっていくかっていうのを調べてどれぐらい環境に影響があるかっていうのを見積もるっていう仕事ですね。
スピーカー 2
農薬とかって言っても人間が作り出したものじゃないですか。
自然的なものではないから、それを自然界で使ってその後どうなるのかって言ったら撒いたものがものすごい地球の環境をぶっ壊しちゃいますみたいなものを撒いてたら、そのうち人間も自分の首絞めることになるし、
そこの使った地域だけ環境めっちゃ破壊されちゃいますみたいなのを世界中でやってたらあっという間に多分地球終わっちゃうじゃないですか。
スピーカー 1
そうなんですね。
スピーカー 2
だからそういうのが起きないようなちゃんとルールを結構慎重に作ってやるのはもう人間の責任だなって思いますね僕は。
スピーカー 1
本当にそうだと思います。
スピーカー 2
そうっすよね。
スピーカー 1
はい。
スピーカー 2
人間のエゴでしかないですからね。
スピーカー 1
はい。
スピーカー 2
だから大事な仕事だなと思いますねそれ。
スピーカー 1
地下水の話先ほどしたんですけど、レンさんヨーロッパに住まれてると思うので、
蛇口から出る水って半分ぐらいが地下水なんですよヨーロッパって。
スピーカー 2
でもそれなんか聞いたことありますね。
スピーカー 1
あげられますね。
スピーカー 2
めっちゃ香水なんですよね。
スピーカー 1
そうですそうです。
ビース。
なのでその地下水でどれぐらい農薬が漏えいするかっていうのをチェックするのが厳しいのがヨーロッパで。
スピーカー 2
確かに確かに。
スピーカー 1
実際に撒いてそれが半分飲料水に行っちゃうので。
やばいなそれ。
もし汚染されてるとそうなんですよ。
住んでる方の飲まれる水が農薬で汚染された水になってしまうっていうことになるので、
特にヨーロッパはすごい気を使ってて基準値を設けて自立でもこれ以上出たらダメっていう基準が決まってて、
もうそれをオーバーするってことがわかったらそもそも登録取れないっていう措置になるので。
スピーカー 2
しかも環境系とかヨーロッパは特に厳しそうだなっていう。
スピーカー 1
めちゃくちゃ厳しいです。
スピーカー 2
感じはしますよねやっぱ。
水道水飲まないですもん直接。
そうですよね。
フィルターしてますね絶対。
うちにもそのわざわざフィルターするポットっていうんですかね。
ジャーみたいなやつ買ってて。
絶対フィルターしてから使うっていうのやってるんですけど。
スピーカー 1
そうですよね。
そうなんですよ。
なのですごい住んでる地域の方によっては生活にすごい密接な課題というか。
っていうのもラボとか実際の補助を使って確認したりとかっていうのをしながら農薬に関係ない人が悪い面をこむらないようにするっていうのも大事な一つの仕事かなと思います。
スピーカー 2
そうですね。
結構この辺専門で難しいじゃないですか。
こういう代謝物が出たら危ないとか見えないし調べようと思ってもこういう文章って難しいと思うんですよ。
でもそういう試験をやってるんだなっていうのはちゃんと知っといた方がいいですよね。
そうですね。
スピーカー 1
やっぱり人の口に入る可能性のあるものなので。
すごいたくさんの評価をして、当局がこれだったら使っていいよって言ってくれたやつしか使えてないっていうのだけ知っておいてもらえると開発してる側としてもとても嬉しいですね。
スピーカー 2
そうですね。
未だに結構いる気がするんで。
もう絶対無農薬がいいみたいな、何て言うんだろうな。
農薬は悪だみたいな感じで言ってるのも全然見かけるんで。
ちょっとそこは正しく伝わってほしいですね。
スピーカー 1
そうですね。
やっぱり最初にも話しましたけど、何でも大量に取ったらそれは毒になるので。
それはそうとして、ただでもちゃんと安全を確保できるようにしてるっていうのをしてほしいですね。
スピーカー 2
こういう話を実際やってる人から聞くのはすごい大事だと思ってて。
全然そういうのやってない当事者じゃない人が言っても説得力ないじゃないですか正直。
だけど実際そういう試験を発売前にやってますとか、そういう声は多分全否定する人にもちゃんと届いたら見方変わる人とかもいるかなと思うんですよね。
だからすごいいい話だなと思いましたね。
スピーカー 1
ありがとうございます。
スピーカー 2
夏は農薬まいて、冬はスノーボードしてるわけですね。
スピーカー 1
僕はあんまり農薬、あんまり補助というか畑に出ることはないので。
スピーカー 2
基本研究室ですか?
