1. サイエンマニア
  2. ニワトリは血小板がない!?栓..

ニワトリの研究とは?実は血小板がない?「栓球細胞」という面白い細胞の研究についてお話を聴きました。

【ゲスト】

當銘 香也乃さん (https://twitter.com/marronalien)

・栓球細胞とは?

・ニワトリを研究するということ

・鳥類の研究

・FACS: 参照→ 25. 脳と免疫の世界【脳神経科学 中村幸太郎さん①】シーズン7

・ニワトリの体内について

・なぜ研究者になろうと思ったか?


毎週月曜日配信!ポッドキャストのフォローやレビューでご支援いただければ嬉しいです。

Twitter #サイエンマニア

SciEnMANIA公式サイト(おたよりフォーム)

サイエントークはこちら

1シーズン1人のゲスト形式で、各エピソードは一区切りのチャプターとしてご利用いただけます。

流し聞きする場合は、エピソードを古い順に並べ替えていただくとシームレスに聞くことができます。

BGM

only a little

00:01
こんにちは、レンです。 シーズン19は、ニワトリとセンキュー細胞の世界です。
知られざるニワトリの研究のお話を熱く語っていただきました。 ぜひ最後までよろしくお願いします。
今回のゲストは、新潟大学大学院博士課程の トウメカヤノさんです。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。 トウメさんは、再びシーズン3の柿野さんからのご紹介なんですけど、
またビーストつながりということで、 今回はバイオ系の方ですね。
はい、そうです。 よろしくお願いします。
じゃあ早速、どんな研究をしているのかっていうお話をお願いしてもいいでしょうか。
わかりました。ビーストでも発表したんですが、 私がやっているのって、ニワトリのセンキュー細胞という細胞の研究です。
多分聞いたことがないというか、 何って今聞き取れない方が多いかと思うくらいなんですが、
簡単に言うと、私たち哺乳類で言うと血小板とか、 怪我を治す、傷を塞ぐような働きをする細胞がセンキュー細胞です。
人にはなくて、鳥とかカエルとかにある細胞で、 それらがどうやって怪我を治しているのか、その仕組みを今調べています。
なるほど、センキュー細胞って、これ多分あれですね、 漢字が伝わるかな、センキュー。
蓋をするワインの栓とかの栓、 気変に全部の栓の栓と、球は玉の球です。
なんか溜まってつくとそうですよね、 血球とかそんな感じの仲間っていうことですかね。
血液の中を巡っているので、 赤血球とか白血球とかと同じ球の漢字を使っています。
なるほど、そのセンキュー細胞がどんな働きをしているのかっていう研究。
傷を塞ぐことはもう分かってたんですけど、 じゃあどういう遺伝子がとか、
どれとどれが作用しているのかとか、 細かいところが全然明らかになっていなくて、
それですごい面白いなと思って、 今その細かい遺伝子とかを調べています。
なるほど、これセンキュー細胞って、 蓋の栓っていう漢字書きますけど、
もともとそういう蓋をするみたいな働きがあったから こういう名前ついてるんですか。
そうなんです。70年とかそのぐらい前に観察で発見されていて、
傷口を見ていると何か塞いでる大きな細胞がある。
これは新しいぞっていう発見からついた名前なので、 本当に見た目のままでセンキュー細胞と呼ばれるようになりました。
03:02
へー、面白いな。それ、ニワトリの細胞を ずっと見てた人がいたってことですよね。
そういうことですよね。昔なので写真とか見ても 全然正直わからないくらいの画像なんですけど、
それを見てこれは人間とか哺乳類にはない何かの細胞だ っていうふうに調べている論文が最初に出てます。
なるほど。これは人には全く存在しないってことですかね。
はい、全く存在しないですね。
人でいうと巨核球という細胞があって、 血液にある血小板を作る元の細胞が巨核球なんですね。
巨核球とセンキュー細胞はすごく似ている っていうふうに言われてはいるんですけど、
実際には違うもので進化の過程で巨核球になったとか、 そういう話も実は出てたりもします。
なるほど。でもセンキュー細胞っていうものは失われたというか。
そうですね。今、哺乳類は持たずに 今、生活というか生命が成り立っている感じです。
そもそもそのセンキュー細胞ってやつがやってた役割を 今人間は違うのでもうできちゃうからみたいな、そういう話ですかね。
そうです。人はもう血小板が働いているっていうのが 完全に置き換わっている役割が別のものになっているっていう感じです。
よくある血小板がワーッと集まって凝固するみたいな、固まるみたいな感じですよね。
そうです。血小板だけじゃなくてやっぱり いろんな因子とか他の細胞同士とかと働き合っていて、
それとはまた別の仕組みが鳥の持つ センキュー細胞にはあるっていう感じで、
別、新しい何か作用があるんじゃないかっていうふうな 期待も込めて研究をしています。
それはどんな感じのことなんですか、新しいこと。
今私が調べていてちょっとずつわかってきているところは実際にあって、
もちろんセンキュー細胞自身が傷口にくっつくって 傷をふさぐのもあるんですが、
センキュー細胞が細胞より小さな粒子を出しているっていうのが新しく発見できて、
その中にある遺伝子が含まれているので、それが周りの細胞、
例えば血管の壊れた壁の細胞とか皮膚の細胞とか、
そういうものに働きかけて、そっちの細胞を増やしていくとか。
すごいですね、それ。
そうなんです。
DNAを中に入れた玉みたいなやつがそこから出てくるみたいなイメージですか、細胞から。
そんな感じです。
実はセンキュー細胞じゃないいろんな細胞もそういう粒子を出しているっていうのは実は結構調べられていて、
今この研究会ではかなりホットな話題でもあるんですね。
06:03
遺伝子とか遺伝情報を持った玉を細胞が出していて、他の細胞に受け渡すっていう流れは結構最近かなり注目されていて、
それと同じ仕組みがセンキュー細胞でも起こっている。
それで止血が進む、怪我を治してくれるっていうのが今の仮説です。
面白いですね、それ。
イメージですけど、大腸菌とか菌みたいなやつって結構遺伝子を水平で伝播するみたいな。
はい、そうです。
ありますよね。
あんな感じですか、イメージ。
どうですかね、ちょっと違うかもしれないですね。
やっぱりそのセンキュー細胞、親であるセンキュー細胞が持っている情報の一部が分けられてというか、
イメージとしてはちぎれ出ていく感じなんです。
元は細胞の一部だったものが中身と一緒に外へ出て、他の細胞へ伝わっていくっていうお手紙みたいな感じで。
お手紙、なるほど、情報だけ載せて。
そうです、封筒と中のお手紙みたいな感じで、そのお手紙を他の細胞へ届ける。
こういうふうに増やしてくださいっていう情報を伝えるっていうのが、
センキュー細胞が子血へ働く流れじゃないかなっていうのが今の考えです。
どっちかというとウイルスっぽい感じ。
そうかもしれないですね、考え方的には。
面白いな、それは。
それがどういう仕組みかみたいな研究ってことですか。
そうですね、まずそのセンキュー細胞がさっき言った粒子を出しているかどうかは全くわからなかったので、
まずあるかどうかっていうのを徹底的に調べて、実際やっぱり出しているってところまでは掴んできてて、
さっき遺伝子がその粒子に含まれるって言ったんですけど、遺伝子にも何百種類というものが含まれているので、
この何百種類のどれかが怪我を治すとか、どれかが逆に怪我を治さない、邪魔するような遺伝子ももちろん中にはあったりして、
この一対一の関係というか、この遺伝子がこうさせる、この遺伝子はこうさせるっていうのを細かく明らかにしようっていうのが今のステップです。
なるほど。そしたら、それは遺伝子を読んで、イメージどんな感じなのか、いい例え浮かばないですけど。
そうですね、結構今何もデータベースとか情報もない状態なので、やり方としては片っ端から読んで配列を見てって感じです。
データベースないっていうのは、鶏だからですか?
鶏だからっていうのももちろんありますし、千球細胞が出す粒子の中の遺伝子なんて見てるのはもう私たちくらいのものなので。
09:07
めちゃくちゃマニアックな遺伝子ってことですね。
そうなんですよ。結構調べると類似するものがネズミは持ってたり、人も持ってたりとかで、この遺伝子がこう働くみたいのも調べると出てくるものもあるんですけど、