スピーカー 1
基本研究室で実験室でできるスケールの試験をして、実際に作物が届いたのを切ってペースト状にしたりしてそれを分析したりとか。
あと土壌とかも測りにとって有機溶媒で抽出して分析かけたりとかっていうのを仕事としてやってます。
スピーカー 2
面白いですね。多分使ってるものとかは僕も似てたりすると思うんですけど。
その中に入ってる分子見つけようみたいな話なんで。
やってることは全然違うなっていうところは感じましたね。
スピーカー 1
やっぱり評価するのが仕事なので作り出すというよりかは。
スピーカー 2
すごいスポットライトが当たってるわけではないかもしれないですけど。
こういう分析評価するみたいなのでもかなり専門性高いところですし関わってる人もたくさんいるし。
そういう仕事もあるんだなっていうのをまた知ること自体が大事だなっていう感じですかね。
これやってスノーボードのプロをやってるのマジですげえなと思いました。
どういうことなんだ。
日本代表のマネジメントもやられてるんでしたっけ?
スピーカー 1
面倒を見てる選手というか大学のスキー部のコーチもしてるんですけどそこに日本代表の選手がいたりとか
知り合いでもすごい狭い世界なので人口が少ないので結構知り合い、友達の友達が日本代表みたいなことがよくある世界で
そういう子たちの若いジュニアの世代、中学生ぐらいから大学生の子たちでつながりがある子のマネジメントをしたりとかっていうのもしてます。
スピーカー 2
すごいな、農薬の残留物のマネジメントもして評価しまくってるみたいな感じですね。
このまとめ方が合ってるかわからないですけど。
最後にちなみにこれポッドキャストってなんで知ってくれたんですか?これ結構皆さんに聞いてるんですけど。
ちょうど1年前ぐらいなんですけどYouTubeとか動画見るのがやっぱしんどいなって思うようになって
スピーカー 1
何か耳からインプットするのをしてたんですよ。オーディブルとかそういうのをしたりとかしてたんですけど
そういえばポッドキャストってあったなってふと思って。やっぱり科学系のことをインプットしたいなと思ってて
いろんな今だったらずっと農薬のことばっかりしかやってないので
いろんな分野のことを知りたいなって思って調べたらたまたまサイエンマニアが最初に出てきて
そこからすごい面白いポッドキャストあるなと思って聞いてサイエントークを知ってサイエントークを聞くようになってちょうど1年ぐらいです。
スピーカー 2
ああそういう流れなんだなるほど。
スピーカー 1
サイエンスか何かで調べたんですよ。その時。科学とか。そういうワードで検索したときに一番最初に出てきて。
スピーカー 2
一番サイエンスって言ってる気がするんで。ポッドキャスト界では多分。良かったですね。そういう意味では。
スピーカー 1
出会えて良かったなと思います。
スピーカー 2
そしてここまでそのサイエンマニアに出てくれるところまで本当にありがたいなと思いますね。
スピーカー 1
こんなような機会がいただけて本当に嬉しいです。
スピーカー 2
あとは何だろうな。農薬開発聞いてる人に興味ある人とかも結構いると思うんですよね。
そういうジャンルあるんだっていうのでそういう何かきっかけになったらこのエピソードは嬉しいなというふうに思います。
スピーカー 1
僕もそう思います。
スピーカー 2
ということで今回のゲストは渡さんでした。ありがとうございました。
スピーカー 1
ありがとうございました。
スピーカー 2
ここまでお聞きいただきありがとうございます。
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