それだけだとやっぱり全部が説明がつかなかったり、あと実際こう私たちは実験をする、自分の手で実験をして結果を出す人たちなので、
じゃあどうやって再現するかとかですかね。
計算上ではこれとこれがマッチするって言っても、じゃあ実際これは本当に細胞で起こるのかとか、実現できるかどうかってところを頑張るのが今の私たちです。
なるほど。そのさっき言った手紙みたいなちっちゃい玉が出てくるやつを、じゃあ回収するみたいな感じなんですか。
そうですね。やっぱり細胞が混ざっちゃうと邪魔なので、出てくる玉だけを集めてきて、そこから遺伝子を取り出して、解析して、読んで何があるかをつきとめて、
さらに何があるかっていう遺伝子たちが何をしているかみたいな、じゃあ役割は何かっていうのを今調べてます。
細胞とかってぐっちゃぐちゃじゃないですか、生物の中の。
そこからその望みの玉だけを選んで取ってくるみたいなのも大変そうだなって思ったんですけど。
結構そこは苦労、ずっと苦労していたところでは実はあって。
そうなんですか。
普通、動物細胞だと細胞株っていうふうに、ある1種類の細胞だけを培養するようなことができるんですね。
なので、ネズミだったり人だったりっていうと、筋肉の細胞だけとか血球系だけとか、
細胞株っていうその1つの1種類だけがあるんですけど、ニワトリってそれがまだ作られていないので、
もちろんその神経細胞の細胞株も今この世には存在しないんですね。
作りたいなと思うんですけど結構難しくて。
それイメージなんかシャーレとかで育ちますみたいな、そういう感じですか。
そうですそうです、そういうのが細胞株って呼ばれるものなんです。
それがないからどうするかっていうと、生きてるニワトリから取ってくるっていうのが今扱っている方法です。
生きてるニワトリからいくんですか、スタートは。
元がやっぱり動物のものなので、解剖して塗殺してしまうんですが。
それ研究室にニワトリがいるってことですよね。
うちにはいないんですけど、やっている他のニワトリ扱う研究室があるので、
12:02
そちらにお願いしてタイミングを合わせてあちらがやるときにちょっとこれだけくださいとか言って。
細胞をちょっと分けてもらってみたいな。
そうです、あちらが使わない部分をいただいて、こっちも実験するというような。
すごいな、なんかお裾分けしてもらってるみたいな。
そうです、もうくださいって言いながら大学を歩き回って、やっと見つけたところでお願いしますって。
すごいな。
確かにそういう新鮮なみたいな、新鮮な細胞じゃないとやっぱ観察できない感じですよね。
スーパーの肉からは取れないので。
ですよね。
面白いな、それは。面白いって言っていいのかな、これ。
結構生々しいと言えばそうですけどね。
そうですね、ちょっと動物愛護の観点からはちょっとあれですけど、大切に使ってるっていうことですね。
はい、きちんといただいて、それだけきちんと役に立ててっていうのはもちろんやっております。
いやー、でもしれっと流しましたけど、そういうニワトリには血小板か、ニワトリには血小板がないってことですもんね。
そうです、つまりそういうことなんです。
それがすごい面白いなと思って。
ですよね、私も正直最初知らなくて全然。
で、今の緊急室に入ったときにこう聞いて、それは面白いぞっていうのが。
ですよね、それだけ聞いたら、ニワトリって1回血入れたらもう止まらんの?みたいな感じしますもんね。
ゲームオーバーかというと、ちゃんと別の仕組みがある。
しかもそれは誰もまだ知らないっていうのがかなり熱いなと思いますよね。
めっちゃ熱いですね、しかもニワトリなんてめっちゃ身近な動物じゃないですか、言っても。
そうなんですよ、ニワトリって言ったら絶対わかるじゃないですか、もちろん。
ですよね、なんか小学校とかで飼ってた。
うんうん、ありましたよね、ニワトリ小屋とか。
飼われてるイメージがあります、ありますよね。
私もしょっちゅう鶏肉も食べますし、いろいろお世話になっている動物です、ニワトリは。
それなのに、意外と知られてないってことは、なんかハードルがあったみたいな感じなんですかね、研究する。
やっぱり生き物の研究って、哺乳類がどうしても中心になるので、医療とかの観点で。
マウスとかネズミに比べると、ちょっと利用しないほうが多いかなっていうのと、
あと、ニワトリもちろん鳥類なので、鳥類と哺乳類ってかなり離れているんですよね、遺伝子とか見ても。
っていう意味でも、扱いづらさは実際あるのかなと思います。
でも、鳥類の中でもニワトリってモデル動物と呼ばれる、比較的研究が進んでいる動物なので、
15:06
鳥を調べるなら、ニワトリを使うのが一番、情報とかがたくさん今はあるかなと思います。
そうなんだ、ニワトリが一番知られてるんですね。
ニワトリとかウズラとかがよく使われる。
やっぱりいっぱいいるからかな、いっぱいいて、やっぱり食べられちゃうもんな。
そうだと思いますね、畜産とかとも関連があるのかなとは個人的に考えたりもします。
ありそうですね、いっぱいいるから、まあまあちょっとお借りしてみたいな。
そうですね、飼育とかも比較的ちゃんと確立してるというか、
変な派手な鳥とかよくわかんないですけど、ニワトリは農家さんとかも育ててたりするので、そういう意味でも使いやすいかなと思いますね。
なるほど、このさっきまで言ってたセンキュー細胞みたいなやつって、他の動物、ニワトリ以外もこういうのがあったりするんですかね。
そうですね、今ニワトリと哺乳類っていう分け方で話したんですが、実はその哺乳類以外の動物はみんなセンキュー細胞なんですよね。
え、全部?
そうです。
あ、そうなんだ。
なので、私、逆に動物界で見ると私たちがレアみたいな感じです。
なるほど、こっちがマイナーなんだ。
そうなんです。
え〜。
まあ、脊椎動物になるんですけど、脊椎動物の中だとニワトリ含む鳥類と、あと両生類、カエルとか、と魚、魚類と爬虫類、この4種類がみんなセンキュー細胞を持っている動物です。
え〜、あ、そうなんだ。魚とかもないんですね。
そう、そうなんですよね。知らなかったですよね。
全然知らなかった。意外だな。
そうです。
まあ、そもそも魚とかにカサブタとかできるイメージないし、みたいな。
そうです。魚のカサブタとはって考えてみると、カエルがカサブタあるかっていうと。
そうですよね。カサブタって結晶版ないとできないですよね。
たぶん、センキュー細胞でも似たようにふさぐって意味ではカサブタなのかな。
できるんですか?
私もちょっと見たことはないですけど、蓋をする何かはできるはずなので、もしかしたらあるかも。
結構気になりますね、それは。
ですよね。
カサブタみたいなのできてるのかな、実は。
実は、やっぱりでも魚とかだと水の中にいるので、もっと違う粘着質のものだったりするのかなってちょっと思いますね。
だし、結構速攻性が必要そうじゃないですか。
そう、それが魚を見てる人が言うんですけど、やっぱり怪我するともちろん血がどんどん水の中に入れちゃうし、逆に悪いものも入ってきちゃうので。
18:04
一説では、結晶版よりもセンキュー細胞のほうが止血が早いんじゃないか。
早い必要があるはずだっていうふうにも、実は言われたりして。
私はちょっと魚見てないので、実際どうかは知らないんですけど、それ聞くと確かになるとも思いますね。
ですよね、緊急性がだいぶ違いますね。
寮生類も多分そうでしょうし、すぐふさがないと。
やっぱり実際、私はニワトリを殺したりというか、実験用に解剖するんですけど、本当に血が固まるのが早いんですよね。
実際触っててわかるぐらいのレベルで。
そうです、本当に1分もいらない数十秒単位で出た血がどんどんプルプルのゼリーみたいに固まる感じになってて、やっぱりそれもセンキュー細胞の凝固作用というか。
すごいな、それは。
それを自分でも見て、こんなに早いんだなっていうのは実際に感じますね。
それって固まるぞってスタート出すのって、空気に触れるとかそんな感じですか?
それはまだ実際にはわかっていないんですけど、私たちが考える仮説としては空気だったりとか、物理的な刺激、ぶつけたとか、怪我をした時って何らか圧力がかかるとかがあると思うんですけど、
そういうのが、センキュー細胞ってすごくもろい細胞なので、すぐ壊れちゃうんですよ、パンって。
パンって破裂すると、中にある遺伝子を持つ玉がどんどん出てくるっていう感じで。
そういうイメージか、なるほど。
そういうのも多分あるんじゃないかっていうのが今思ってはいますね。
そこもまだはっきりとはしてなくて、これも知りたいとは思います。
面白いな、爆散みたいな感じで。
そうです、イメージ的には。
爆散は言い過ぎかもしれないですけど。
でもそう、実際に血液の、私たちが小さくなって血液に入ると爆散は目のあたりで、絶対怒ってるかも。
その発想面白い。
知れないですよね。
一番手っ取り早いかもしれないですけど。
こうだったのかっていうのが実際わかるかも。
でも実際めっちゃ顕微鏡で拡大したら、そういう様子とかって見えるもんなんですか?
なんか色付けたりとかってよくしますよね、きっと。
はいはい、しますします。
やっぱりさっき言ったセンキュー細胞って細胞株がないので、鶏から取ってくるときもいろんな細胞が混じっているんですよ。
で、そこからより分けないといけないっていうときに、色を付けたセンキュー細胞だけにくっつく治薬、お薬を使って、
21:02
例えば緑色に光るものはセンキュー細胞だ、それ以外は違うものだっていう風に分けたりするんです。
それで見ても、センキュー細胞だけ集めるときにも色を付けますし、
鶏のある内臓に全部薄く切って、色を付けて、こういうところにこのぐらいセンキュー細胞があるんだなっていうのを視覚的に見たりします。
それあれですか、一個一個細胞を分けるやつですか?
そうです、セルソーターとかいう。
ファックスとかいうやつですか?
そうです、ファックスを使ってます。
誰だっけな、ちょっと過去のやつにも一回ファックス出てきたんですよね。
ありました?
忘れちゃったの誰か。
ファックスではなく、ファックスなんですよね。
ですよね、送るほうのファックスじゃなくて。
そうです、ピーガガガガじゃなくて。
ファックス。
ファックスという大型の機械が世の中にはあって、すごく高額なものなんですが。
言ってたな、誰か。めっちゃ高いんですよね。
めっちゃ高いです。何千万っていうお金がするし、扱いも難しくて。
そうですか。
やっぱり細胞とかを調べる人はファックス使いますね、おそらく。
だからその色をついてるのを、冷静に人の目でそれ見て分けるって不可能ですよね。
不可能ですね。
センキュー細胞だと、どれぐらいだろう、10マイクロメートルっていう直径なので、
100分の1ミリかな、1個が。
100分の1ミリメートルはもちろん目では直接は見れないですし、
顕微鏡で見てもそれを1個ずつつまんで取っていくとか、そんなことはほぼ不可能なので。
それやってたら博士課程終わりそうですね。
終わりますね、無理ですよね。
それは自動でやってる。
なので手っ取り早く、色とかレーザーを当てて光る色の反射とかで識別をするっていうのが、
今時だと一番楽で簡単にできるものです。
それ薄く切って、その中からより分けるみたいなのって、どれぐらいの数あるんですか?
センキュー細胞って結構多いんですか?
結構多いですね。組織にもよる、どの内臓かにもよるんですけど、
例えば、もちろん血液の中にいるので、
血液の中だと、でもやっぱり鉄血球がすごくほとんど、8割とかそんぐらいあるので、
そう見ると割合はそんなに高くないんですけど、
私が調べた中だと、脾臓っていう内臓があって、肝臓の裏側あたりにある丸っこい、
24:08
ニワトリだと丸っこい。
そうですね。大人のニワトリだと直径3センチくらいかな。
小っちゃいな。
そうです。ものがあって、その中には結構センキュー細胞がたくさんいるんですよね。
それだと、でも3割とか4割とかくらいですかね。調べてやってみてる感じだと。
結構いますね、でも。
かなり、私も思ってたよりは多いなっていうのが肝臓でしたね。
脾臓ってあれですよね。血球とか、むしろぶっ壊すところですよね。
そうですそうです。なんですけど、ある一方では血球をまた作り出すふうにも働いているので、人でもそうですね。
なので、作り出す場が脾臓だったり、あと骨髄、骨の中身だったりが、やはり血球を含めた血球を作る場所なので、そういうところには多くあります。
ちょっとニワトリの内臓とか考えたこともなかった。
そうですよね。
構造が全くわからない。
わからなかったので、図書館に行って写真を見たりとか。
ニワトリ解剖学みたいな。
いろんな動物の解剖した絵がのっている古い本とかを借りてきて、見ながら照らし合わせながら実際に解剖して、
これは肝臓だから、これが肺でとかを一つ一つ最初はやってましたね。
全部ちゃんと分けれますかみたいな。
そうです。
すごい大変そうだな。
解剖とか全然、たぶん学生実習とかそういうので、マウスの解剖とかやったことあったりする人はいるかもしれないですけどね。
そうですね。マウスとかカエルとかは、私も学生実習というか、大学1、2、3年生くらいのときにはやったんですけど、ニワトリってやっぱり結構違うんですよね、中身が。
やっぱり全然違う。
位置とか形とか大きさとかが、ある程度はやっぱり似ているんですけど、もちろん違うところもあるので、パッと見て、これがこれっていうふうには最初はわからないです、どうしても。
基本的にあれですか、構成は一緒ですか。
基本的にはそうですね、肺が2個あってとか、背中の方に心臓があってとか、真ん中に心臓があってとか、そういうのは大体は一緒です。
でも面白いな、それで血の中身が違うっていうのは。
27:03
そうなんですよね。
やっぱりなんでか知らないけど、同じようなものだとはやっぱり思ってしまうのと、
でも一方で人と全く同じことがあるかなとか、じゃあ鳥と人との違いは何かとか、そういうとこまで考えるときりがなくなるんですけど。
そうですよね、意外と全部のDNAの配列とかゲノムの情報みたいなのって、何割ぐらい一緒なんですかね、そんなにめちゃくちゃ違うわけじゃないみたいな。
結構な割合で、パーセントでいうと割と同じとこが多いですね。
いますよね。
生き物にとって重要なもの、たとえば脳みそを動かすとか、あと呼吸するとか、そういうところって生き物すべてに共通して大事なものなので、そういう遺伝子は同じのまま残りやすいんですよ。
なので、鳥は血小板持ってないですけど、赤血球は持っているので、そういう鉄分を運ぶとか、空気の運搬とか、そういう生き物のかなり根幹の部分はもちろん遺伝子が同じだからこそ、持っているものも同じになるというふうな感じです。
でも羽とか全然違いますよね。
そこがやっぱり鳥らしさと人らしさを分けるのが、その何パーセントの違う遺伝子なんでしょう、きっと。
それは面白いよな。面白いよなというか、これ別に凄い初歩的なあれかもしれないですけど。
そうですね。生物の授業みたいになってきた。
あんまりその鶏について深く考えたことあんまりなかったんで。
いや、そうだと思いますよ。私もそうでしたよ、もちろん。
ですよね。ケンタッキー美味しいなと思って。
そう、美味しいし、でも牛肉のほうが好きだなとか思ったり。
確かに。安いですからね。鶏肉のほうが安いんですよね。
そうですよ、ほんとに。助けられて生きてます。
へえ。じゃあ、なんかどうして今の研究室を選んだとか、なんか研究やりたいみたいな思ったきっかけはあったりします?
なんかその、すごい最初は理系かっこいいなっていうだけで、理系に来たんですよ。
いや、気持ちはでもめっちゃわかりますよね。
わかりますよね。なんかかっこいいなって、なんとなくの憧れで理系を選択して、最初化け学をやりたかったんですね。
あ、そうなんですか。
なんですけど、幻想表とかかっこいいじゃないですか。
いや、あれかっこいいっていう人はいるかな。
なんかほんと中学生くらいのときに教科書の裏とか見て、かっけえとか思ってたんですけど、
私も科学っていうか、理系科目がけしだめで。
あ、そうなんですか。
ほんとにだめで、もう一個も理解ができなくて、ちょっとまずいなっていうのがあったのと、
30:06
あと授業で生物の話を聞くと、めっちゃおもしろいじゃんっていう、他にはないわくわくを何か感じてたんですよね、教科書の内容からも。
私が一番一緒にあったのは、呼吸の話で、
ほうほう、呼吸。
ニワトリの血液なんて考えないように、今なんで息してるかとかって考えないじゃないですか。
たしかに、ふつうにしてたら考えないですね。
息は寝てたってするし、ぼーっとしてたってするし、なんで今自分が息、呼吸をしてるのかなんて考えたこと私はなかったんですね。
なんですけど、教科書の授業とかを聞いてると、
呼吸、酸素を取り込んで、中でエネルギーが合成されて、その間にこういう物質の変化があって、二酸化炭素が出てくる。
だから呼吸をする必要があるんだっていうのを知ったときに、めちゃめちゃすごいと思って。
体の中で、こんな仕組みがあったことを私は知らずに生きてるんだっていうのがすごい衝撃で。
意味わからんすよね。
そう、それを調べた人もすごいし、もちろん一人が数年とかいうレベルで出したものじゃないことは今わかるんですけど、
何十人とか何百人とかがいろんな発見を組み合わせて、やっと呼吸っていうことが説明できるんだっていう、やっぱり研究者への憧れっていう方にちょっと気持ちが動いて、
そっから生物やろうって決めて、高校生ぐらいですかね。
で、その漠然とした憧れの勢いのまま、生物学を勉強し、勢いだけで。
素晴らしいですけど。
大学も受験し。
はい、そうでしたね。
呼吸も含め、今やってる血液の話も含めで、こういう体を動かす生きている仕組みっていうのが、やっぱり知りたいなっていうのが、私の一番大きな目標というか思いがあって。
で、それは言ってしまえば何でもいいというか、どの部分でもいいんですけど、今いるところがたまたま血液の研究をしている研究室だったので、
そういう鳥の話とかを聞いて、これは知りたいっていうのが、今の短期的なというか、一つの目標にして、
センキュー細胞っていうのが今の私のターゲットです。
すごいたどり着きましたね。
長かったですね。
いや、高校生からって考えたら結構長いですよね。
そうですよね。本当はやっぱり発生っていうか、2つの細胞が体を作るっていう、動物の発生の仕組みとかもやりたいなと思ってたんですけど、
33:08
やっぱり向上的な常に何か働いている体の中で、しかも血液っていうとかなりワクワクするなっていうのがあって、そっちは研究してますね。
確かにな。身近ですもんね、やっぱり血。
そうですよね。全然動物を扱うことも抵抗がなかったというか、
確かにそれ重要かもしれない。
そうです。血がダメとか解剖ができないっていう人は、生物やっててもかなり多いんですよ。
そうなんだ。
うちの研究室にも血液がダメですっていう子がいたりして、
そうなんですね。
でも、そのあたりは気持ち悪いとか怖いとか、それよりも、すごい体の中ってこうなってるんだっていう喜びみたいなほうが強くて。
向いてますね、完全にそれは。
それは持って生まれてよかったなと思いました。
いや、僕全然無理なんで、血。
ダメですか?
いや、生物めっちゃ面白いなっていう思いはあったんですけど、
マウスの解剖みたいなのやったりして、これ結構えぐいなと思って。
そうですよね。自分の手でやるっていうのもまた多分違くて、結構ハードル高いんですけど。
なんか本で見るだけとは違うというか。
そう、写真とかそういうのとはまた違ったりするんですよね。
それはでも、私的には面白いなっていう。
こうなってるんだっていうのは、もちろん学びの材料でもあったりして、結構楽しめてやれてる感はありますね。
すごいな、それは。
実際それ楽しめないと観察するとか、観察し続けないとやっぱ新しい発見できないですもんね。
そうですよね。やっぱり今って科学が発展して、さっき言ったファックスだとか、機械を使ってどうこうするっていうのももちろんあるんですけど、
一番重要なのって、どうしても観察なんですよね。
すごく見て、ここは他と違うとか、これはなんか面白そうだとかって、全部観察から出てくるので、
それが基礎だし、一番重要だし、できなきゃいけないっていうのは、科学者の方はもちろん言ってらっしゃることだと思いますね。
いや、もう完全に先生のような発見。
肝に銘じて自分自身もそうやって。
いや、素晴らしいなっていうか、完全にもう先生ですね。
あれ何でしたっけ?特任のあれになってるんですよね。
そうです。今いる大学の自然科学研究科っていう理系の大学院の特任助手っていう肩書があって、
36:08
学生でもあるのと教員でもあるっていう中途半端な属性で今過ごしてます。
いや、めちゃくちゃすごいなって思いましたね。聞いて。
ご縁があったっていうくらいですかね、たまたま。
ここまでお聞きいただきありがとうございました。
サイエンマニアはあらゆる分野のゲストをお呼びし、世界を探求していくポッドキャストです。
番組やSNSのフォロー、感想などいただけると嬉しいです。
では次回もまたよろしくお願いします。
36:51

コメント

スクロール